10 / 43
アンジェラ編
マリアンヌの後悔
しおりを挟む
ドルン侯爵邸の一室で待っていると、エミールが水差しの水を飲んだ。しばらくするとエミールがうめき始めた。もう少しすると意識が混濁するはずだ。そこへ裸でアンジェラと同じ香水をつけていけば、アンジェラと思って抱くはずだ。母も同じことをして、陛下と関係を持ったそうだ。親娘二代でそういうことをしないと抱いてもらえない。仕込まれた性技で経験が浅そうなエミールなど虜にしてやる。
虜にするつもりだったのに、エミールはアンジェと叫んで強く抱きしめ、あっという間にこちらが翻弄されむさぼられた。幸せだった。強く愛されてるとこんな抱き方なのか。性技を仕込んだ男達のいやらしさと大違いだ。
朝エミールの腕の中で目覚めて幸せだった。なのにアンジェと呼ばれた。一気に崖から突き落とされた。が、この男は欲しい。絶対振り向かせて見せる。
エミールとの婚約披露パーティーにプロイ公爵令嬢のアンジェラに招待状を送りつけてやった。来てはくれないだろうけど、王太子にも送っておいた。
パーティーでアンジェラに思い切り嫌味を言ってやったが、完璧な令嬢スマイルで流されてしまった。悔しい。エミールを取られたんだよ。悔し涙の一つも出せないの?だから貴族は嫌い。感情はどこ行ったのよ。
思いかけず王太子が来てくれた。ずっと目で追う。私とエミールに祝いの言葉を掛けただけで、アンジェラの手を取った。なぜなんだ。2曲も踊って、二人で楽しげに話をしている。なぜあの女が私が欲しいもの全てを手に入れているんだ。あの女が憎い。
それからしばらくして、アンジェラが王宮の行儀見習いに上がったとドルン侯爵から聞いた。それはどう言う事と問い詰めると、王太子の婚約者候補に上がったから、教育されると言う事だそうだ。
あの女は私が欲しいものを確実に手に入れる。あの女を殺したい。あいつがいるとあたしは幸せになれない。
エミールにも教えてやった。絶望しているようだった。いい気味だった。
だけど、抱いてくれたら婚約破棄してあげるかもとチラつかせていたら、義務的だけれど抱いてくれたのに、それから一切抱いてくれない。
エミールの優しい情熱的な抱き方が恋しい。どうやったらまたあんな風に抱いてくれるのだろう。
最近侯爵も侯爵の令息とその仲間も何か差し迫ってきたようで、私を全く構ってくれなくなった。男も調達してくれない。エミールも王太子も駄目ならもう何もない。
王宮の国王と王妃の私室のある出入り口の植え込みで朝から晩までアンジェラを待つ日が始まった。もう一週間はここにいる。
いた!あの女だ!夢中で襲い掛かった。飛び込んで来た近衛騎士の誰かに斬りかかられ、容赦なく斬り下げられた。
痛い。痛い。痛い。あたしの血がこんなに出てるのに、なぜみんなアンジェラの方に行ってしまうの。
******
冷たい地下牢に座ってる。斬られた傷にはお座なりに包帯が巻かれている。
痛みで身体が痺れてうまく動かない。
父さん 本当だね。王都に出てきても何にもいい事なかったよ。あの町の宿屋で看板娘していたかったな。父さん母さんと笑い合っていたかったよ。
父さん、母さん、あたし明日の朝処刑なんだって。王族を騙った罪と王太子の婚約者への殺人未遂だって。あの女婚約者になったんだ。私がエミール取らなきゃ、あの女が王太子と婚約することもなかったかな。
あたしのすることみんな裏目裏目に出る。
あたしの欲しいものはみんなあの女が持っていく。あたしには何も残らない。
虜にするつもりだったのに、エミールはアンジェと叫んで強く抱きしめ、あっという間にこちらが翻弄されむさぼられた。幸せだった。強く愛されてるとこんな抱き方なのか。性技を仕込んだ男達のいやらしさと大違いだ。
朝エミールの腕の中で目覚めて幸せだった。なのにアンジェと呼ばれた。一気に崖から突き落とされた。が、この男は欲しい。絶対振り向かせて見せる。
エミールとの婚約披露パーティーにプロイ公爵令嬢のアンジェラに招待状を送りつけてやった。来てはくれないだろうけど、王太子にも送っておいた。
パーティーでアンジェラに思い切り嫌味を言ってやったが、完璧な令嬢スマイルで流されてしまった。悔しい。エミールを取られたんだよ。悔し涙の一つも出せないの?だから貴族は嫌い。感情はどこ行ったのよ。
思いかけず王太子が来てくれた。ずっと目で追う。私とエミールに祝いの言葉を掛けただけで、アンジェラの手を取った。なぜなんだ。2曲も踊って、二人で楽しげに話をしている。なぜあの女が私が欲しいもの全てを手に入れているんだ。あの女が憎い。
それからしばらくして、アンジェラが王宮の行儀見習いに上がったとドルン侯爵から聞いた。それはどう言う事と問い詰めると、王太子の婚約者候補に上がったから、教育されると言う事だそうだ。
あの女は私が欲しいものを確実に手に入れる。あの女を殺したい。あいつがいるとあたしは幸せになれない。
エミールにも教えてやった。絶望しているようだった。いい気味だった。
だけど、抱いてくれたら婚約破棄してあげるかもとチラつかせていたら、義務的だけれど抱いてくれたのに、それから一切抱いてくれない。
エミールの優しい情熱的な抱き方が恋しい。どうやったらまたあんな風に抱いてくれるのだろう。
最近侯爵も侯爵の令息とその仲間も何か差し迫ってきたようで、私を全く構ってくれなくなった。男も調達してくれない。エミールも王太子も駄目ならもう何もない。
王宮の国王と王妃の私室のある出入り口の植え込みで朝から晩までアンジェラを待つ日が始まった。もう一週間はここにいる。
いた!あの女だ!夢中で襲い掛かった。飛び込んで来た近衛騎士の誰かに斬りかかられ、容赦なく斬り下げられた。
痛い。痛い。痛い。あたしの血がこんなに出てるのに、なぜみんなアンジェラの方に行ってしまうの。
******
冷たい地下牢に座ってる。斬られた傷にはお座なりに包帯が巻かれている。
痛みで身体が痺れてうまく動かない。
父さん 本当だね。王都に出てきても何にもいい事なかったよ。あの町の宿屋で看板娘していたかったな。父さん母さんと笑い合っていたかったよ。
父さん、母さん、あたし明日の朝処刑なんだって。王族を騙った罪と王太子の婚約者への殺人未遂だって。あの女婚約者になったんだ。私がエミール取らなきゃ、あの女が王太子と婚約することもなかったかな。
あたしのすることみんな裏目裏目に出る。
あたしの欲しいものはみんなあの女が持っていく。あたしには何も残らない。
218
あなたにおすすめの小説
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
東雲の空を行け ~皇妃候補から外れた公爵令嬢の再生~
くる ひなた
恋愛
「あなたは皇妃となり、国母となるのよ」
幼い頃からそう母に言い聞かされて育ったロートリアス公爵家の令嬢ソフィリアは、自分こそが同い年の皇帝ルドヴィークの妻になるのだと信じて疑わなかった。父は長く皇帝家に仕える忠臣中の忠臣。皇帝の母の覚えもめでたく、彼女は名実ともに皇妃最有力候補だったのだ。
ところがその驕りによって、とある少女に対して暴挙に及んだことを理由に、ソフィリアは皇妃候補から外れることになる。
それから八年。母が敷いた軌道から外れて人生を見つめ直したソフィリアは、豪奢なドレスから質素な文官の制服に着替え、皇妃ではなく補佐官として皇帝ルドヴィークの側にいた。
上司と部下として、友人として、さらには密かな思いを互いに抱き始めた頃、隣国から退っ引きならない事情を抱えた公爵令嬢がやってくる。
「ルドヴィーク様、私と結婚してくださいませ」
彼女が執拗にルドヴィークに求婚し始めたことで、ソフィリアも彼との関係に変化を強いられることになっていく……
『蔦王』より八年後を舞台に、元悪役令嬢ソフィリアと、皇帝家の三男坊である皇帝ルドヴィークの恋の行方を描きます。
【完結】婚約破棄された令嬢の毒はいかがでしょうか
まさかの
恋愛
皇太子の未来の王妃だったカナリアは突如として、父親の罪によって婚約破棄をされてしまった。
己の命が助かる方法は、友好国の悪評のある第二王子と婚約すること。
カナリアはその提案をのんだが、最初の夜会で毒を盛られてしまった。
誰も味方がいない状況で心がすり減っていくが、婚約者のシリウスだけは他の者たちとは違った。
ある時、シリウスの悪評の原因に気付いたカナリアの手でシリウスは穏やかな性格を取り戻したのだった。
シリウスはカナリアへ愛を囁き、カナリアもまた少しずつ彼の愛を受け入れていく。
そんな時に、義姉のヒルダがカナリアへ多くの嫌がらせを行い、女の戦いが始まる。
嫁いできただけの女と甘く見ている者たちに分からせよう。
カナリア・ノートメアシュトラーセがどんな女かを──。
小説家になろう、エブリスタ、アルファポリス、カクヨムで投稿しています。
【完結】ロザリンダ嬢の憂鬱~手紙も来ない 婚約者 vs シスコン 熾烈な争い
buchi
恋愛
後ろ盾となる両親の死後、婚約者が冷たい……ロザリンダは婚約者の王太子殿下フィリップの変容に悩んでいた。手紙もプレゼントも来ない上、夜会に出れば、他の令嬢たちに取り囲まれている。弟からはもう、婚約など止めてはどうかと助言され……
視点が話ごとに変わります。タイトルに誰の視点なのか入っています(入ってない場合もある)。話ごとの文字数が違うのは、場面が変わるから(言い訳)
その結婚、承服致しかねます
チャイムン
恋愛
結婚が五か月後に迫ったアイラは、婚約者のグレイグ・ウォーラー伯爵令息から一方的に婚約解消を求められた。
理由はグレイグが「真実の愛をみつけた」から。
グレイグは彼の妹の侍女フィルとの結婚を望んでいた。
誰もがゲレイグとフィルの結婚に難色を示す。
アイラの未来は、フィルの気持ちは…
クリスティーヌの本当の幸せ
宝月 蓮
恋愛
ニサップ王国での王太子誕生祭にて、前代未聞の事件が起こった。王太子が婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。そして新たに男爵令嬢と婚約する目論見だ。しかし、そう上手くはいかなかった。
この事件はナルフェック王国でも話題になった。ナルフェック王国の男爵令嬢クリスティーヌはこの事件を知り、自分は絶対に身分不相応の相手との結婚を夢見たりしないと決心する。タルド家の為、領民の為に行動するクリスティーヌ。そんな彼女が、自分にとっての本当の幸せを見つける物語。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】嘘も恋も、甘くて苦い毒だった
綾取
恋愛
伯爵令嬢エリシアは、幼いころに出会った優しい王子様との再会を夢見て、名門学園へと入学する。
しかし待ち受けていたのは、冷たくなった彼──レオンハルトと、策略を巡らせる令嬢メリッサ。
周囲に広がる噂、揺れる友情、すれ違う想い。
エリシアは、信じていた人たちから少しずつ距離を置かれていく。
ただ一人、彼女を信じて寄り添ったのは、親友リリィ。
貴族の学園は、恋と野心が交錯する舞台。
甘い言葉の裏に、罠と裏切りが潜んでいた。
奪われたのは心か、未来か、それとも──名前のない毒。
あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる