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アンジェラ編
王太子エリックの企み ①
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私がアンジェを見初めたのは、アンジェのデビュタントの日だ。
長兄にエスコートされ、白いレースを重ねた白いドレスに白い羽根飾りをつけたアンジェは重なったレースが天使の羽根に見え、天使が降臨したと会場にいた男達は思っただろう。
私は王族の義務として、アンジェと踊った。普通の令嬢は王族とのダンスで緊張で固まるか、自信過剰の令嬢が色仕掛けで体をすり寄せてくるかどちらかが多い。
アンジェはどちらでもなく、飄々としていた。自信過剰というわけでなく、自分のすべきことをしっかりわかっていると言う印象だった。
ダンス中はあまりに話さないようにしているが、アンジェには話しかけてみた。令嬢が全く興味がないだろう我が国の農業政策についてだ。大事なことだが、令嬢達の頭の中には男のことかドレス、宝石のことでいっぱいのことが多いので興味はないだろう。
考える事は男に任せておくという令嬢教育の賜物かもしれないが、私は自分の伴侶に考えられないお人形はいらないのだ。
アンジェは私は世間知らずなので、偏った意見かもしれませんがと前置きをして、堂々と自分の意見を述べて、ダンスを終えて貴族令嬢として最高の礼をして下がって行った。
あれが欲しいと思った。
私は20歳になるが婚約者はいない。国王の父は政略結婚で幼い頃に婚約した。隣国の王女だった母が相手だ。私にも同じく幼い頃から婚約させようといろんな国からと国内高位貴族から申し出が絶えなかった。
父は母と媚薬事件で微妙に距離ができてしまったことを悔いていた。子供は王妃所生の私と妹の二人しかいないが側妃もおかなかった。
そのためか私と妹には好きに結婚していいと言っていた。地位が釣り合うことが条件だが。
国王からさすがにこの1~2年で決めて欲しいとは言われていた。
まずアンジェのことを調べさせてみた。筆頭公爵家のプロイ公爵の末娘。兄が二人いるが兄二人とも優秀で末の妹を溺愛している。本人は家族に溺愛されていても、わがままになることもなく、厳しく高位貴族令嬢らしく躾けられていた。
プロイ公爵を王宮に呼び、婚約を申し出た。公爵は大変驚いていたが、アンジェはいつも出入りしているヘルマン侯爵令息に恋してるという。初恋で恋に恋してるかもしれないがと言うので、アンジェが初恋に決別したらすぐ私との話を進めることになった。
まずアンジェと懇意になろうと母がデビュタントを済ませたばかりの令嬢だけで恒例のお茶会をしている時に私も参加してみた。母は珍しいと思ったようだが、口には出さなかった。
このお茶会で母が気に入った令嬢に絞って妹も交えてお茶会をする。私が頼んだのではないが、アンジェの名前もあった。
明るく話題の豊富なアンジェを母も妹も気に入っていた。
このまま自分の婚約者としてしまえばいいのではないかと母に言われたが、彼女の初恋がネックだった。
私は心もほしかった。父と母とのようなすれ違いの二の舞はごめんだった。この国を国王として支配するにあたり、一番身近な女性と距離があっては休まらない。
どのように攻略するべきか考えて、お茶会での交流は続けていた。話せば話すほど、この子は賢く面白かった。私が思いつかないようなことを言い、物事を違う面で見ていたりしてこの子となら一生退屈しないし、支えてくれるだろうと思った。
理知的かつ冷静な性格をしていて自分を見た目で判断されるのをよしとしていないアンジェをいつのまにか愛していた。
長兄にエスコートされ、白いレースを重ねた白いドレスに白い羽根飾りをつけたアンジェは重なったレースが天使の羽根に見え、天使が降臨したと会場にいた男達は思っただろう。
私は王族の義務として、アンジェと踊った。普通の令嬢は王族とのダンスで緊張で固まるか、自信過剰の令嬢が色仕掛けで体をすり寄せてくるかどちらかが多い。
アンジェはどちらでもなく、飄々としていた。自信過剰というわけでなく、自分のすべきことをしっかりわかっていると言う印象だった。
ダンス中はあまりに話さないようにしているが、アンジェには話しかけてみた。令嬢が全く興味がないだろう我が国の農業政策についてだ。大事なことだが、令嬢達の頭の中には男のことかドレス、宝石のことでいっぱいのことが多いので興味はないだろう。
考える事は男に任せておくという令嬢教育の賜物かもしれないが、私は自分の伴侶に考えられないお人形はいらないのだ。
アンジェは私は世間知らずなので、偏った意見かもしれませんがと前置きをして、堂々と自分の意見を述べて、ダンスを終えて貴族令嬢として最高の礼をして下がって行った。
あれが欲しいと思った。
私は20歳になるが婚約者はいない。国王の父は政略結婚で幼い頃に婚約した。隣国の王女だった母が相手だ。私にも同じく幼い頃から婚約させようといろんな国からと国内高位貴族から申し出が絶えなかった。
父は母と媚薬事件で微妙に距離ができてしまったことを悔いていた。子供は王妃所生の私と妹の二人しかいないが側妃もおかなかった。
そのためか私と妹には好きに結婚していいと言っていた。地位が釣り合うことが条件だが。
国王からさすがにこの1~2年で決めて欲しいとは言われていた。
まずアンジェのことを調べさせてみた。筆頭公爵家のプロイ公爵の末娘。兄が二人いるが兄二人とも優秀で末の妹を溺愛している。本人は家族に溺愛されていても、わがままになることもなく、厳しく高位貴族令嬢らしく躾けられていた。
プロイ公爵を王宮に呼び、婚約を申し出た。公爵は大変驚いていたが、アンジェはいつも出入りしているヘルマン侯爵令息に恋してるという。初恋で恋に恋してるかもしれないがと言うので、アンジェが初恋に決別したらすぐ私との話を進めることになった。
まずアンジェと懇意になろうと母がデビュタントを済ませたばかりの令嬢だけで恒例のお茶会をしている時に私も参加してみた。母は珍しいと思ったようだが、口には出さなかった。
このお茶会で母が気に入った令嬢に絞って妹も交えてお茶会をする。私が頼んだのではないが、アンジェの名前もあった。
明るく話題の豊富なアンジェを母も妹も気に入っていた。
このまま自分の婚約者としてしまえばいいのではないかと母に言われたが、彼女の初恋がネックだった。
私は心もほしかった。父と母とのようなすれ違いの二の舞はごめんだった。この国を国王として支配するにあたり、一番身近な女性と距離があっては休まらない。
どのように攻略するべきか考えて、お茶会での交流は続けていた。話せば話すほど、この子は賢く面白かった。私が思いつかないようなことを言い、物事を違う面で見ていたりしてこの子となら一生退屈しないし、支えてくれるだろうと思った。
理知的かつ冷静な性格をしていて自分を見た目で判断されるのをよしとしていないアンジェをいつのまにか愛していた。
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