好きだった人 〜二度目の恋は本物か〜

ぐう

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アンジェラ編

王太子エリックの企み ②

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 ヘルマン侯爵家の財政は歴代の浪費家の当主が続いたことで傾いている。エミールはなんとかしようとしていたが、ちょっとくらいでなんとかなる額ではなかった。
 このままでは爵位返上か領地を売却することになるだろう。
 立て直してからアンジェに愛をささやこうとエミールは思っていたらしいが、無理だろうな。
 私が付け入る隙があるのは喜ばしいことだ。エミールがアンジェに告白できないままでいる間に私が横取りしてもいいのだが、アンジェの中から完全にエミールを消したい。




 懸案の媚薬事件はマリアンヌと言う囮で進み始めた。黒幕達は王子だったら王位継承にねじ込もうと思っていたらしいが、王女だったので、高位貴族に嫁がせて媚薬漬けにして、国中に媚薬を蔓延させようとマリアンヌを煽っていた。マリアンヌの所業はある意味有名になっていたので、隙を見せる高位貴族の嫡子はいなかったけれども。

 黒幕も焦りだし、おかげで所業が荒くなり黒幕とその一派にたどり着けた。
 後はマリアンヌが目をつける生贄高位貴族令息を誰にするかだ。
 マリアンヌは自分でエミールを選んだと思っているだろうが、マリアンヌの嫌いな高位貴族令嬢の代表がアンジェだったため、影にさりげなく、アンジェとエミールの仲をマリアンヌに噂として耳打ちさせた。

 マリアンヌはエミールに狙いを定め、媚薬を用いた。黒幕はあっという間に金をちらつかせ、エミールとマリアンヌを婚約させた。
 マリアンヌはエミールに執着して、アンジェを婚約披露パーティーに招待し、面と向かって恥をかかせようと嫌がらせをした。そうなるとアンジェの性格から言っても一層エミールに失望するはずだ。

 エミールには気の毒だが、アンジェは嫌になると切り捨てる性格なのだ。エミールはアンジェの見かけばかり見て性格の本当のことをわかっていないようだった。その証拠にアンジェはエミールとマリアンヌに婚約披露パーティーで会っても、動揺してなかった。

 これで媚薬密輸を一網打尽にできる。生贄にしてしまったが婚姻を結ぶ前にエミールを救ってやらないといけない。
 その前にアンジェを行儀見習いとして王宮にあげる。私の告白もしないといけないが、マリアンヌは私に恋情を持っている。私を見つめる目には熱がある。その私がアンジェを選んだと知るとマリアンヌがアンジェに危害を加える危険がある。
 マリアンヌも私の容姿-上辺だけで、恋をしているつもりのようだ。容姿など皮の下は皆骨だ。内面も見かけ通りの人間などいないと思うが、令嬢達と一緒で私の地位と容姿が好きらしい。

 マリアンヌが逆恨みしてアンジェに何かするといけないので、アンジェを王宮に閉じ込めておいたが、隙を狙ってマリアンヌに狙われてしまった。知らせを聞いて蒼白になって飛び込んだが、護衛につけた近衛騎士がマリアンヌを斬った後だった。

 これでマリアンヌの罪は増え、表向きは処刑することにしたが、罪一等減ぜられ命だけは内々に助けるつもりだ。
 マリアンヌの親族の商会関係者と黒幕のドルン侯爵の一族郎党は絞首刑になった。
 マリアンヌの養父母の殺害も侯爵の手のものの仕業だった。
 囮にしたマリアンヌは地下牢に入れてあったが、処刑させたことにして、傷の治療をしなおして、船に乗せ離島にある修道院に入れた。厳しい戒律の修道院だが、扱いは悪くないはずだ。

 後はアンジェにエミールが媚薬を使われていたことを教えるだけだ。婚約は受けてもらったが、アンジェがエミールを選び直したらどうしようかと不安もあった。私も恋の前では普通の男だったようだ。


 
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