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しおりを挟む「……寝たのか」
「あ、隊長」
「そうみたいですね、」
「もうちっと時間あったのになぁ」
「(………みんなの、声。あれ、俺いつの間にか寝ちゃったのか)」
その日は朝からみんなが一緒に来てくれて気分が上がりすぎてしまった俺は、日が暮れる前に疲れてニィちゃんの膝の上で寝てしまったらしい。
起きなきゃ。みんなが来てくれる時間は、俺が独りじゃなくなる唯一の時間なのに。
また微睡みに戻ろうとする意識を起こそうとして、出来なくなった。
「隊長、本当にこいつを救う道はないんですか」
暫く沈黙のあとに、そう重くサンが口を開いたから。
「……最初から、こうなることは決まっていただろう」
「っそれでも、どうにかなるなら、俺はどんなことでもします…! だから、」
「無理だ」
「……隊長、」
「分かっているだろう。それはただの憐れみだ。結末を知らないこいつへの。そして、それを強いることになる俺たちの行為を正当化することにしかならない」
「……ですがっ!」
「黙れ、この話はもう終わりだ」
冷たい、声だった。
「………………あーあ、」
知らなかったのは俺だけだったんだ。
みんな、全部知ってて。それを知った上で、あんな優しい言葉をかけてくれて。
多分誰も悪くない。イッチも、ニィちゃんも、サンも。おいちゃんだって。
「…………………、そうか、」
首から下がるそれが、窓から差し込む微かな光で煌く。それを撫でながら、自虐的に笑った。
きっと、悪いのは、俺なんだよね。
俺という、存在がーーー
『グルル…ようやく見つけたぞ。シュラ』
それを、俺の世界に突然現れた化け物が証明してくれた。
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