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しおりを挟む「史彦! あっちで食べようぜ!」
「………はぁ、もう分かったから手を離してくれない?」
「何でだ!?」
「………」
「うっは! 話通じねぇ!」
深くため息をつく俺に、ケタケタと笑う馬鹿、首を傾げるクソ猿を、周りは好奇と嫌悪の視線で眺める。
この感覚に慣れてきてしまっている自分に嫌気が差す。本当に何故俺がこんな目に遭わないといけないんだ。
こうなったらもういっそ本性を晒して口汚く罵ってやりたい気分だ。……そんな品がないクソ猿みたいなこと、俺様はしないがな。
「何食べようかな!」
「オムライスとかどう? 横道(おうど)くん」
「それいいな!」
席について注文する間にも、このクソ猿の騒がしさは留まることを知らない。
注文を取りに来たウエイターにも憐れむような目で見られて、そろそろ心の広い俺様にも我慢の限界が来そうだ。
ギャイギャイ騒いで俺の平穏を邪魔しやがって。お前さえ来なければ、こんな面倒に巻き込まれずに済んだのに。
「なぁ! 史彦!」
「……………いい加減に、」
「ちょっといいかな」
堪忍袋の緒が切れそうになった瞬間、俺の言葉に被せるように声をかけられて一瞬硬直した。
しかしすぐに気を取り戻して振り向くと、思ってもみなかった人が人懐っこい笑みを浮かべて立っていて。
思い出したように周りから上がる悲鳴に、思わず顔を顰めながら、俺は驚いていた。
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