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第21話 魔王メディア
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飛び込んだ先には開けた大広間のような空間があった。
岩石の中にキラキラ輝く小さな石が多数埋め込まれており、満天の星に囲まれているかのような空間だった。
「あら、誰かと思ったらテティスじゃない!」
甲高い声が響いたかと思うと急に周囲が明るくなった。
テティスよりさらに濃い紫の巻き毛をした女性が奥から出てきた。
「久しぶりね、メディア」
テティスは彼女のことをメルたちのいる国と同じ名のメディアと呼んだ。
「この前来たばかりなのに、また何の用?」
「それは十年以上前の話でしょう。人間の基準で言うとかなり昔よ!」
十年以上前にテティスはここを訪れたってこと?
その時に美しさ比べでもしたのかしら?
ずいぶん打ち解けた間柄に見える。
メルは二人を観察して思った。
「で、今回の用事は?」
「ああ、実はメディア王家の第一王子にかかる呪いについてね……」
「また、その話! あのさ、いつまでその話を蒸し返すのよ!」
なんか怒ってますけど、あなたが呪いをかけたから今でも人間が苦しんでいるのでしょうが!
それを、話を蒸し返すとか不満げに言うなんて!
そうメルは言いたかったが相手は魔王。
自制する賢さを彼女は持っていた。
「聞きたいのは私じゃなくてこのお嬢さんよ。確かにあの時も聞いた記憶があるけど、夫のレナートの呪いはすでに解けていたし、私もいい加減に聞いていたから内容はうろ覚えでね。だから、私がいい加減なことを言っちゃうより、本人に直接聞いた方がいいってとこで連れてきちゃったの」
「ふうん、そちらのお嬢さん?」
「今現在、呪いがかかっている第一王子の奥さま」
「まあ、いいけど……。でもいずれは解けて普通になるんだし……」
メディアは話すのを渋るように言った。
「でも、聞きたいです!」
メルは勇気を振り絞って言う。
そんなメルの様子を観察しながら魔王メディアはしばらく考え込んでいた。
する遠くからさらに一人、今度は男の声が奥から響いた。
「お~い、客人ならそんなとこで話し込んでないで奥に入ったらどうだ?」
角の生えた体格のいい男が奥から出てきて、メディアに促した。
「お邪魔しています」
テティスが男の方にあいさつをした。
「おお、テティスか。ひさしぶりだなあ。こいつは驚いた、普通の人間まで連れてきたのか!」
「ええ、少しお話があって」
「まあ、とにかく中へ。よろしくお嬢さん。私は魔王メディア」
「えっ、メディアってそちらの女性の名前ではなかったのですか?」
「ああ、こいつもメディアだよ」
メルは混乱してきた。
「魔物なんて名前のないやつも多いからな。メディアって人間が勝手につけて定着して、それがこの国の名前にもなった。めんどくさいから夫の俺も同じ名を名乗っている」
「混乱しないのですか?」
「魔物同士では困ることはないなあ」
魔物ってかなり大雑把な神経を持っているのね、それとも名前に関してだけかしら?
メルにとっては理解の範疇を超えていた。
「妻のメディアの方が人間世界によくちょっかいをかけるから、魔法使いの間じゃメディアというと女性のイメージで語られるけどね」
テティスが楽しそうに語る。
そのあとメルとテティスは魔王夫妻に案内され、さらに内部へと足を踏み込むのだった。
岩石の中にキラキラ輝く小さな石が多数埋め込まれており、満天の星に囲まれているかのような空間だった。
「あら、誰かと思ったらテティスじゃない!」
甲高い声が響いたかと思うと急に周囲が明るくなった。
テティスよりさらに濃い紫の巻き毛をした女性が奥から出てきた。
「久しぶりね、メディア」
テティスは彼女のことをメルたちのいる国と同じ名のメディアと呼んだ。
「この前来たばかりなのに、また何の用?」
「それは十年以上前の話でしょう。人間の基準で言うとかなり昔よ!」
十年以上前にテティスはここを訪れたってこと?
その時に美しさ比べでもしたのかしら?
ずいぶん打ち解けた間柄に見える。
メルは二人を観察して思った。
「で、今回の用事は?」
「ああ、実はメディア王家の第一王子にかかる呪いについてね……」
「また、その話! あのさ、いつまでその話を蒸し返すのよ!」
なんか怒ってますけど、あなたが呪いをかけたから今でも人間が苦しんでいるのでしょうが!
それを、話を蒸し返すとか不満げに言うなんて!
そうメルは言いたかったが相手は魔王。
自制する賢さを彼女は持っていた。
「聞きたいのは私じゃなくてこのお嬢さんよ。確かにあの時も聞いた記憶があるけど、夫のレナートの呪いはすでに解けていたし、私もいい加減に聞いていたから内容はうろ覚えでね。だから、私がいい加減なことを言っちゃうより、本人に直接聞いた方がいいってとこで連れてきちゃったの」
「ふうん、そちらのお嬢さん?」
「今現在、呪いがかかっている第一王子の奥さま」
「まあ、いいけど……。でもいずれは解けて普通になるんだし……」
メディアは話すのを渋るように言った。
「でも、聞きたいです!」
メルは勇気を振り絞って言う。
そんなメルの様子を観察しながら魔王メディアはしばらく考え込んでいた。
する遠くからさらに一人、今度は男の声が奥から響いた。
「お~い、客人ならそんなとこで話し込んでないで奥に入ったらどうだ?」
角の生えた体格のいい男が奥から出てきて、メディアに促した。
「お邪魔しています」
テティスが男の方にあいさつをした。
「おお、テティスか。ひさしぶりだなあ。こいつは驚いた、普通の人間まで連れてきたのか!」
「ええ、少しお話があって」
「まあ、とにかく中へ。よろしくお嬢さん。私は魔王メディア」
「えっ、メディアってそちらの女性の名前ではなかったのですか?」
「ああ、こいつもメディアだよ」
メルは混乱してきた。
「魔物なんて名前のないやつも多いからな。メディアって人間が勝手につけて定着して、それがこの国の名前にもなった。めんどくさいから夫の俺も同じ名を名乗っている」
「混乱しないのですか?」
「魔物同士では困ることはないなあ」
魔物ってかなり大雑把な神経を持っているのね、それとも名前に関してだけかしら?
メルにとっては理解の範疇を超えていた。
「妻のメディアの方が人間世界によくちょっかいをかけるから、魔法使いの間じゃメディアというと女性のイメージで語られるけどね」
テティスが楽しそうに語る。
そのあとメルとテティスは魔王夫妻に案内され、さらに内部へと足を踏み込むのだった。
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