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第22話 そもそも呪いのきっかけは?
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「サリー産のお茶でいいか?」
夫魔王のメディアが言う。
「はい、好きです!」
メルは大きな声で返事した。
魔王でもお茶を飲むんだ!
それとも、人間に気を使って……?
貴族社会で使われるのと同じティーセットをもって夫魔王が入ってきた。
「ねっ、気さくな連中でしょ」
微笑みながらテティスはティーカップを手に取る。
メルの方はためらっていた。
「なんだ、魔物が人間と同じことやっちゃおかしいか? 人間の面白そうなものは色々取り入れるぞ」
出されたお茶を飲むことに躊躇していたメルに夫魔王が声をかけた。
「まあ、こいつはちょっと人間に関与しすぎなんだがな。そもそも例の呪いだって、こいつが人間をペットとして飼いたいって考えだしたのが原因だった」
夫魔王が妻魔王のことをそう言った。
「ペット!」
メルは目を丸くした。
「なっ、驚くだろ。人間には魔力がないけど知性はあるから無理だ、やめとけって言ったんだよ、おれは! ちょうどその時、王家からある頼みごとをされてな、それと引き換えに生まれた赤子をもらう約束をした」
「えっと、それはメディア王家に伝わる呪いの話ですか?」
耳を傾けながらメルは改めて質問をする。
「そうさ、それがききたいんだろ」
当然、と、言った顔で夫魔王が答える。
「言っておくけど、虐げたりなんかしないわ! ちゃんと育てるし、可愛がるし、年頃になったら相手を見繕ってつがいにさせてあげるつもりだったのよ!」
妻魔王メディアが猛然と反論した。
「「つがいって……」」
人間であるメルとテティスがあきれるように言った。
「あのね、人間には意志ってもんが……」
テティスが諭すように妻メディアに言う。
「あら、人間だって『政略』とかいって、他人が勝手に決めるじゃん」
「まあ、そりゃ、王侯貴族とかはね……」
「その点、私は見繕うって言ったって、好みはちゃんと聞いたうえで意思は尊重するつもりだったのよ」
もらったら大事にすることを強く強調しているが、どうにもペット扱いというのには人間としては抵抗がある。
「それなのにさ、あいつら、私をペテンにかけやがって! それで私もついカッとしちゃってね。今思えば赤子の方ではなく、だました親の方になんかの呪いをかけたほうがよかったわ!」
だまされた時のことを思い出し、妻メディアは怒りで声を荒げた。
その様子に夫魔王とテティスはため息をついたが、メルは思い切ってたずねてみた。
「あの、つまりメディア様は赤子に呪いをかけたのは間違っていたと思ってらっしゃるのでしょうか? ならばさらに子孫に対して呪いがかかっていることもおかしいとは思いませぬか?」
「まあね……」
ためらいながら妻魔王が答える。
「ならば、もう呪いを解いてくださっても?」
希望を込めてメルは尋ねた。
「ああ、それは無理」
その要望に関しては妻魔王メディアはあっさり断るのであった。
夫魔王のメディアが言う。
「はい、好きです!」
メルは大きな声で返事した。
魔王でもお茶を飲むんだ!
それとも、人間に気を使って……?
貴族社会で使われるのと同じティーセットをもって夫魔王が入ってきた。
「ねっ、気さくな連中でしょ」
微笑みながらテティスはティーカップを手に取る。
メルの方はためらっていた。
「なんだ、魔物が人間と同じことやっちゃおかしいか? 人間の面白そうなものは色々取り入れるぞ」
出されたお茶を飲むことに躊躇していたメルに夫魔王が声をかけた。
「まあ、こいつはちょっと人間に関与しすぎなんだがな。そもそも例の呪いだって、こいつが人間をペットとして飼いたいって考えだしたのが原因だった」
夫魔王が妻魔王のことをそう言った。
「ペット!」
メルは目を丸くした。
「なっ、驚くだろ。人間には魔力がないけど知性はあるから無理だ、やめとけって言ったんだよ、おれは! ちょうどその時、王家からある頼みごとをされてな、それと引き換えに生まれた赤子をもらう約束をした」
「えっと、それはメディア王家に伝わる呪いの話ですか?」
耳を傾けながらメルは改めて質問をする。
「そうさ、それがききたいんだろ」
当然、と、言った顔で夫魔王が答える。
「言っておくけど、虐げたりなんかしないわ! ちゃんと育てるし、可愛がるし、年頃になったら相手を見繕ってつがいにさせてあげるつもりだったのよ!」
妻魔王メディアが猛然と反論した。
「「つがいって……」」
人間であるメルとテティスがあきれるように言った。
「あのね、人間には意志ってもんが……」
テティスが諭すように妻メディアに言う。
「あら、人間だって『政略』とかいって、他人が勝手に決めるじゃん」
「まあ、そりゃ、王侯貴族とかはね……」
「その点、私は見繕うって言ったって、好みはちゃんと聞いたうえで意思は尊重するつもりだったのよ」
もらったら大事にすることを強く強調しているが、どうにもペット扱いというのには人間としては抵抗がある。
「それなのにさ、あいつら、私をペテンにかけやがって! それで私もついカッとしちゃってね。今思えば赤子の方ではなく、だました親の方になんかの呪いをかけたほうがよかったわ!」
だまされた時のことを思い出し、妻メディアは怒りで声を荒げた。
その様子に夫魔王とテティスはため息をついたが、メルは思い切ってたずねてみた。
「あの、つまりメディア様は赤子に呪いをかけたのは間違っていたと思ってらっしゃるのでしょうか? ならばさらに子孫に対して呪いがかかっていることもおかしいとは思いませぬか?」
「まあね……」
ためらいながら妻魔王が答える。
「ならば、もう呪いを解いてくださっても?」
希望を込めてメルは尋ねた。
「ああ、それは無理」
その要望に関しては妻魔王メディアはあっさり断るのであった。
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