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第21話 タイフーン先生、やめてくれ
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騒がしくなったクラス。
ベストウォーリアートーナメントでは、その前夜祭でアクロバットダンス大会が開かれる。
その指導をしているのが、このタイフーン先生だ。
学園でどのペアが美しく、華麗に踊ることができるか。
それを競い合う。
そこで優秀な成績を収めることで、本戦であるトーナメントにいい勢いで臨めるわけだ。
「楽しみだね、ジャックくん!」
隣のリリーが笑顔で言ってきた。
結局リリーはイケた男子生徒と一緒にダンスに参加することになるだろう。
可愛いし、美人だし、優しいし、男子生徒からは大人気だからな。
ちなみに、このアクロバットダンスのパートナーは、必ずしも同じクラスじゃないといけないわけじゃない。
だが、最初は必ず教室で話し合いが行われ、クラス全体で1組のペアを決める。
つまり、その1組がクラス代表というわけだ。
クラス代表は全学園生徒の前で、ステージで踊ることになっていた。
そしてもちろん、その代表生徒が他のクラスの代表と競い合い、成績がよければ本戦でのアドバンテージ──そういうわけだ。
「さあ、早速クラスの代表2名──1ペアを決めていこう! アクロバットの成績がよく、そして優雅な1ペア。その代表がもし学年上位3ペアのうちひとつに輝けば、クラス全体の評価も上がる」
どよめきが起こった。
「毎年、この話し合いで喧嘩が勃発するわけだけど、このエリートクラスなら、平和な話し合いになることを期待してるよ」
***
「オレが代表だって言ってんだよ! あ!?」
話し合い開始5分。
ブレイズの怒鳴り声が響いていた。
このクラスには肝心なまとめ役がいない。そもそも、それぞれの我が強すぎてまとめようにもまとまらないのが現状だった。
「オーマイガー、アクロバットダンスってのはおれの得意分野だぞ! 炎ボーイはせいぜいパートナーをこんがり日焼けさせることしかできないんじゃね」
「あんだとこの野郎! おめぇがアクロバットダンス得意なんて聞いたことねぇーぞ!」
「ちょいちょい、おれが言おうとしても怒鳴るだけで聞いてないじゃん、いつも」
「喧嘩売ってんのか!」
厄介なのは特にブレイズとゲイルのふたり。
しかも今回はお互いに代表への思いが強いらしく、いつも以上の主張っぷりだ。
ブレイズは最初全然乗り気じゃなかったくせに。
「ブレイズくん、ゲイルくん。冷静になろう、ひとまず。誰かがまとめてくれることを期待したけど、こりゃあ無理そうだな」
タイフーン先生が声を張り上げた。
この展開にがっかりしている感じでもない。予想はしてたらしかった。
「ボクは何事にも意欲が大切だと思ってる。才能があっても、どれだけ強くても、意欲がなくてはそれ以上強くはなれない。推薦や、アクロバットの成績で代表を決めることもできるけど、とりあえずまずは──代表になりたい者に立候補してもらう」
ブレイズの燃える右手が挙がった。
それに続き、ゲイルのピンと張った手も。
成績、本戦での戦い方にも影響するとあって、全員の手が挙がる。
フロストも小さくだが挙げていた。
俺の手は眠気のせいでふらふらだ。
「そうくると思った。止まっていた風が吹き始めたな」
タイフーン先生は満足そう。
「次は第2段階。この中からペアを3組作ろう。そして最終的に明後日のアクロバットの授業で代表を決める。いわばオーディションってやつさ」
「ででで、そのオーディション参加権はどうしたら手に入るって?」
ゲイルのテンションが上がっている。
自信がありげだ。
それもそう。
ゲイルはアクロバットが得意で、それに加えてダンスクラブに入っている。これはゲイルのためにあるといっても過言じゃない。彼の力を最大限に発揮できるチャンス。
俺も確かに代表になりたいと思っている。
だが、親友であり実力者のゲイルの方が、この代表はふさわしい。
「いい質問だ、ゲイルくん。ボクとしてはここから争うことなく絞りたい。よって──ほんとに申し訳ないけど、前回のアクロバットのテスト成績上位3名は代表確定だ」
──。
つまり、それは1位だった俺。
2位のゲイル。そして3位のエレガント……よかった。
これで俺とゲイルは代表入り確定だ。
他の12名は不満そうにしている人もいたが、反論する人はいなかった。
ブレイズも黙っている。
確かにこの決め方は合理的だ。みんなのやる気があるのなら、もう成績で決めていくしかない。
「先生、残りの3名はどのようにして決めるのでしょうか?」
エレガントが聞いた。
代表に選ばれたことに浮かれている様子はない。ゲイルは喜びの舞をしているというのに。
「優雅な質問だ、ヴィーナス嬢。それはもちろん、ジャックくん、ゲイルくん、ヴィーナス嬢が決めるのさ。さあ、好きな人を選ぼうか」
ベストウォーリアートーナメントでは、その前夜祭でアクロバットダンス大会が開かれる。
その指導をしているのが、このタイフーン先生だ。
学園でどのペアが美しく、華麗に踊ることができるか。
それを競い合う。
そこで優秀な成績を収めることで、本戦であるトーナメントにいい勢いで臨めるわけだ。
「楽しみだね、ジャックくん!」
隣のリリーが笑顔で言ってきた。
結局リリーはイケた男子生徒と一緒にダンスに参加することになるだろう。
可愛いし、美人だし、優しいし、男子生徒からは大人気だからな。
ちなみに、このアクロバットダンスのパートナーは、必ずしも同じクラスじゃないといけないわけじゃない。
だが、最初は必ず教室で話し合いが行われ、クラス全体で1組のペアを決める。
つまり、その1組がクラス代表というわけだ。
クラス代表は全学園生徒の前で、ステージで踊ることになっていた。
そしてもちろん、その代表生徒が他のクラスの代表と競い合い、成績がよければ本戦でのアドバンテージ──そういうわけだ。
「さあ、早速クラスの代表2名──1ペアを決めていこう! アクロバットの成績がよく、そして優雅な1ペア。その代表がもし学年上位3ペアのうちひとつに輝けば、クラス全体の評価も上がる」
どよめきが起こった。
「毎年、この話し合いで喧嘩が勃発するわけだけど、このエリートクラスなら、平和な話し合いになることを期待してるよ」
***
「オレが代表だって言ってんだよ! あ!?」
話し合い開始5分。
ブレイズの怒鳴り声が響いていた。
このクラスには肝心なまとめ役がいない。そもそも、それぞれの我が強すぎてまとめようにもまとまらないのが現状だった。
「オーマイガー、アクロバットダンスってのはおれの得意分野だぞ! 炎ボーイはせいぜいパートナーをこんがり日焼けさせることしかできないんじゃね」
「あんだとこの野郎! おめぇがアクロバットダンス得意なんて聞いたことねぇーぞ!」
「ちょいちょい、おれが言おうとしても怒鳴るだけで聞いてないじゃん、いつも」
「喧嘩売ってんのか!」
厄介なのは特にブレイズとゲイルのふたり。
しかも今回はお互いに代表への思いが強いらしく、いつも以上の主張っぷりだ。
ブレイズは最初全然乗り気じゃなかったくせに。
「ブレイズくん、ゲイルくん。冷静になろう、ひとまず。誰かがまとめてくれることを期待したけど、こりゃあ無理そうだな」
タイフーン先生が声を張り上げた。
この展開にがっかりしている感じでもない。予想はしてたらしかった。
「ボクは何事にも意欲が大切だと思ってる。才能があっても、どれだけ強くても、意欲がなくてはそれ以上強くはなれない。推薦や、アクロバットの成績で代表を決めることもできるけど、とりあえずまずは──代表になりたい者に立候補してもらう」
ブレイズの燃える右手が挙がった。
それに続き、ゲイルのピンと張った手も。
成績、本戦での戦い方にも影響するとあって、全員の手が挙がる。
フロストも小さくだが挙げていた。
俺の手は眠気のせいでふらふらだ。
「そうくると思った。止まっていた風が吹き始めたな」
タイフーン先生は満足そう。
「次は第2段階。この中からペアを3組作ろう。そして最終的に明後日のアクロバットの授業で代表を決める。いわばオーディションってやつさ」
「ででで、そのオーディション参加権はどうしたら手に入るって?」
ゲイルのテンションが上がっている。
自信がありげだ。
それもそう。
ゲイルはアクロバットが得意で、それに加えてダンスクラブに入っている。これはゲイルのためにあるといっても過言じゃない。彼の力を最大限に発揮できるチャンス。
俺も確かに代表になりたいと思っている。
だが、親友であり実力者のゲイルの方が、この代表はふさわしい。
「いい質問だ、ゲイルくん。ボクとしてはここから争うことなく絞りたい。よって──ほんとに申し訳ないけど、前回のアクロバットのテスト成績上位3名は代表確定だ」
──。
つまり、それは1位だった俺。
2位のゲイル。そして3位のエレガント……よかった。
これで俺とゲイルは代表入り確定だ。
他の12名は不満そうにしている人もいたが、反論する人はいなかった。
ブレイズも黙っている。
確かにこの決め方は合理的だ。みんなのやる気があるのなら、もう成績で決めていくしかない。
「先生、残りの3名はどのようにして決めるのでしょうか?」
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