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第08話「呪いの真実と、命がけの献身」
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宮廷からの使者を追い返したことで、二人の絆はより一層強固なものになった。しかし、同時にギルベルトの呪いの浄化は最終段階を迎えようとしており、新たな試練が二人を待ち受けていた。
浄化が進むにつれて、鎧に秘められた呪いの詳細が、ギルベルトの記憶の奥底から蘇ってきた。
この呪いは、彼の家に代々受け継がれてきたものだった。太古の昔、彼の祖先が国を守るための強大な力を得る代償として、悪神と契約を交わした。その力は持ち主に無類の戦闘能力を与えるが、同時に魂と生命力を少しずつ喰らい、心を蝕んでいくという、諸刃の剣だった。
浄化とは、その悪神との契約を断ち切る行為に他ならない。全てが消え去ろうとする今、呪いは最後の抵抗を見せ始めていた。
「ぐっ……うああぁぁっ!」
その日の浄化中、ギルベルトはこれまでにない激痛に襲われ、膝から崩れ落ちた。鎧の紋様が禍々しい赤黒い光を放ち、浄化の光を押し返そうと激しく抵抗する。全身の骨がきしむような痛みと、魂を直接握り潰されるような苦しみに、ギルベルトは呻き声を上げた。
「ギルベルト様!」
ルカは慌てて彼に駆け寄る。ギルベルトの体からは再び濃い瘴気が噴き出し、触れることすら躊躇われるほどの凄まじいエネルギーの奔流が渦巻いていた。
このままでは、ギルベルト様の魂が呪いに喰われてしまう。
その恐怖が、ルカの心を支配した。もはや、自分の身を案じている余裕などない。
(助けたい。この人を、失いたくない……!)
それはもはや、神官としての使命感や、依頼された治療行為ではなかった。ただ、愛する人を救いたい。その一心だけが、彼を突き動かしていた。
ルカは、激しく抵抗する呪いの奔流に臆することなく、苦しむギルベルトを背後から力いっぱい抱きしめた。
「うわっ……!」
自分の体からも、ごっそりと生命力が吸い取られていくのが分かる。めまいがして、意識が遠のきそうだ。それでも、ルカは決して腕の力を緩めなかった。
「僕の命も、魂も、全部あなたにあげます。だから……だから、死なないで、ギルベルト……っ!」
それは、祈りであり、叫びだった。
ルカは、自分の魂ごと【聖癒】の力を注ぎ込むように、全ての魔力を解放した。
彼の体から放たれた金色の光は、もはや陽だまりのような穏やかなものではない。全てを浄化し、悪しきものを焼き尽くす、太陽そのもののような眩い閃光。
ルカの命を賭した献身的な光が、ギルベルトの呪われた魂を、優しく、そして力強く包み込んでいった。
禍々しい赤黒い光と、神々しい金色の光が激しくぶつかり合い、部屋中に凄まじい衝撃が走る。
やがて、二つの光が一つに溶け合ったかと思うと、世界から、ふつりと音が消えた。
浄化が進むにつれて、鎧に秘められた呪いの詳細が、ギルベルトの記憶の奥底から蘇ってきた。
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「ぐっ……うああぁぁっ!」
その日の浄化中、ギルベルトはこれまでにない激痛に襲われ、膝から崩れ落ちた。鎧の紋様が禍々しい赤黒い光を放ち、浄化の光を押し返そうと激しく抵抗する。全身の骨がきしむような痛みと、魂を直接握り潰されるような苦しみに、ギルベルトは呻き声を上げた。
「ギルベルト様!」
ルカは慌てて彼に駆け寄る。ギルベルトの体からは再び濃い瘴気が噴き出し、触れることすら躊躇われるほどの凄まじいエネルギーの奔流が渦巻いていた。
このままでは、ギルベルト様の魂が呪いに喰われてしまう。
その恐怖が、ルカの心を支配した。もはや、自分の身を案じている余裕などない。
(助けたい。この人を、失いたくない……!)
それはもはや、神官としての使命感や、依頼された治療行為ではなかった。ただ、愛する人を救いたい。その一心だけが、彼を突き動かしていた。
ルカは、激しく抵抗する呪いの奔流に臆することなく、苦しむギルベルトを背後から力いっぱい抱きしめた。
「うわっ……!」
自分の体からも、ごっそりと生命力が吸い取られていくのが分かる。めまいがして、意識が遠のきそうだ。それでも、ルカは決して腕の力を緩めなかった。
「僕の命も、魂も、全部あなたにあげます。だから……だから、死なないで、ギルベルト……っ!」
それは、祈りであり、叫びだった。
ルカは、自分の魂ごと【聖癒】の力を注ぎ込むように、全ての魔力を解放した。
彼の体から放たれた金色の光は、もはや陽だまりのような穏やかなものではない。全てを浄化し、悪しきものを焼き尽くす、太陽そのもののような眩い閃光。
ルカの命を賭した献身的な光が、ギルベルトの呪われた魂を、優しく、そして力強く包み込んでいった。
禍々しい赤黒い光と、神々しい金色の光が激しくぶつかり合い、部屋中に凄まじい衝撃が走る。
やがて、二つの光が一つに溶け合ったかと思うと、世界から、ふつりと音が消えた。
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