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第8話「闇の中の一筋の光」
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地下牢での生活は、想像以上に過酷なものだった。
冷たい石の床、粗末な食事、そして、希望の見えない時間。
俺は来る日も来る日も、小さな窓から見える空の欠片を、ただぼんやりと眺めて過ごしていた。
カイはどうしているだろうか。
俺が嘘の自白をしたことで、彼は助かったのだろうか。
それとも、まだ俺のために無茶をしているのだろうか。
彼のことを考えると、胸が締め付けられるように痛む。
自白から数日が経ったある夜、牢の前に、見知った人影が現れた。
「……リヒト君」
その声は、カイの副団長である、アランさんのものだった。
彼はβで、いつも穏やかにカイを支えている、実直な人物だ。
「アランさん……どうしてここに?」
「団長からの言伝だ。君に、これを」
アランさんはそう言うと、鉄格子の隙間から、小さな包みを差し出した。
中には、まだ温かいパンと、ハーブの香りがするスープが入っていた。
俺がよく、騎士団の食堂で作っていたものだった。
「団長は、君の無実を信じている。今も君を救うため、たった一人で真犯人を探し回っているんだ」
「……!」
カイが、俺を見捨てていなかった。
その事実に、涙が溢れそうになる。
「だが、状況は芳しくない。宰相閣下たちは、この機に団長を追い落とそうと必死だ。君の裁判は、三日後に行われることが決まった。このままでは、君は……」
アランさんの言葉に、俺は唇を噛んだ。
裁判にかけられれば、俺に有罪判決が下るのは目に見えている。
そうなれば、俺は国外追放、あるいは、もっと重い罰を受けることになるだろう。
「何か、何か手がかりはないのか?君を陥れた犯人につながるような、些細なことでもいい」
アランさんの真剣な問いに、俺は必死に記憶をたどった。
エリアス王子との会話、彼の側近の顔、廊下で聞いた密談……。
だが、どれも決定的な証拠にはならない。
その時、ふと、あることを思い出した。
「……そういえば、宴の夜、エリアス王子とすれ違った時、彼の服から、珍しい香りがしたんです。甘い花のようだけど、少しだけ薬草のような……嗅いだことのない香りでした」
「珍しい香り……?」
「はい。もしかしたら、シルヴァーナにしかない花とか……」
そこまで言って、俺ははっとした。
前世の知識が、頭の片隅で警鐘を鳴らす。
『悪役令息リヒトは、ヒロインに毒を盛ろうとした罪で断罪される』
ゲームのシナリオだ。
その毒に使われるのが、シルヴァーナにしか自生しない、「月影草(つきかげそう)」という名の、甘い香りを放つ毒草だったはずだ。
「アランさん、その香りは、もしかしたら『月影草』かもしれません。シルヴァーナにしか咲かない、毒のある花です」
「月影草だと!?まさか……」
アランさんの顔色が変わる。
「もし、エリアス王子が月影草を身につけていたとしたら……それは、ただの香り袋などではないはず。何かの目的があって、この国に持ち込んだに違いありません」
俺の言葉に、アランさんは何かを閃いたように顔を上げた。
「……わかった。団長に伝えてみよう。ありがとう、リヒト君。諦めるなよ」
アランさんはそう言い残し、足早に去っていった。
残された俺は、パンを一口かじった。
懐かしい味が、乾いた喉にしみていく。
カイは、まだ戦ってくれている。
俺も、ここで諦めるわけにはいかない。
三日後の裁判。
それが、俺に残された最後のチャンスだ。
それまでに、カイが真実を見つけ出してくれることを、俺はただひたすらに祈り続けた。
そして、運命の裁判の日がやってきた。
俺は兵士に連れられて、王城の大広間へと向かった。
そこには、国王陛下をはじめとする国の重臣たちがずらりと並んでいる。
その中に、カイの姿はなかった。
(間に合わなかったのか……)
絶望が、心を黒く塗りつぶしていく。
裁判が始まった。
宰相が、さも俺が大罪人であるかのように、罪状を読み上げる。
誰もが、俺を有罪だと決めつけている。
俺は反論する気力もなく、ただ俯いていた。
そして、国王陛下が判決を言い渡そうとした、その瞬間だった。
「お待ちください!」
大広間の扉が勢いよく開かれ、カイが飛び込んできた。
その姿は鎧がところどころ傷つき、泥にまみれていたが、その蒼い瞳は、強い光を宿していた。
「すべての真相が、明らかになりました!」
カイはそう高らかに宣言すると、一人の男を玉座の前へと引きずり出した。
その男の顔を見て、俺は息をのんだ。
エリアス王子の側近だった男だ。
「彼がすべてを自白しました。宝剣を盗み出し、リヒトに罪を着せたのは、シルヴァーナのエリアス王子です!」
カイの言葉に、広間がどよめく。
「そして、これが決定的な証拠です!」
カイが掲げたのは、一つの小さな袋だった。
その袋から、甘く、それでいてどこか不穏な香りが漂ってくる。
「これは、エリアス王子がリヒトを陥れるために使った『月影草』の香り袋。そして、こちらが、シルヴァーナに潜入していた我が国の密偵が掴んだ、エリアス王子の真の目的です!」
カイが羊皮紙の巻物を広げた。
そこには、エリアス王子がアステル王国の転覆を狙い、その手始めに騎士団長であるカイを失脚させようとしていたことが、詳細に記されていた。
宝剣の窃盗も、俺を利用したのも、すべてはそのための布石だったのだ。
すべての証拠が示され、俺の無実は証明された。
宰相をはじめとする重臣たちは、顔面蒼白になっている。
国王陛下は、カイの功績を称え、俺に深く謝罪した。
俺は、助かったんだ。
安堵で、膝から崩れ落ちそうになる。
そんな俺の体を、力強い腕が支えてくれた。
見上げると、そこには、優しい眼差しで微笑むカイがいた。
「……ありがとう、ございます……カイ」
「言っただろう。俺が、お前の潔白を証明すると」
俺は彼の胸に顔をうずめ、声を上げて泣いた。
闇の中に差し込んだ、一筋の光。
それは、何よりも強く、そして温かい、カイの愛だった。
冷たい石の床、粗末な食事、そして、希望の見えない時間。
俺は来る日も来る日も、小さな窓から見える空の欠片を、ただぼんやりと眺めて過ごしていた。
カイはどうしているだろうか。
俺が嘘の自白をしたことで、彼は助かったのだろうか。
それとも、まだ俺のために無茶をしているのだろうか。
彼のことを考えると、胸が締め付けられるように痛む。
自白から数日が経ったある夜、牢の前に、見知った人影が現れた。
「……リヒト君」
その声は、カイの副団長である、アランさんのものだった。
彼はβで、いつも穏やかにカイを支えている、実直な人物だ。
「アランさん……どうしてここに?」
「団長からの言伝だ。君に、これを」
アランさんはそう言うと、鉄格子の隙間から、小さな包みを差し出した。
中には、まだ温かいパンと、ハーブの香りがするスープが入っていた。
俺がよく、騎士団の食堂で作っていたものだった。
「団長は、君の無実を信じている。今も君を救うため、たった一人で真犯人を探し回っているんだ」
「……!」
カイが、俺を見捨てていなかった。
その事実に、涙が溢れそうになる。
「だが、状況は芳しくない。宰相閣下たちは、この機に団長を追い落とそうと必死だ。君の裁判は、三日後に行われることが決まった。このままでは、君は……」
アランさんの言葉に、俺は唇を噛んだ。
裁判にかけられれば、俺に有罪判決が下るのは目に見えている。
そうなれば、俺は国外追放、あるいは、もっと重い罰を受けることになるだろう。
「何か、何か手がかりはないのか?君を陥れた犯人につながるような、些細なことでもいい」
アランさんの真剣な問いに、俺は必死に記憶をたどった。
エリアス王子との会話、彼の側近の顔、廊下で聞いた密談……。
だが、どれも決定的な証拠にはならない。
その時、ふと、あることを思い出した。
「……そういえば、宴の夜、エリアス王子とすれ違った時、彼の服から、珍しい香りがしたんです。甘い花のようだけど、少しだけ薬草のような……嗅いだことのない香りでした」
「珍しい香り……?」
「はい。もしかしたら、シルヴァーナにしかない花とか……」
そこまで言って、俺ははっとした。
前世の知識が、頭の片隅で警鐘を鳴らす。
『悪役令息リヒトは、ヒロインに毒を盛ろうとした罪で断罪される』
ゲームのシナリオだ。
その毒に使われるのが、シルヴァーナにしか自生しない、「月影草(つきかげそう)」という名の、甘い香りを放つ毒草だったはずだ。
「アランさん、その香りは、もしかしたら『月影草』かもしれません。シルヴァーナにしか咲かない、毒のある花です」
「月影草だと!?まさか……」
アランさんの顔色が変わる。
「もし、エリアス王子が月影草を身につけていたとしたら……それは、ただの香り袋などではないはず。何かの目的があって、この国に持ち込んだに違いありません」
俺の言葉に、アランさんは何かを閃いたように顔を上げた。
「……わかった。団長に伝えてみよう。ありがとう、リヒト君。諦めるなよ」
アランさんはそう言い残し、足早に去っていった。
残された俺は、パンを一口かじった。
懐かしい味が、乾いた喉にしみていく。
カイは、まだ戦ってくれている。
俺も、ここで諦めるわけにはいかない。
三日後の裁判。
それが、俺に残された最後のチャンスだ。
それまでに、カイが真実を見つけ出してくれることを、俺はただひたすらに祈り続けた。
そして、運命の裁判の日がやってきた。
俺は兵士に連れられて、王城の大広間へと向かった。
そこには、国王陛下をはじめとする国の重臣たちがずらりと並んでいる。
その中に、カイの姿はなかった。
(間に合わなかったのか……)
絶望が、心を黒く塗りつぶしていく。
裁判が始まった。
宰相が、さも俺が大罪人であるかのように、罪状を読み上げる。
誰もが、俺を有罪だと決めつけている。
俺は反論する気力もなく、ただ俯いていた。
そして、国王陛下が判決を言い渡そうとした、その瞬間だった。
「お待ちください!」
大広間の扉が勢いよく開かれ、カイが飛び込んできた。
その姿は鎧がところどころ傷つき、泥にまみれていたが、その蒼い瞳は、強い光を宿していた。
「すべての真相が、明らかになりました!」
カイはそう高らかに宣言すると、一人の男を玉座の前へと引きずり出した。
その男の顔を見て、俺は息をのんだ。
エリアス王子の側近だった男だ。
「彼がすべてを自白しました。宝剣を盗み出し、リヒトに罪を着せたのは、シルヴァーナのエリアス王子です!」
カイの言葉に、広間がどよめく。
「そして、これが決定的な証拠です!」
カイが掲げたのは、一つの小さな袋だった。
その袋から、甘く、それでいてどこか不穏な香りが漂ってくる。
「これは、エリアス王子がリヒトを陥れるために使った『月影草』の香り袋。そして、こちらが、シルヴァーナに潜入していた我が国の密偵が掴んだ、エリアス王子の真の目的です!」
カイが羊皮紙の巻物を広げた。
そこには、エリアス王子がアステル王国の転覆を狙い、その手始めに騎士団長であるカイを失脚させようとしていたことが、詳細に記されていた。
宝剣の窃盗も、俺を利用したのも、すべてはそのための布石だったのだ。
すべての証拠が示され、俺の無実は証明された。
宰相をはじめとする重臣たちは、顔面蒼白になっている。
国王陛下は、カイの功績を称え、俺に深く謝罪した。
俺は、助かったんだ。
安堵で、膝から崩れ落ちそうになる。
そんな俺の体を、力強い腕が支えてくれた。
見上げると、そこには、優しい眼差しで微笑むカイがいた。
「……ありがとう、ございます……カイ」
「言っただろう。俺が、お前の潔白を証明すると」
俺は彼の胸に顔をうずめ、声を上げて泣いた。
闇の中に差し込んだ、一筋の光。
それは、何よりも強く、そして温かい、カイの愛だった。
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