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第5話「古代遺跡の暴走と、命がけの告白」
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学院の特別研修で、僕たちは高難易度の古代遺跡「時の揺りかご」を訪れていた。ここは古代の魔術師たちが時間の流れを研究していた場所だと言われ、今なお強力な魔力が渦巻いている危険な場所だ。
生徒たちは数人ずつのグループに分かれ、遺跡の調査を行うことになっていた。もちろん、僕のグループにはカイがいた。ゼノンも同じグループで、僕たちを事あるごとに牽制してくるのが鬱陶しかった。
遺跡の内部は、迷路のように入り組んでいた。壁には解読不能な古代文字がびっしりと刻まれ、足元には時折、魔術的な罠が仕掛けられている。
「アキト、俺から離れるな」
カイはいつも以上に警戒を強めていた。彼の表情は硬く、何かをひどく恐れているようにも見えた。
僕たちは慎重に遺跡の奥へと進んでいく。そして最深部にある広大な空間にたどり着いた。その中央には巨大な水晶でできた古代の魔術装置が鎮座しており、不気味な光を明滅させていた。
その装置を見た瞬間、僕の体に異変が起きた。体の奥底で眠っていた魔力が、勝手にざわめき始める。まるで、あの装置に呼ばれているかのように。
「う……っ」
頭が割れるように痛い。体中の魔力が僕の意思を無視して暴れ出し、奔流となって溢れ出そうとしていた。
「アキト、どうした!?」
カイが僕の異変に気づき、駆け寄ってくる。
「だめだ、カイ……近づくな……! また、暴走、する……!」
僕は必死に訴えるが、もう遅かった。僕の体から放たれた凄まじい魔力の奔流が、中央の古代魔術装置に吸い込まれていく。すると装置は激しい光を放ち、遺跡全体が大きく揺れ始めた。
ゴゴゴゴゴ……!
天井から瓦礫が降り注ぎ、壁に亀裂が走る。僕の「創成魔法」の力が古代の装置と共鳴し、過去最大級の魔力暴走を引き起こしてしまったのだ。
「きゃあああ!」
「逃げろ! 遺跡が崩れるぞ!」
生徒たちの悲鳴が響き渡る。仲間たちが、危険に晒されている。僕のせいで。また、僕のせいで!
「くそっ、何て魔力だ……!」
ゼノンが防御障壁を張るが、僕の暴走する魔力の前では気休めにもならない。絶望が僕の意識を飲み込もうとした、その時。
「アキト!」
瓦礫の雨の中を、カイが一人、僕に向かって走ってきた。
「来るな! 来たら死ぬぞ!」
僕は叫ぶ。僕から溢れる魔力は、触れるものすべてを破壊する力の塊だ。彼だって無事では済まない。
だが、カイは止まらなかった。彼は迷いのない足取りで僕のもとへたどり着くと、僕を強く抱きしめた。
「アキト、俺を信じろ!」
カイの言葉が、暴走する意識の中に響く。彼の腕の中は、不思議と安心できた。
「君の力は、何かを壊すためだけのものじゃない。何かを生み出し、守るための力だ。俺がそれを証明する」
カイはそう言うと、僕を抱きしめたまま、僕から溢れ出す破壊の魔力をその身一つで受け止め始めた。
「ぐ……っ!」
彼の口から苦悶の声が漏れる。彼の体が、凄まじい魔力に耐えきれず悲鳴を上げているのが分かった。
「だめだ、カイ! 死んじゃう! 僕を離して!」
僕は必死にもがくが、彼の腕は鉄のように固く僕を離さない。
「これくらい……どうということはない……」
カイは苦痛に顔を歪めながらも、僕に笑いかけてみせた。
「未来で……君を一人で苦しませたことに比べれば……」
未来? 何を言っているんだ、カイは。
彼の言葉の意味を理解する前に、頭上からひときわ大きな岩が僕たちめがけて落ちてくるのが見えた。
「カイ!」
もうだめだ。そう思った瞬間、カイは僕の体をぐっと押しやり、自分だけが岩の下敷きになるような位置へと移動した。そして崩れ落ちる瓦礫から僕を守るように、僕の全身に覆いかぶさるようにして抱きしめた。
「アキト……」
耳元で、彼が何かをささやいた。
「愛して……る」
それが、命がけの告白だった。
その言葉を最後に、僕の意識は闇に落ちた。暴走していた魔力は、まるで主を失ったかのように急速にその輝きを失っていった。
生徒たちは数人ずつのグループに分かれ、遺跡の調査を行うことになっていた。もちろん、僕のグループにはカイがいた。ゼノンも同じグループで、僕たちを事あるごとに牽制してくるのが鬱陶しかった。
遺跡の内部は、迷路のように入り組んでいた。壁には解読不能な古代文字がびっしりと刻まれ、足元には時折、魔術的な罠が仕掛けられている。
「アキト、俺から離れるな」
カイはいつも以上に警戒を強めていた。彼の表情は硬く、何かをひどく恐れているようにも見えた。
僕たちは慎重に遺跡の奥へと進んでいく。そして最深部にある広大な空間にたどり着いた。その中央には巨大な水晶でできた古代の魔術装置が鎮座しており、不気味な光を明滅させていた。
その装置を見た瞬間、僕の体に異変が起きた。体の奥底で眠っていた魔力が、勝手にざわめき始める。まるで、あの装置に呼ばれているかのように。
「う……っ」
頭が割れるように痛い。体中の魔力が僕の意思を無視して暴れ出し、奔流となって溢れ出そうとしていた。
「アキト、どうした!?」
カイが僕の異変に気づき、駆け寄ってくる。
「だめだ、カイ……近づくな……! また、暴走、する……!」
僕は必死に訴えるが、もう遅かった。僕の体から放たれた凄まじい魔力の奔流が、中央の古代魔術装置に吸い込まれていく。すると装置は激しい光を放ち、遺跡全体が大きく揺れ始めた。
ゴゴゴゴゴ……!
天井から瓦礫が降り注ぎ、壁に亀裂が走る。僕の「創成魔法」の力が古代の装置と共鳴し、過去最大級の魔力暴走を引き起こしてしまったのだ。
「きゃあああ!」
「逃げろ! 遺跡が崩れるぞ!」
生徒たちの悲鳴が響き渡る。仲間たちが、危険に晒されている。僕のせいで。また、僕のせいで!
「くそっ、何て魔力だ……!」
ゼノンが防御障壁を張るが、僕の暴走する魔力の前では気休めにもならない。絶望が僕の意識を飲み込もうとした、その時。
「アキト!」
瓦礫の雨の中を、カイが一人、僕に向かって走ってきた。
「来るな! 来たら死ぬぞ!」
僕は叫ぶ。僕から溢れる魔力は、触れるものすべてを破壊する力の塊だ。彼だって無事では済まない。
だが、カイは止まらなかった。彼は迷いのない足取りで僕のもとへたどり着くと、僕を強く抱きしめた。
「アキト、俺を信じろ!」
カイの言葉が、暴走する意識の中に響く。彼の腕の中は、不思議と安心できた。
「君の力は、何かを壊すためだけのものじゃない。何かを生み出し、守るための力だ。俺がそれを証明する」
カイはそう言うと、僕を抱きしめたまま、僕から溢れ出す破壊の魔力をその身一つで受け止め始めた。
「ぐ……っ!」
彼の口から苦悶の声が漏れる。彼の体が、凄まじい魔力に耐えきれず悲鳴を上げているのが分かった。
「だめだ、カイ! 死んじゃう! 僕を離して!」
僕は必死にもがくが、彼の腕は鉄のように固く僕を離さない。
「これくらい……どうということはない……」
カイは苦痛に顔を歪めながらも、僕に笑いかけてみせた。
「未来で……君を一人で苦しませたことに比べれば……」
未来? 何を言っているんだ、カイは。
彼の言葉の意味を理解する前に、頭上からひときわ大きな岩が僕たちめがけて落ちてくるのが見えた。
「カイ!」
もうだめだ。そう思った瞬間、カイは僕の体をぐっと押しやり、自分だけが岩の下敷きになるような位置へと移動した。そして崩れ落ちる瓦礫から僕を守るように、僕の全身に覆いかぶさるようにして抱きしめた。
「アキト……」
耳元で、彼が何かをささやいた。
「愛して……る」
それが、命がけの告白だった。
その言葉を最後に、僕の意識は闇に落ちた。暴走していた魔力は、まるで主を失ったかのように急速にその輝きを失っていった。
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