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第6話「忍び寄る過去の影」
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一方、リアムを追放したアレスのパーティーは、深刻な危機に瀕していた。彼らが新たに挑んだ高難易度のダンジョンは、これまでの敵とは比べ物にならないほど強力なモンスターの巣窟だった。
「くそっ! またこの呪いか!」
戦士のゴードンが、モンスターから受けた黒い傷口を押さえて悪態をつく。その傷は、市販されている最高級のポーションを使っても全く癒えず、じわじわと体力を奪っていく厄介な代物だった。
「アレス、一旦撤退しましょう! このままでは全滅するわ!」
魔術師のセリーナが悲痛な声を上げる。彼女の魔力も既に底をつきかけていた。仲間たちは皆、度重なる戦闘と癒えない傷に疲弊しきっている。パーティー内の雰囲気は最悪だった。
「うるさい! 黙れ!」
リーダーであるアレスは、苛立ちを隠しもせずに怒鳴った。彼自身もまた、無数の細かい傷に苦しめられている。
回復役を失った影響は、彼らの想像を遥かに超えていた。リアムがいた頃は、どんなに深い傷を負っても、戦闘後には彼の癒やしの力で瞬く間に全快していた。それがどれほど稀有で強力な能力だったのか、失って初めて痛感していた。彼の癒やしは、ただ傷を塞ぐだけでなく、疲労や呪いの類さえも浄化していたのだ。
「全部、あいつがいないせいだ……!」
アレスは忌々しげに呟く。今になって、リアムの価値を痛感していた。だが、傲慢な彼が自分の非を認めることはない。悪いのは、自分たちを置いて勝手にいなくなったリアムの方だ、と責任を転嫁した。
「見つけ出すぞ。あいつを力ずくででも連れ戻す」
「でも、どこにいるかもわからないのに……」
セリーナが不安げに言うと、アレスはニヤリと口の端を吊り上げた。
「噂をたどって調べさせた。どうやら、追放された後、あの『魔の森』に入っていくのを見た者がいるらしい」
「魔の森ですって!? 正気なの、アレス! あそこは生きて帰れる場所じゃ……」
「魔族に捕まっているだけかもしれん。だとしたら、勇者として助け出してやる義理もあるだろう?」
アレスの自己中心的な理屈に、セリーナは言葉を失った。リアムを追放したことへの罪悪感が、彼女の胸を重く締め付ける。しかし、このままパーティーが崩壊することを恐れる気持ちもまた、彼女をアレスに従わせた。ゴードンも、強敵との戦いで溜まった鬱憤を晴らせるならと、反対はしなかった。
プライドをかなぐり捨て、自分たちの都合でリアムを連れ戻すことを決意した三人は、ボロボロの体のまま、ダンジョンから撤退した。
そして、彼らはリアムが残したかすかな痕跡を追い、ついにあの禁断の森へと足を踏み入れる。その先に、かつての仲間と、そして想像を絶する存在が待っていることなど、知る由もなかった。
「くそっ! またこの呪いか!」
戦士のゴードンが、モンスターから受けた黒い傷口を押さえて悪態をつく。その傷は、市販されている最高級のポーションを使っても全く癒えず、じわじわと体力を奪っていく厄介な代物だった。
「アレス、一旦撤退しましょう! このままでは全滅するわ!」
魔術師のセリーナが悲痛な声を上げる。彼女の魔力も既に底をつきかけていた。仲間たちは皆、度重なる戦闘と癒えない傷に疲弊しきっている。パーティー内の雰囲気は最悪だった。
「うるさい! 黙れ!」
リーダーであるアレスは、苛立ちを隠しもせずに怒鳴った。彼自身もまた、無数の細かい傷に苦しめられている。
回復役を失った影響は、彼らの想像を遥かに超えていた。リアムがいた頃は、どんなに深い傷を負っても、戦闘後には彼の癒やしの力で瞬く間に全快していた。それがどれほど稀有で強力な能力だったのか、失って初めて痛感していた。彼の癒やしは、ただ傷を塞ぐだけでなく、疲労や呪いの類さえも浄化していたのだ。
「全部、あいつがいないせいだ……!」
アレスは忌々しげに呟く。今になって、リアムの価値を痛感していた。だが、傲慢な彼が自分の非を認めることはない。悪いのは、自分たちを置いて勝手にいなくなったリアムの方だ、と責任を転嫁した。
「見つけ出すぞ。あいつを力ずくででも連れ戻す」
「でも、どこにいるかもわからないのに……」
セリーナが不安げに言うと、アレスはニヤリと口の端を吊り上げた。
「噂をたどって調べさせた。どうやら、追放された後、あの『魔の森』に入っていくのを見た者がいるらしい」
「魔の森ですって!? 正気なの、アレス! あそこは生きて帰れる場所じゃ……」
「魔族に捕まっているだけかもしれん。だとしたら、勇者として助け出してやる義理もあるだろう?」
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プライドをかなぐり捨て、自分たちの都合でリアムを連れ戻すことを決意した三人は、ボロボロの体のまま、ダンジョンから撤退した。
そして、彼らはリアムが残したかすかな痕跡を追い、ついにあの禁断の森へと足を踏み入れる。その先に、かつての仲間と、そして想像を絶する存在が待っていることなど、知る由もなかった。
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