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お姫様の憂鬱
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あれから数日経ちました。
ラエル様は公務の補佐をしていましたが、まもなく学園を卒業して本格的にスカル侯爵家の当主となるため、最近では別の業務も増えたようであまり会えなくなってしまいました。
ようやくお会いできたと思っても、ラエル様は笑顔でお話ししてくださるものの、心ここにあらずという感じでした。
あの日以来、ラエル様は明らかに変わられました。前は私の手を握り、微笑みながら抱きしめてくれていたのに、今は一切触れてくださらないのです。
「はぁ...」
一体どうすればいいのかしら。
何かあってもいつもラエル様から寄り添ってくださっていたから、どうすればいいのかわかりません。
日頃からどれだけラエル様に甘えていたのかとようやく自覚し、やるせない気持ちになりました。
「ローズ、今日のお昼は中庭に行ってみない?私美味しいサンドウィッチを作って来たのよ」
そんな私を見かねたのか、マリアがサンドウィッチが入った箱を持って私を中庭へと連れ出してくれました。
中庭は様々な種類の木々が植えられ、ちょっとした林のような空間となっています。
鳥のさえずりや近くに流れる川のせせらぎの音を聞きながら、私はマリアに差し出されたサンドウィッチを口に頬張りました。
「ん!美味しいわ」
「そうでしょう。私が作ったんだから当たり前よ」
満足そうに私の反応を見ながらマリアが言いました。ひとしきりランチを楽しんだ後、マリアが私の方を伺うように言いました。
「ラエル様と、何かあったんでしょう?」
どうしてそれをっ...
私がハッとしたようにマリアを見ると、彼女は優しい笑顔を私に向けてくれました。
「あなたを見ていたらわかるわ...と、言いたいところなんだけど、とある人から聞いたのよ。ローズとラエル様の様子がおかしいって。まぁ、その人のせいでもあるみたいだからなんとも言えないんだけれど...」
苦笑いを浮かべ、あの人はほんと、優秀なのか馬鹿なのか...
なんて呟いたかと思うと、私の目をしっかりと見て言いました。
「誤解しないで聞いてね。私は貴方のことが大好きよ、ローズ。私の1番の親友だと思ってる。だからこそ、言わせてもらうわ」
「は、はい...」
あまりに真剣な眼差しに戸惑いながらも、私はマリアの目をしっかりと見つめました。
「いい加減、自分に自信を持ちなさい。いつまでも私なんか、なんて思わないで。それがどれだけ、あなたを信じて想ってくれる周りの人を傷つけてるのか、あなたはもう少し考えた方が良いわ」
「...っ、マリア」
「ラエル様は貴方のことが本当に好きなのよ。私が見てもわかるくらい、大事にされてるわ。だからローズも、自分の想いを伝えてみたら?ラエル様に好きだと伝えたことはあるの?」
マリアに諭され、私は改めてラエル様に対する自分の言動を思い返しました。
そして、ようやく気がつくのです。
私は一度も、ラエル様に対して想いを伝えたことはありませんでした。
「マリア、私っ...」
「よし。そしたら、早速伝えにいきましょう」
「えっ、今から?でもラエル様が今日いらっしゃるのかどうか...」
「それなら大丈夫よ。ほら、木の陰にあるあのベンチが見えるかしら?」
マリアが指す方に目を向けると、ベンチに座って眉間に皺を寄せながら、ふぅ...と深くため息をついている様子のラエル様が見えました。
えっ、どうして...?
今日は公務があるからと言われていたのです。もしかして、避けられていたのでは...
そんな考えがよぎり、一気に不安になりました。
そんな私に気がついたのか、マリアがバンっと私の肩を叩きました。
「っ、痛っ...」
「ほら。そういうところよ。伝えるって決めたんでしょう?不安なら私はここでお茶でもしながら待ってるわ」
そう言い残し、マリアはスタスタと元の場所に戻って行きました。
ぽかんと思わず口を開けてしまいました。マ、マリアってこんなに男らしい子だったかしら...
肩の痛みを感じながら、私はマリアに言われたことを頭の中で反芻させました。
そうよね。うじうじ悩んでいるだけじゃ、何も変わらないわ。
私は覚悟を決めてラエル様の元へと向かいました。
ラエル様は公務の補佐をしていましたが、まもなく学園を卒業して本格的にスカル侯爵家の当主となるため、最近では別の業務も増えたようであまり会えなくなってしまいました。
ようやくお会いできたと思っても、ラエル様は笑顔でお話ししてくださるものの、心ここにあらずという感じでした。
あの日以来、ラエル様は明らかに変わられました。前は私の手を握り、微笑みながら抱きしめてくれていたのに、今は一切触れてくださらないのです。
「はぁ...」
一体どうすればいいのかしら。
何かあってもいつもラエル様から寄り添ってくださっていたから、どうすればいいのかわかりません。
日頃からどれだけラエル様に甘えていたのかとようやく自覚し、やるせない気持ちになりました。
「ローズ、今日のお昼は中庭に行ってみない?私美味しいサンドウィッチを作って来たのよ」
そんな私を見かねたのか、マリアがサンドウィッチが入った箱を持って私を中庭へと連れ出してくれました。
中庭は様々な種類の木々が植えられ、ちょっとした林のような空間となっています。
鳥のさえずりや近くに流れる川のせせらぎの音を聞きながら、私はマリアに差し出されたサンドウィッチを口に頬張りました。
「ん!美味しいわ」
「そうでしょう。私が作ったんだから当たり前よ」
満足そうに私の反応を見ながらマリアが言いました。ひとしきりランチを楽しんだ後、マリアが私の方を伺うように言いました。
「ラエル様と、何かあったんでしょう?」
どうしてそれをっ...
私がハッとしたようにマリアを見ると、彼女は優しい笑顔を私に向けてくれました。
「あなたを見ていたらわかるわ...と、言いたいところなんだけど、とある人から聞いたのよ。ローズとラエル様の様子がおかしいって。まぁ、その人のせいでもあるみたいだからなんとも言えないんだけれど...」
苦笑いを浮かべ、あの人はほんと、優秀なのか馬鹿なのか...
なんて呟いたかと思うと、私の目をしっかりと見て言いました。
「誤解しないで聞いてね。私は貴方のことが大好きよ、ローズ。私の1番の親友だと思ってる。だからこそ、言わせてもらうわ」
「は、はい...」
あまりに真剣な眼差しに戸惑いながらも、私はマリアの目をしっかりと見つめました。
「いい加減、自分に自信を持ちなさい。いつまでも私なんか、なんて思わないで。それがどれだけ、あなたを信じて想ってくれる周りの人を傷つけてるのか、あなたはもう少し考えた方が良いわ」
「...っ、マリア」
「ラエル様は貴方のことが本当に好きなのよ。私が見てもわかるくらい、大事にされてるわ。だからローズも、自分の想いを伝えてみたら?ラエル様に好きだと伝えたことはあるの?」
マリアに諭され、私は改めてラエル様に対する自分の言動を思い返しました。
そして、ようやく気がつくのです。
私は一度も、ラエル様に対して想いを伝えたことはありませんでした。
「マリア、私っ...」
「よし。そしたら、早速伝えにいきましょう」
「えっ、今から?でもラエル様が今日いらっしゃるのかどうか...」
「それなら大丈夫よ。ほら、木の陰にあるあのベンチが見えるかしら?」
マリアが指す方に目を向けると、ベンチに座って眉間に皺を寄せながら、ふぅ...と深くため息をついている様子のラエル様が見えました。
えっ、どうして...?
今日は公務があるからと言われていたのです。もしかして、避けられていたのでは...
そんな考えがよぎり、一気に不安になりました。
そんな私に気がついたのか、マリアがバンっと私の肩を叩きました。
「っ、痛っ...」
「ほら。そういうところよ。伝えるって決めたんでしょう?不安なら私はここでお茶でもしながら待ってるわ」
そう言い残し、マリアはスタスタと元の場所に戻って行きました。
ぽかんと思わず口を開けてしまいました。マ、マリアってこんなに男らしい子だったかしら...
肩の痛みを感じながら、私はマリアに言われたことを頭の中で反芻させました。
そうよね。うじうじ悩んでいるだけじゃ、何も変わらないわ。
私は覚悟を決めてラエル様の元へと向かいました。
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