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お姫様に忍び寄る影
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「さぁ、お嬢様できました。完璧に隠れているのでご安心ください」
「ありがとう、リリアナ」
普段よりもふわふわの髪の毛に首元まで襟がある洋服を身につけ、私は鏡の前でもう一度確認します。
うん、首元は完璧に隠れています。さすがはリリアナです。
昨日はどうしようかと思いましたが、これで一安心です。首元に注目する方はいないでしょうし、これで問題はないはずです。
そっと、首元に手を当てます。昨日のことが再びよみがえってきて、私は思わず赤面してしまいました。
ラエル様の唇が何度もここに触れたんだわ。そう思うだけで、何とも言えない感情になりました。
「どうしたんだ、今日はいつもより髪の毛がふんわりとしているな」
「ほんとね。似合っているわよローズ」
朝食を食べながらお父様とお母様がいつもと違う私に気づき、褒めてくれます。少し照れてしまいますが、まさかラエル様に付けられた痕を隠すためとは言えません。
笑顔が引きつっていないか気にしながらも、私はありがとうございますと言いました。
「あら、コーラス様?」
外に出ると、何故か騎士のコーラス様が外で待機していました。
「おはようございます、ローズお嬢様。今日はお迎えにあがりました」
私の姿を確認すると、深々と頭を下げます。今日はラエル様は公務のはずです。それに、帰りに迎えに来る事はあっても行きで迎えに来る事は初めてで、私は戸惑いました。
「どうして...?」
「ラエル公爵様より申し使ったのです。今日は一日、私がお側におりますので」
急にどうしたのかしら。
不思議に思いましたが、せっかくのラエル様のご好意です。私は笑顔でありがとうと伝え、馬車へと乗り込みました。
「マリア?」
「ローズ、おはよう」
学園へついて馬車を降りると、待ち侘びたかのようにマリアが出迎えてくれます。
いつもは教室でしか会わない彼女の突然のお出迎えに、またもや戸惑ってしまいました。
「マリア、今日はどうしたの?」
「ふふっ。あの後どうなったか気になったから迎えに来たのよ。じっくり聞こうと思って。まぁ、その髪型似合ってるじゃない」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべながらマリアは私を見ます。
昨日のキスの嵐で忘れていましたが、告白場面とお姫様抱っこされて馬車へ向かう姿をこの二人に見られていたんだったわ。
そして、二人が婚約者だということも昨日知ったのです。
婚約者同士でしか、外や人前で腕を組む事は許されない、貴族内での掟のようなものがあるのです。マリアとコーラス様が当たり前のようにそれをしていたので私はすぐに二人が婚約者だとわかりました。
「マリアこそ、コーラス様とはいつ婚約したの?私知らなかったわ」
「あら、そういえば伝えてなかったわね。もう随分前からよ。ね、カイ」
マリアがにこっと笑ってコーラス様の方を向くと、コーラス様は嬉しそうに笑みを浮かべました。
「はい。ラエル公爵様はご存知でしたので、てっきりローズお嬢様も存じ上げているものだとばかり...失礼致しました」
「そ、そんな、頭を上げてください。二人が婚約者だなんて嬉しいわ」
二人が並ぶ姿を改めて見てもお似合いだと思いました。ラエル様があまりにも端正なお顔立ちをしているので気が付きにくいのですが、コーラス様も十分に整った顔立ちをされているのです。
マリアはとても綺麗で美しいし、本当にお似合いの二人です。
「さあ、ローズ行きましょう。カイも」
マリアは嬉しそうに私の手を引きます。隣にコーラス様も付き添うようについてきました。
二人に挟まれ、昨日のことに浮かれていて、その時の私は気が付きませんでした。
周りの視線がいつもと違うことも、その大半が私に対する敵意に満ちた視線であることも。
「ありがとう、リリアナ」
普段よりもふわふわの髪の毛に首元まで襟がある洋服を身につけ、私は鏡の前でもう一度確認します。
うん、首元は完璧に隠れています。さすがはリリアナです。
昨日はどうしようかと思いましたが、これで一安心です。首元に注目する方はいないでしょうし、これで問題はないはずです。
そっと、首元に手を当てます。昨日のことが再びよみがえってきて、私は思わず赤面してしまいました。
ラエル様の唇が何度もここに触れたんだわ。そう思うだけで、何とも言えない感情になりました。
「どうしたんだ、今日はいつもより髪の毛がふんわりとしているな」
「ほんとね。似合っているわよローズ」
朝食を食べながらお父様とお母様がいつもと違う私に気づき、褒めてくれます。少し照れてしまいますが、まさかラエル様に付けられた痕を隠すためとは言えません。
笑顔が引きつっていないか気にしながらも、私はありがとうございますと言いました。
「あら、コーラス様?」
外に出ると、何故か騎士のコーラス様が外で待機していました。
「おはようございます、ローズお嬢様。今日はお迎えにあがりました」
私の姿を確認すると、深々と頭を下げます。今日はラエル様は公務のはずです。それに、帰りに迎えに来る事はあっても行きで迎えに来る事は初めてで、私は戸惑いました。
「どうして...?」
「ラエル公爵様より申し使ったのです。今日は一日、私がお側におりますので」
急にどうしたのかしら。
不思議に思いましたが、せっかくのラエル様のご好意です。私は笑顔でありがとうと伝え、馬車へと乗り込みました。
「マリア?」
「ローズ、おはよう」
学園へついて馬車を降りると、待ち侘びたかのようにマリアが出迎えてくれます。
いつもは教室でしか会わない彼女の突然のお出迎えに、またもや戸惑ってしまいました。
「マリア、今日はどうしたの?」
「ふふっ。あの後どうなったか気になったから迎えに来たのよ。じっくり聞こうと思って。まぁ、その髪型似合ってるじゃない」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべながらマリアは私を見ます。
昨日のキスの嵐で忘れていましたが、告白場面とお姫様抱っこされて馬車へ向かう姿をこの二人に見られていたんだったわ。
そして、二人が婚約者だということも昨日知ったのです。
婚約者同士でしか、外や人前で腕を組む事は許されない、貴族内での掟のようなものがあるのです。マリアとコーラス様が当たり前のようにそれをしていたので私はすぐに二人が婚約者だとわかりました。
「マリアこそ、コーラス様とはいつ婚約したの?私知らなかったわ」
「あら、そういえば伝えてなかったわね。もう随分前からよ。ね、カイ」
マリアがにこっと笑ってコーラス様の方を向くと、コーラス様は嬉しそうに笑みを浮かべました。
「はい。ラエル公爵様はご存知でしたので、てっきりローズお嬢様も存じ上げているものだとばかり...失礼致しました」
「そ、そんな、頭を上げてください。二人が婚約者だなんて嬉しいわ」
二人が並ぶ姿を改めて見てもお似合いだと思いました。ラエル様があまりにも端正なお顔立ちをしているので気が付きにくいのですが、コーラス様も十分に整った顔立ちをされているのです。
マリアはとても綺麗で美しいし、本当にお似合いの二人です。
「さあ、ローズ行きましょう。カイも」
マリアは嬉しそうに私の手を引きます。隣にコーラス様も付き添うようについてきました。
二人に挟まれ、昨日のことに浮かれていて、その時の私は気が付きませんでした。
周りの視線がいつもと違うことも、その大半が私に対する敵意に満ちた視線であることも。
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