4 / 23
旦那様とキス
しおりを挟む
「旦那様...遅いな」
寝床に着いた私は、ぼんやりと天井を見つめました。
いつもは隣で寝ているはずの旦那様。今日は任務があるため遅くなると、出かける前に言われていたのです。
出かける前のキスは相変わらず恥ずかしそうにしていますが、毎日かかさずしてくださいます。
今日はおでこ。私はそっと自分のおでこを撫でて、旦那様の赤く火照る顔を思い出しました。
...会いたいな。
相変わらず、朝のキス以外で手を出してはくれません。
ほんの少しの不安を感じながらも、それでも旦那様から求めてくれるように頑張らなければと日々努力はしているのですが、なかなか旦那様は気づいてくれないのです。
旦那様は、私と結婚して良かったのかしら。そんな考えが浮かんでは消してをくり返します。
「....旦那様」
ふと、頬に違和感を感じて私はそっと目を開けました。寝ぼけていて、ぼんやりとしか見えません。どうやら私は寝てしまっていたようです。
「あ...すまない、起こしてしまったか」
「旦那様....?」
視界が少しずつクリアになり、横で寝ている旦那様が顔を赤くして私の頬を撫でているのだとわかりました。
いつもは寝ている姿を盗み見するばかりだったので、起きている旦那様の顔をこんなに近くで見るのは初めてでした。
切長の目にスッと通った鼻筋。旦那様は、本当は綺麗な顔立ちをされているのです。確かに体格の良さや雰囲気で圧倒される事があるのは事実ですが、とても優しいお方です。
私に触れてくれていたことが嬉しくて、思わず笑顔になります。
「旦那様、お帰りなさいませ」
「ただいま」
優しく笑う旦那様。
そっと頬にある旦那様の手を握ると、その手が驚いたようにピクッと動きます。
「ソフィア?」
「もっと、触れてください」
「なっ、何を...寝ぼけているのか?」
動揺する旦那様が少しおかしくて、思わずふふっと笑ってしまいました。そんな私を見て、冗談で言ったと思ったのでしょうか。旦那様は少々渋い顔をしました。
「全く...私をからかうな」
「...からかっていません」
妻からするのは、はしたないのかしら?
でも、どうしても彼に近づきたかったのです。
「ちょ、ソフィア」
急に私が近づいたからか、旦那様は焦ったように私と距離を取ろうとします。
「旦那様...そんなに嫌ですか?」
「ソフィア...?どうしたんだ?」
私は唇をきゅっと噛んで、旦那様を見つめました。
「旦那様、キスしてください」
「....は?」
私も、こんな事を平気な顔で言っているわけではありません。恥ずかしいですし、旦那様の顔が見れません。
でも、少しでも旦那様に触れて欲しくて。顔が赤いのは承知の上ですが、勇気を出して伝えました。
私の異変を感じたのでしょう、あの初夜の日と同じように旦那様が動揺しているのは明らかでした。
「ソフィア....っ」
私は旦那様の側に寄り、肩に手を置きました。そして、そっと...触れるだけのキスをしました。
結婚式以来のキス。
恐る恐る旦那様の方を覗き込もうとした瞬間、気がつくと私は両頬を持ち上げられ、深く口付けられていました。
突然の出来事に頭がついていきません。
「....っ!?んっ.....ふぁっ....」
どんどん深くなり、私は頭がぼーっとしてくるのを感じました。
どれほどの時間が経ったのかわかりません。気がつくと、お互い息が上がっていました。
「....ソフィア、すまない。私は隣の部屋で寝るから、君はここで寝てくれ」
そう言って少し顔を歪めながら、よろよろと部屋を出ていきました。
「何が、起きたの....?」
部屋に残された私は、呆然とするしかありませんでした。
寝床に着いた私は、ぼんやりと天井を見つめました。
いつもは隣で寝ているはずの旦那様。今日は任務があるため遅くなると、出かける前に言われていたのです。
出かける前のキスは相変わらず恥ずかしそうにしていますが、毎日かかさずしてくださいます。
今日はおでこ。私はそっと自分のおでこを撫でて、旦那様の赤く火照る顔を思い出しました。
...会いたいな。
相変わらず、朝のキス以外で手を出してはくれません。
ほんの少しの不安を感じながらも、それでも旦那様から求めてくれるように頑張らなければと日々努力はしているのですが、なかなか旦那様は気づいてくれないのです。
旦那様は、私と結婚して良かったのかしら。そんな考えが浮かんでは消してをくり返します。
「....旦那様」
ふと、頬に違和感を感じて私はそっと目を開けました。寝ぼけていて、ぼんやりとしか見えません。どうやら私は寝てしまっていたようです。
「あ...すまない、起こしてしまったか」
「旦那様....?」
視界が少しずつクリアになり、横で寝ている旦那様が顔を赤くして私の頬を撫でているのだとわかりました。
いつもは寝ている姿を盗み見するばかりだったので、起きている旦那様の顔をこんなに近くで見るのは初めてでした。
切長の目にスッと通った鼻筋。旦那様は、本当は綺麗な顔立ちをされているのです。確かに体格の良さや雰囲気で圧倒される事があるのは事実ですが、とても優しいお方です。
私に触れてくれていたことが嬉しくて、思わず笑顔になります。
「旦那様、お帰りなさいませ」
「ただいま」
優しく笑う旦那様。
そっと頬にある旦那様の手を握ると、その手が驚いたようにピクッと動きます。
「ソフィア?」
「もっと、触れてください」
「なっ、何を...寝ぼけているのか?」
動揺する旦那様が少しおかしくて、思わずふふっと笑ってしまいました。そんな私を見て、冗談で言ったと思ったのでしょうか。旦那様は少々渋い顔をしました。
「全く...私をからかうな」
「...からかっていません」
妻からするのは、はしたないのかしら?
でも、どうしても彼に近づきたかったのです。
「ちょ、ソフィア」
急に私が近づいたからか、旦那様は焦ったように私と距離を取ろうとします。
「旦那様...そんなに嫌ですか?」
「ソフィア...?どうしたんだ?」
私は唇をきゅっと噛んで、旦那様を見つめました。
「旦那様、キスしてください」
「....は?」
私も、こんな事を平気な顔で言っているわけではありません。恥ずかしいですし、旦那様の顔が見れません。
でも、少しでも旦那様に触れて欲しくて。顔が赤いのは承知の上ですが、勇気を出して伝えました。
私の異変を感じたのでしょう、あの初夜の日と同じように旦那様が動揺しているのは明らかでした。
「ソフィア....っ」
私は旦那様の側に寄り、肩に手を置きました。そして、そっと...触れるだけのキスをしました。
結婚式以来のキス。
恐る恐る旦那様の方を覗き込もうとした瞬間、気がつくと私は両頬を持ち上げられ、深く口付けられていました。
突然の出来事に頭がついていきません。
「....っ!?んっ.....ふぁっ....」
どんどん深くなり、私は頭がぼーっとしてくるのを感じました。
どれほどの時間が経ったのかわかりません。気がつくと、お互い息が上がっていました。
「....ソフィア、すまない。私は隣の部屋で寝るから、君はここで寝てくれ」
そう言って少し顔を歪めながら、よろよろと部屋を出ていきました。
「何が、起きたの....?」
部屋に残された私は、呆然とするしかありませんでした。
144
あなたにおすすめの小説
聖女の座を追われた私は田舎で畑を耕すつもりが、辺境伯様に「君は畑担当ね」と強引に任命されました
さら
恋愛
王都で“聖女”として人々を癒やし続けてきたリーネ。だが「加護が弱まった」と政争の口実にされ、無慈悲に追放されてしまう。行き場を失った彼女が選んだのは、幼い頃からの夢――のんびり畑を耕す暮らしだった。
ところが辺境の村にたどり着いた途端、無骨で豪胆な領主・辺境伯に「君は畑担当だ」と強引に任命されてしまう。荒れ果てた土地、困窮する領民たち、そして王都から伸びる陰謀の影。追放されたはずの聖女は、鍬を握り、祈りを土に注ぐことで再び人々に希望を芽吹かせていく。
「畑担当の聖女さま」と呼ばれながら笑顔を取り戻していくリーネ。そして彼女を真っ直ぐに支える辺境伯との距離も、少しずつ近づいて……?
畑から始まるスローライフと、不器用な辺境伯との恋。追放された聖女が見つけた本当の居場所は、王都の玉座ではなく、土と緑と温かな人々に囲まれた辺境の畑だった――。
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
婚約者が私のことをゴリラと言っていたので、距離を置くことにしました
相馬香子
恋愛
ある日、クローネは婚約者であるレアルと彼の友人たちの会話を盗み聞きしてしまう。
――男らしい? ゴリラ?
クローネに対するレアルの言葉にショックを受けた彼女は、レアルに絶交を突きつけるのだった。
デリカシーゼロ男と男装女子の織り成す、勘違い系ラブコメディです。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月 瑠々奈
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
顔も知らない旦那様に間違えて手紙を送ったら、溺愛が返ってきました
ラム猫
恋愛
セシリアは、政略結婚でアシュレイ・ハンベルク侯爵に嫁いで三年になる。しかし夫であるアシュレイは稀代の軍略家として戦争で前線に立ち続けており、二人は一度も顔を合わせたことがなかった。セシリアは孤独な日々を送り、周囲からは「忘れられた花嫁」として扱われていた。
ある日、セシリアは親友宛てに夫への不満と愚痴を書き連ねた手紙を、誤ってアシュレイ侯爵本人宛てで送ってしまう。とんでもない過ちを犯したと震えるセシリアの元へ、数週間後、夫から返信が届いた。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
※全部で四話になります。
〖完結〗時戻りしたので、運命を変えることにします。
藍川みいな
恋愛
愛するグレッグ様と結婚して、幸せな日々を過ごしていた。
ある日、カフェでお茶をしていると、暴走した馬車が突っ込んで来た。とっさに彼を庇った私は、視力を失ってしまう。
目が見えなくなってしまった私の目の前で、彼は使用人とキスを交わしていた。その使用人は、私の親友だった。
気付かれていないと思った二人の行為はエスカレートしていき、私の前で、私のベッドで愛し合うようになっていった。
それでもいつか、彼は戻って来てくれると信じて生きて来たのに、親友に毒を盛られて死んでしまう。
……と思ったら、なぜか事故に会う前に時が戻っていた。
絶対に同じ間違いはしない。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全四話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる