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ハヤトの新しい仕事
第18話 鉱山視察
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予定通り、鉱山視察がスタートした。
護衛を担当していた人物の裏切りが発覚した翌日、当初の予定から完全に組み直され、ボディーガードたちの警戒も強化されていた。剛と現地の関係者たちとの会談は複数の場所で分散して行われ、移動経路も毎回変更された。
そのおかげなのか、あれから襲撃もなく、会談は順調だった。
鉱山周辺の様々な施設や交渉相手との会談場所を訪れる中、ボディーガードたちの表情は次第に疲労の色を濃くしていった。日本とは違う現地の環境、そして緊張感が彼らを蝕んでいく。特に身内の裏切りに深い責任を感じていたリーダーは、休息をあまり取らずに、常に剛の側に控えていた。何が起きても守る、という覚悟を持って。
「このままじゃ、いずれ倒れるな」
城介が小声でハヤトに囁いた時、ハヤトもうなずくしかなかった。彼らの眼は充血し、制服の襟元には絶え間なく流れ落ちる汗の跡があった。
四日目の午後、ついに最初の犠牲者が出た。
「申し訳ありません、少し休ませていただけますか」
会談場所から戻る途中、一人のボディーガードが突然立ち止まり、冷や汗を流しながら壁に寄り掛かった。顔面は蒼白で、唇が震えている。極度の緊張と疲労が、ついに限界に達してしまった。
「病院に連れて行く」
剛の指示で、彼はホテルの医務室に運ばれた。診断の結果は過労と脱水症状。医師からは最低でも一週間の安静が言い渡された。
「問題ありません。残りのメンバーで警護を続行します」
リーダーは平静を装ったが、その声には焦りが混じっていた。彼の部下たちもまた、疲労の限界に近づいていることは明らかだった。
それから二日の間に、さらに数人のボディーガードが体調を崩した。無理な警戒態勢の代償は大きく、彼らの顔には焦りと恐怖が浮かび上がっていた。そして七日目の朝、ついにリーダー自身が倒れた。
「何度も何度も、本当に申し訳ありません」
ホテルの一室で横になりながら、リーダーは青ざめた顔で剛に謝罪の言葉を繰り返した。彼の額には脱力感からくる冷や汗が浮かび、その眼には疲労だけでなく、自身に対する深い失意の色が宿っていた。
「最初の裏切り者を出し、そして今度は体調を崩して任務を全うできない。私たちは……。いえ私は、完全に失敗しました」
彼の声は震え、自責の念があふれていた。
「こちらも済まなかった。無理をさせすぎたな」
剛も申し訳ない気持ちで謝罪する。危機感を過剰に抱いていたリーダーと、あまり危機感を持たなかった剛。二人の意識の違いは大きかった。
「これでは、完全に警備態勢が」
「ハヤトと城介がいるから、大丈夫だ」
剛はそう言って、部屋の隅で静かに待機していた二人を見た。
リーダーは初めて、彼らをじっくりと観察した。確かに、あれだけの緊迫した日々を過ごしてきたというのに、その二人は疲れた様子すら一切見せていない。むしろ、落ち着いて状況を見守っているようだった。
「あの……お二人は……」
リーダーは言葉を選びながら、疑問を口にした。問われた剛だが、もちろん異世界のことなど言えない。
城介は肩をすくめ、何でもないように答えた。
「昔から、体力には自信があるんでね」
その答えに、リーダーは釈然としない表情を浮かべた。彼の頭の中には様々な憶測が浮かんでいた。もしかすると、この二人は剛が秘密裏に雇った特別な護衛なのだろうか。もしかしたら、彼らの経歴自体が偽りなのかもしれない。元会社員や不動産会社の経営者という肩書きの人間が、これほど冷静で強靭なはずがない。
「彼らのことは信頼していい。それに、今は君たちの回復が最優先だ」
剛の言葉に、リーダーは深くため息をついた。今の状況で役に立てることはない。雇い主の指示に従うべき。そう考えた。
「わかりました。では……警護の任を、お二人に託します」
ボディーガードたちの不在は、三人の行動範囲を思いがけず自由にした。視察の公式日程は順調に消化していたが、剛には確認したいことがあった。
「ちょっと、見ておきたい場所があるんだ。一緒に来てくれないか?」
ホテルの一室で、剛はハヤトと城介に尋ねた。彼の目には、どこか冒険者のような輝きが宿っていた。
「もちろん、いいよ」
ハヤトは即座に答えた。
「行こう。どこに行くんだ?」
城介も興味深そうに尋ねた。
「地図を見てくれ」
剛はテーブルに地図を広げ、そこに印をつけた。それは、現在開発中の鉱山からは少し離れた場所で、小さな山の麓に位置していた。
「地質調査のデータを確認したんだが、この辺りに未発見の鉱脈がある可能性が高いと俺は睨んでいる。せっかくだから、ちょっと確認しておきたい」
「わかった。行こう」
ということで、三人は予定外の調査を行うことにした。
翌朝、三人は必要な装備を揃えて出発した。本来なら、現地の案内人を雇うべきだろうけれど、彼らにはその必要がなかった。城介が事前に地図と地形データを徹底的に調べ、必要なルートを構築した。
彼らが向かったのは、小さな丘陵地帯の奥にひっそりと口を開けた洞窟。放置されたそこは、入り口は植物に覆われ、地元住民でさえめったに訪れない場所らしい。
「ここから入っていける」
剛はヘッドライトを点け、洞窟の入り口を照らした。暗く湿った空気が彼らを迎え入れる。
「行くぞ」
ハヤトが率先して一歩を踏み出すと、他の二人も続いた。洞窟内は予想以上に複雑で、狭い通路と広い空間が不規則に連なっていた。三人はヘッドライトの光を頼りに、慎重に前進していく。
「懐かしいな」
ハヤトがふと呟いた。薄暗い洞窟の中を進みながら、彼は異世界での冒険を思い出していた。無数の洞窟や迷宮を探索した日々。常に危険と隣り合わせだったあの時間が、今は不思議と愛おしく感じられた。
「あの時を思い出すな」
城介が応じる。彼もまた、過去の記憶の中に浸っていた。
「もっと深く危険で、フロアも広かったがな」
「そういえば、こんなような洞窟でリリアが大きな魔法を放って大変だったな」
剛も懐かしそうに語った。
「ああ、あの時は驚いた。いきなり天井が崩れ落ちてきて」
「それで俺たち皆を守るために、セレスティアが頑張ってくれて」
「そのおかげで、敵は一気に殲滅できたんだがな」
三人は思い出話に花を咲かせながら、洞窟の奥へと進んでいった。不思議な高揚感が彼らの胸を満たし、疲れを感じさせなかった。まるで、かつての冒険が再現されているかのように。
洞窟は次第に下り坂となり、温度が上昇していった。岩肌からは水が滲み出し、空気はより湿度を増した。
「この先だ」
剛が立ち止まり、周囲を見回した。彼らは小さな空間に到達していた。ヘッドライトの光が岩壁に反射し、不規則な影を作り出している。
そして、ついに彼らは何かを見つけた。岩肌に埋め込まれた、かすかに光る鉱物の脈。剛が近づいて確認する。
「おお! やはり、あったか」
彼の声には満足感が溢れていた。
「これは?」
ハヤトは好奇心を持って尋ねた。彼には単なる石のように見えたが、剛の目には明らかに価値あるものに映っていたようだ。
「鉱床だ。火山の恵みだな」
剛は専門家のように岩肌を撫で、説明を始めた。
「この地域はかつて火山活動が活発だった。マグマに熱せられた地下水に様々な金属元素が溶け出し、それが冷えて固まったのがここにある鉱脈だ」
彼は小さなハンマーを取り出し、慎重に岩を叩いて標本を採取した。
「俺の予測では、このあたりから北東に向かって、まだ未発見の有望な金鉱床が広がっている可能性が高い。それを確認するために、実際に自分の目で見ておきたかったんだ」
剛の眼は、かつて鍛冶師だった頃のように輝いていた。彼は採取した標本を丁寧に袋に収め、満足げに頷いた。
「ありがとう。仕事は成功だ。しっかりと報酬を支払うよ、ハヤトに城介」
「その話は、戻ってからにしようか」
ハヤトは笑いながら言った。彼は仲間である剛の喜びを心から嬉しく思っていた。
「確認が終わったなら、早く戻ろうぜ。俺は冷えたビールが飲みたいよ」
城介が肩をすくめながら言い、三人は笑い合った。
洞窟から出ると、既に日は傾き始めていた。彼らは無事にホテルに戻り、待機していたボディーガードたちと合流した。剛は確認したかったことが全て揃ったとして、翌日の帰国を決めた。
「交渉の続きは、また落ち着いてから行う。今回は確認するのが目的だったからな」
剛はそう言って、満足げに微笑んだ。この視察は、予想外のトラブルはあったものの、彼にとっては大成功で終わった。
日本に戻った翌週、剛はハヤトの自宅マンションを訪れた。
リビングでハヤトが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、剛は持参した封筒を彼に手渡した。
「報酬だ。受け取ってくれ」
ハヤトは封筒を開け、中に入っていた書類を確認した瞬間、目を見開いた。
「って、こんなに貰っていいのか!?」
仕事の成功報酬代金。それは、彼の予想をはるかに超える金額だった。2,3年は働かなくても大丈夫なほどの額が記されていたから。
「受け取ってくれ」
剛は真剣な表情で言った。
「予想外のことに巻き込んでしまったし、迷惑料も含めている。それに、君のおかげで視察は大成功だった」
「いや、しかし、こんな」
「君の力が必要だったんだ。そして、それに見合う対価を払いたい。それだけだよ」
「……そうか。そこまで言うのなら、ありがたく受け取るよ」
ハヤトは、感謝を込めて答えた。この報酬で、彼の当面の生活はかなり安定する。仕事を探す焦りから解放され、じっくりと自分の今後について考えることができる。
護衛を担当していた人物の裏切りが発覚した翌日、当初の予定から完全に組み直され、ボディーガードたちの警戒も強化されていた。剛と現地の関係者たちとの会談は複数の場所で分散して行われ、移動経路も毎回変更された。
そのおかげなのか、あれから襲撃もなく、会談は順調だった。
鉱山周辺の様々な施設や交渉相手との会談場所を訪れる中、ボディーガードたちの表情は次第に疲労の色を濃くしていった。日本とは違う現地の環境、そして緊張感が彼らを蝕んでいく。特に身内の裏切りに深い責任を感じていたリーダーは、休息をあまり取らずに、常に剛の側に控えていた。何が起きても守る、という覚悟を持って。
「このままじゃ、いずれ倒れるな」
城介が小声でハヤトに囁いた時、ハヤトもうなずくしかなかった。彼らの眼は充血し、制服の襟元には絶え間なく流れ落ちる汗の跡があった。
四日目の午後、ついに最初の犠牲者が出た。
「申し訳ありません、少し休ませていただけますか」
会談場所から戻る途中、一人のボディーガードが突然立ち止まり、冷や汗を流しながら壁に寄り掛かった。顔面は蒼白で、唇が震えている。極度の緊張と疲労が、ついに限界に達してしまった。
「病院に連れて行く」
剛の指示で、彼はホテルの医務室に運ばれた。診断の結果は過労と脱水症状。医師からは最低でも一週間の安静が言い渡された。
「問題ありません。残りのメンバーで警護を続行します」
リーダーは平静を装ったが、その声には焦りが混じっていた。彼の部下たちもまた、疲労の限界に近づいていることは明らかだった。
それから二日の間に、さらに数人のボディーガードが体調を崩した。無理な警戒態勢の代償は大きく、彼らの顔には焦りと恐怖が浮かび上がっていた。そして七日目の朝、ついにリーダー自身が倒れた。
「何度も何度も、本当に申し訳ありません」
ホテルの一室で横になりながら、リーダーは青ざめた顔で剛に謝罪の言葉を繰り返した。彼の額には脱力感からくる冷や汗が浮かび、その眼には疲労だけでなく、自身に対する深い失意の色が宿っていた。
「最初の裏切り者を出し、そして今度は体調を崩して任務を全うできない。私たちは……。いえ私は、完全に失敗しました」
彼の声は震え、自責の念があふれていた。
「こちらも済まなかった。無理をさせすぎたな」
剛も申し訳ない気持ちで謝罪する。危機感を過剰に抱いていたリーダーと、あまり危機感を持たなかった剛。二人の意識の違いは大きかった。
「これでは、完全に警備態勢が」
「ハヤトと城介がいるから、大丈夫だ」
剛はそう言って、部屋の隅で静かに待機していた二人を見た。
リーダーは初めて、彼らをじっくりと観察した。確かに、あれだけの緊迫した日々を過ごしてきたというのに、その二人は疲れた様子すら一切見せていない。むしろ、落ち着いて状況を見守っているようだった。
「あの……お二人は……」
リーダーは言葉を選びながら、疑問を口にした。問われた剛だが、もちろん異世界のことなど言えない。
城介は肩をすくめ、何でもないように答えた。
「昔から、体力には自信があるんでね」
その答えに、リーダーは釈然としない表情を浮かべた。彼の頭の中には様々な憶測が浮かんでいた。もしかすると、この二人は剛が秘密裏に雇った特別な護衛なのだろうか。もしかしたら、彼らの経歴自体が偽りなのかもしれない。元会社員や不動産会社の経営者という肩書きの人間が、これほど冷静で強靭なはずがない。
「彼らのことは信頼していい。それに、今は君たちの回復が最優先だ」
剛の言葉に、リーダーは深くため息をついた。今の状況で役に立てることはない。雇い主の指示に従うべき。そう考えた。
「わかりました。では……警護の任を、お二人に託します」
ボディーガードたちの不在は、三人の行動範囲を思いがけず自由にした。視察の公式日程は順調に消化していたが、剛には確認したいことがあった。
「ちょっと、見ておきたい場所があるんだ。一緒に来てくれないか?」
ホテルの一室で、剛はハヤトと城介に尋ねた。彼の目には、どこか冒険者のような輝きが宿っていた。
「もちろん、いいよ」
ハヤトは即座に答えた。
「行こう。どこに行くんだ?」
城介も興味深そうに尋ねた。
「地図を見てくれ」
剛はテーブルに地図を広げ、そこに印をつけた。それは、現在開発中の鉱山からは少し離れた場所で、小さな山の麓に位置していた。
「地質調査のデータを確認したんだが、この辺りに未発見の鉱脈がある可能性が高いと俺は睨んでいる。せっかくだから、ちょっと確認しておきたい」
「わかった。行こう」
ということで、三人は予定外の調査を行うことにした。
翌朝、三人は必要な装備を揃えて出発した。本来なら、現地の案内人を雇うべきだろうけれど、彼らにはその必要がなかった。城介が事前に地図と地形データを徹底的に調べ、必要なルートを構築した。
彼らが向かったのは、小さな丘陵地帯の奥にひっそりと口を開けた洞窟。放置されたそこは、入り口は植物に覆われ、地元住民でさえめったに訪れない場所らしい。
「ここから入っていける」
剛はヘッドライトを点け、洞窟の入り口を照らした。暗く湿った空気が彼らを迎え入れる。
「行くぞ」
ハヤトが率先して一歩を踏み出すと、他の二人も続いた。洞窟内は予想以上に複雑で、狭い通路と広い空間が不規則に連なっていた。三人はヘッドライトの光を頼りに、慎重に前進していく。
「懐かしいな」
ハヤトがふと呟いた。薄暗い洞窟の中を進みながら、彼は異世界での冒険を思い出していた。無数の洞窟や迷宮を探索した日々。常に危険と隣り合わせだったあの時間が、今は不思議と愛おしく感じられた。
「あの時を思い出すな」
城介が応じる。彼もまた、過去の記憶の中に浸っていた。
「もっと深く危険で、フロアも広かったがな」
「そういえば、こんなような洞窟でリリアが大きな魔法を放って大変だったな」
剛も懐かしそうに語った。
「ああ、あの時は驚いた。いきなり天井が崩れ落ちてきて」
「それで俺たち皆を守るために、セレスティアが頑張ってくれて」
「そのおかげで、敵は一気に殲滅できたんだがな」
三人は思い出話に花を咲かせながら、洞窟の奥へと進んでいった。不思議な高揚感が彼らの胸を満たし、疲れを感じさせなかった。まるで、かつての冒険が再現されているかのように。
洞窟は次第に下り坂となり、温度が上昇していった。岩肌からは水が滲み出し、空気はより湿度を増した。
「この先だ」
剛が立ち止まり、周囲を見回した。彼らは小さな空間に到達していた。ヘッドライトの光が岩壁に反射し、不規則な影を作り出している。
そして、ついに彼らは何かを見つけた。岩肌に埋め込まれた、かすかに光る鉱物の脈。剛が近づいて確認する。
「おお! やはり、あったか」
彼の声には満足感が溢れていた。
「これは?」
ハヤトは好奇心を持って尋ねた。彼には単なる石のように見えたが、剛の目には明らかに価値あるものに映っていたようだ。
「鉱床だ。火山の恵みだな」
剛は専門家のように岩肌を撫で、説明を始めた。
「この地域はかつて火山活動が活発だった。マグマに熱せられた地下水に様々な金属元素が溶け出し、それが冷えて固まったのがここにある鉱脈だ」
彼は小さなハンマーを取り出し、慎重に岩を叩いて標本を採取した。
「俺の予測では、このあたりから北東に向かって、まだ未発見の有望な金鉱床が広がっている可能性が高い。それを確認するために、実際に自分の目で見ておきたかったんだ」
剛の眼は、かつて鍛冶師だった頃のように輝いていた。彼は採取した標本を丁寧に袋に収め、満足げに頷いた。
「ありがとう。仕事は成功だ。しっかりと報酬を支払うよ、ハヤトに城介」
「その話は、戻ってからにしようか」
ハヤトは笑いながら言った。彼は仲間である剛の喜びを心から嬉しく思っていた。
「確認が終わったなら、早く戻ろうぜ。俺は冷えたビールが飲みたいよ」
城介が肩をすくめながら言い、三人は笑い合った。
洞窟から出ると、既に日は傾き始めていた。彼らは無事にホテルに戻り、待機していたボディーガードたちと合流した。剛は確認したかったことが全て揃ったとして、翌日の帰国を決めた。
「交渉の続きは、また落ち着いてから行う。今回は確認するのが目的だったからな」
剛はそう言って、満足げに微笑んだ。この視察は、予想外のトラブルはあったものの、彼にとっては大成功で終わった。
日本に戻った翌週、剛はハヤトの自宅マンションを訪れた。
リビングでハヤトが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、剛は持参した封筒を彼に手渡した。
「報酬だ。受け取ってくれ」
ハヤトは封筒を開け、中に入っていた書類を確認した瞬間、目を見開いた。
「って、こんなに貰っていいのか!?」
仕事の成功報酬代金。それは、彼の予想をはるかに超える金額だった。2,3年は働かなくても大丈夫なほどの額が記されていたから。
「受け取ってくれ」
剛は真剣な表情で言った。
「予想外のことに巻き込んでしまったし、迷惑料も含めている。それに、君のおかげで視察は大成功だった」
「いや、しかし、こんな」
「君の力が必要だったんだ。そして、それに見合う対価を払いたい。それだけだよ」
「……そうか。そこまで言うのなら、ありがたく受け取るよ」
ハヤトは、感謝を込めて答えた。この報酬で、彼の当面の生活はかなり安定する。仕事を探す焦りから解放され、じっくりと自分の今後について考えることができる。
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