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第3章 テレビ出演編
第24話 モテる理由
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「優って、ブス専?」
お昼ご飯を食べ終わった後、いきなり圭一にそう言われて、僕は動揺した。どうしてそう思われたのか、さっぱりわからなかったから。彼から見ると、そんな風に見えるのだろうか?
「なんだよ、いきなり」
「昨日のテレビを見てたんだけどさぁ」
そう言って、圭一は話し始めた。昨日のテレビというのは、料理部の取材で僕が出演した番組のことだった。
「部員の女の一人に、ちょっと酷いのがいるだろ?」
誰の事か分からなかった。というか、部員の誰かを貶して言っている友人に対して少しイラっと来た。
「酷いの、って誰の事さ?」
「たしか、副部長の桜って女だよ」
「えっ? 桜さん? 酷いって何が」
「何がって、顔が」
「えー? そうかな?」
料理部の副部長である桜さん。紅茶を入れるのが上手で、僕は毎回部活の終わりに入れてもらっている。そんな優しい彼女が、何故圭一に酷いと言われているのか、僕には理解できなかった。僕から見れば十分に可愛いし、愛嬌もある。だから、圭一の発言に腹が立った。わざわざ言う必要がないだろうに。
「男ってのはどこかで必ず、女性たちに嫌悪感を覚えるものさ。自分ではそんな風に感じなくても、女どもは意外にそういうのを察知している。いつも鈍いのに、たまに鋭い時があったりする。ブスの女ほどそうだったりする。だから、女はあんまり我を出してこない。たまに自覚していない女もいるけど、ほとんど空気を読んで自重してるんだよ。だけど、優の周りには色んな女が寄ってきてる」
ズケズケと物を言う奴だ。だけど圭一のような考え方が、この世界での常識らしい。ズレているのは、僕の方なのだろうか。
「優は、学校の女どもに別け隔てなく親切にするだろう? 教科書忘れたからって、机引っ付けて一緒に見てたろ。その時、男の子たちがざわついてたの気づかなかったのか?」
「そんなこと、あったかな?」
「あったよ」
周りの男子の視線に気づいたかどうか以前に、机を引っ付けて教科書を一緒に見たのなんていつの事やらさっぱり思い出せない。
「弁当を忘れた女がふざけておかずを募った時、一緒におかずを分けてたろ?」
「あぁ、うん」
それは覚えてる、1週間前に弁当忘れた女子生徒におかずをちょっと分けてあげた。渾身の出来のだし巻玉子だったけど、食べてもらってすごく喜ばれた時の事だろう。
「そういう積み重ねがあって今は、学校中の女たちがお前のファンだってさ。隠れてファンクラブなんてものも作っているらしい」
「そんな事になってるの?」
ファンクラブ。まるで漫画やアニメの世界だな、なんて思った。僕なんかのファンになっても、何も得しないと思うんだけど。
「そして、昨日のテレビ!」
「昨日のテレビ?」
「そう! 言っちゃなんだが、あれほどのブスを相手にして、普通に接して、あまつさえ指導を熱心にやったらブスな自分でも、あんなふうに接してもらえるかもなんて思うだろ?」
「いや、熱心にって……。別に、たまたまだよ」
桜さんは料理部で最初に知り合った女性だし、一緒に料理部を盛り上げる仲間だったから。料理部の中では一番気を許せる相手だったけど。今思い返してみると、熱心だったのかもしれない。
それに桜さんは、かなりの美人だと思う。美人に対して親切にしてしまうのは、男のサガだ。その様子を周りが見れば、熱心に指導していると勘違いされたのかもしれない。
でも、僕にとってはただ、当たり前のことをしただけだったんだけれどな。
「今日の朝の女だって、多分それが原因だよ。運命の相手なんて、ちょっとおかしな空想に入り浸るのも女性特有の妄想癖さ」
「いや、でも優しくしたからってモテるかどうかは。むしろ、あんまり好まれる容姿じゃないよ僕は」
「……はぁ」
なぜか重い溜息をつく圭一。彼の言わんとしていることが、いまいち分からない。
「謙虚でいることは美徳だけど、行き過ぎると嫌味に聞こえるって」
「謙虚? 僕は、本気で言ってるけど」
「その容姿で、女性に好かれないと思っているのなら、自己評価が低すぎるよ」
「そうかな?」
「そうだよ」
謙虚なつもりなんて、全くない。前の世界では女性というものに全く縁が無かった僕は、女性にモテるというのがどういうものかいまいち分からない。意味は分かるけど、相手が自分を好きでいてくれるという感覚がいまいちピンとこない。
だから、女性に好かれているという感覚もあまりわからない。もし本当に僕に好意を持ってくれている人がいるなら、申し訳ないと思うばかりだ。
「とにかく、今後また女性関係で問題が起きそうだから、気をつけろって話」
「うん。それは、分かったよ」
圭一が注意してくれる事は、素直にありがたいと思った。今朝の出来事も大変だったから、日頃から気をつける必要があることは分かっている。
「本当に大丈夫かなぁ? 僕は、優が心配だよ」
また圭一が重い溜息をついて、僕のことを心配している。そんなに僕の事が信用できないのだろうか?
まぁ確かに、今まで女性に対する警戒心が薄かったから今朝のような事件が起きてしまった。今まで注意が足りなかったことを反省しなければいけない。
今度から、もう少し女性に対して敏感になるべきなのだろうな。
お昼ご飯を食べ終わった後、いきなり圭一にそう言われて、僕は動揺した。どうしてそう思われたのか、さっぱりわからなかったから。彼から見ると、そんな風に見えるのだろうか?
「なんだよ、いきなり」
「昨日のテレビを見てたんだけどさぁ」
そう言って、圭一は話し始めた。昨日のテレビというのは、料理部の取材で僕が出演した番組のことだった。
「部員の女の一人に、ちょっと酷いのがいるだろ?」
誰の事か分からなかった。というか、部員の誰かを貶して言っている友人に対して少しイラっと来た。
「酷いの、って誰の事さ?」
「たしか、副部長の桜って女だよ」
「えっ? 桜さん? 酷いって何が」
「何がって、顔が」
「えー? そうかな?」
料理部の副部長である桜さん。紅茶を入れるのが上手で、僕は毎回部活の終わりに入れてもらっている。そんな優しい彼女が、何故圭一に酷いと言われているのか、僕には理解できなかった。僕から見れば十分に可愛いし、愛嬌もある。だから、圭一の発言に腹が立った。わざわざ言う必要がないだろうに。
「男ってのはどこかで必ず、女性たちに嫌悪感を覚えるものさ。自分ではそんな風に感じなくても、女どもは意外にそういうのを察知している。いつも鈍いのに、たまに鋭い時があったりする。ブスの女ほどそうだったりする。だから、女はあんまり我を出してこない。たまに自覚していない女もいるけど、ほとんど空気を読んで自重してるんだよ。だけど、優の周りには色んな女が寄ってきてる」
ズケズケと物を言う奴だ。だけど圭一のような考え方が、この世界での常識らしい。ズレているのは、僕の方なのだろうか。
「優は、学校の女どもに別け隔てなく親切にするだろう? 教科書忘れたからって、机引っ付けて一緒に見てたろ。その時、男の子たちがざわついてたの気づかなかったのか?」
「そんなこと、あったかな?」
「あったよ」
周りの男子の視線に気づいたかどうか以前に、机を引っ付けて教科書を一緒に見たのなんていつの事やらさっぱり思い出せない。
「弁当を忘れた女がふざけておかずを募った時、一緒におかずを分けてたろ?」
「あぁ、うん」
それは覚えてる、1週間前に弁当忘れた女子生徒におかずをちょっと分けてあげた。渾身の出来のだし巻玉子だったけど、食べてもらってすごく喜ばれた時の事だろう。
「そういう積み重ねがあって今は、学校中の女たちがお前のファンだってさ。隠れてファンクラブなんてものも作っているらしい」
「そんな事になってるの?」
ファンクラブ。まるで漫画やアニメの世界だな、なんて思った。僕なんかのファンになっても、何も得しないと思うんだけど。
「そして、昨日のテレビ!」
「昨日のテレビ?」
「そう! 言っちゃなんだが、あれほどのブスを相手にして、普通に接して、あまつさえ指導を熱心にやったらブスな自分でも、あんなふうに接してもらえるかもなんて思うだろ?」
「いや、熱心にって……。別に、たまたまだよ」
桜さんは料理部で最初に知り合った女性だし、一緒に料理部を盛り上げる仲間だったから。料理部の中では一番気を許せる相手だったけど。今思い返してみると、熱心だったのかもしれない。
それに桜さんは、かなりの美人だと思う。美人に対して親切にしてしまうのは、男のサガだ。その様子を周りが見れば、熱心に指導していると勘違いされたのかもしれない。
でも、僕にとってはただ、当たり前のことをしただけだったんだけれどな。
「今日の朝の女だって、多分それが原因だよ。運命の相手なんて、ちょっとおかしな空想に入り浸るのも女性特有の妄想癖さ」
「いや、でも優しくしたからってモテるかどうかは。むしろ、あんまり好まれる容姿じゃないよ僕は」
「……はぁ」
なぜか重い溜息をつく圭一。彼の言わんとしていることが、いまいち分からない。
「謙虚でいることは美徳だけど、行き過ぎると嫌味に聞こえるって」
「謙虚? 僕は、本気で言ってるけど」
「その容姿で、女性に好かれないと思っているのなら、自己評価が低すぎるよ」
「そうかな?」
「そうだよ」
謙虚なつもりなんて、全くない。前の世界では女性というものに全く縁が無かった僕は、女性にモテるというのがどういうものかいまいち分からない。意味は分かるけど、相手が自分を好きでいてくれるという感覚がいまいちピンとこない。
だから、女性に好かれているという感覚もあまりわからない。もし本当に僕に好意を持ってくれている人がいるなら、申し訳ないと思うばかりだ。
「とにかく、今後また女性関係で問題が起きそうだから、気をつけろって話」
「うん。それは、分かったよ」
圭一が注意してくれる事は、素直にありがたいと思った。今朝の出来事も大変だったから、日頃から気をつける必要があることは分かっている。
「本当に大丈夫かなぁ? 僕は、優が心配だよ」
また圭一が重い溜息をついて、僕のことを心配している。そんなに僕の事が信用できないのだろうか?
まぁ確かに、今まで女性に対する警戒心が薄かったから今朝のような事件が起きてしまった。今まで注意が足りなかったことを反省しなければいけない。
今度から、もう少し女性に対して敏感になるべきなのだろうな。
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