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第十三章 決定打
第七十八話 襲撃
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「検問官はまだ来ていないな?」
ラルフは仲間の男に尋ねた。
招集があってから数分。この平屋にいるほぼ全員が一室に集まり、やり過ごす作戦を確認している。
こういうことが起こるから国境付近は心配だったのだが、知恵の回るゼンに「ここなら捜索の目から逃れられる」と言われてしまえば合意するしかない。
実際、今のところ捜索隊が近付いてきている気配は全く無かった。
「良いか。狩猟で捕ったものを売りに行く集団風に過ごすんだぞ」
この方針を考えたのもゼンだ。
自分を拾ってくれた組織に貢献しようとしているというより、単に仕事を卒なく成功させるためにやっているらしいのだが、この組織にとってゼンの頭脳が必要なのは明確だった。
「それじゃあラルフとゼンはここに残れ。それ以外の者は皆、検問官の来る方向から見えるように外に出ておくこと」
仲間の一人が指示を出し、皆各々行動し始める。そんな中、二人が待機する部屋に一人の男がやって来た。
「オーランドさん、お疲れ様です!」
ラルフが表情を綻ばせる。ゼンも、会釈をした。オーランドと呼ばれた男は、片手を挙げて応える。
彼は、二人が所属する裏組織の幹部候補だ。そして、ゼンとラルフを組織に誘った男でもあった。
「いらっしゃっていたんですね」
「ああ」
幹部候補は忙しい。他の依頼の統括もあるからだ。
しかしオーランドは今日、幹部と共に近くのソル王国で仕事があり、ついでにこの平屋に顔を出しに来ていたのだった。
「ご挨拶もできずに、すみません」
「いや、問題ない。少し前に着いたばかりだ。それに、任務が最優先だからな」
オーランドはにこやかにそう答えた。彼は常に紳士然としている人物だ。
知り合ってから数年が経つが、彼が怒ったり不愛想になったりしたところを、ラルフ達は見たことが無かった。それどころか、動揺しているところも見たことがない。
基本的に、オーランドはにこやかなのである。
「ところで、今日は何の任務なんだ?」
近頃は幹部候補としての作業が多く、直近の任務のことはあまり知らなかった。
「とある令嬢の誘拐です」
ラルフが答える。
「誘拐というと、奴隷か愛人か……あとは臓器関係か」
これまでの任務経験から、当たりをつけながらオーランドが言う。
しかし彼の予想に反して、ラルフは首を横に振った。
「今回は、少し違うみたいです」
「何?」
じゃあ目的は、と尋ねるオーランド。
「誘拐した令嬢の貞操を奪うことらしいですよ。その後、解放すると聞いています」
なぜわざわざそんなことを。彼の頭には、真っ先に疑問が浮かび上がった。
裏組織に依頼するということは、それなりに代金がかかる。誘拐となると相手の情報収集費用がかかる上に、人件費や移動費もかさむからだ。
奴隷や臓器が目的ならば、売り払って手に入れた金で元が取れる。
しかし、貞操を奪ってその後解放させるということは、裏組織に依頼代金を払った後、それを回収する手段が無い。
つまり、依頼者には金銭的な利益を得るつもりが無いということだ。
そこまでして依頼するなど、何か、相手に恨みでもあるのだろうか。
「人質は誰なんだ?」
気になって再び尋ねると、ラルフは言った。
「フォード伯爵家のシャーロットという令嬢です」
「え……?」
一瞬、耳を疑った。その名前は知っている。貴族社会では、今や彼女の名を知らぬ者はいない。
「ものすごく美人でしたよ。目に焼き付けておきたいくらいで」
「ちょ、ちょっと待て」
冗談めかして令嬢の美貌を絶賛するラルフを、オーランドは制止した。
「シャーロット・フォード伯爵令嬢なのか?本当に?」
「え、ええ。そうですよ」
突然様子が変わったオーランドに困惑しつつも、ラルフは頷いた。
普段からにこやかな目の前の紳士。そんな彼が今焦りを浮かべ始めたことに、驚きを隠せない。
「ど、どうかされたんですか?」
「あー、まあ。そうか」
顎に手をやり、何やら考え込んでいるオーランド。納得しているように頷いたものの、すぐに険しい顔に変わる。
「いや、やっぱりまずいな」
「え?」
それほど焦るようなことがあったかと首をひねるラルフに、オーランドは言った。
「フォード伯爵令嬢が、王太子殿下の婚約者であることは知っているよな」
「は、はい」
「これが何を意味するか分かるか?」
「大規模な捜索が始まって、もし捕まったら重大な罰が下るということでしょうか」
頷くオーランド。
ですが、とラルフは続けた。
「調査だと、すでに教会で婚約解消をしているみたいですよ?」
現時点では未公表だが、二人の法的結び付きは途切れているだろう。
それに、あの令嬢には何か重大な欠陥があったに違いない。
王太子の婚約なのだから当然慎重に決められたはずで、婚約解消はよほどのことが無い限り行われないのだから。
「きっとあまりにも高慢だったとか、王室の金を勝手に使おうとしたとか、そんな感じじゃないでしょうか」
一応はまだ婚約者だが、欠陥のある令嬢だ。すでに王太子の関心は、彼女に向いていないだろう。
だから大丈夫だと思います、と楽観的に話すラルフに、オーランドは渋い顔をした。
「そうかもしれないが、あの王太子殿下と一時期でも繋がっていたのが、ちょっとな……」
「どういうことです?」
未だにピンと来ていないらしいラルフ。
オーランドは二人に、真剣な顔で訴える。
「良いか。今後一切、あの人に関わる仕事はやるな」
絶対にだ、と念押しをするオーランド。焦りのせいか、やや早口になりながら、彼は続ける。
「去年、この王国一大きな裏組織が撲滅されただろう」
トリジア王国では他の国と同様に、複数の裏組織がそれぞれ存在している。組織の人数や依頼の規模によって、大・中・小の集団に分かれていた。
オーランド達の組織はそれほど大きなものではなく、裏組織調査官への知名度は低いと推測している。
一方、大規模な組織は調査官側にも広く知れ渡っているらしく、撲滅を急いでいると聞いていた。
そんな時に飛び込んで来たのが、巨大裏組織の幹部が捕まったという情報。それを知った全員に、衝撃が走った。
「表では王宮お抱えの諜報部隊が一役買ったと言われているが……撲滅を主導した本当の核は、ギルバート王太子殿下だ」
「え……で、でも確か、あの人はまだかなり若いですよね?」
「ああ。当時十七歳」
それを聞いて、ラルフは目を丸くした。
「まさかそんな、信じられません。きっと何かの間違いですよ」
はは、と笑う彼に、オーランドは静かに首を横に振る。
「捕まった幹部の補佐が、仲間に話していたんだとさ」
補佐自身もその後すぐ逮捕されたらしいがな、と彼は言った。
「それに他の組織の幹部も、口をそろえて『あの男には絶対に近付くな』と言っている」
次期幹部候補として、様々な幹部とも会話をしてきたオーランド。
依頼を受ける際の方針や統括の仕方などを教えてくれる彼らが最後に付け加えるのは、決まって王太子のことだった。
「ああ……だからうちに依頼が回ってきたんだな」
彼は眉間に皺を寄せながらも、納得したように呟く。
裏社会に精通している集団なら、王太子の厄介さに気付いているはずだ。そんな彼と少しの期間でも婚約していた令嬢を誘拐する危険性は、よく分かっている。当然、依頼は受けたがらない。
今回の依頼は、他の組織からの紹介で承ったらしい。
依頼者の名前は明かされていない。おそらく依頼者側の意図もあるのだろうが、優秀な組織から順にたらい回しにされた側面もあると考えられる。
そして不幸なことに、この依頼を了承したこの組織の人間は皆、王太子の恐ろしさを見くびっていたということだ。
「しまったな。ソル王国での仕事で不在の間に」
背中に冷や汗が流れる。
誘拐はすでに実行されてしまった。当然、捜索が始まっているはずだ。
トリジア王家の者達を甘くみてはいけない。もう、すぐ近くまで迫ってきている可能性だって十分あった。
もし捕まれば重罰は避けられない。いや、あの王太子のことだ。重罰という言葉では済まされない事態になるかもしれなかった。
「彼女をこれ以上拘束するのは危険すぎる」
焦りを滲ませながら、オーランドは言った。
「とにかく、今すぐどこかに帰し──」
バキィッ!!
「……っ!?」
「な、なんだ!」
突然、部屋の扉が破られる音が響いた。蝶番が外れ、がたりと傾いている。
オーランドは扉の奥に立つ男を見て、青ざめた。
金色の眩い髪に、紫の瞳。腰にさした剣には、トリジア王家の紋章が刻まれている。
間違いない。来てしまったのだ。
「お、王太子殿下……っ」
震える声で呟く。
「やあ。隠れ家はここで合っているかな」
傷一つ無い顔に爽やかな笑みを浮かべ、そう尋ねる王太子。
しかし、瞳の奥には冷ややかな光を宿していた。
ラルフは仲間の男に尋ねた。
招集があってから数分。この平屋にいるほぼ全員が一室に集まり、やり過ごす作戦を確認している。
こういうことが起こるから国境付近は心配だったのだが、知恵の回るゼンに「ここなら捜索の目から逃れられる」と言われてしまえば合意するしかない。
実際、今のところ捜索隊が近付いてきている気配は全く無かった。
「良いか。狩猟で捕ったものを売りに行く集団風に過ごすんだぞ」
この方針を考えたのもゼンだ。
自分を拾ってくれた組織に貢献しようとしているというより、単に仕事を卒なく成功させるためにやっているらしいのだが、この組織にとってゼンの頭脳が必要なのは明確だった。
「それじゃあラルフとゼンはここに残れ。それ以外の者は皆、検問官の来る方向から見えるように外に出ておくこと」
仲間の一人が指示を出し、皆各々行動し始める。そんな中、二人が待機する部屋に一人の男がやって来た。
「オーランドさん、お疲れ様です!」
ラルフが表情を綻ばせる。ゼンも、会釈をした。オーランドと呼ばれた男は、片手を挙げて応える。
彼は、二人が所属する裏組織の幹部候補だ。そして、ゼンとラルフを組織に誘った男でもあった。
「いらっしゃっていたんですね」
「ああ」
幹部候補は忙しい。他の依頼の統括もあるからだ。
しかしオーランドは今日、幹部と共に近くのソル王国で仕事があり、ついでにこの平屋に顔を出しに来ていたのだった。
「ご挨拶もできずに、すみません」
「いや、問題ない。少し前に着いたばかりだ。それに、任務が最優先だからな」
オーランドはにこやかにそう答えた。彼は常に紳士然としている人物だ。
知り合ってから数年が経つが、彼が怒ったり不愛想になったりしたところを、ラルフ達は見たことが無かった。それどころか、動揺しているところも見たことがない。
基本的に、オーランドはにこやかなのである。
「ところで、今日は何の任務なんだ?」
近頃は幹部候補としての作業が多く、直近の任務のことはあまり知らなかった。
「とある令嬢の誘拐です」
ラルフが答える。
「誘拐というと、奴隷か愛人か……あとは臓器関係か」
これまでの任務経験から、当たりをつけながらオーランドが言う。
しかし彼の予想に反して、ラルフは首を横に振った。
「今回は、少し違うみたいです」
「何?」
じゃあ目的は、と尋ねるオーランド。
「誘拐した令嬢の貞操を奪うことらしいですよ。その後、解放すると聞いています」
なぜわざわざそんなことを。彼の頭には、真っ先に疑問が浮かび上がった。
裏組織に依頼するということは、それなりに代金がかかる。誘拐となると相手の情報収集費用がかかる上に、人件費や移動費もかさむからだ。
奴隷や臓器が目的ならば、売り払って手に入れた金で元が取れる。
しかし、貞操を奪ってその後解放させるということは、裏組織に依頼代金を払った後、それを回収する手段が無い。
つまり、依頼者には金銭的な利益を得るつもりが無いということだ。
そこまでして依頼するなど、何か、相手に恨みでもあるのだろうか。
「人質は誰なんだ?」
気になって再び尋ねると、ラルフは言った。
「フォード伯爵家のシャーロットという令嬢です」
「え……?」
一瞬、耳を疑った。その名前は知っている。貴族社会では、今や彼女の名を知らぬ者はいない。
「ものすごく美人でしたよ。目に焼き付けておきたいくらいで」
「ちょ、ちょっと待て」
冗談めかして令嬢の美貌を絶賛するラルフを、オーランドは制止した。
「シャーロット・フォード伯爵令嬢なのか?本当に?」
「え、ええ。そうですよ」
突然様子が変わったオーランドに困惑しつつも、ラルフは頷いた。
普段からにこやかな目の前の紳士。そんな彼が今焦りを浮かべ始めたことに、驚きを隠せない。
「ど、どうかされたんですか?」
「あー、まあ。そうか」
顎に手をやり、何やら考え込んでいるオーランド。納得しているように頷いたものの、すぐに険しい顔に変わる。
「いや、やっぱりまずいな」
「え?」
それほど焦るようなことがあったかと首をひねるラルフに、オーランドは言った。
「フォード伯爵令嬢が、王太子殿下の婚約者であることは知っているよな」
「は、はい」
「これが何を意味するか分かるか?」
「大規模な捜索が始まって、もし捕まったら重大な罰が下るということでしょうか」
頷くオーランド。
ですが、とラルフは続けた。
「調査だと、すでに教会で婚約解消をしているみたいですよ?」
現時点では未公表だが、二人の法的結び付きは途切れているだろう。
それに、あの令嬢には何か重大な欠陥があったに違いない。
王太子の婚約なのだから当然慎重に決められたはずで、婚約解消はよほどのことが無い限り行われないのだから。
「きっとあまりにも高慢だったとか、王室の金を勝手に使おうとしたとか、そんな感じじゃないでしょうか」
一応はまだ婚約者だが、欠陥のある令嬢だ。すでに王太子の関心は、彼女に向いていないだろう。
だから大丈夫だと思います、と楽観的に話すラルフに、オーランドは渋い顔をした。
「そうかもしれないが、あの王太子殿下と一時期でも繋がっていたのが、ちょっとな……」
「どういうことです?」
未だにピンと来ていないらしいラルフ。
オーランドは二人に、真剣な顔で訴える。
「良いか。今後一切、あの人に関わる仕事はやるな」
絶対にだ、と念押しをするオーランド。焦りのせいか、やや早口になりながら、彼は続ける。
「去年、この王国一大きな裏組織が撲滅されただろう」
トリジア王国では他の国と同様に、複数の裏組織がそれぞれ存在している。組織の人数や依頼の規模によって、大・中・小の集団に分かれていた。
オーランド達の組織はそれほど大きなものではなく、裏組織調査官への知名度は低いと推測している。
一方、大規模な組織は調査官側にも広く知れ渡っているらしく、撲滅を急いでいると聞いていた。
そんな時に飛び込んで来たのが、巨大裏組織の幹部が捕まったという情報。それを知った全員に、衝撃が走った。
「表では王宮お抱えの諜報部隊が一役買ったと言われているが……撲滅を主導した本当の核は、ギルバート王太子殿下だ」
「え……で、でも確か、あの人はまだかなり若いですよね?」
「ああ。当時十七歳」
それを聞いて、ラルフは目を丸くした。
「まさかそんな、信じられません。きっと何かの間違いですよ」
はは、と笑う彼に、オーランドは静かに首を横に振る。
「捕まった幹部の補佐が、仲間に話していたんだとさ」
補佐自身もその後すぐ逮捕されたらしいがな、と彼は言った。
「それに他の組織の幹部も、口をそろえて『あの男には絶対に近付くな』と言っている」
次期幹部候補として、様々な幹部とも会話をしてきたオーランド。
依頼を受ける際の方針や統括の仕方などを教えてくれる彼らが最後に付け加えるのは、決まって王太子のことだった。
「ああ……だからうちに依頼が回ってきたんだな」
彼は眉間に皺を寄せながらも、納得したように呟く。
裏社会に精通している集団なら、王太子の厄介さに気付いているはずだ。そんな彼と少しの期間でも婚約していた令嬢を誘拐する危険性は、よく分かっている。当然、依頼は受けたがらない。
今回の依頼は、他の組織からの紹介で承ったらしい。
依頼者の名前は明かされていない。おそらく依頼者側の意図もあるのだろうが、優秀な組織から順にたらい回しにされた側面もあると考えられる。
そして不幸なことに、この依頼を了承したこの組織の人間は皆、王太子の恐ろしさを見くびっていたということだ。
「しまったな。ソル王国での仕事で不在の間に」
背中に冷や汗が流れる。
誘拐はすでに実行されてしまった。当然、捜索が始まっているはずだ。
トリジア王家の者達を甘くみてはいけない。もう、すぐ近くまで迫ってきている可能性だって十分あった。
もし捕まれば重罰は避けられない。いや、あの王太子のことだ。重罰という言葉では済まされない事態になるかもしれなかった。
「彼女をこれ以上拘束するのは危険すぎる」
焦りを滲ませながら、オーランドは言った。
「とにかく、今すぐどこかに帰し──」
バキィッ!!
「……っ!?」
「な、なんだ!」
突然、部屋の扉が破られる音が響いた。蝶番が外れ、がたりと傾いている。
オーランドは扉の奥に立つ男を見て、青ざめた。
金色の眩い髪に、紫の瞳。腰にさした剣には、トリジア王家の紋章が刻まれている。
間違いない。来てしまったのだ。
「お、王太子殿下……っ」
震える声で呟く。
「やあ。隠れ家はここで合っているかな」
傷一つ無い顔に爽やかな笑みを浮かべ、そう尋ねる王太子。
しかし、瞳の奥には冷ややかな光を宿していた。
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