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16 盾はお店の営業時間の交渉に、箱庭師は在庫の多さを伝えあう。
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「実は――店の開店時間を午後からにしたいんだ」
「あら、どうしてですの?」
一体どんなお願いが飛び出すかと思いきや、お店の開店時間でしたわ。
するとカイルは、午前は箱庭の仕事に集中し、午後にお店を頑張りたいと言う事でしたので、書面上オーナーであるカイルが決める事だと思い、了承致しましたの。
「すまない、店も切り盛りしながら箱庭の方もとなると、どうしても時間を分けて集中したかったんだ」
「構いませんわ。確かにわたくしやライトさんでは採掘スピードは貴方には負けそうですし」
「もう少し落ち着いて商売が出来るようになれば、ライト一人で午前中店を切り盛りして貰う予定ではあるんだが、ライトも箱庭の仕事がしたいと言っていてな」
「まぁ! 嬉しい事ですわ! それでしたらお店の方はお好きになさって?」
「ありがとうリディア」
こうして、午前中は箱庭、午後はお店と時間を分けて商売をすることになりましたの。
わたくしも箱庭の整備等色々やる事がありますし、何より売るものを沢山用意せねばなりませんものね!
「それと、カイルに案内しておかねばなりませんわね。こちらに来て頂ける?」
「ん? 分かった」
そう言うと、作業小屋の中心にある戸を開け、明かりをつけて中に入ると、カイルさんが「これは壮観だな」と呟いておられますわね。
そう、ここはアイテムボックスを使った【出来上がっている品物】の保管庫。
無論、普通の保管庫もありましてよ!
普通のアイテムボックスを作っている際に、たまにできるのが時間を止めておけるアイテムボックス。
その時間を止めて置けるレアな方のアイテムボックスに、わたくしは場所の確保という事でポーション等の劣化する物を沢山入れてますわ。
それぞれの鞄にリボンをつけ、そこに入っているモノを書いて管理していますの。
ズラリと棚に並んだアイテムボックスに、カイルがどんな表情をしているのか何となく想像しつつ、鞄の説明を始めましたわ。
「まず左側にあるのが、普通のアイテムボックスですわ。中身は入ってませんの」
「100くらいはあるんじゃないか?」
「そうですわねぇ……それくらいはあるかも知れませんわ。鞄についているリボンには、そこに入れているアイテム名を書いてますの。嵩張るんですもの、余ってるアイテムボックスを有用活用しないと、この箱庭が物で溢れてしまいますものね」
そう言って、一つの鞄を手にすると、カイルに手渡しましたわ。
赤いリボンで書かれているのは【初級ポーション】。
他の鞄も手にして渡すと、そこには【中級ポーション】等と書かれていますわ。
「劣化する商品はレアなアイテムボックスに入れて管理してますの。昔から作っていた物も多くって、大体5000単位で入れてますわ」
「多いな、一年以上余裕があるんじゃないか?」
「一年とは言いませんわね……もっとかしら」
そう言うと、初級ポーションと書かれたリボンに、【1】と数字が振られているのを見て、カイルは「なるほど……」と遠い目をされましたわ。
「この様に、リボンにアイテム名を書いて並べておりますから、お店で必要な物は此処から持って行ってくださると助かりますわ」
「そうしよう。頼もしい箱庭師だな」
「ふふふ! でも数がどうしても少ないアイテムもありますの。エリクサーとかはどうしても数が出来なくて」
「それを必要になる時があるのかと、ちょっと考えたくはないな」
「売り物にはならないにしても、あると安心? みたいな感じですわね」
実際、前の王国が滅んだ理由はスタンピードが原因とは聞いていますけれど、その手助けにわたくしのような箱庭師が多くいたとしたら、何とか持ちこたえることは出来たかもしれませんわね。
いいえ、何とか乗り切ったとしても、箱庭師を無下にしようとしたら……箱庭師は王国から去った事でしょう。
真相は謎ですけれど、前の王国が滅んだ理由は何となく後者のような気がしますわ。
「今度作ろうと思っているアイテムも結構ありますし、暫くはお店の方はお二人にお任せしますわ。その間スキル上げに勤しみます。早くカイルの魔付きも解除してさしあげたいですもの」
「ありがとうリディア」
「後は付与アイテムも沢山作らないといけませんわね。付与アイテムの入荷は一か月に一回くらいで宜しいのかしら?」
「ああ、それ位がベストだろう。明後日には店に並べるつもりだから、この部屋のあの机の上に並べてくれると助かる」
「分かりましたわ」
こうして業務連絡も終わり、カイルも店にある自室に戻ったところで、わたくしも温泉タイムを楽しみましたわ。
「疲労回復効果の高い温泉は最高ですわ~!」
ユッタリのんびりと温泉に入り、ロストテクノロジーで作った炭酸水を飲みながら、そして波の音をBGMにユックリとした時間を過ごし、その後ベッドで眠りについた。
翌朝――。
「あら、どうしてですの?」
一体どんなお願いが飛び出すかと思いきや、お店の開店時間でしたわ。
するとカイルは、午前は箱庭の仕事に集中し、午後にお店を頑張りたいと言う事でしたので、書面上オーナーであるカイルが決める事だと思い、了承致しましたの。
「すまない、店も切り盛りしながら箱庭の方もとなると、どうしても時間を分けて集中したかったんだ」
「構いませんわ。確かにわたくしやライトさんでは採掘スピードは貴方には負けそうですし」
「もう少し落ち着いて商売が出来るようになれば、ライト一人で午前中店を切り盛りして貰う予定ではあるんだが、ライトも箱庭の仕事がしたいと言っていてな」
「まぁ! 嬉しい事ですわ! それでしたらお店の方はお好きになさって?」
「ありがとうリディア」
こうして、午前中は箱庭、午後はお店と時間を分けて商売をすることになりましたの。
わたくしも箱庭の整備等色々やる事がありますし、何より売るものを沢山用意せねばなりませんものね!
「それと、カイルに案内しておかねばなりませんわね。こちらに来て頂ける?」
「ん? 分かった」
そう言うと、作業小屋の中心にある戸を開け、明かりをつけて中に入ると、カイルさんが「これは壮観だな」と呟いておられますわね。
そう、ここはアイテムボックスを使った【出来上がっている品物】の保管庫。
無論、普通の保管庫もありましてよ!
普通のアイテムボックスを作っている際に、たまにできるのが時間を止めておけるアイテムボックス。
その時間を止めて置けるレアな方のアイテムボックスに、わたくしは場所の確保という事でポーション等の劣化する物を沢山入れてますわ。
それぞれの鞄にリボンをつけ、そこに入っているモノを書いて管理していますの。
ズラリと棚に並んだアイテムボックスに、カイルがどんな表情をしているのか何となく想像しつつ、鞄の説明を始めましたわ。
「まず左側にあるのが、普通のアイテムボックスですわ。中身は入ってませんの」
「100くらいはあるんじゃないか?」
「そうですわねぇ……それくらいはあるかも知れませんわ。鞄についているリボンには、そこに入れているアイテム名を書いてますの。嵩張るんですもの、余ってるアイテムボックスを有用活用しないと、この箱庭が物で溢れてしまいますものね」
そう言って、一つの鞄を手にすると、カイルに手渡しましたわ。
赤いリボンで書かれているのは【初級ポーション】。
他の鞄も手にして渡すと、そこには【中級ポーション】等と書かれていますわ。
「劣化する商品はレアなアイテムボックスに入れて管理してますの。昔から作っていた物も多くって、大体5000単位で入れてますわ」
「多いな、一年以上余裕があるんじゃないか?」
「一年とは言いませんわね……もっとかしら」
そう言うと、初級ポーションと書かれたリボンに、【1】と数字が振られているのを見て、カイルは「なるほど……」と遠い目をされましたわ。
「この様に、リボンにアイテム名を書いて並べておりますから、お店で必要な物は此処から持って行ってくださると助かりますわ」
「そうしよう。頼もしい箱庭師だな」
「ふふふ! でも数がどうしても少ないアイテムもありますの。エリクサーとかはどうしても数が出来なくて」
「それを必要になる時があるのかと、ちょっと考えたくはないな」
「売り物にはならないにしても、あると安心? みたいな感じですわね」
実際、前の王国が滅んだ理由はスタンピードが原因とは聞いていますけれど、その手助けにわたくしのような箱庭師が多くいたとしたら、何とか持ちこたえることは出来たかもしれませんわね。
いいえ、何とか乗り切ったとしても、箱庭師を無下にしようとしたら……箱庭師は王国から去った事でしょう。
真相は謎ですけれど、前の王国が滅んだ理由は何となく後者のような気がしますわ。
「今度作ろうと思っているアイテムも結構ありますし、暫くはお店の方はお二人にお任せしますわ。その間スキル上げに勤しみます。早くカイルの魔付きも解除してさしあげたいですもの」
「ありがとうリディア」
「後は付与アイテムも沢山作らないといけませんわね。付与アイテムの入荷は一か月に一回くらいで宜しいのかしら?」
「ああ、それ位がベストだろう。明後日には店に並べるつもりだから、この部屋のあの机の上に並べてくれると助かる」
「分かりましたわ」
こうして業務連絡も終わり、カイルも店にある自室に戻ったところで、わたくしも温泉タイムを楽しみましたわ。
「疲労回復効果の高い温泉は最高ですわ~!」
ユッタリのんびりと温泉に入り、ロストテクノロジーで作った炭酸水を飲みながら、そして波の音をBGMにユックリとした時間を過ごし、その後ベッドで眠りについた。
翌朝――。
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