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17 箱庭師は庭の中で楽しく激務する。
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朝、起きて用意を済ませてから向かうと、カイルとライトさんは既に来ていて箱庭で作業を開始しておられましたわ。
わたくし……寝過ごしたかしら?
「おはようございます! お二人ともお早いですのね!」
「おはようございますリディア姉さん!」
「おはようリディア。採掘の方は済ませておいたから、冒険者ギルドに納品する銀鉱石を貰って行っても良いか?」
「ええ! 構いませんわ!」
カイルが冒険者ギルドと契約している事は忘れていませんわ。
それに、カイルがそうやって納品することで、彼のギルドランクが下がらない様にしてもらっているんですもの。安いものですわ!
「簡単に出来るところはやっておきました。収穫した宝石は何処に持って行きましょう。今朝兄から収納庫の事は聞いたのですが……」
「ああ、収納庫に宝石類を入れるアイテムボックスがありますわ。そちらにザラっと入れて頂いて結構ですけれど、質の悪い宝石はザルに入れてくださる?」
「選別ですね、分かりました」
「助かりますわ。そう言えば話していませんでしたけれど、この池の鏡は宝石の欠片を入れると、見えている場所での声も聴けますの。昨日の頑張りはシッカリと聞かせて頂いてますわよ!」
「凄いですね池なのに」
「凄いな池なのに」
「箱庭師の池ってこんなモノなのかしら? 他の箱庭師が分からないから何とも言えませんわ」
湧き水で綺麗な池には既に魚が泳いでいますけれど、後でザッと収穫した方が宜しいですわね。お魚料理と言うのも美味しいものですわ!
「それから、砂浜にコレが流れ着いていたんです」
「どれどれ? まぁ! 凄いわライトさん! これ聖水でしてよ!」
「「聖水」」
「とっても作るのが難しいんですの! わたくしが今練習しているアイテムの一つですわ!」
「聖水の値段は道具屋で一本銀貨50枚でしたね……」
「そんなものが流れ着く箱庭師の海岸、凄いな」
「臨時収入でしてよ! カイル! 現品一本限りで聖水は店で売れるかしら?」
「直ぐには売れないにしても、一応売れるだろうな。本日限定の目玉ってことで、一本限りで出してみよう」
「お願いしますわ! 後は売れたらライトさんの臨時収入で入れておいてあげてくださいませ。これはクジという名の戦いですの!」
「そ……そうか」
わたくしの気合の入った言葉にカイルは頷き、まさか自分に臨時収入が入るとは思っていなかったライトさんは目を見開いて驚いていらっしゃいますけれど、本当に砂浜クジは運ですのよ!
手に入れた者が受け取っていいと思いますの!
「採掘所にもクジがあればいいんだがな。まぁアレは掘るだけクジになるか」
「たまにアダマンタイトも取れますし、クジと言えばクジですわね」
「放置されてる袋の中の整理したら、その中にオリハルコンが12ダース出てきたが?」
「わたくしの豪運のなせる業ですわね。カイルも頑張って下さいまし」
「言われなくても頑張るさ。伐採エリアも俺が担当しているしな」
「では、わたくしは薬草園の方を担当しますわ。流石にライトさんでも難しいでしょう?」
「はい、薬草園は難しいです」
こうして、採掘と伐採エリアはカイル。畑と魚関係はライトさん、薬草園に関してはわたくしが引き受けることで、無駄なく動けるようにしましたの。
けれど――。
「でも、お二人とも朝早くから仕事をしていたのではなくって?」
「冒険者なら早めに起きてギルドで美味しい依頼の取り合いが普通だぞ」
「私のような平民は、朝日が上がると同時にやる事が多かったので癖で……」
「癖でもシッカリと眠ってくださいませね? わたくしが寝すぎたのかと冷や冷やしましたわ!」
「寧ろ、リディアの場合は俺たちが帰ってからも仕事しているだろう? 少しくらい寝坊してもいいんだぞ?」
「そうですよ! 付与アイテムもそうですし色々やる事が多そうですから」
「そうですわね……今日は簡単な小屋を一つ作ろうと思っていましたし、忙しいと言えば忙しいですわ」
「「小屋」」
二人の目が一瞬死にましたわね。
それでもお構いなしにわたくしは話しますわよ。
「新しい小屋はお店用の小屋ですわ。お店に並べるアイテムを置いておけば手間も省けますでしょう?」
「それはそうだが……」
「腐っても公爵家の娘でしたもの。魔法だって使えますし、伐採エリアで木材を切ってアイテムボックスに入れて小屋を建てるくらいチャッチャカやりましてよ?」
ニコニコ笑顔でそう告げると、二人は最早止める気は失せたようで「怪我をしないように」とだけ告げて作業に入りましたの。
そして、ある程度作業が終わると、二人を連れて付与アイテムの置いてある小屋へ向かいましたわ。
明日には店に並ぶという付与アイテムの最終チェックをして頂こうと思いましたの。
ズラッと並んだ30個の付与アイテム。
そして、特別に二種の付与アイテムも用意して……さて、判定は如何に!?
わたくし……寝過ごしたかしら?
「おはようございます! お二人ともお早いですのね!」
「おはようございますリディア姉さん!」
「おはようリディア。採掘の方は済ませておいたから、冒険者ギルドに納品する銀鉱石を貰って行っても良いか?」
「ええ! 構いませんわ!」
カイルが冒険者ギルドと契約している事は忘れていませんわ。
それに、カイルがそうやって納品することで、彼のギルドランクが下がらない様にしてもらっているんですもの。安いものですわ!
「簡単に出来るところはやっておきました。収穫した宝石は何処に持って行きましょう。今朝兄から収納庫の事は聞いたのですが……」
「ああ、収納庫に宝石類を入れるアイテムボックスがありますわ。そちらにザラっと入れて頂いて結構ですけれど、質の悪い宝石はザルに入れてくださる?」
「選別ですね、分かりました」
「助かりますわ。そう言えば話していませんでしたけれど、この池の鏡は宝石の欠片を入れると、見えている場所での声も聴けますの。昨日の頑張りはシッカリと聞かせて頂いてますわよ!」
「凄いですね池なのに」
「凄いな池なのに」
「箱庭師の池ってこんなモノなのかしら? 他の箱庭師が分からないから何とも言えませんわ」
湧き水で綺麗な池には既に魚が泳いでいますけれど、後でザッと収穫した方が宜しいですわね。お魚料理と言うのも美味しいものですわ!
「それから、砂浜にコレが流れ着いていたんです」
「どれどれ? まぁ! 凄いわライトさん! これ聖水でしてよ!」
「「聖水」」
「とっても作るのが難しいんですの! わたくしが今練習しているアイテムの一つですわ!」
「聖水の値段は道具屋で一本銀貨50枚でしたね……」
「そんなものが流れ着く箱庭師の海岸、凄いな」
「臨時収入でしてよ! カイル! 現品一本限りで聖水は店で売れるかしら?」
「直ぐには売れないにしても、一応売れるだろうな。本日限定の目玉ってことで、一本限りで出してみよう」
「お願いしますわ! 後は売れたらライトさんの臨時収入で入れておいてあげてくださいませ。これはクジという名の戦いですの!」
「そ……そうか」
わたくしの気合の入った言葉にカイルは頷き、まさか自分に臨時収入が入るとは思っていなかったライトさんは目を見開いて驚いていらっしゃいますけれど、本当に砂浜クジは運ですのよ!
手に入れた者が受け取っていいと思いますの!
「採掘所にもクジがあればいいんだがな。まぁアレは掘るだけクジになるか」
「たまにアダマンタイトも取れますし、クジと言えばクジですわね」
「放置されてる袋の中の整理したら、その中にオリハルコンが12ダース出てきたが?」
「わたくしの豪運のなせる業ですわね。カイルも頑張って下さいまし」
「言われなくても頑張るさ。伐採エリアも俺が担当しているしな」
「では、わたくしは薬草園の方を担当しますわ。流石にライトさんでも難しいでしょう?」
「はい、薬草園は難しいです」
こうして、採掘と伐採エリアはカイル。畑と魚関係はライトさん、薬草園に関してはわたくしが引き受けることで、無駄なく動けるようにしましたの。
けれど――。
「でも、お二人とも朝早くから仕事をしていたのではなくって?」
「冒険者なら早めに起きてギルドで美味しい依頼の取り合いが普通だぞ」
「私のような平民は、朝日が上がると同時にやる事が多かったので癖で……」
「癖でもシッカリと眠ってくださいませね? わたくしが寝すぎたのかと冷や冷やしましたわ!」
「寧ろ、リディアの場合は俺たちが帰ってからも仕事しているだろう? 少しくらい寝坊してもいいんだぞ?」
「そうですよ! 付与アイテムもそうですし色々やる事が多そうですから」
「そうですわね……今日は簡単な小屋を一つ作ろうと思っていましたし、忙しいと言えば忙しいですわ」
「「小屋」」
二人の目が一瞬死にましたわね。
それでもお構いなしにわたくしは話しますわよ。
「新しい小屋はお店用の小屋ですわ。お店に並べるアイテムを置いておけば手間も省けますでしょう?」
「それはそうだが……」
「腐っても公爵家の娘でしたもの。魔法だって使えますし、伐採エリアで木材を切ってアイテムボックスに入れて小屋を建てるくらいチャッチャカやりましてよ?」
ニコニコ笑顔でそう告げると、二人は最早止める気は失せたようで「怪我をしないように」とだけ告げて作業に入りましたの。
そして、ある程度作業が終わると、二人を連れて付与アイテムの置いてある小屋へ向かいましたわ。
明日には店に並ぶという付与アイテムの最終チェックをして頂こうと思いましたの。
ズラッと並んだ30個の付与アイテム。
そして、特別に二種の付与アイテムも用意して……さて、判定は如何に!?
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