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37 箱庭師たちは新しい人材確保に動き回る(下)
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――ロキシー視点――
ネイル問題に関しては、ネイルを行う面子とで勉強会をするしかなく、既に早めに勉強を始めている三人にとっては、後輩と呼べる人数が6人もいるのだから大変だろう。
とは言え、一度決めた仕事はシッカリとしてもらう為にも、先に始めた三人からの言葉の重さを感じてくれればいいんだけどねぇ。
「現在、ネイリストとして修業中の三人です。彼女たちの案があったからこそ、あなた方を雇う事になったと言って過言ではありません」
そうカイルが告げると、6人は三人に向かい深く頭を下げた。
すると――。
「私の名はファルン。右にいるのがエリン、左がミレです。私たちは先にネイリストとして修業を始めていますが、まだまだ駆け出しともいえます」
「ネイルについては、まずは私たちの指先を見て頂けたらお解り頂けるかと思います。触っても構いません」
「どうぞ~」
三人の言葉に6人はおずおずと前に出て、指先の美しさに驚いているようだった。
リディアちゃんと同じレベルにまで既に達しているかのような美しさ。
指先一つで人の印象もガラリと変わるし、何より仕草すら美しく見えるのだから凄いもんだと感心した。
「明日からは皆さんもネイリストへの修行を始められると思います。ですが、最初は簡単な説明からとなりますが、先に言えることは一つだけ。ネイリストになる為には、それ相応の根性が必要です」
「集中力も必要です」
「何より、向き不向きがあります」
此処まで言われて、6人は驚いた様子で顔を見合わせた。
何より最後の言葉――『向き不向きがある』と言う言葉にアタシですら驚いた。
「それでも、必死について行く心構えはありますか?」
「ありますわ」
最初に声を上げたのは、やはりエルザだった。
エルザは堂々と、困難に挑むことにしたようだ。
「慣れなくとも、何度も失敗してやり直して、何度も挑戦すればいいのです。失敗を失敗で終わらせる真似は致しません」
「良い心意気です」
「では、新しい店舗の皆さんは一か月でムラ無く綺麗に塗る事をマスターしてくださいね」
「こちらの店舗の二階にて、私達も教えながら上達していきますので宜しくお願いします」
どうやら、三人はマニキュアの講師もしてくれるらしい。
徹底したリディアちゃんを外に出さない作戦は遂行中の様ね。
まぁ、確かにあの子が外に出るよりはマシだろうけれど、後でリディアちゃんがこちらに挨拶に来るはずだと思っていると――。
「皆さーん。上がってきてくださいませ~!」
と、二階の階段からリディアちゃんの声が響いてきた。
瞬間、緊張が走るのは無理もない。
神殿契約はほぼ全て、リディアちゃんに対する秘密事項だったのだから。
契約を考えたカイルの本気と言うのが嫌でも伝わってくる……。
皆で二階にあがり、一階とは違う別空間のような美しい部屋に、溜息が零れているようだ。
その二階の真ん中に、リディアが微笑んで立っていた。
「初めまして、この店のオーナーのオーナー? でいいのかしら? リディアです。カイルから今日だけ挨拶はして良いと言う事でしたので、急いでまいりましたの!」
カイルたちとは違う柔らかな金髪に優しい赤い瞳のリディアちゃんに、皆は頭を下げた。
言うなれば店の一番のトップなのだから、致し方ないことではあるのだけど。
「明日からファルンさん達が皆さんの指導に当たると言うことでしたので、わたくしが用意できるものを一式用意してきましたわ!」
「これは、鞄ですか?」
「はい! アイテムボックスとなっております!」
一瞬にして息を呑む音に変わった。
しかしリディアちゃんは気にすることなく、6人の新しいネイリストに鞄を手渡し、「頑張ってくださいね!」と応援している。
「こちらのアイテムボックスは皆さんに差し上げます。中にはマニキュアセット一式が入っていますので、後でご確認ください。また、使用はまだせず、明日からファルンさん達に教えてもらいながら使って下さいね」
「「「「分かりました」」」」
「それと、出来れば今から一か月の間に、綺麗にムラなく塗れるようになるところまでは頑張ってくださいませ! 最悪二カ月でも構いません」
「リディア様、それは少々甘いです」
「アマアマです」
「一カ月、根性でなって貰います」
「分かりましたわ! そういう事らしいので6人は本当に頑張ってくださいね!」
うん、6人が戦慄してるのが伝わる。
でもアタシは敢えて何も言わない。
「ある程度皆さんが塗るのに慣れたら、新店舗の方にて練習をお願いします。二階のサロンは一足先に開きますのでファルンさんとエリンさんとミレさんは引き続きよろしくお願いします」
「「「畏まりました」」」
「また、新しい護衛のお二方。ナルタニアさんとダルメシアンさんには、アイテムボックス及び、箱庭への道を作りますので後で残ってくださると助かります」
「「はい」」
「報告、連絡、相談を忘れず、キッチリ守ってくださいませね! 話は以上ですわ!」
こうして、ネイリストの卵たちは先に宿屋へと向かい、ナルタニアとダルメシアンは残ってリディアちゃんからアイテムボックスを受け取っていた。
二人はSランク冒険者チームに所属していたにもかかわらず、アイテムボックスを貰う事が無かったらしい。
紅蓮の華も金銭面が苦しいのかもしれないと思いつつ、休憩室へとそのまま移動した。
そして、前もって用意していたのだろうブレスレットを二人に装着させると、名の契約を結ばせ、これで何時でも箱庭に来ることが出来るようになった。
まぁ――箱庭についてからは、敢えて言う必要はないかな?
うん、二人とも腰を抜かしてたよ。色々考えるのを辞めた表情をしてたよ。
全ての場所の案内が終わるころには、お互いに顔を見合わせ「これって夢の中?」なんて、ちんぷんかんぷんな事を言ってたから頭を叩いておいた。
「掘れば偶にクリスタルゴーレムの腕が出てきたり」
「たわわに実った宝石に」
「ありとあらゆる薬草を集めた薬草園に、極めつけの疲労回復効果付きの温泉!」
「こんな箱庭を持った箱庭師ですけれど、此れから仲良くしてくださると嬉しいですわ!」
「「色々諦めましたのでわかりました!」」
うん、勢いって大事。
最後は笑って皆で食事をして一日が終わった、道具店サルビアの初めての休日の事。
ネイル問題に関しては、ネイルを行う面子とで勉強会をするしかなく、既に早めに勉強を始めている三人にとっては、後輩と呼べる人数が6人もいるのだから大変だろう。
とは言え、一度決めた仕事はシッカリとしてもらう為にも、先に始めた三人からの言葉の重さを感じてくれればいいんだけどねぇ。
「現在、ネイリストとして修業中の三人です。彼女たちの案があったからこそ、あなた方を雇う事になったと言って過言ではありません」
そうカイルが告げると、6人は三人に向かい深く頭を下げた。
すると――。
「私の名はファルン。右にいるのがエリン、左がミレです。私たちは先にネイリストとして修業を始めていますが、まだまだ駆け出しともいえます」
「ネイルについては、まずは私たちの指先を見て頂けたらお解り頂けるかと思います。触っても構いません」
「どうぞ~」
三人の言葉に6人はおずおずと前に出て、指先の美しさに驚いているようだった。
リディアちゃんと同じレベルにまで既に達しているかのような美しさ。
指先一つで人の印象もガラリと変わるし、何より仕草すら美しく見えるのだから凄いもんだと感心した。
「明日からは皆さんもネイリストへの修行を始められると思います。ですが、最初は簡単な説明からとなりますが、先に言えることは一つだけ。ネイリストになる為には、それ相応の根性が必要です」
「集中力も必要です」
「何より、向き不向きがあります」
此処まで言われて、6人は驚いた様子で顔を見合わせた。
何より最後の言葉――『向き不向きがある』と言う言葉にアタシですら驚いた。
「それでも、必死について行く心構えはありますか?」
「ありますわ」
最初に声を上げたのは、やはりエルザだった。
エルザは堂々と、困難に挑むことにしたようだ。
「慣れなくとも、何度も失敗してやり直して、何度も挑戦すればいいのです。失敗を失敗で終わらせる真似は致しません」
「良い心意気です」
「では、新しい店舗の皆さんは一か月でムラ無く綺麗に塗る事をマスターしてくださいね」
「こちらの店舗の二階にて、私達も教えながら上達していきますので宜しくお願いします」
どうやら、三人はマニキュアの講師もしてくれるらしい。
徹底したリディアちゃんを外に出さない作戦は遂行中の様ね。
まぁ、確かにあの子が外に出るよりはマシだろうけれど、後でリディアちゃんがこちらに挨拶に来るはずだと思っていると――。
「皆さーん。上がってきてくださいませ~!」
と、二階の階段からリディアちゃんの声が響いてきた。
瞬間、緊張が走るのは無理もない。
神殿契約はほぼ全て、リディアちゃんに対する秘密事項だったのだから。
契約を考えたカイルの本気と言うのが嫌でも伝わってくる……。
皆で二階にあがり、一階とは違う別空間のような美しい部屋に、溜息が零れているようだ。
その二階の真ん中に、リディアが微笑んで立っていた。
「初めまして、この店のオーナーのオーナー? でいいのかしら? リディアです。カイルから今日だけ挨拶はして良いと言う事でしたので、急いでまいりましたの!」
カイルたちとは違う柔らかな金髪に優しい赤い瞳のリディアちゃんに、皆は頭を下げた。
言うなれば店の一番のトップなのだから、致し方ないことではあるのだけど。
「明日からファルンさん達が皆さんの指導に当たると言うことでしたので、わたくしが用意できるものを一式用意してきましたわ!」
「これは、鞄ですか?」
「はい! アイテムボックスとなっております!」
一瞬にして息を呑む音に変わった。
しかしリディアちゃんは気にすることなく、6人の新しいネイリストに鞄を手渡し、「頑張ってくださいね!」と応援している。
「こちらのアイテムボックスは皆さんに差し上げます。中にはマニキュアセット一式が入っていますので、後でご確認ください。また、使用はまだせず、明日からファルンさん達に教えてもらいながら使って下さいね」
「「「「分かりました」」」」
「それと、出来れば今から一か月の間に、綺麗にムラなく塗れるようになるところまでは頑張ってくださいませ! 最悪二カ月でも構いません」
「リディア様、それは少々甘いです」
「アマアマです」
「一カ月、根性でなって貰います」
「分かりましたわ! そういう事らしいので6人は本当に頑張ってくださいね!」
うん、6人が戦慄してるのが伝わる。
でもアタシは敢えて何も言わない。
「ある程度皆さんが塗るのに慣れたら、新店舗の方にて練習をお願いします。二階のサロンは一足先に開きますのでファルンさんとエリンさんとミレさんは引き続きよろしくお願いします」
「「「畏まりました」」」
「また、新しい護衛のお二方。ナルタニアさんとダルメシアンさんには、アイテムボックス及び、箱庭への道を作りますので後で残ってくださると助かります」
「「はい」」
「報告、連絡、相談を忘れず、キッチリ守ってくださいませね! 話は以上ですわ!」
こうして、ネイリストの卵たちは先に宿屋へと向かい、ナルタニアとダルメシアンは残ってリディアちゃんからアイテムボックスを受け取っていた。
二人はSランク冒険者チームに所属していたにもかかわらず、アイテムボックスを貰う事が無かったらしい。
紅蓮の華も金銭面が苦しいのかもしれないと思いつつ、休憩室へとそのまま移動した。
そして、前もって用意していたのだろうブレスレットを二人に装着させると、名の契約を結ばせ、これで何時でも箱庭に来ることが出来るようになった。
まぁ――箱庭についてからは、敢えて言う必要はないかな?
うん、二人とも腰を抜かしてたよ。色々考えるのを辞めた表情をしてたよ。
全ての場所の案内が終わるころには、お互いに顔を見合わせ「これって夢の中?」なんて、ちんぷんかんぷんな事を言ってたから頭を叩いておいた。
「掘れば偶にクリスタルゴーレムの腕が出てきたり」
「たわわに実った宝石に」
「ありとあらゆる薬草を集めた薬草園に、極めつけの疲労回復効果付きの温泉!」
「こんな箱庭を持った箱庭師ですけれど、此れから仲良くしてくださると嬉しいですわ!」
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うん、勢いって大事。
最後は笑って皆で食事をして一日が終わった、道具店サルビアの初めての休日の事。
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