【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

寿明結未

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38 箱庭師は、新たな仲間の今後に期待しつつ、新たな商品開発に勤しむ。

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その後、カイルとロキシーお姉ちゃんは、商業ギルドにて新たな店舗をお借りし、前金も支払って中の改装となりましたわ。
新たな店は、少し広い店内では乾燥予防のカラーリップや香りの付いたハンドクリーム、小物や箱庭で取れた花を使ってのちょっとしたコロンの販売。そして道具店サルビアで仕事をしている彼女たちの絵を販売することになりましたの。
香水だとキツイけれど、コロンならば優しく香ると言う事で、こちらは道具店サルビアの二階でも販売いたしますわ。
また、少しだけ広い店内を有効活用しようと言う事で、貴族様をお待ちになるメイドさん達が快適に過ごせるように紅茶を飲むスペースも個室の分だけ用意されましたわ。

といっても、メルさんは予約やら書類担当ですから、実質今のところは5部屋。
今後増えるかもしれないけれど、まずはこの5部屋を稼働させていこうと言うことになりましたの。

もし仮に、新しい人を雇う事になっても、個室の多いこの店内でしたら研修後、直ぐに自分の個室を持つ事は出来るでしょうから、何とかなりそうですわね。

更に、護衛のナルタニアとダルメシアンには、商品の補充及び、紅茶の入れ方、商品についての質問が来た際にはご説明できるように前もって道具店サルビアにて研修を行って貰いましたわ。


新たに雇った6人については、一カ月は道具店サルビアの二階にてマニキュア講座が行われ、やはり得意不得意が明らかになったものの、新たな6人はそれでも必死にしがみ付いてムラ無く塗るところまでは取得されましたの。
ムラなく塗れるようになったら道具店サルビアでの研修は終わり。
その後は、模様を綺麗に描けるように新店舗にて修業が一カ月。

各自が描けるものに関しては、ネイルチップで見本を作り、各自の個性を売りに出してもらう事にしましたの。
可愛らしいモノから、グラデーションが美しいモノ等、各自個性を出してネイルチップを自分の広告にして下さいましたわ。

また、話し合いの末。
道具店サルビアは午前中も仕事をすることに決まり、今では午前中いっぱいが冒険者さん限定のネイルになり、午後は庶民限定のネイルサロンへ。
夕方はネイルチップを剥がす人を優先的にと、時間制限を設けましたの。
そうすることで無駄な争いを避ける目的もありますわ。

新店舗では、午前が庶民限定でネイルチップを剥がしたりネイルをしたりの時間。
午後から夕方にかけては貴族様専用と言う時間割にしましたの。
これで、ネイルチップが剥がせないと言う不安は拭えそうですわね。


また、最も大事な事ですけれど、ネイルの販売は絶対にしないと言う事を徹底しましたわ。
貴族様でも欲しい方はいらっしゃるでしょうが、専門知識がない方にはお売りできない。また店員を脅して引き抜きをしない事も条件に、ネイルをすることとなっておりますわ。
その為に、来店されてからは説明と書類を読んで頂いてサインを貰い、魔法契約を行うと言う徹底ぶりで、ネイルサロンで働く皆さんを貴族の魔の手から守ります。

こうした努力がきっと後で報われる事を期待しつつ、その一か月の間、わたくしが何をしていたかと言うと――。


「各店舗用、ハンドクリーム500個ずつ。後はコロン各種200個ずつ、カラーリップは300個ずつ作れましたわね。問題となるアクセサリーもそれなりに作れたと思いますわ。後は出産後お化粧したくても出来ないママの為の、赤ちゃんにも優しい白粉も用意しましたわ」
「女性に優しい勢ぞろいって感じだな」
「赤ちゃん用のオムツかぶれなどをした際のお薬も作れましたし、汗疹対策のお薬も二種類、道具店サルビアで売れるように用意しましたわ。これからの時期は蒸し暑くて雨の季節になりますものね。赤ちゃんにとって、オムツかぶれや汗疹はとても辛いものですわ」
「冒険者にとっても辛い時期だな……。この風呂上がりのパフって奴が、汗疹対策に良いんだったな……。冒険者用にも作れないか?」
「ん――作れなくはないですけれど、売れますかしら?」
「俺だったら買うぞ?」
「アタシも買うね」
「私も正直欲しいです」
「作りましょう!」


と、一カ月の間はそろそろ梅雨の時期が来ると言う事で、汗対策のお薬やパフ等を、箱庭産の植物などで作っていましたわ。
後は、子供にも使える【ハッカ水】は今の時期から飛ぶように売れているようで、初級ポーションを用いて作っているハッカ水は、冒険者及び庶民の間ではかなり普及したと言って過言ではありませんわね。

時期に応じての特設ブースも作られ、毎日飛ぶように売れているのだとか。
ハッカ水は直ぐに作れるため、在庫も十分余裕を持って用意できていますわ。

ハッカ水も無論、新店舗でも売りに出す予定で、本当に一カ月はアイテム作りに精を出しましたのよ!


「赤ちゃんの肌にも優しく、虫よけにもなって涼しくもなるってなったら、そりゃぁ売れるよ」
「しかも、安全な商品ですしね」
「冒険者ギルドでも50個の納品依頼が来てる。足りそうか?」
「新たに作りますわ」


毎日コツコツ、それも山のように商品を作って作って作りまくって。
それでも薬草園の薬草が尽きないのは、流石箱庭師と言うべきですわね!
付与アイテムは前よりは少なく作って売りに出し、暇を見て護符も作りと、これからの季節を見越しての商品を沢山作っておりますわ。
それこそ、蚊に刺されたり虫刺されにあった際の痒み止めも飛ぶように売れてますものね。
容量が少ないのは、使っているアイテムにポーションが入っている為、早めに使い切って欲しいと言う思いと、お値段もお安めに設定して庶民にも手が届きやすい値段にしてますわ。


「最近は、道具店サルビアと言えば体に優しいアイテムが取り揃えられた優しい店とさえ言われてるからなぁ……」
「私も街を歩くと、お礼を言われることが多くなりました」
「徐々に街に名前が知られてるってことは良い事じゃないか」
「その通りですわね」
「それに、アタシたち従業員の爪も話題になってるよ」


そう、二週間ほど前からサルビアで働く皆さんの爪に、マニキュアが塗られるようになりましたの。
宣伝を兼ねてはいるものの、早くネイルサロンがオープンしないかワクワクしている方々は多いようですわ。
なので、来週のオープンに向けて、店には大々的なポスターを張り、冒険者時間や庶民の方々が使う時間もシッカリと書いてますの。
また、二階に上がる前には店員に一言お願いしますとも書いており、読んでいる方ならば必ず一言、お声掛けはあるでしょうね。


さて、此れだけのアイテムを閉店後に皆さんで並べて飾りつけも始まり、ファルンさん達の絵も無論、幾つかお店で買い取り、店内の飾りつけに役立って貰ってますわ。
道具店サルビアのネイルサロンオープンまであと数日。
どんな事になりますでしょうか。
今からドキドキですわ!!
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