181 / 274
181 採掘のカイル先生と子供達と箱庭の神様。
しおりを挟む
――採掘のカイルside――
リディアの箱庭に来た時から、採掘は俺の仕事でもあった。
今も暇を見ては採掘をしているが、最近は忙しくて中々手が回らない。
そこに採掘師の子供達が居るのなら、安全を考えながら、教えながら頼むのも一つの手だろう。
「では、これより安全確認をする。ヘルメット、ゴーグル」
「「「はい!」」」
「軍手」
「「「大丈夫です!」」」
「ポーション類が入ったアイテムボックス」
「「「持ってます!」」」
「水筒やタオルは持ったか?」
「「「アイテムボックスに入ってます!」」」
「宜しい! 最低限必要な道具だ、一つでも忘れたりしない様に!」
「「「はい!」」」
男の子たちは総勢三人。三人もいれば、大量の鉱石類は箱庭の採掘で掘れそうだ。
偶にレアなナニカは出そうだが……。
最初に、この箱庭の採掘場は普通の採掘場とは違う事を説明した。
掘れば掘るだけ鉱石か貴金属の元になるものは出てくる。
無論、掘り続けても枯れることは無い。
偶にレアな物が掘れたりするが、図鑑に乗って居ないものは別のアイテムボックスを置いておくからそこにいれるように指示を出した。
「普通の鉱石ではないものも沢山出てくることがある、図鑑を見ながら鉱石類や貴金属などを覚えていくように。図鑑はみんなの分を昨日リディアが用意してくれた。貴重なものだから外には持って行かない様に。バレたらリディアが居なくなると思って大事にするようにな」
「リディア姉が連れていかれる程、貴重な図鑑なのか……」
「絶対他の奴には見せられないな」
「そうだぞ、今でも既にリディアを欲しいとする貴族も王族もいるくらいだ。下手にバレたら即連れていかれるぞ」
「「「気を付けます!!」」」
「宜しい。次に、出てきた鉱石を纏めるアイテムボックスだが、大体の鉱石や貴金属はアイテムボックスに入れれば、あるべき場所にきちんと収まるようになっている。が、レアな物を入れると、行き場所がなくてアイテムボックスの中で漂う事が分かっている。レアな物はレアな物で集めて置けば、後で俺が整理するからそのつもりで」
「「「はい!」」」
「次に、落石なんかは無いとは思うが、鉱石が偶に飛んでくることがある。リディアが開発したヘルメットを必ずつけて、つるはしを使う際には気を付けるように。鞄に入れている古くなったりしたポーションは錬金術師たちに届けるように」
「「「はい!」」」
「使った後の道具は、自分専用の棚に全て置くように。これも昨夜リディアが用意したので、各自のアイテムボックスや道具を置く場所にしたりしてくれ。中段は鉱石類のアイテムボックスだ。中段にはレア用のアイテムボックスを置いてある。黒のリボンがついているアイテムボックスに入れるような物が出てきた場合は、即日俺を呼ぶように! アイテムボックスが一杯になったら、鉱石類の作業小屋の棚に赤い紐を付けて名前を書くように。まだ書けない場合は石のマークでも良い」
子供達はまだ文字を習い始めたばかりだ。鉱石とは中々書けないだろうとは分かっているが、書けない場合は石のマークでも良いとしておこう。
「また、この壁にあるボードだが、一日にアイテムボックス幾つ分掘れたかを書いて貰う。数字が分からない場合は、数の分だけ縦線を入れておくように」
「「はい」」
「俺、10までなら書けるようになってます!」
「宜しい! 頼んだぞマイク」
「はい!」
「皆も力仕事であることには変わりないが、必ず授業にでて勉強する事。文字が書けるようになれば読めるようにもなる。この鉱石がどんな鉱石なのかなど知りたい場合にとても役立つ。レアな物が掘れたら、それをみんなに説明することも可能だ」
「「「勉強も頑張ります!!」」」
「宜しい。また、見習いとして働いて貰う期間は三カ月とする。その間は採掘見習いとして、月銀貨5枚を出す。見習いの者たちは皆銀貨5枚からだ」
「でも、色々買う場所が無いと思います」
「うん、必要な物って基本的に箱庭で済んじゃうし」
「そうだな、暇を持て余していらっしゃるお爺様やお婆様に、箱庭で何かを売って貰うようにしよう。そしたらお使いや買い物が出来るようになり、箱庭の外に出た時にも買い物がしやすくなる。男の子なら食べ物が良いか?」
「食べ物が良いです!! でも俺達……箱庭から出されるんですか?」
「ずっと箱庭にいたいのに……」
「違う違う。外の空気や外の雰囲気を楽しむのも社会勉強だ。子供は大人と一緒に外に出て社会見学をすることもある。そして、箱庭に帰って、自分が欲しいと思って買ったものを皆で話す機会も作ろうとリディアと話し合った結果だ。経験は多い方が良いからな」
「「「分かりました」」」
「将来的に、お前たちの仲間も外で働くようになるかもしれない。その練習だと思って付き合ってやるのも友達だぞ」
「「「はい!!」」」
どうやら、子供達は大人になっても箱庭で過ごしたい奴らが多い様だ。
確かに衣食住があり、勉強ができ、仕事がある。
それなら、外に出る必要もないだろうが、そういう訳にはいかない場合も出てくるだろう。
小さい頃から練習は必要だ。
「また、採掘作業は汚れやすい。定期的に顔を洗ったり、手を洗ったりするように。服装は汚れていい服装で来るように」
「「「はい!」」」
「採掘は一見地味だが、一番の生命線とも言える。無理をせず掘るように。身体が疲れたら休んで、図鑑でも外で開いて中身を見たりな」
「「「分かりました!」」」
「じゃあ、一度皆掘ってみようか」
そう言うと、各々自分たちのツルハシを手に、カツンカツンと掘っていくと、ボロボロと鉱石が落ちていく。
平らな壁を掘るだけなのに、一体どこから鉱石類が出てきているのか謎な場所だ。
しかも壁には傷すらつかない。
その時、キラキラと輝く何かが落ちたのを子供達も見つけたようだ。
「なんか落ちた!」
「これなんだろう?」
「キラキラしてる」
「お、虹鉱石じゃないか。レアな鉱石で、この一つに付与師なら5つ付与を付けることが出来るぞ」
「凄く高いんですか?」
「屋敷が一個買えるな」
「「「スゲ――!!!」」」
「それは、レアな鉱石用のアイテムボックスに入れるように。そう言う時こそ図鑑の出番だぞ」
「さっきのはカイル兄が教えたじゃん」
「ははは、そうだな。だがこんな風にレアな物がドンドン出てくる事もある。それを覚えるのも採掘師の仕事の一つでもあるんだ」
「分かった、勉強一杯して文字を覚える!」
「俺も!」
「皆にいろんな鉱石の事教えたいもんな!」
「その調子だぞ」
その後も三人はドンドン掘って、プラチナ鉱石やアダマンタイトまで出した時には驚いたが、箱庭レベルが上がっているのならレアな物も出やすいんだろう。
二度とダンジョンコアだけは出てきて欲しくは無いが……どうだろうな。
「この透明なのは……」
「コレじゃないか? すいしょう?」
「水晶だ!」
こんな感じで子供達はドンドン本を開きながら覚えて行った。
本自体に強化付与されている上に水を弾き、汚れがつかない付与をリディアがかけているので汚れた手で触っても問題はない。
その間に採掘場に大きな時計を設置し、一時間毎に音が流れるものをリディアに作って貰った。
そして一時間後、鳥の声が採掘場に響き渡り、子供達は驚いたようだ。
「驚いたか? 夢中になっていただろうが一時間たった合図の音だ。一時間たったら休憩を入れるように。外に出て手と顔を洗ってタオルで拭いて、水分補給だ」
「「「はい!」」」
「一時間って早いな!」
「でも、鳥の音がするから直ぐ分るね」
「ご飯やオヤツ時間に間に合わないのは困るもんな」
子供らしい意見に笑みが零れたが、子供達にとってご飯とオヤツに出てくるおにぎりは最高の栄養補給なんだろう。
水筒はリディアが作ったあの水筒だ。沢山のお茶が入っていて、子供達はゴクゴクと飲んでいる。
「俺達、仕事っていったら、最低賃金以下の溝掃除とかしかなかったけど、本当に自分に合った仕事をするってことは、こんなに楽しい事だって知らなかった」
「採掘場も明るいから仕事しやすいな」
「リディア姉が用意してくれたんだろう? カイル兄」
「ああ、リディアが子供達の目が悪くならない様にって、明りをロストテクノロジーで作って、それを俺が全体的に明るくするように設置しただけだな」
「ありがとうカイル兄!」
「でも、俺を捨てた父ちゃんが言ってたんだけど、採掘場は空気が悪いって。でもここの採掘場は空気が凄く綺麗なんだ、外と変わらない」
「そこはアレだろ? 直ぐ傍に箱庭の神様が居るから綺麗なんじゃないか?」
「なるほど、それもそうか!」
「仕事始まる時は必ずお供えしようぜ!」
「それがいいな、何時も有難う御座いますってできるもんな!」
「ははは、それも良いが、始まりと終わりの挨拶をするだけでも、きっと喜んでくださると思うぞ」
「「「はい!!」」」
こうして、オヤツ時間までシッカリ働いた子供達は頭から水を被り上着を脱いで汗を拭い、祠と池に手を合わせて「有難うございました!」と叫ぶと、池鏡からフワリと光が飛び出し三人の周りを飛んでから池に戻っていった。
感動した子供達はワーワーと叫んでいたが、オヤツが無くなるぞと言うと急いで走り去っていった。
何とも元気な事だ。
「箱庭の神様って呼びにくいよな……リディアの分身なら……『リディ』か?」
そう言うと、光はフワリと現れて俺の前に佇んでいる。
「箱庭の皆を受け入れてくれて感謝する。みんな心に傷を負った者たちばかりだ。託児所の子供達も、孤児院の子供達も……リディのお陰で生活することが出来る。流石は癒しの箱庭だ」
そう言うとリディと勝手に名付けた俺に、光はフワワっと増えて俺の周りを飛んでいる。
「心の底から感謝する。これからも皆を守ってやって欲しい……ずっとずっと、この箱庭が残る事を祈っている」
そう言うと、リディは何度も俺の周りを飛んでから池鏡の中へと消えていき、パッと光を放つと見えなくなった。
きっと、箱庭の神様のリディも優しい神様なのだろう。
深く頭を下げてからその場を去ったが、俺からすればただの挨拶に過ぎない。
だが、思いもよらぬことが次々と起こるようになるのに、時間は掛からなかった――。
リディアの箱庭に来た時から、採掘は俺の仕事でもあった。
今も暇を見ては採掘をしているが、最近は忙しくて中々手が回らない。
そこに採掘師の子供達が居るのなら、安全を考えながら、教えながら頼むのも一つの手だろう。
「では、これより安全確認をする。ヘルメット、ゴーグル」
「「「はい!」」」
「軍手」
「「「大丈夫です!」」」
「ポーション類が入ったアイテムボックス」
「「「持ってます!」」」
「水筒やタオルは持ったか?」
「「「アイテムボックスに入ってます!」」」
「宜しい! 最低限必要な道具だ、一つでも忘れたりしない様に!」
「「「はい!」」」
男の子たちは総勢三人。三人もいれば、大量の鉱石類は箱庭の採掘で掘れそうだ。
偶にレアなナニカは出そうだが……。
最初に、この箱庭の採掘場は普通の採掘場とは違う事を説明した。
掘れば掘るだけ鉱石か貴金属の元になるものは出てくる。
無論、掘り続けても枯れることは無い。
偶にレアな物が掘れたりするが、図鑑に乗って居ないものは別のアイテムボックスを置いておくからそこにいれるように指示を出した。
「普通の鉱石ではないものも沢山出てくることがある、図鑑を見ながら鉱石類や貴金属などを覚えていくように。図鑑はみんなの分を昨日リディアが用意してくれた。貴重なものだから外には持って行かない様に。バレたらリディアが居なくなると思って大事にするようにな」
「リディア姉が連れていかれる程、貴重な図鑑なのか……」
「絶対他の奴には見せられないな」
「そうだぞ、今でも既にリディアを欲しいとする貴族も王族もいるくらいだ。下手にバレたら即連れていかれるぞ」
「「「気を付けます!!」」」
「宜しい。次に、出てきた鉱石を纏めるアイテムボックスだが、大体の鉱石や貴金属はアイテムボックスに入れれば、あるべき場所にきちんと収まるようになっている。が、レアな物を入れると、行き場所がなくてアイテムボックスの中で漂う事が分かっている。レアな物はレアな物で集めて置けば、後で俺が整理するからそのつもりで」
「「「はい!」」」
「次に、落石なんかは無いとは思うが、鉱石が偶に飛んでくることがある。リディアが開発したヘルメットを必ずつけて、つるはしを使う際には気を付けるように。鞄に入れている古くなったりしたポーションは錬金術師たちに届けるように」
「「「はい!」」」
「使った後の道具は、自分専用の棚に全て置くように。これも昨夜リディアが用意したので、各自のアイテムボックスや道具を置く場所にしたりしてくれ。中段は鉱石類のアイテムボックスだ。中段にはレア用のアイテムボックスを置いてある。黒のリボンがついているアイテムボックスに入れるような物が出てきた場合は、即日俺を呼ぶように! アイテムボックスが一杯になったら、鉱石類の作業小屋の棚に赤い紐を付けて名前を書くように。まだ書けない場合は石のマークでも良い」
子供達はまだ文字を習い始めたばかりだ。鉱石とは中々書けないだろうとは分かっているが、書けない場合は石のマークでも良いとしておこう。
「また、この壁にあるボードだが、一日にアイテムボックス幾つ分掘れたかを書いて貰う。数字が分からない場合は、数の分だけ縦線を入れておくように」
「「はい」」
「俺、10までなら書けるようになってます!」
「宜しい! 頼んだぞマイク」
「はい!」
「皆も力仕事であることには変わりないが、必ず授業にでて勉強する事。文字が書けるようになれば読めるようにもなる。この鉱石がどんな鉱石なのかなど知りたい場合にとても役立つ。レアな物が掘れたら、それをみんなに説明することも可能だ」
「「「勉強も頑張ります!!」」」
「宜しい。また、見習いとして働いて貰う期間は三カ月とする。その間は採掘見習いとして、月銀貨5枚を出す。見習いの者たちは皆銀貨5枚からだ」
「でも、色々買う場所が無いと思います」
「うん、必要な物って基本的に箱庭で済んじゃうし」
「そうだな、暇を持て余していらっしゃるお爺様やお婆様に、箱庭で何かを売って貰うようにしよう。そしたらお使いや買い物が出来るようになり、箱庭の外に出た時にも買い物がしやすくなる。男の子なら食べ物が良いか?」
「食べ物が良いです!! でも俺達……箱庭から出されるんですか?」
「ずっと箱庭にいたいのに……」
「違う違う。外の空気や外の雰囲気を楽しむのも社会勉強だ。子供は大人と一緒に外に出て社会見学をすることもある。そして、箱庭に帰って、自分が欲しいと思って買ったものを皆で話す機会も作ろうとリディアと話し合った結果だ。経験は多い方が良いからな」
「「「分かりました」」」
「将来的に、お前たちの仲間も外で働くようになるかもしれない。その練習だと思って付き合ってやるのも友達だぞ」
「「「はい!!」」」
どうやら、子供達は大人になっても箱庭で過ごしたい奴らが多い様だ。
確かに衣食住があり、勉強ができ、仕事がある。
それなら、外に出る必要もないだろうが、そういう訳にはいかない場合も出てくるだろう。
小さい頃から練習は必要だ。
「また、採掘作業は汚れやすい。定期的に顔を洗ったり、手を洗ったりするように。服装は汚れていい服装で来るように」
「「「はい!」」」
「採掘は一見地味だが、一番の生命線とも言える。無理をせず掘るように。身体が疲れたら休んで、図鑑でも外で開いて中身を見たりな」
「「「分かりました!」」」
「じゃあ、一度皆掘ってみようか」
そう言うと、各々自分たちのツルハシを手に、カツンカツンと掘っていくと、ボロボロと鉱石が落ちていく。
平らな壁を掘るだけなのに、一体どこから鉱石類が出てきているのか謎な場所だ。
しかも壁には傷すらつかない。
その時、キラキラと輝く何かが落ちたのを子供達も見つけたようだ。
「なんか落ちた!」
「これなんだろう?」
「キラキラしてる」
「お、虹鉱石じゃないか。レアな鉱石で、この一つに付与師なら5つ付与を付けることが出来るぞ」
「凄く高いんですか?」
「屋敷が一個買えるな」
「「「スゲ――!!!」」」
「それは、レアな鉱石用のアイテムボックスに入れるように。そう言う時こそ図鑑の出番だぞ」
「さっきのはカイル兄が教えたじゃん」
「ははは、そうだな。だがこんな風にレアな物がドンドン出てくる事もある。それを覚えるのも採掘師の仕事の一つでもあるんだ」
「分かった、勉強一杯して文字を覚える!」
「俺も!」
「皆にいろんな鉱石の事教えたいもんな!」
「その調子だぞ」
その後も三人はドンドン掘って、プラチナ鉱石やアダマンタイトまで出した時には驚いたが、箱庭レベルが上がっているのならレアな物も出やすいんだろう。
二度とダンジョンコアだけは出てきて欲しくは無いが……どうだろうな。
「この透明なのは……」
「コレじゃないか? すいしょう?」
「水晶だ!」
こんな感じで子供達はドンドン本を開きながら覚えて行った。
本自体に強化付与されている上に水を弾き、汚れがつかない付与をリディアがかけているので汚れた手で触っても問題はない。
その間に採掘場に大きな時計を設置し、一時間毎に音が流れるものをリディアに作って貰った。
そして一時間後、鳥の声が採掘場に響き渡り、子供達は驚いたようだ。
「驚いたか? 夢中になっていただろうが一時間たった合図の音だ。一時間たったら休憩を入れるように。外に出て手と顔を洗ってタオルで拭いて、水分補給だ」
「「「はい!」」」
「一時間って早いな!」
「でも、鳥の音がするから直ぐ分るね」
「ご飯やオヤツ時間に間に合わないのは困るもんな」
子供らしい意見に笑みが零れたが、子供達にとってご飯とオヤツに出てくるおにぎりは最高の栄養補給なんだろう。
水筒はリディアが作ったあの水筒だ。沢山のお茶が入っていて、子供達はゴクゴクと飲んでいる。
「俺達、仕事っていったら、最低賃金以下の溝掃除とかしかなかったけど、本当に自分に合った仕事をするってことは、こんなに楽しい事だって知らなかった」
「採掘場も明るいから仕事しやすいな」
「リディア姉が用意してくれたんだろう? カイル兄」
「ああ、リディアが子供達の目が悪くならない様にって、明りをロストテクノロジーで作って、それを俺が全体的に明るくするように設置しただけだな」
「ありがとうカイル兄!」
「でも、俺を捨てた父ちゃんが言ってたんだけど、採掘場は空気が悪いって。でもここの採掘場は空気が凄く綺麗なんだ、外と変わらない」
「そこはアレだろ? 直ぐ傍に箱庭の神様が居るから綺麗なんじゃないか?」
「なるほど、それもそうか!」
「仕事始まる時は必ずお供えしようぜ!」
「それがいいな、何時も有難う御座いますってできるもんな!」
「ははは、それも良いが、始まりと終わりの挨拶をするだけでも、きっと喜んでくださると思うぞ」
「「「はい!!」」」
こうして、オヤツ時間までシッカリ働いた子供達は頭から水を被り上着を脱いで汗を拭い、祠と池に手を合わせて「有難うございました!」と叫ぶと、池鏡からフワリと光が飛び出し三人の周りを飛んでから池に戻っていった。
感動した子供達はワーワーと叫んでいたが、オヤツが無くなるぞと言うと急いで走り去っていった。
何とも元気な事だ。
「箱庭の神様って呼びにくいよな……リディアの分身なら……『リディ』か?」
そう言うと、光はフワリと現れて俺の前に佇んでいる。
「箱庭の皆を受け入れてくれて感謝する。みんな心に傷を負った者たちばかりだ。託児所の子供達も、孤児院の子供達も……リディのお陰で生活することが出来る。流石は癒しの箱庭だ」
そう言うとリディと勝手に名付けた俺に、光はフワワっと増えて俺の周りを飛んでいる。
「心の底から感謝する。これからも皆を守ってやって欲しい……ずっとずっと、この箱庭が残る事を祈っている」
そう言うと、リディは何度も俺の周りを飛んでから池鏡の中へと消えていき、パッと光を放つと見えなくなった。
きっと、箱庭の神様のリディも優しい神様なのだろう。
深く頭を下げてからその場を去ったが、俺からすればただの挨拶に過ぎない。
だが、思いもよらぬことが次々と起こるようになるのに、時間は掛からなかった――。
125
あなたにおすすめの小説
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
【バフ】しかできない無能ちゃん。クランから追放されたら、全員を【バフ】する苦行から解放される。自分一人だけ【バフ】したら、なんか最強でした
北川ニキタ
ファンタジー
ニーニャは【バフ】と呼ばれる支援スキルしか持ってなかった。
おかげで戦闘には一切参加できない無能。
それがクラン内でのニーニャの評価だった。
最終的にクランはニーニャを使い物にならないと判断し、追放することに決めた。
ニーニャをダンジョン内に放置したまま、クランメンバーたちは去っていく。
戦えないニーニャはダンジョン内で生き残ることは不可能と誰もが思っていた。
そして、ニーニャ自身魔物を前にして、生きるのを諦めたとき――
『スキル【バフ】がレベル99になりました。カンストしましたので、スキルが進化します』
天の声が聞こえたのである。
そして、ニーニャを追放したクランは後に崩壊することとなった。
そう誰も気がついていなかった。
ニーニャがクラン全員を常に【バフ】していたことに。
最初だけ暗いですが、基本ほのぼのです。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!
カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!!
祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。
「よし、とりあえず叩いてみよう!!」
ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。
※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
寿明結未
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる