高塚くんと森くん

うりぼう

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少しの変化

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席替えをしてから数週間が経った。

「森ちゃああああん、すっげえ寂しい!寂しすぎる!目の前にいないなんてえええ!」
「だあああっ、抱き付くな!」

休み時間の度にこうしてすがり付いてくる高塚に若干うざいと感じながらも強く抵抗出来ない。
言葉では全力で拒否してるけど。

「こらー、また森のとこにいるのか。さっさと席戻れー」
「げ、先生もう来たの!?まだ来なくても良いのにー!」
「とっくにチャイム鳴ってんだよ」
「ええー」
「……そうかそうか、高塚はそんなに留年したいんだなあ。そしたら森とは一緒に卒業出来ないなあ」
「!!!」
「卒業しちゃったらずっと一緒じゃないしなあ、森も彼女の一人や二人、作っちゃうかもなあ」
「っ、っ」
「どうする?高塚」
「も、戻ります!じゃあね、森ちゃん!」
「!」

先生のセリフに、速攻で席へと戻る高塚。
直前にぎゅっと一瞬力を込められて、どきりとする。

(ど、どきっとしてんじゃねえよオレえええ!)

最近ますますこういう事が増えた。
高塚に触れられると、心臓が暴れだすのだ。
顔も熱くなってくるし、絶対にこれは赤くなっている。

あいつを可愛いだなんて思い始めた頃からオレはおかしい。
席替えをしてから寂しいと思ってしまったり。
くっつかれたらどきどきするし。

(あーもうなんなんだ)

こんなのオレらしくない。
もっと前だったら、席替えであいつと離れられてラッキーと思っていたはずなのに。
くっつかれたって何も感じないで突っぱねられたはずなのに。

(……まあ、嫌なわけじゃねえけど)

恥ずかしくて訳がわからなくなるけれど、嫌な訳ではない。
だが、高塚に触れられる度に赤くなってしまうのはいただけない。
赤くなる時は大体高塚がどこかに行ってしまった後だから高塚には気付かれてはいないが、問題は周りだ。
石野や佐木が、ニヤニヤしながらこっちを見て、ひゅーひゅーとからかってくるのだ。
小憎たらしい上にこれまた恥ずかしい。

今も授業終了と共に盛大に構ってくる高塚と、からかってくる石野に佐木から逃げてきたところだ。

(……最初はあんなに嫌だったのになあ)

しみじみと思い出す。
下駄箱で迫られた時なんか、本当にいちもつを握り潰してやろうかと思った程なのに。

(……今じゃあちょっと抱き付かれるくらいなら平気になっちゃったとか)

以前の自分では考えられない接触である。

「はああ……」

大きな大きな溜め息が漏れる。
抱き付かれるのに抵抗はしているが、大して問題はないと考えてしまっている自分にびっくりだ。

高塚への答えが出そうで出ない今。

(どうしたもんかな)

あいつに対してどういう態度を取れば良いのかわからず、再び大きな大きな溜め息を吐く。

が、この後。
高塚との事を悠長に考えてはいられない事態に陥る事になるとは、今のオレには想像が出来なかった。








end.
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