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36.ロイド視点
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あの男は彼女に気づいたようだった。
まさか気づくとは・・・。
そう思うと共に、それほどまでの執着心に感服する。
でも、君の手には入らないよ。
僕の大切な宝石だ。
僕は心の中で呟く。
僕はこの日のために準備をしてきた。グリフィアス国の事はなんでも知っている。
グリフィアス国を探る中で彼らのことも情報で知り得たのだ。
一言で言えば腐っている。
自分の子供の教育満足にせず政治も他人に任せ自分らは快楽に溺れている愚鈍ども。
叔父上やセシリアの母親の幸せを奪ったのだから当然とも言えよう。
こんな腐った中でいてはまともに育つわけがない。
必死で腐ったものを取り除く者がいようと、元凶を絶たなくてはどんどん腐り続けていくだろう。全て腐ってしまう。
その前にどうにかしなければならない。
悪いが彼には哀れみは抱いても共感するつもりはない。
彼のした行いは全て把握している。
人を人とも思わない残虐な行為の数々。
快楽のためだけの行為。
きっと、残虐性だけを観れば彼と僕は似ているのかもしれない。
だが、違う。
生い立ちや生き方が違う。
環境も違う。
抱えているものだって違う。
責任感も違う。
何が善であり何が悪なのか僕は理解している。
それをどう抱えて生きていくかも僕は自ら考え、決心した。
それを放棄する気もない。
自分の行いは自分で責任をとるつもりだ。
彼の愛情の向け方や示し方が違えば仲良くなれたかもしれない。
それこそ共感できたかもしれない。
君にはすまないがこの国を壊させてもらう。僕の手で新しくさせてもらう。
「ロイ?」
「うん?」
「怖い顔をしてるけど、どうしたの?」
セシリアが僕の隣で見上げてきた。
動きに合わせて髪飾りがシャランと鳴る。
今日のために用意した煌びやかな衣装を身につけたセシリアは本当に美しかった。
染める事をやめた金の髪には僕の瞳の紫水晶をあしらった飾りを惜しげもなく付けている。
瞳はレンズを入れているため本来の色を変えているのが惜しいがドレスは僕の髪と同じ銀色のレースをふんだんに使ったものだった。
金と銀。
一対になるように僕は金色のアクセントの服を着ている。
この衣装を作ってくれた者たちに感謝しかない。
ウキウキと仕立ててくれた者たちに奮発しなければならないと思う。
僕はそっと彼女の耳元で囁いた。
「彼が気がついたようだ。絶対に離れてはいけないよ」
「・・・・・・」
セシリアは肩を振るわせた。彼の居場所を確認するなり身を固くした。
とっていた手が小刻みに震えている。
「大丈夫だ」
「はいっ」
まだ力が抜けない。
僕はその手をとり、口づけをした。
「ロイ!」
「ふふっ、やっと笑顔が戻った」
セシリアの顔が真っ赤に染まったと思うと、それを隠すように俯いたのだった。
さあ、始めようと。
セシリアの自由の為にー。
まさか気づくとは・・・。
そう思うと共に、それほどまでの執着心に感服する。
でも、君の手には入らないよ。
僕の大切な宝石だ。
僕は心の中で呟く。
僕はこの日のために準備をしてきた。グリフィアス国の事はなんでも知っている。
グリフィアス国を探る中で彼らのことも情報で知り得たのだ。
一言で言えば腐っている。
自分の子供の教育満足にせず政治も他人に任せ自分らは快楽に溺れている愚鈍ども。
叔父上やセシリアの母親の幸せを奪ったのだから当然とも言えよう。
こんな腐った中でいてはまともに育つわけがない。
必死で腐ったものを取り除く者がいようと、元凶を絶たなくてはどんどん腐り続けていくだろう。全て腐ってしまう。
その前にどうにかしなければならない。
悪いが彼には哀れみは抱いても共感するつもりはない。
彼のした行いは全て把握している。
人を人とも思わない残虐な行為の数々。
快楽のためだけの行為。
きっと、残虐性だけを観れば彼と僕は似ているのかもしれない。
だが、違う。
生い立ちや生き方が違う。
環境も違う。
抱えているものだって違う。
責任感も違う。
何が善であり何が悪なのか僕は理解している。
それをどう抱えて生きていくかも僕は自ら考え、決心した。
それを放棄する気もない。
自分の行いは自分で責任をとるつもりだ。
彼の愛情の向け方や示し方が違えば仲良くなれたかもしれない。
それこそ共感できたかもしれない。
君にはすまないがこの国を壊させてもらう。僕の手で新しくさせてもらう。
「ロイ?」
「うん?」
「怖い顔をしてるけど、どうしたの?」
セシリアが僕の隣で見上げてきた。
動きに合わせて髪飾りがシャランと鳴る。
今日のために用意した煌びやかな衣装を身につけたセシリアは本当に美しかった。
染める事をやめた金の髪には僕の瞳の紫水晶をあしらった飾りを惜しげもなく付けている。
瞳はレンズを入れているため本来の色を変えているのが惜しいがドレスは僕の髪と同じ銀色のレースをふんだんに使ったものだった。
金と銀。
一対になるように僕は金色のアクセントの服を着ている。
この衣装を作ってくれた者たちに感謝しかない。
ウキウキと仕立ててくれた者たちに奮発しなければならないと思う。
僕はそっと彼女の耳元で囁いた。
「彼が気がついたようだ。絶対に離れてはいけないよ」
「・・・・・・」
セシリアは肩を振るわせた。彼の居場所を確認するなり身を固くした。
とっていた手が小刻みに震えている。
「大丈夫だ」
「はいっ」
まだ力が抜けない。
僕はその手をとり、口づけをした。
「ロイ!」
「ふふっ、やっと笑顔が戻った」
セシリアの顔が真っ赤に染まったと思うと、それを隠すように俯いたのだった。
さあ、始めようと。
セシリアの自由の為にー。
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