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25.ミシェル視点
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楽しいお茶会の次の。私はバスケットを持って学園に登校していた。
バスケットの中が騒がしい。持っている腕にゴソゴソと動く振動が伝わってくるのがわかったが、気にしないでいた。
「セイラ様。またレイチェルの私物を盗みましたね」
いつもの一団様がやってきた。今日の主導者はバトラス公国大使令息マリスク・マーセル伯爵令息らしい。
そして、本日は諸悪の権現である彼女もいる。
うるうるとした目で私を見ていた。
「何を盗んだと言いますの?」
首を傾げて見せた。
「あたしの指輪よ」
「指輪?どんなのです」
「銀色の指輪よ!今日なくなったのよ!返しなさい!!」
大きな声で叫ぶ。まるで周りに聞かせるように。
でも、周りにいた皆様はそれが事実でない事を知っているから、信じないだろう。
第一、指輪なんて知らないわよ。
そんなことをするより、どんなイタズラをしようか考える方が忙しいのだから。
「知りませんわ」
「嘘に決まっています。なら、その証拠にバスケットを見せてください」
バスケット?
バスケットに隠していると思っているの?わざわざ?
そう思う訳がわからない。
バスケットを見せるのは別にかまわないけど・・・。素直に中を見せるのは面白くないー。
事前に周囲にはバスケットの中身を知らせているので、皆様距離を置くように逃げていっているのが横目で分かった。
「嫌ですわ」
もったいぶってみる。
「見せろ。やましいことがないなら見せれるだろう」
「やましい物では・・・ないのですが、見ない方が得策ですわよ」
「見せろ!」
マリスクが勢いよく私からバスケットを奪った。
その拍子にバスケットの蓋が開いて、中から可愛い子たちが飛び出てきたのだった。
阿鼻叫喚。
絶叫。
声泣き悲鳴。
絶句。
そんなものが響き渡る。
もちろん阿鼻叫喚したのは彼女
だ。
マリスクは頭にそれを乗せたまま、立って白目を剥いている。
私は一番近くにいた一匹を拾いあげた。
ヴォーン
喉元を膨らませ鳴くウシカエル。
「ほら、見ない方が良かったでしょ?」
あら、このつぶらな瞳が可愛い。
「なっ、な、な、な、何持ち歩いてるのよ!!」
悲鳴に近い苦情を言われても。
「あら?知りません?ウシカエルは食べられますのよ?可愛いのでなかなか心苦しいのですが、増え過ぎも環境に良くないらしいので、私が責任を持って食べようと思いましたの。
ただ屋敷の料理人は捌くのを拒否しまして、学園の料理人はそんな料理も得意だと聞いて持ち込んだのですわ」
にっこりと笑ってあげる。
「何、得意満面で言ってるのよ!ひっ!!や、やだ。こっちこないで!!」
腰を抜かしたのか動けないないでいる彼女の近くにカエルがヴォーン(嬢ちゃん可愛いね~。おじさんと遊ばねぇか?(アテレコしてみました))と鳴きながらゆっくりと近づいている。
「ほら、早く助けてあげてくださいな」
呆然と立ちすくんでいる男どもに向けて言ってみた。
怖いのだろうか。
全くなほど誰も動かない。
もう一度、笑顔で応援してみる。
「ほらほら、レイチェル様が困ってますわよ。今ここで男を見せないでどうしますの?十匹いましたのよ。逃げてしまいますから。さぁ、早く探して捕まえてください。
きっと颯爽と捕まえたらレイチェル様も惚れ直しますわよ~」
ほらほら~。早くっ!
発破をかけても、動きは鈍い。一匹捕まえるのに時間がかかる作業。
早くしないと逃げちゃうでしょうに。
ファルスもカルロもおっかなびっくりといった体に笑えてきた。
だから、彼らの前でむんずとウシカエルを掴んで顔の前に突き出してやった。
「こうやって掴むのですわよ」
ウシカエルがヴォーっと鳴くと、彼らは驚いて尻餅をついたのだった。
バスケットの中が騒がしい。持っている腕にゴソゴソと動く振動が伝わってくるのがわかったが、気にしないでいた。
「セイラ様。またレイチェルの私物を盗みましたね」
いつもの一団様がやってきた。今日の主導者はバトラス公国大使令息マリスク・マーセル伯爵令息らしい。
そして、本日は諸悪の権現である彼女もいる。
うるうるとした目で私を見ていた。
「何を盗んだと言いますの?」
首を傾げて見せた。
「あたしの指輪よ」
「指輪?どんなのです」
「銀色の指輪よ!今日なくなったのよ!返しなさい!!」
大きな声で叫ぶ。まるで周りに聞かせるように。
でも、周りにいた皆様はそれが事実でない事を知っているから、信じないだろう。
第一、指輪なんて知らないわよ。
そんなことをするより、どんなイタズラをしようか考える方が忙しいのだから。
「知りませんわ」
「嘘に決まっています。なら、その証拠にバスケットを見せてください」
バスケット?
バスケットに隠していると思っているの?わざわざ?
そう思う訳がわからない。
バスケットを見せるのは別にかまわないけど・・・。素直に中を見せるのは面白くないー。
事前に周囲にはバスケットの中身を知らせているので、皆様距離を置くように逃げていっているのが横目で分かった。
「嫌ですわ」
もったいぶってみる。
「見せろ。やましいことがないなら見せれるだろう」
「やましい物では・・・ないのですが、見ない方が得策ですわよ」
「見せろ!」
マリスクが勢いよく私からバスケットを奪った。
その拍子にバスケットの蓋が開いて、中から可愛い子たちが飛び出てきたのだった。
阿鼻叫喚。
絶叫。
声泣き悲鳴。
絶句。
そんなものが響き渡る。
もちろん阿鼻叫喚したのは彼女
だ。
マリスクは頭にそれを乗せたまま、立って白目を剥いている。
私は一番近くにいた一匹を拾いあげた。
ヴォーン
喉元を膨らませ鳴くウシカエル。
「ほら、見ない方が良かったでしょ?」
あら、このつぶらな瞳が可愛い。
「なっ、な、な、な、何持ち歩いてるのよ!!」
悲鳴に近い苦情を言われても。
「あら?知りません?ウシカエルは食べられますのよ?可愛いのでなかなか心苦しいのですが、増え過ぎも環境に良くないらしいので、私が責任を持って食べようと思いましたの。
ただ屋敷の料理人は捌くのを拒否しまして、学園の料理人はそんな料理も得意だと聞いて持ち込んだのですわ」
にっこりと笑ってあげる。
「何、得意満面で言ってるのよ!ひっ!!や、やだ。こっちこないで!!」
腰を抜かしたのか動けないないでいる彼女の近くにカエルがヴォーン(嬢ちゃん可愛いね~。おじさんと遊ばねぇか?(アテレコしてみました))と鳴きながらゆっくりと近づいている。
「ほら、早く助けてあげてくださいな」
呆然と立ちすくんでいる男どもに向けて言ってみた。
怖いのだろうか。
全くなほど誰も動かない。
もう一度、笑顔で応援してみる。
「ほらほら、レイチェル様が困ってますわよ。今ここで男を見せないでどうしますの?十匹いましたのよ。逃げてしまいますから。さぁ、早く探して捕まえてください。
きっと颯爽と捕まえたらレイチェル様も惚れ直しますわよ~」
ほらほら~。早くっ!
発破をかけても、動きは鈍い。一匹捕まえるのに時間がかかる作業。
早くしないと逃げちゃうでしょうに。
ファルスもカルロもおっかなびっくりといった体に笑えてきた。
だから、彼らの前でむんずとウシカエルを掴んで顔の前に突き出してやった。
「こうやって掴むのですわよ」
ウシカエルがヴォーっと鳴くと、彼らは驚いて尻餅をついたのだった。
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