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アーサー様と骨董市に行けるのだと思うとなかなか寝付けないでいた。
エマに言われた通りに荷物をまとめながら、明日どんな服を着て行こうか悩んでしまう。
トルスター国から、あまり外出着の可愛い物を持ってきていないことを後悔する。
研究をメインの留学であるからと、普段着となる服がほとんどで、あとは何かあった時のドレスくらいしかないのだ。入りようになればその時に買えばいいだろうとしか考えていなかった。
冬休みにエマの屋敷に行った時は、彼女の行為で、数着ドレスを借りたりはしたが・・・。
なにより年に一度、春になる前に帝国の首都の大通りで開催される骨董市にはトルスター国にいた時から行きたいと思っていた場所だ。
一番安全なマーケットとして有名だったので、世間知らずな私でも地味なかっこうなら一人でいっても大丈夫だろうと考えていて、素朴な服しか用意していない。
なのに、アーサー様が一緒なんて。
おしゃれな服がないことを激しく後悔する。
やっと決めた服をハンガーにかけて、ふと、窓辺を見ると3本の赤い薔薇が入った花瓶が目に入った。
「誰からかしら・・・」
エマが言うようにストーカー?
改めて思うとふるりと背筋が冷たく感じた。
「早く・・・寝ましょう・・・」
なんとか決めた小花柄の白いワンピースを見てベッドの中に入るー。ニヤついてしまう顔を隠すように布団に潜った。
次の朝、寮の前までアーサー様が迎えに来てくれる。
流石、公爵家というのだろうか、いつもとは違うきっちりした衣装に身を包んでいた。自分がちんちくりんな感じがして恥ずかしく思う。
「ノエル嬢。似合ってるね」
すっと目を細めて優しい表情で見てくる。そんな顔にドキドキして顔が熱くなる。
「あ、ありがとう・・・ございます」
まともに喋れないかも知れない・・・。
「荷物はそれだけ?」
「はい」
トランクケースが二つ。もともと荷物は多くない。こちらに来て増えたものもあまりないので、まとめるのも簡単だった。
アーサー様は馬車に積み込んでくる。
そして、私たちは骨董市に向かった。
幾度も来たことがあるのか、アーサー様は興奮している私に説明してくれる。
馬車停留所に止まると、私たちは馬車から降りて、探索を始めた。
「アーサー様、あれはなんですか?」
「ノエル嬢!はぐれる。急がなくても逃げないよ」
たくさんの人を避け、屋台へと近づく。その後ろからアーサー様が慌てて付いてきた。
「気になるの」
キラキラと輝く装飾品。甘い匂いのスイーツや、屋台の食べ物。
見たことも食べたこともないようなものがあちらこちらと並んでいる。街の市がこんなに賑やかだとは思わなかった。
トルスター国ではこんな場所に行くのは母が嫌がったので片手ほどしか行ったことがない。兄が母には内緒で二度ほど連れてきてくれたが、マルス様とは横目で見るだけで、街に行くとしても人目を避けるような大きな帽子をかぶっていた。
黒髪黒目が多い帝国であっても、私の銀色の髪が目立つことはなかった。誰もが色鮮やかな髪色をしている。思い思いの化粧をして、好きな衣装を着て笑い合っていた。
「ノエル!」
アーサー様が私の手を取る。
「アーサー様?」
「迷子になる。人が多いし、眼鏡をかけてもこけるぞ」
長い指が私の指に絡めてきた。
「安全な市とはいっても、中にはインチキな商売をしてるとこや人を下に見てくるところもあるんだ。舞い上がっていると変なのに引っかかるぞ。案内するからて・・・手を繋いどく」
ウキウキしていたものが一気にドキドキに変わる。
こうやって、異性と手を繋ぐなんて初めてだった。
「古書が見たいんだろう。美味しい屋台も知っている。行くぞ」
「あ・・・、はいっ!」
握られた手に力を入れる。
一瞬、彼の目がこちらを見てきたが、すぐに正面を向いた。
なんと言葉を交わせばいいのだろう。
先ほどまでなんの話をしていたのか、忘れている。何を話せばいいのかも出てこなかった。
顔が熱いー。
エマに言われた通りに荷物をまとめながら、明日どんな服を着て行こうか悩んでしまう。
トルスター国から、あまり外出着の可愛い物を持ってきていないことを後悔する。
研究をメインの留学であるからと、普段着となる服がほとんどで、あとは何かあった時のドレスくらいしかないのだ。入りようになればその時に買えばいいだろうとしか考えていなかった。
冬休みにエマの屋敷に行った時は、彼女の行為で、数着ドレスを借りたりはしたが・・・。
なにより年に一度、春になる前に帝国の首都の大通りで開催される骨董市にはトルスター国にいた時から行きたいと思っていた場所だ。
一番安全なマーケットとして有名だったので、世間知らずな私でも地味なかっこうなら一人でいっても大丈夫だろうと考えていて、素朴な服しか用意していない。
なのに、アーサー様が一緒なんて。
おしゃれな服がないことを激しく後悔する。
やっと決めた服をハンガーにかけて、ふと、窓辺を見ると3本の赤い薔薇が入った花瓶が目に入った。
「誰からかしら・・・」
エマが言うようにストーカー?
改めて思うとふるりと背筋が冷たく感じた。
「早く・・・寝ましょう・・・」
なんとか決めた小花柄の白いワンピースを見てベッドの中に入るー。ニヤついてしまう顔を隠すように布団に潜った。
次の朝、寮の前までアーサー様が迎えに来てくれる。
流石、公爵家というのだろうか、いつもとは違うきっちりした衣装に身を包んでいた。自分がちんちくりんな感じがして恥ずかしく思う。
「ノエル嬢。似合ってるね」
すっと目を細めて優しい表情で見てくる。そんな顔にドキドキして顔が熱くなる。
「あ、ありがとう・・・ございます」
まともに喋れないかも知れない・・・。
「荷物はそれだけ?」
「はい」
トランクケースが二つ。もともと荷物は多くない。こちらに来て増えたものもあまりないので、まとめるのも簡単だった。
アーサー様は馬車に積み込んでくる。
そして、私たちは骨董市に向かった。
幾度も来たことがあるのか、アーサー様は興奮している私に説明してくれる。
馬車停留所に止まると、私たちは馬車から降りて、探索を始めた。
「アーサー様、あれはなんですか?」
「ノエル嬢!はぐれる。急がなくても逃げないよ」
たくさんの人を避け、屋台へと近づく。その後ろからアーサー様が慌てて付いてきた。
「気になるの」
キラキラと輝く装飾品。甘い匂いのスイーツや、屋台の食べ物。
見たことも食べたこともないようなものがあちらこちらと並んでいる。街の市がこんなに賑やかだとは思わなかった。
トルスター国ではこんな場所に行くのは母が嫌がったので片手ほどしか行ったことがない。兄が母には内緒で二度ほど連れてきてくれたが、マルス様とは横目で見るだけで、街に行くとしても人目を避けるような大きな帽子をかぶっていた。
黒髪黒目が多い帝国であっても、私の銀色の髪が目立つことはなかった。誰もが色鮮やかな髪色をしている。思い思いの化粧をして、好きな衣装を着て笑い合っていた。
「ノエル!」
アーサー様が私の手を取る。
「アーサー様?」
「迷子になる。人が多いし、眼鏡をかけてもこけるぞ」
長い指が私の指に絡めてきた。
「安全な市とはいっても、中にはインチキな商売をしてるとこや人を下に見てくるところもあるんだ。舞い上がっていると変なのに引っかかるぞ。案内するからて・・・手を繋いどく」
ウキウキしていたものが一気にドキドキに変わる。
こうやって、異性と手を繋ぐなんて初めてだった。
「古書が見たいんだろう。美味しい屋台も知っている。行くぞ」
「あ・・・、はいっ!」
握られた手に力を入れる。
一瞬、彼の目がこちらを見てきたが、すぐに正面を向いた。
なんと言葉を交わせばいいのだろう。
先ほどまでなんの話をしていたのか、忘れている。何を話せばいいのかも出てこなかった。
顔が熱いー。
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