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ふふっ
「だから?」
「だから?俺はエミルの為に・・・」
「ねぇ、私言ったよね。貴方は本当に国王の子供?」
「えっ?」
「頭大丈夫?私は別に貴方のことなんとも思ってないの。このためだけにいるの?」
「しかし、皇帝陛下より受けた話で・・・」
「そうよ。この為に。私が国王・・・女王になる為にお願いしたの。欲しい物があるから」
わかってない。
わかってない。
私が欲しいのは・・・。
「いい加減にしろ」
低い重低音の声。
この声で、誰もが動けなくなる。
持ち主は皇帝陛下。
威厳のあるお姿。
カーテシーをする。
「久しいな」
国王に向かって声をかける。
「こ、皇帝陛下・・・」
「婚約破棄したらしいな」
「ヒッ・・・」
「約束は果たせ」
「しかし・・・」
「19年前のケジメだ」
「19年・・・」
「そんなに血が大切ならそいつでよかろう」
「はぁ?」
「そいつはお前と我が妻の子だ。血が繋がっている。ならば問題はない」
国王は私を見る。
皇帝陛下は私を見ることはない。
嫌われた金髪碧眼だから。
「どう言う・・・」
「サファイア」
皇帝陛下に呼ばれ出てきたのは私の産みの母。
美しい方。
スラリとした手が皇帝陛下に触れる。
「サファ・・・イア・・・」
「サファイア様・・・」
国王夫妻をは言葉を失う。
そうよね。
自分が婚約破棄をした相手。
修道院行きの途中、野党に襲われいなくなった女性。
その女性が生きているのを見れば。
皇帝陛下に助けられて、帝国に行った女性。
皇帝陛下の優しさにやっと救われたと思いきや既にお腹の中に私がいた。
苦しみ抜いて私が生まれた。
私は憎まれている。
皇帝陛下から。
すぐに手に入らなかったから。
私は嫌われている。
皇帝の妃から。
憎い相手の子供だから。
皇帝陛下との障害だから。
いらない子供だから。
愛されなかった。
ただ一人だけ除いてー。
私は形だけの王女。
成人が来たからには、私は追い出される。
そう決まっていた。
ならば、復讐をしよう。
この国ならば、私は使える。
私がこの国を乗っ取れば、私に価値が生まれる。
そうなればー。
私は欲しい。
貴方たちの愛が・・・。
「皇帝陛下、認めていただけますか?」
「女王としてか?」
「はい」
「この国の女王となり、どうする?帝国を攻めるか?」
「否。属国となります。我が命、皇帝陛下の意のまま」
約束はしたのに、わざわざ聞いてくる。
皇帝陛下はこう言う人。
「まて!私は認めていない」
「お前が認めなくとも、私が認めれば異論はないはずだ」
「しかし、この者がわたしの娘など」
「身に覚えがない?」
侮蔑の眼差しを向ける。皇妃様。
国王は思い出したのだろう。
震え出した。
「卒業式前夜。貴方は私を抱いた。嫌がる私を。嘘ばかり吐いて、そして私の気持ちを踏み躙った・・・。私は貴方に愛されたかった。でも、くれなかった。彼はくれたの。私が欲しかったものを・・・」
皇帝陛下は抱きしめた。
それ以上言うな、と。
皇帝陛下は私を見る。
「私が『死ね』と言ったならば『死ぬ』のか?」
「御意」
「ならば好きにしろ」
「でしたら、私も好きにしてもよろしいでしか?兄上」
叔父様?どうしてここに?
「テレス?」
「フィルデナーレ一人では荷が重いでしょう。私が彼女を支えますよ」
叔父様??私を?
「テレス」
「兄上は私の気持ちをご存じですよね」
「ああ」
「ならば許していただけますよね」
にっこり笑われます。
皇帝陛下に似ているのに温かみのある笑み。
私の大好きな笑み。
唯一の私の温もり。
「裏切ることは許さぬ」
「勿論です。臣下として、仕えます。そして皇太子にも同じく・・・」
「・・・よいだろう。それとともに励め」
「御意」
叔父様は膝をつき頭を下げた。
皇帝陛下と皇妃様は去る。
「叔父様」
「テレスだよ」
笑います。
「やっと君を僕のものにできる」
ふふっ。
抱きしめて下さった。
私は笑う。
私に1番に欲しかったものをくれるのね。
「なにを勝手な・・・」
国王・・・前国王は呟く。
「皇帝陛下が認めた。覆すことはできない」
前国王は膝をつき項垂れた。
王妃は腰を抜かし震えていた。
殿下たちはわかってないみたい。
「言うことはある?」
「・・・いっぱいあるけど、もういいわ・・・」
「そっか・・・」
私は叔父様・・・テレス様の手を取った。
*******
私は女王。
前国王は離宮に行ってもらった。出てくることはもうない。
元王妃はせっかくだから、好きなお相手と国外追放。どこに行ったかしら。
元殿下も好きな人といたいだろうから、平民にしてあげた。
幸せだといいな。
どんなことがあっても。
あなたたちも欲しかったのでしょう。
もちろん、私の悪口を言った子たちも罰を与えたわ。
ちゃんとメモしてたから、みーんなバラバラ。
貴族と言う貴族がいなくなりそうになっちゃった。
わたしが2番目に欲しかった物は手に入らなかった。
でも、違う物としては入った。
『信頼』とでもいうのかしら、皇帝陛下に少しだけ認めてもらえるようになった。
母はまだ無理。
私は皇帝陛下、そして弟たちの為に生きる。
テレス様と共に。
そう、わたしは一つだけ手に入ったわ。
1番目に欲しいものがー。
テレス様の愛をー。
わたしは、貴方の愛が欲しくて、この国をもらったの。
わたしは、貴方の愛が欲しくて、生きてきたのだからー。
貴方の愛が欲しくて・・・。
ーおわりー
「だから?」
「だから?俺はエミルの為に・・・」
「ねぇ、私言ったよね。貴方は本当に国王の子供?」
「えっ?」
「頭大丈夫?私は別に貴方のことなんとも思ってないの。このためだけにいるの?」
「しかし、皇帝陛下より受けた話で・・・」
「そうよ。この為に。私が国王・・・女王になる為にお願いしたの。欲しい物があるから」
わかってない。
わかってない。
私が欲しいのは・・・。
「いい加減にしろ」
低い重低音の声。
この声で、誰もが動けなくなる。
持ち主は皇帝陛下。
威厳のあるお姿。
カーテシーをする。
「久しいな」
国王に向かって声をかける。
「こ、皇帝陛下・・・」
「婚約破棄したらしいな」
「ヒッ・・・」
「約束は果たせ」
「しかし・・・」
「19年前のケジメだ」
「19年・・・」
「そんなに血が大切ならそいつでよかろう」
「はぁ?」
「そいつはお前と我が妻の子だ。血が繋がっている。ならば問題はない」
国王は私を見る。
皇帝陛下は私を見ることはない。
嫌われた金髪碧眼だから。
「どう言う・・・」
「サファイア」
皇帝陛下に呼ばれ出てきたのは私の産みの母。
美しい方。
スラリとした手が皇帝陛下に触れる。
「サファ・・・イア・・・」
「サファイア様・・・」
国王夫妻をは言葉を失う。
そうよね。
自分が婚約破棄をした相手。
修道院行きの途中、野党に襲われいなくなった女性。
その女性が生きているのを見れば。
皇帝陛下に助けられて、帝国に行った女性。
皇帝陛下の優しさにやっと救われたと思いきや既にお腹の中に私がいた。
苦しみ抜いて私が生まれた。
私は憎まれている。
皇帝陛下から。
すぐに手に入らなかったから。
私は嫌われている。
皇帝の妃から。
憎い相手の子供だから。
皇帝陛下との障害だから。
いらない子供だから。
愛されなかった。
ただ一人だけ除いてー。
私は形だけの王女。
成人が来たからには、私は追い出される。
そう決まっていた。
ならば、復讐をしよう。
この国ならば、私は使える。
私がこの国を乗っ取れば、私に価値が生まれる。
そうなればー。
私は欲しい。
貴方たちの愛が・・・。
「皇帝陛下、認めていただけますか?」
「女王としてか?」
「はい」
「この国の女王となり、どうする?帝国を攻めるか?」
「否。属国となります。我が命、皇帝陛下の意のまま」
約束はしたのに、わざわざ聞いてくる。
皇帝陛下はこう言う人。
「まて!私は認めていない」
「お前が認めなくとも、私が認めれば異論はないはずだ」
「しかし、この者がわたしの娘など」
「身に覚えがない?」
侮蔑の眼差しを向ける。皇妃様。
国王は思い出したのだろう。
震え出した。
「卒業式前夜。貴方は私を抱いた。嫌がる私を。嘘ばかり吐いて、そして私の気持ちを踏み躙った・・・。私は貴方に愛されたかった。でも、くれなかった。彼はくれたの。私が欲しかったものを・・・」
皇帝陛下は抱きしめた。
それ以上言うな、と。
皇帝陛下は私を見る。
「私が『死ね』と言ったならば『死ぬ』のか?」
「御意」
「ならば好きにしろ」
「でしたら、私も好きにしてもよろしいでしか?兄上」
叔父様?どうしてここに?
「テレス?」
「フィルデナーレ一人では荷が重いでしょう。私が彼女を支えますよ」
叔父様??私を?
「テレス」
「兄上は私の気持ちをご存じですよね」
「ああ」
「ならば許していただけますよね」
にっこり笑われます。
皇帝陛下に似ているのに温かみのある笑み。
私の大好きな笑み。
唯一の私の温もり。
「裏切ることは許さぬ」
「勿論です。臣下として、仕えます。そして皇太子にも同じく・・・」
「・・・よいだろう。それとともに励め」
「御意」
叔父様は膝をつき頭を下げた。
皇帝陛下と皇妃様は去る。
「叔父様」
「テレスだよ」
笑います。
「やっと君を僕のものにできる」
ふふっ。
抱きしめて下さった。
私は笑う。
私に1番に欲しかったものをくれるのね。
「なにを勝手な・・・」
国王・・・前国王は呟く。
「皇帝陛下が認めた。覆すことはできない」
前国王は膝をつき項垂れた。
王妃は腰を抜かし震えていた。
殿下たちはわかってないみたい。
「言うことはある?」
「・・・いっぱいあるけど、もういいわ・・・」
「そっか・・・」
私は叔父様・・・テレス様の手を取った。
*******
私は女王。
前国王は離宮に行ってもらった。出てくることはもうない。
元王妃はせっかくだから、好きなお相手と国外追放。どこに行ったかしら。
元殿下も好きな人といたいだろうから、平民にしてあげた。
幸せだといいな。
どんなことがあっても。
あなたたちも欲しかったのでしょう。
もちろん、私の悪口を言った子たちも罰を与えたわ。
ちゃんとメモしてたから、みーんなバラバラ。
貴族と言う貴族がいなくなりそうになっちゃった。
わたしが2番目に欲しかった物は手に入らなかった。
でも、違う物としては入った。
『信頼』とでもいうのかしら、皇帝陛下に少しだけ認めてもらえるようになった。
母はまだ無理。
私は皇帝陛下、そして弟たちの為に生きる。
テレス様と共に。
そう、わたしは一つだけ手に入ったわ。
1番目に欲しいものがー。
テレス様の愛をー。
わたしは、貴方の愛が欲しくて、この国をもらったの。
わたしは、貴方の愛が欲しくて、生きてきたのだからー。
貴方の愛が欲しくて・・・。
ーおわりー
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