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卒業パーティー。
案の定、やってくれたわ。

「婚約を破棄する」

言ったわ、このアホ。

淑女あるまじき声で笑ってしまった。
仕方ないでしょ。

思い通りにいったんですもの。

「歓迎しますわ、
「何笑う?」
「国王陛下からお聞きでないのですか?」 

あの国王も駄目ね。
知ってたけど。

「何を?」
「もし、貴方から今日この場で婚約破棄をするようならば、わたくしのお願いを聞いてもらえるようになっていましたの」
「はっ?」
「国王陛下、お聞きになりましたよね」

わたしは見る。
影に隠れていた国王夫妻を。

顔色が悪いわ。
当然よね。
貴方達の教育が悪いのよ。

「アズラス・・・、言ったはずだ・・・」
「冗談、では?」

冗談?
なに?それ。

「国王、わたくしのですわ。お願い事聞いていただけますわよね?」
「何を願う?」
「私を国王にしていただきます」
「なっ・・・」

ふふっ。

騒がしいわ。
当然よね。
そんな願いが来るなんて思わないもの。

「それは・・・、それは無理だ」
「馬鹿を言うな!」
「なぜ?」
「国王はわたしだ!アズラスは王太子だ」
「なぜ?」
「血を絶やすわけにはいかん」


 血か・・・。

「アズラス殿下は本当に国王の子なの?」
「はっ?」
「わたくし知っていますの。殿下はお二人がご成婚前になされた子供。結婚前からの身体の関係とは。
 本当にお二方のお子ですか?
 殿下に王室の色はどこにありますの?不思議ですわね」

国王陛下は金髪碧眼。
王妃は茶金の髪に緑の目。

どこにあるのかしら、蒼い目は?

ポンっと手を鳴らす。

「王妃様にはまだお付き合いされてる方がいますわよね。確か・・・茶色の髪に蒼い目だったような・・・」
「ヒッ・・・」
「はっ?」

真っ青な顔になりました。

「当時の婚約者を断罪したのは、不貞を・・・妊娠を隠すためでしたの?」
「・・・」
「まあ、親が親なら、子も子、ですか?」
「アズラス?」


あら、殿下にも真っ青な。
目を逸らせても無理ですわ。

「殿下?お分かりになりません?わたくしは帝国の王女ですわ。貴方より、上ですわ。それを勝手に破棄するとは、どうなるかわかりませんでした?」
「帝国の王女?はっ、噂は知っている。皇帝陛下から嫌われた、呪われた王女。地位だって低い王女が!!そんなやつよりエミルが良いに決まっているだらう!!」
「まあ、知ってらしたの?」


だからだと言うの?
アホらしい。

「誰のせいよ」

誰にも聞こえないように呟く。

呪われた王女。
厄介者の王女。
嫌われもの王女。
皇帝色を纏わない王女。

それが帝国での私の価値。

誰のせいよ。
貴方達のせいじゃない。

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