【完結】結び屋 アメリア・ブロー〜他人の幸せを結んでいますが、自分の幸せの相手には気付きません〜

彩華(あやはな)

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三十六話、キリキリはいてもらいましょう

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 なに、戯言を言ってるのか?

 誰が誰の恋人か!

 調子に乗って『俺』とか言ってるし、ああぁ、ヤダヤダ。
 つい、ボディーブローしちゃったじゃないの!どうしてくれるの!

 ダメダメ、笑って、人前だから、猫を被らなきゃ。

 「エンリュリッヒ様~?おかえりなさい。お話終わりましたぁ~?今からが本番ですが、先に帰っていただいて結構ですわよ~」

 あら、なぜみなさままで、あさって向いているのかな?
 タリオンまで顔色悪いのはなんでかな?

「アン、ドリューくん・・・?テメェ、見込み薄くないか?」

 なんのことだか?

 はっ、もういいわ。
 さっさと、終わらしましょう。


 近くの空いている天幕に移動して、タリオンとサジュ、と共に話を聞くことにしました。

 彼の名前はタリュン。
 大道芸を主にしているグループのリーダーだそうだ。

 こういうところだから彼の名前も偽名でしょう。
 訳ありの人物は多いです。時には犯罪者もいます。
 でも、円満なのはタリオンがいるからです。剣の腕前も喧嘩も馬術も右に出るものはこのタロ=タジェロにはいません。

 私やテリーでさえ無理です。二人がかりならいけるかな?

 きっと、彼に勝てるとしたら伝説と言われる、剣姫だけかもしれません。
 彼女は既にいませんが・・・。

 兎も角、タリュンに聞いてみましょう。

「セジャルス王国に行った期間と、印象に残った人はいる?」
「セジャルス王国・・・ああっ、うん、行ったね。三ヶ月公演だった。印象に・・・あっ、スンゲェ美人の貴族のお嬢ちゃんが毎日通ってたわ」
「どんな感じだった?」
「ピラピラのドレスに、邪魔になりそうな帽子被ってんだぜ、目立つよな。お供が10人くらいいて、周りがヘコヘコしてんだ」
「誰を目的だった?」
「あれ、売ればいくらくらいするか、みんなで言ってだんだよ。よく物取りに囲まれなかったよな~」

 うん、もどかしいな・・・。
 欲しい回答言ってくれないかな?

 つい、手がね、手が~動いて、締め上げちゃったじゃない。

「キリキリ吐いてくれない?」
「ぎゃあ~っっ、わあった。わかったから、やめてくれ!タリオン団長、ギブギブっスから助けてっっ」

 渾身の悲鳴です。
 腹立つな。
 このくらいで、男のくせに!!
 
 ぐっっ!

 ぐえっ・・・

「メリア・・・。お前凶暴化に拍車かかってないか・・・。学園でストレスためてるのか・・・」


 チラリ

 ビクッ

「お前ら何してるんだ?」
「・・・エンリュリッヒ様からの依頼が今一番頭が痛くて・・・」
「受けたのは君だよ。風避け役の恋人なだけじゃないか」
「暴風避けですっ!」
「お前らいちゃつくのはいいが周りは巻き込むな」
「いちゃついてな~い!」


  グエエッ・・・プシュッ・・・


 あっ、伸びた!
 話が聞けなくなるぅ!!

 起きろ~!!

 バキッ!!

「アメリア!!」

 タリオンに怒られましたっ。
 
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