【完結】亡くなった妻の微笑み

彩華(あやはな)

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 僕は妻の義妹、メリッサと関係を持っている。
 妻より胸周りも尻周りにも肉がつき、抱き心地も良い。
 妻と結婚して数年後、彼女の方から誘ってきた。メリッサのほうが、活発で話上手。もし、メリッサと先に知り合えていたならば、彼女と結婚していただろう。

 僕は妻に仕事の出張と偽り、メリッサと旅行へと行った。一週間の旅行は素晴らしいものだった。
 海を眺めながらキスを交わし、お互いを感じた。賑やかな街を歩き、夫婦のように振る舞った。
 あっという間にの一週間だった。

 僕たちは、名残惜しく、別れ際まで馬車の中で口づけをし続けた。

 
 香水の匂いは、言い訳できるが、キスマークがあれば疑われる。
 服や頬、口元に口紅が残っていないか確かめてから、何事もなかったように屋敷に帰る。

 屋敷に入ると、騒がしかった。
 執事だけが出迎えてくれる。


「旦那様、おかえりなさいませ」
「あぁ。どうした?騒がしいな」
「奥様がどこにもおられないのです」

 カメリアがいない?

 あの大人しくて、物静かな彼女がいなくなるとは信じられなかった。
 
「もう、夕刻だ。いつからいないんだ?」
「今日の朝からおりません」
「出かけたのではないのか?」
「奥様に限って、黙って出て行かれることはありません」

 執事は青ざめていた。

 確かに、カメリアが誰にも告げずに家を出ることはない。彼女にかぎって・・・、しかし・・・。

「もう、暗くなる。今日は打ち切りにして、明日早朝から探そう」
「・・・はい・・・」

 陽は沈みかけ、夜の帳が下りる。
 探すことも困難になる。


 僕は執務室の椅子に座り、天井を見上げた。
 幸せな気分が一気に冷める。
 余韻に浸ることができず、カメリアを疎ましく思った。
 僕の気を引く為にわざとなのかと疑問にさえ思う。

 最近、彼女の顔をまともに見ていない気がする。
 夜の営みも、忙しいと託けて二ヶ月前にしただけ。

 新婚時期は終わったが、仲が悪かったわけではない。
 結婚してまだ三年。されど三年。
 カメリアに対しては不満は特別にない。
 ただその間に、僕はメリッサとそういう関係になり、カメリアよりメリッサを愛したため、彼女を顧みずにいただけだ。

 カメリアは、メリッサとの関係を知っていたのだろうか?だから、誰にも言わずに出て行った・・・。いや、知られていないはずだ。
 細心の注意を払って、カメリアにバレないようにしたではないか。

 カメリアだって、笑っていた。
 そう、笑っていたじゃないか。

 出張に行ってくると言った時、いつもの眼差しで、笑っていた。

 だから、大丈夫・・・。

 不安になる。
 
 彼女がいないことに対してなのか、メリッサの事がバレていないか、どちらの感情なのか、はっきりしなかった。

 不安だけが募った。
 
 寝る事ができなかった。

 
 空が白み始めたころ、侍女が部屋に駆け込んできた。
 カメリアが見つかったと・・・。
 

 

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