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「おはよーございます」
「ああ、アンジュ。おはよう」
昨日は帰りながら眠ってしまって、気づいたら朝だった。
ソレイユに挨拶をしてまず着替える。朝ごはんは相変わらず今日も美味しくて、目覚め爽快。
そういえば、何か忘れているような……?
「あ、ソレイユ、ぼくのギルドタグってどこ?」
「アレンが持ってる。あのままじゃなくしてしまうからチェーンをつけてもらったんだ」
そう言って、ソレイユがアレンに声をかける。アレンが僕に見せてくれたギルドタグには、昨日と違って首に通せるくらいの華奢なチェーンが取り付けられていた。タグは鉄でシルバー、チェーンもシルバーでとっても雰囲気が合ってる。
「これで首にかけられるね。無くさないように気をつけるんだよ」
「ありがとう」
アレンは早速僕の首にチェーンをかけてくれた。
「これでおそろい?」
「そうだよ」
そう言ってアレンは首元から金色のギルドタグを取り出す。タグの色は違うけど、チェーンの形は全く一緒。
「みんなとお揃いっ!」
「よかったな、坊主」
朝から気分は最高潮。これならみんなと離れてギルドに行っても大丈夫。そう思っていたのに。
「いやあああ! いかないで」
「アンジュ……」
「あ、泣かないでください」
僕は今、泣き叫んでいます。
気分最高潮のまま、るんるんでギルドにみんなと向かって、その後。ヴァイスさんの部屋について、みんなが仕事に行くからいざお別れ。その時に勝手に涙が溢れてしまって、止まらなくなってしまった。
なんでだろう? 僕精神年齢12歳児以上なはずなんだけど。
頭では冷静に考えているけど、どう頑張っても涙は止まってくれない。みんなの邪魔をしたいわけじゃないのに。
考えれば考えるほど涙が溢れてきて、みんなと離れられなくなる。ついにはしゃっくりというか、変な呼吸にもなってきて苦しくなってきた。
「アンジュ、一回落ち着け。まだ俺らはいかないから、一回落ち着こう」
ソレイユが背中をポンポンと軽くゆっくりと叩く。それに合わせて必死に呼吸をする。
それから5分、やっと落ち着いてきた。
「なあ、坊主。俺たちはすっごく強いんだ。そこら辺のドラゴンだったら叩くだけで倒せてちまうくらい」
ファンが僕に言い聞かせるように話し出す。
そこら辺のドラゴンって一体なんなんだろうとは思うんだけど。叩けるだけで倒せるドラゴンなんて存在するんだろうか?
「だから、私たちは大抵どんな依頼でも無傷でこなすことができます。今アンジュと別れても、私たちは絶対に夕方には朝と同じ姿で帰ってくる」
「多少汗臭いかも知れないけどね。だから、アンジュはここで楽しく笑顔で『行ってらっしゃい』ってして、笑顔で『今日は楽しかった。おかえり』って笑って出迎えてほしいんだ」
次にノクトが話して、それを茶化してからアレンが続けた。
そして、最後にソレイユが続ける。
「だから、今は泣かないで、安心して行ってらっしゃいって言ってほしい。離れるのは一瞬だ。すぐにみんな無事で帰ってくる」
みんなが言葉を尽くして僕に言ってくれたおかげで、自分がなんで泣いていたのかやっと分かったような気がする。
ずっと気を張って暮らしてきて、やっと出会った大切な人たちと別れたくなかったんだ。いきなり売られそうになったみたいに、いきなりさようならってなるかもしれない。そう思っていたんだ。
自分の涙が出ていた理由がわかって、やっと微かに残っていた涙もどこかに行った。
「みんな、僕が笑顔でいってらっしゃいしたら、頑張れる?」
「ああ、もうこれ以上なくがんばれるな」
「じゃあ、いってらっしゃい!」
まだ泣いた後の顔でぐちゃぐちゃだけど、精一杯の笑顔で言った。みんなが頑張れるというのなら、僕はいくらでも笑顔でみんなを見送ろう。
するとみんなはぱっと笑顔になって僕に向かって言った。
「「「「いってきます」」」」
「でも、やっぱり寂しい……」
笑顔でみんなをギルド前まで見送った後。ギルドのヴァイスさんの部屋に戻ってきた。
笑顔で納得して見送ったけど寂しさはどうしても消えない。ついついしょんぼりしてしまう。
「アンジュ、寂しくても笑顔で見送れた自分を褒めてあげよう? それから、みんなが帰ってきた時に楽しかったって言えるようにいろんなことをしようか」
「……うん」
ヴァイスさんの言葉に頷く。
とりあえず自分を心の中で目一杯褒めて、目一杯の笑顔を浮かべる。
「うん、大丈夫。ヴァイスさん! 今日は何しよう?」
「一つ考えがあるんだ。ついてきてくれるかい?」
もちろん、と頷いてヴァイスさんについていく。
廊下を歩いて、階段を降りて、外に出てほんの少し歩く。
そしてたどり着いたのは——。
「ここは?」
「ここは訓練場だよ」
確かに至る所で剣を撃ち合ったり、魔術を放ったりしている。壁に当たると魔術が霧散したり、突然ふっと消えたりしているからきっとファンタジーあるある、防護結界が張ってあるんだろう。
「でも、ここで何するの?」
僕はちっさい。自分で言いたくないけど、事実だ。そんな僕がここでできることはないと思う。
そう不思議に思っている僕に、ヴァイスさんは笑顔で言った。
「アンジュ、今日はここで魔術の練習をしよう」
「ええ!? できるの!?」
「アンジュは魔術の才能がある。今日魔術が使えるようになれば、アンジュも魔術師の仲間になれるよ」
「ほんと!?」
一気にテンション最高潮!
今日僕は魔術師になれるようです!
「ああ、アンジュ。おはよう」
昨日は帰りながら眠ってしまって、気づいたら朝だった。
ソレイユに挨拶をしてまず着替える。朝ごはんは相変わらず今日も美味しくて、目覚め爽快。
そういえば、何か忘れているような……?
「あ、ソレイユ、ぼくのギルドタグってどこ?」
「アレンが持ってる。あのままじゃなくしてしまうからチェーンをつけてもらったんだ」
そう言って、ソレイユがアレンに声をかける。アレンが僕に見せてくれたギルドタグには、昨日と違って首に通せるくらいの華奢なチェーンが取り付けられていた。タグは鉄でシルバー、チェーンもシルバーでとっても雰囲気が合ってる。
「これで首にかけられるね。無くさないように気をつけるんだよ」
「ありがとう」
アレンは早速僕の首にチェーンをかけてくれた。
「これでおそろい?」
「そうだよ」
そう言ってアレンは首元から金色のギルドタグを取り出す。タグの色は違うけど、チェーンの形は全く一緒。
「みんなとお揃いっ!」
「よかったな、坊主」
朝から気分は最高潮。これならみんなと離れてギルドに行っても大丈夫。そう思っていたのに。
「いやあああ! いかないで」
「アンジュ……」
「あ、泣かないでください」
僕は今、泣き叫んでいます。
気分最高潮のまま、るんるんでギルドにみんなと向かって、その後。ヴァイスさんの部屋について、みんなが仕事に行くからいざお別れ。その時に勝手に涙が溢れてしまって、止まらなくなってしまった。
なんでだろう? 僕精神年齢12歳児以上なはずなんだけど。
頭では冷静に考えているけど、どう頑張っても涙は止まってくれない。みんなの邪魔をしたいわけじゃないのに。
考えれば考えるほど涙が溢れてきて、みんなと離れられなくなる。ついにはしゃっくりというか、変な呼吸にもなってきて苦しくなってきた。
「アンジュ、一回落ち着け。まだ俺らはいかないから、一回落ち着こう」
ソレイユが背中をポンポンと軽くゆっくりと叩く。それに合わせて必死に呼吸をする。
それから5分、やっと落ち着いてきた。
「なあ、坊主。俺たちはすっごく強いんだ。そこら辺のドラゴンだったら叩くだけで倒せてちまうくらい」
ファンが僕に言い聞かせるように話し出す。
そこら辺のドラゴンって一体なんなんだろうとは思うんだけど。叩けるだけで倒せるドラゴンなんて存在するんだろうか?
「だから、私たちは大抵どんな依頼でも無傷でこなすことができます。今アンジュと別れても、私たちは絶対に夕方には朝と同じ姿で帰ってくる」
「多少汗臭いかも知れないけどね。だから、アンジュはここで楽しく笑顔で『行ってらっしゃい』ってして、笑顔で『今日は楽しかった。おかえり』って笑って出迎えてほしいんだ」
次にノクトが話して、それを茶化してからアレンが続けた。
そして、最後にソレイユが続ける。
「だから、今は泣かないで、安心して行ってらっしゃいって言ってほしい。離れるのは一瞬だ。すぐにみんな無事で帰ってくる」
みんなが言葉を尽くして僕に言ってくれたおかげで、自分がなんで泣いていたのかやっと分かったような気がする。
ずっと気を張って暮らしてきて、やっと出会った大切な人たちと別れたくなかったんだ。いきなり売られそうになったみたいに、いきなりさようならってなるかもしれない。そう思っていたんだ。
自分の涙が出ていた理由がわかって、やっと微かに残っていた涙もどこかに行った。
「みんな、僕が笑顔でいってらっしゃいしたら、頑張れる?」
「ああ、もうこれ以上なくがんばれるな」
「じゃあ、いってらっしゃい!」
まだ泣いた後の顔でぐちゃぐちゃだけど、精一杯の笑顔で言った。みんなが頑張れるというのなら、僕はいくらでも笑顔でみんなを見送ろう。
するとみんなはぱっと笑顔になって僕に向かって言った。
「「「「いってきます」」」」
「でも、やっぱり寂しい……」
笑顔でみんなをギルド前まで見送った後。ギルドのヴァイスさんの部屋に戻ってきた。
笑顔で納得して見送ったけど寂しさはどうしても消えない。ついついしょんぼりしてしまう。
「アンジュ、寂しくても笑顔で見送れた自分を褒めてあげよう? それから、みんなが帰ってきた時に楽しかったって言えるようにいろんなことをしようか」
「……うん」
ヴァイスさんの言葉に頷く。
とりあえず自分を心の中で目一杯褒めて、目一杯の笑顔を浮かべる。
「うん、大丈夫。ヴァイスさん! 今日は何しよう?」
「一つ考えがあるんだ。ついてきてくれるかい?」
もちろん、と頷いてヴァイスさんについていく。
廊下を歩いて、階段を降りて、外に出てほんの少し歩く。
そしてたどり着いたのは——。
「ここは?」
「ここは訓練場だよ」
確かに至る所で剣を撃ち合ったり、魔術を放ったりしている。壁に当たると魔術が霧散したり、突然ふっと消えたりしているからきっとファンタジーあるある、防護結界が張ってあるんだろう。
「でも、ここで何するの?」
僕はちっさい。自分で言いたくないけど、事実だ。そんな僕がここでできることはないと思う。
そう不思議に思っている僕に、ヴァイスさんは笑顔で言った。
「アンジュ、今日はここで魔術の練習をしよう」
「ええ!? できるの!?」
「アンジュは魔術の才能がある。今日魔術が使えるようになれば、アンジュも魔術師の仲間になれるよ」
「ほんと!?」
一気にテンション最高潮!
今日僕は魔術師になれるようです!
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