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砂糖。
地球では普通にスーパーで安く売っている調味料だ。
だがしかし、この世界では高級品でありお金持ちのお貴族様しか味わえないものという認識だ。
だから当然、貧乏貴族のレブロン子爵家では全くお目にかかれなかった。
とはいえ、私は甘いものが大好きだ。いや、マジで。だから、甘い果物で代用していたのだけれど……
「ん~♡」
目の前に並べられた、あま~いスイーツ達。あぁ、天国ってここにあったのね。
苺のショートケーキが食べられるなんてもう最高! あぁ、結婚してよかったぁ……♡
「そんなに甘いもの好きか」
「わっ」
お庭にある東屋でスイーツを食べている最中に、後ろから声をかけられた。この声は……
「お仕事は?」
「休憩。そもそも新婚に仕事させる方が間違ってるだろ」
私の旦那様、エヴァンだった。後ろから隣に回って座ってきた。
新婚、だなんて実感湧かないなぁ。
「そんなに好きなのか」
「甘いの美味しいじゃないですか。このクリームとか美味しいですよ」
ここに来てからご飯後の食後のデザートや、アフタヌーンティーのお茶請けとかで出てくるから結構食べる機会がある。もう最高だよね。
「食いたいなら思う存分食え」
「……」
いや食べるけどさ。でも思う存分って言ったら太るからそこそこにする。
甘いデザートに、紅茶に入れる角砂糖。こんな大富豪のお貴族様の家に輿入れしたから食べられているわけだ。だから感謝しないといけないんだけど……やる事がない。
そもそも、ご夫人は仕事をやらず、周りとの交流を深めるのが基本的だ。でも、そんな事しなくていいとエヴァンに言われているわけで。まぁでも結婚したの昨日だしな。
それに他のご令嬢やご夫人との交流なんて生まれてこのかた一回もやった事がない。必要なのかどうかは分からないけれど。
「あまっ」
……それ、私のショートケーキなんですけど。あとフォークも。食べるんだったら自分の分用意しろって。
「甘いの苦手ですか?」
「いや別に? 好きというわけではないけど、気分次第か」
見たところ好きじゃないんだと思ってたけど、なんか意外だったかも。へぇ、そうなんだ。
「あ、そうそう。アレ潰しておいたぞ」
「……」
つ、潰……?
一体何を潰したの……?
「テトラ達が借りてた借金取りの商会。慰謝料付きだ。で、その慰謝料はそっくりそのままお前の実家に送る手配をした。お義父様にもそれは言っておいたぞ」
「……ま、じですか」
「あそこのドラ息子に結婚迫られて、取引先まで潰されたんだって? それは木っ端微塵にするに決まってるだろ。俺の嫁なんだから」
私の目の前にあった旦那様の顔が……恐ろしく見えた。そんなことさらっと言っちゃうの? マジ? え、怖いんだけど。イケメン眼福が目の前にあるというのに、サァァァ、と青ざめたような気がした。
……怖っ。
「と、いうことで代わりに報酬をくれ」
「ほ、報酬ですか……」
報酬? え、どんな報酬!?
お金なんてないぞ!? なんて思っていたら、私の髪を一束持ち上げ私に見せた。
「髪を貸してくれ」
「……切ります?」
「は? 切るわけないだろ。言っただろ、長髪が好みって。だからなにがあっても絶対切らせないぞ」
「あ、はい、そうですか……」
な、なにがあっても……すっごく真顔で言われたんだけど、この髪私のだよね。旦那様のじゃないよね……?
切らない、ということは……なんか付けたりするのかな。まぁ、あのクソ野郎どもを片付けてくれるのであれば、安いものよね。もう存分に使ってやってください。
「じゃ、明日付き合ってもらうな」
「髪、ですか」
「そ。ここに呼んでおいたから、明日の午後は時間を空けておいてくれ」
「わ、かりました……」
まぁ、あいつらの悔しがる顔が見たかったけど、もうすでに商会長の魂が抜けた顔見たし、あれでいいや。
……というか、どうしてまた私の髪いじってるんです? 私の世話係に就いてくれたマーラさんに結ってもらったのに。
地球では普通にスーパーで安く売っている調味料だ。
だがしかし、この世界では高級品でありお金持ちのお貴族様しか味わえないものという認識だ。
だから当然、貧乏貴族のレブロン子爵家では全くお目にかかれなかった。
とはいえ、私は甘いものが大好きだ。いや、マジで。だから、甘い果物で代用していたのだけれど……
「ん~♡」
目の前に並べられた、あま~いスイーツ達。あぁ、天国ってここにあったのね。
苺のショートケーキが食べられるなんてもう最高! あぁ、結婚してよかったぁ……♡
「そんなに甘いもの好きか」
「わっ」
お庭にある東屋でスイーツを食べている最中に、後ろから声をかけられた。この声は……
「お仕事は?」
「休憩。そもそも新婚に仕事させる方が間違ってるだろ」
私の旦那様、エヴァンだった。後ろから隣に回って座ってきた。
新婚、だなんて実感湧かないなぁ。
「そんなに好きなのか」
「甘いの美味しいじゃないですか。このクリームとか美味しいですよ」
ここに来てからご飯後の食後のデザートや、アフタヌーンティーのお茶請けとかで出てくるから結構食べる機会がある。もう最高だよね。
「食いたいなら思う存分食え」
「……」
いや食べるけどさ。でも思う存分って言ったら太るからそこそこにする。
甘いデザートに、紅茶に入れる角砂糖。こんな大富豪のお貴族様の家に輿入れしたから食べられているわけだ。だから感謝しないといけないんだけど……やる事がない。
そもそも、ご夫人は仕事をやらず、周りとの交流を深めるのが基本的だ。でも、そんな事しなくていいとエヴァンに言われているわけで。まぁでも結婚したの昨日だしな。
それに他のご令嬢やご夫人との交流なんて生まれてこのかた一回もやった事がない。必要なのかどうかは分からないけれど。
「あまっ」
……それ、私のショートケーキなんですけど。あとフォークも。食べるんだったら自分の分用意しろって。
「甘いの苦手ですか?」
「いや別に? 好きというわけではないけど、気分次第か」
見たところ好きじゃないんだと思ってたけど、なんか意外だったかも。へぇ、そうなんだ。
「あ、そうそう。アレ潰しておいたぞ」
「……」
つ、潰……?
一体何を潰したの……?
「テトラ達が借りてた借金取りの商会。慰謝料付きだ。で、その慰謝料はそっくりそのままお前の実家に送る手配をした。お義父様にもそれは言っておいたぞ」
「……ま、じですか」
「あそこのドラ息子に結婚迫られて、取引先まで潰されたんだって? それは木っ端微塵にするに決まってるだろ。俺の嫁なんだから」
私の目の前にあった旦那様の顔が……恐ろしく見えた。そんなことさらっと言っちゃうの? マジ? え、怖いんだけど。イケメン眼福が目の前にあるというのに、サァァァ、と青ざめたような気がした。
……怖っ。
「と、いうことで代わりに報酬をくれ」
「ほ、報酬ですか……」
報酬? え、どんな報酬!?
お金なんてないぞ!? なんて思っていたら、私の髪を一束持ち上げ私に見せた。
「髪を貸してくれ」
「……切ります?」
「は? 切るわけないだろ。言っただろ、長髪が好みって。だからなにがあっても絶対切らせないぞ」
「あ、はい、そうですか……」
な、なにがあっても……すっごく真顔で言われたんだけど、この髪私のだよね。旦那様のじゃないよね……?
切らない、ということは……なんか付けたりするのかな。まぁ、あのクソ野郎どもを片付けてくれるのであれば、安いものよね。もう存分に使ってやってください。
「じゃ、明日付き合ってもらうな」
「髪、ですか」
「そ。ここに呼んでおいたから、明日の午後は時間を空けておいてくれ」
「わ、かりました……」
まぁ、あいつらの悔しがる顔が見たかったけど、もうすでに商会長の魂が抜けた顔見たし、あれでいいや。
……というか、どうしてまた私の髪いじってるんです? 私の世話係に就いてくれたマーラさんに結ってもらったのに。
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