水泳部合宿

RIKUTO

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昼休み

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チリンチリン!!大きな鐘の音と共にりょうくんが叫ぶ。「よーし午前の練習お疲れ!!昼休みだよー!!」
プールに入っていたみんなは一斉にプールから上がった。ずぶ濡れの競パン姿が太陽光に照らされてより映える。
僕たちというと、「よし昼休憩だ!!お前らは午後からは通常の練習だ。ほかの奴らと交じっての練習だぞ!!ちゃんと切り替えろよ!!」南君が指示する。「はい、お昼休憩いただきます!!」4人全員ハモっていた。
「ゆうき君。これ使って」バスタオルをりょう君が差し出した。これで体に付いた水滴を落とす事は間違いないが、確かこの合宿が終わるまでこの姿なんだよな。着るとしてもみんなが羽織ってるジャージだけなんだよな。財布とスマホはもちろん、下着までロッカーに鍵をかけて入れてきたんだもんな。今更ながら足首にきつく巻いたリストバンドを見ながらそんなことを思い出した。
「ゆうき君。昼休みはお弁当用意してあるからみんなと一緒に食べよ!」僕が昼食のことを思う前にりょう君が言った。
何人かの部員がジャージを羽織るとプールの外へ行った。
「当番がみんなの弁当とお茶、持ってくるからね。食べる場所は基本どこでもいいよ。ゆうき君は僕の隣で食べよ!」

「了解!」僕は少し照れながらりょう君の提案にうなずいた。りょう君の明るい笑顔とその勢いに、つい引き込まれてしまう。プールの周りのコンクリートの上にみんなはぞろぞろと集まり始めた。太陽は真上から容赦なく照りつけ、ジャージを羽織っただけの身体に汗が滲む。それでも、プールの水で冷えた肌にはこの暖かさが心地よかった。当番の部員たちが大きなクーラーボックスを抱えてやってきて、弁当とお茶を配り始めた。弁当箱を受け取ると、色とりどりのおかずが詰まっていて、なんだか合宿らしい特別な気分になる。りょう君が隣にどっかりと座り、「ゆうき君、今日の練習どうだった? 」とニコニコしながら話しかけてきた。「え? 自分じゃあんまりわからないけど、南君のアドバイスのおかげかな」僕は少し恥ずかしそうに笑った。りょう君はさりげなく褒めてくれる。「まぁまぁ、照れんなよ! ほら、食べて食べて! 午後からまた練習だからね!」りょう君は自分の弁当を豪快に開け、唐揚げを一口で放り込んだ。僕も負けじと弁当を手に取り、まずはおにぎりを頬張った。海苔の香りとふっくらしたご飯が、とてもおいしい。周りを見ると、他の部員たちもシートに座ったり、プールサイドに腰かけたりして、思い思いに昼食を楽しんでいた。南君は少し離れたところで、他の先輩たちと何か真剣に話してるみたいだ。時折、笑い声が響いて、和気あいあいとした雰囲気が広がる。「なあ、ゆうき君」りょう君が急に声を潜めて話しかけてきた。「この合宿、夜に面白いこと起こりそうな予感しない?」「え、どんな?」僕はおにぎりを飲み下して、興味津々で聞き返した。「いや、なんかさ、夜の肝試しとか、コーチが急に変なイベントぶち込んできそうな気がするんだよね!」りょう君の目がキラキラしてる。「へへ、今年もなんか仕掛けてやるぜ! ゆうき君も一緒に乗っかるよな?」りょう君がグイッと肩を組んできた。競パンとジャージだけの姿でこんなに近くにいると、なんだか妙にドキドキする。「ま、まあ、りょう君が言うなら付き合うよ!」僕はちょっと誤魔化すようにお茶をゴクゴク飲んだ。その時、遠くから南君の声が響いた。「おい、みんな! 飯食ったら少し休憩して、13時15分に入水開始な! 午後も練習やるぞ!」「ゆうき君、午後も決めようぜ!」りょう君が拳を握って気合を入れる。「よし、負けないぞ!」僕もつられて拳を握り返した。昼休みの穏やかな時間もいいけど、午後の練習に向けて、なんだかワクワクしてきた。さて、この合宿、りょう君の言う通り何か面白いことが起こるのかな? そんなことを考えながら、僕は最後のおかずである唐揚げに手を伸ばした。
食べ終わると用意してあったゴミ袋に空の弁当箱とペットボトルのお茶を放り込むと、ジャージを脱ぎすて再び競パン一丁のスタイルに戻った。
午後の時間の始まりである。
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