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第68話 『剣鬼』②
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「これから話すことは他言無用の内容も多いため、極力話すことが無いようにしてほしい」
メリッサ様が最初に釘をさし、あたしは無言で頷く。
「まず、ルーク殿はつい最近まで軍に所属されていた。今は諸事情により無所属となっているがその当時は強国対策支部第7部隊副隊長をされていた」
副隊長といえば軍の中でもかなり上の地位のはず、そんな人が何故無所属なのか。
あたしは気になったがメリッサ様が話さないということは言えないということと判断し、黙って相槌を打つ。
「今から20年程前、ルーク殿は徴兵されて軍に入った。本来であれば、数年で元の生活に戻るはずだったが、ルーク殿は強すぎたのだ。入隊からすぐに頭角をあらわしはじめ、めきめきと実力をつけていった。それは直ぐに、長年争っていた強国・・・ジークムント王国との戦いに無くてはならない存在にまでなっていた。そのため、元の生活に戻すこともせず、最近まで軍に所属することになったという」
「そうなんですね。・・・さぞ、元の生活に戻りたかったでしょうね」
あたしはルークさんの立場になって考えてみると自然とそう思えた。
メリッサ様はあたしの言葉に頷く。
「そうだったろうな。しかし、ルーク殿が成し遂げた功績はとても大きいものだった。ところで、ミリーナ君は最近長年争っていたジークムント王国と我々のセインツ王国での不可侵条約のことは知っているかな?」
「はい。もちろんです。直ぐに騎士学校の歴史の教科書に反映された位でしたから・・・まさか!?」
あたしは突然の質問に答えながら、その可能性に気づく。
「やはり、ミリーナ君は頭の回転が早いな。他の部下たちにいい刺激となるだろう。その通りだ。ルーク殿がいたからこそ不可侵条約を結ぶに至ったのだ。そのことは教科書にも書いていないがな」
「そのようなことが可能なのですか?」
想像以上の内容に喉が渇いていくのを感じ、あたしは水を少しだけ飲む。
「私も細かい戦いの内容は不明だが、敵にとっての悪鬼羅刹であったルーク殿はこう呼ばれていたらしい。剣を持った鬼『剣鬼』と。そして、北の世界最大強国と呼ばれるジークムント王国がこういうようになった。『絶対に手を出してはならぬ敵』と。そうして10年の不可侵条約を結ぶに至った。まさに英雄、それが『剣鬼』ルーク殿だ」
「凄い・・・そうとしか表現できない方ですね」
あたしは、スケールの大きさに鳥肌が立つのが分かった。噓でしょう?なんでそんな人がいるのに有名になっていないの?全国民から賞賛されるべき人なのに。
「その通りだな。ルーク殿はとてもすごい方だ。何故そのような方が有名になっていないか?という顔をしているな」
「!?」
あたしは、顔に書いてあったかと思い慌てて触ってしまう。
「ふふふ、冗談だ。皆そう思うのでな。話を戻すが、ルーク殿の情報をある特定の者にしか伝わらないようにしているのにはもちろん理由がある。重要人物過ぎるからだ。ルーク殿のことが明るみにでると彼に関わる者が危険にさらされる可能性がある。そのため、正式に賞賛されることがない」
「なるほど・・・重要人物過ぎるが故に秘匿とするということなのですね。何て辛い人生なのでしょうか」
あたしは、ルークさんのことを思って胸が痛くなった。勝手に目から涙が出てくる。
国の気まぐれで軍に所属させられ、才能があったから長年人生のほとんどを拘束され、多大な功績を上げたが故に表立って賞賛もされない。
あたしは2度救われたと思っていたが、それ以上救われていたんだ。
ルークさんがいなければこの国が滅んでいたかもしれないのだから。
「そうだな。ルーク殿の心中を思えばミリーナ君の反応は正しい。だが、ルーク殿は個人的な事情からそれら全てのことは別に不満とも思っていなかったようだ」
「そうなんですね・・・それならまだ良かったです」
個人的な事情・・・すごく聞きたいがこれはメリッサ様から話す内容では無いということなのだろう。
少なくともルークさんは、自らの扱いに関しての不満はなかったということなので、あたしはほっとしたのだった。
メリッサ様が最初に釘をさし、あたしは無言で頷く。
「まず、ルーク殿はつい最近まで軍に所属されていた。今は諸事情により無所属となっているがその当時は強国対策支部第7部隊副隊長をされていた」
副隊長といえば軍の中でもかなり上の地位のはず、そんな人が何故無所属なのか。
あたしは気になったがメリッサ様が話さないということは言えないということと判断し、黙って相槌を打つ。
「今から20年程前、ルーク殿は徴兵されて軍に入った。本来であれば、数年で元の生活に戻るはずだったが、ルーク殿は強すぎたのだ。入隊からすぐに頭角をあらわしはじめ、めきめきと実力をつけていった。それは直ぐに、長年争っていた強国・・・ジークムント王国との戦いに無くてはならない存在にまでなっていた。そのため、元の生活に戻すこともせず、最近まで軍に所属することになったという」
「そうなんですね。・・・さぞ、元の生活に戻りたかったでしょうね」
あたしはルークさんの立場になって考えてみると自然とそう思えた。
メリッサ様はあたしの言葉に頷く。
「そうだったろうな。しかし、ルーク殿が成し遂げた功績はとても大きいものだった。ところで、ミリーナ君は最近長年争っていたジークムント王国と我々のセインツ王国での不可侵条約のことは知っているかな?」
「はい。もちろんです。直ぐに騎士学校の歴史の教科書に反映された位でしたから・・・まさか!?」
あたしは突然の質問に答えながら、その可能性に気づく。
「やはり、ミリーナ君は頭の回転が早いな。他の部下たちにいい刺激となるだろう。その通りだ。ルーク殿がいたからこそ不可侵条約を結ぶに至ったのだ。そのことは教科書にも書いていないがな」
「そのようなことが可能なのですか?」
想像以上の内容に喉が渇いていくのを感じ、あたしは水を少しだけ飲む。
「私も細かい戦いの内容は不明だが、敵にとっての悪鬼羅刹であったルーク殿はこう呼ばれていたらしい。剣を持った鬼『剣鬼』と。そして、北の世界最大強国と呼ばれるジークムント王国がこういうようになった。『絶対に手を出してはならぬ敵』と。そうして10年の不可侵条約を結ぶに至った。まさに英雄、それが『剣鬼』ルーク殿だ」
「凄い・・・そうとしか表現できない方ですね」
あたしは、スケールの大きさに鳥肌が立つのが分かった。噓でしょう?なんでそんな人がいるのに有名になっていないの?全国民から賞賛されるべき人なのに。
「その通りだな。ルーク殿はとてもすごい方だ。何故そのような方が有名になっていないか?という顔をしているな」
「!?」
あたしは、顔に書いてあったかと思い慌てて触ってしまう。
「ふふふ、冗談だ。皆そう思うのでな。話を戻すが、ルーク殿の情報をある特定の者にしか伝わらないようにしているのにはもちろん理由がある。重要人物過ぎるからだ。ルーク殿のことが明るみにでると彼に関わる者が危険にさらされる可能性がある。そのため、正式に賞賛されることがない」
「なるほど・・・重要人物過ぎるが故に秘匿とするということなのですね。何て辛い人生なのでしょうか」
あたしは、ルークさんのことを思って胸が痛くなった。勝手に目から涙が出てくる。
国の気まぐれで軍に所属させられ、才能があったから長年人生のほとんどを拘束され、多大な功績を上げたが故に表立って賞賛もされない。
あたしは2度救われたと思っていたが、それ以上救われていたんだ。
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「そうだな。ルーク殿の心中を思えばミリーナ君の反応は正しい。だが、ルーク殿は個人的な事情からそれら全てのことは別に不満とも思っていなかったようだ」
「そうなんですね・・・それならまだ良かったです」
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