戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第221話 剣術大会本戦⑲

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ゆっくりとリング中央に向かうルーク。

観客達は未だに騒ぐこと無くリング上に注目する。

「光栄です。『鬼人』と戦えるとは」

ルークがレイの近くまで来た時、先に話しかけて来たのは意外にもレイからであった。

見た目にそぐったいい声である。

「・・・俺のことを知っているのか?」

「ええ。少なくとも僕はあなたを知らないで剣をとる人は偽物だと思ってます」

2人の会話はそこまで大きな声を出していないにも関わらず会場に良く通った。

観客の中には予選落ちして見学している者も多く、レイの言葉を聞いて冷や汗をかく。

ミリーナもその中の1人だった。

(・・・あたしもついこの間まで知らなかったんだよなぁ)

「そんなことはあるまい。俺のことなどセインツ王国では広まって無いからな」

(何故かジークムント王国では広まっているらしいが・・・)

ルークは先日ヒルダに聞いた衝撃の事実を思い出す。

ルークの言葉に冷や汗をかいた観客たちも少しほっとした。

「その事実は僕としては許せませんが今はそれより」

レイが抜き身の剣を構えながら言う。

「ああ。そうだな」

同じくルークも護命剣を構える。

「伝説の『鬼剣』を持った『鬼人』と戦ってみたかったです」

レイが少しだけ残念そうに言う。

ルークはその言葉にふっと笑い、

「なぁに、この『護命剣』も『鬼剣』と遜色ないさ」

「それは良かった」

「それでは、両者準備が揃ったようですので。試合開始です!!」

赤服運営長が頃合いを見て試合開始の合図を行った。

トン

開始の合図を聞いた2人が同時に飛び出す。

ギィィィィン

2人の剣がぶつかりあい会場中に響き渡る。

すぐに元の位置に戻る2人。

「・・・『鬼剣』と同等という剣というのは本当みたいですね」

レイが少しだけ欠けてしまった自分の剣を見ながら呟く。

「なんだ?信じていなかったのか?」

ルークがレイの言葉に不敵に笑った。
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