224 / 354
第224話 剣術大会本戦㉒
しおりを挟む
「ミリーナ、助かった」
「ルークっ!?」
レイとの戦いが終わったあとルークはミリーナとヒルダのところへ来ていた。
「あたし何かしたっけ?」
ミリーナが不思議そうに聞いてくる。
ちなみに先程の活躍のおかげか周りの席の観客達が「おい、ルーク選手だぞ」「サイン貰おうかな」などと小声で騒いでいた。
「ああ。レイにやられる瞬間叫んでくれただろう?あれがきっかけで勝つことが出来た」
「えっ!それは良かったわ。あたしは思わず叫んじゃっただけだからあんまり気にしないで」
ミリーナが照れながらそう答える。
「おかげで助かった。ありがとう」
ルークが再度礼を言う。
「ど、どういたしまして」
ミリーナが顔を真っ赤にして返事をする。
「あのときのミリーナは必死だったものなぁ。隣にいた我まで驚いてしまったわぃ」
そこでヒルダがからかうように言うと、
「も、もうヒルダちゃんたら」
ミリーナが照れ隠しにヒルダを揺さぶる。
「お、お、お、や、やめよ、目が回るっ!」
ヒルダが困ったように言うが自業自得かもしれない。
「ふっ」
ルークはそんな2人の様子を見て思わず笑みがこぼれたのだった。
「・・・驚きました。まさかあのレイ選手が負けるなんて」
貴賓室にいたボルン領主が驚愕を隠しもせずにそう呟く。
ボルン領主とて『鬼人』のことは知ってはいた。
だけど、『剣術大会』3連覇中のレイには及ばないと思っていたのだ。
「ふははははっ!何を言っておる領主よ。あやつはジークムント王国最高警戒対象人物『魔人鬼』ルークだぞ。当然の結果だろうが」
バグラス大将軍がとても楽しそうにそのように言い切った。
「・・・そのようですね」
ボルン領主は素直にバグラス大将軍の言うことに同意する。
「かっかっかっ!素直は美徳じゃ!おや、メリッサ殿どうしたかの?」
バグラス大将軍がボルン領主にそう言ってから冷や汗すら書いているメリッサを見て楽しそうに尋ねる。
「い、いえ何でもありません」
「そうか?まあいい。次は儂の試合じゃ。行ってくるとする」
そう言うと深くは聞かずリングに向かって歩いていった。
(なんてことなの)
メリッサは酷く動揺していた。
(ルーク殿は利き腕を一度も使っていない)
それは、先日バグラス大将軍の言っていた通りだったからだった。
(格が・・・違いすぎるわ)
メリッサとて誉れある近衛騎士隊長なのだ。
セインツ王国の中でも剣の腕で言えば上から数えたほうが早いという自負があった。
王国一の相手だろうと互角とまでは行かなくとも良い勝負をするとも思っていた。
だが、ルークの戦いを見てその自信が崩れ去っていくのを感じていた。
(ジークムント王国最高警戒対象人物か)
バグラス大将軍の先程言った言葉が妙に頭に残ったのだった。
「ルークっ!?」
レイとの戦いが終わったあとルークはミリーナとヒルダのところへ来ていた。
「あたし何かしたっけ?」
ミリーナが不思議そうに聞いてくる。
ちなみに先程の活躍のおかげか周りの席の観客達が「おい、ルーク選手だぞ」「サイン貰おうかな」などと小声で騒いでいた。
「ああ。レイにやられる瞬間叫んでくれただろう?あれがきっかけで勝つことが出来た」
「えっ!それは良かったわ。あたしは思わず叫んじゃっただけだからあんまり気にしないで」
ミリーナが照れながらそう答える。
「おかげで助かった。ありがとう」
ルークが再度礼を言う。
「ど、どういたしまして」
ミリーナが顔を真っ赤にして返事をする。
「あのときのミリーナは必死だったものなぁ。隣にいた我まで驚いてしまったわぃ」
そこでヒルダがからかうように言うと、
「も、もうヒルダちゃんたら」
ミリーナが照れ隠しにヒルダを揺さぶる。
「お、お、お、や、やめよ、目が回るっ!」
ヒルダが困ったように言うが自業自得かもしれない。
「ふっ」
ルークはそんな2人の様子を見て思わず笑みがこぼれたのだった。
「・・・驚きました。まさかあのレイ選手が負けるなんて」
貴賓室にいたボルン領主が驚愕を隠しもせずにそう呟く。
ボルン領主とて『鬼人』のことは知ってはいた。
だけど、『剣術大会』3連覇中のレイには及ばないと思っていたのだ。
「ふははははっ!何を言っておる領主よ。あやつはジークムント王国最高警戒対象人物『魔人鬼』ルークだぞ。当然の結果だろうが」
バグラス大将軍がとても楽しそうにそのように言い切った。
「・・・そのようですね」
ボルン領主は素直にバグラス大将軍の言うことに同意する。
「かっかっかっ!素直は美徳じゃ!おや、メリッサ殿どうしたかの?」
バグラス大将軍がボルン領主にそう言ってから冷や汗すら書いているメリッサを見て楽しそうに尋ねる。
「い、いえ何でもありません」
「そうか?まあいい。次は儂の試合じゃ。行ってくるとする」
そう言うと深くは聞かずリングに向かって歩いていった。
(なんてことなの)
メリッサは酷く動揺していた。
(ルーク殿は利き腕を一度も使っていない)
それは、先日バグラス大将軍の言っていた通りだったからだった。
(格が・・・違いすぎるわ)
メリッサとて誉れある近衛騎士隊長なのだ。
セインツ王国の中でも剣の腕で言えば上から数えたほうが早いという自負があった。
王国一の相手だろうと互角とまでは行かなくとも良い勝負をするとも思っていた。
だが、ルークの戦いを見てその自信が崩れ去っていくのを感じていた。
(ジークムント王国最高警戒対象人物か)
バグラス大将軍の先程言った言葉が妙に頭に残ったのだった。
45
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
幼馴染の勇者が一般人の僕をパーティーに入れようとするんですが
空色蜻蛉
ファンタジー
羊飼いの少年リヒトは、ある事件で勇者になってしまった幼馴染みに巻き込まれ、世界を救う旅へ……ではなく世界一周観光旅行に出発する。
「君達、僕は一般人だって何度言ったら分かるんだ?!
人間外の戦闘に巻き込まないでくれ。
魔王討伐の旅じゃなくて観光旅行なら別に良いけど……え? じゃあ観光旅行で良いって本気?」
どこまでもリヒト優先の幼馴染みと共に、人助けそっちのけで愉快な珍道中が始まる。一行のマスコット家畜メリーさんは巨大化するし、リヒト自身も秘密を抱えているがそれはそれとして。
人生は楽しまないと勿体ない!!
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる