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第225話 剣術大会本戦㉓
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「ルーク、いよいよ明日ね」
宿への帰り道ミリーナがルークに尋ねる。
「ああ」
ルークが短く答えた。
バグラス大将軍の準決勝の試合は一瞬で終わった。
もちろん、バグラス大将軍の勝利である。
「勝算はあるのかの?」
ヒルダがルークに尋ねる。
「・・・無いな。信じ難いがやつは片腕を失っているにも関わらず7年前以上の実力をつけている」
「・・・そうか、、、」
ヒルダが心配そうに言うので、
「心配するな。7年前以上の実力になったのは俺も同じだ。勝てぬかも知れないが死ぬことは無いだろう」
「!?そうか!!それなら良かったわぃ!絶対に無事で戻るのじゃぞ!!」
ヒルダが喜んでそう言う。
「ああ。約束する」
ルークがヒルダの頭をぽんぽんと優しく触りながら答える。
ヒルダが嬉し恥ずかしいのか顔を赤くする。
「利き腕を使う気はないの?」
ミリーナがそう聞いてくる。
「・・・気づいていたか」
「ん?どういうことじゃミリーナ?」
「え?ああ。ルークはバグラス大将軍に合わせて自分も利き腕を使わないようにしてきたのよ」
ヒルダの疑問に答えるミリーナ。
「なっ!なんじゃと!?」
ヒルダが驚く。
「利き腕を使う気はない。これはやつに同情してとかそういう事じゃない。戦争中なら使えるものは全て使って絶対に勝つ戦いをするが今は違う。過去の因縁はあるがそういう事は度外視して純粋に戦いたいんだ」
「そういうものなのね。無事に戻ってきてね」
ルークの言葉にミリーナは頷く。
「ああ。ありがとう」
(あたしは因縁の相手がいたこともないからルークの気持ちは完全には理解できないけど、憎しみさえある相手にその気持ちを持ち出さず純粋に対等に戦うということが出来るかしら?)
恐らく自分にはルークのようにはできないだろう。
(ルークは本当に凄いな)
剣の強さだけでない。
心の強さも併せ持つルークにミリーナは尊敬の念をますます持ったのだった。
宿への帰り道ミリーナがルークに尋ねる。
「ああ」
ルークが短く答えた。
バグラス大将軍の準決勝の試合は一瞬で終わった。
もちろん、バグラス大将軍の勝利である。
「勝算はあるのかの?」
ヒルダがルークに尋ねる。
「・・・無いな。信じ難いがやつは片腕を失っているにも関わらず7年前以上の実力をつけている」
「・・・そうか、、、」
ヒルダが心配そうに言うので、
「心配するな。7年前以上の実力になったのは俺も同じだ。勝てぬかも知れないが死ぬことは無いだろう」
「!?そうか!!それなら良かったわぃ!絶対に無事で戻るのじゃぞ!!」
ヒルダが喜んでそう言う。
「ああ。約束する」
ルークがヒルダの頭をぽんぽんと優しく触りながら答える。
ヒルダが嬉し恥ずかしいのか顔を赤くする。
「利き腕を使う気はないの?」
ミリーナがそう聞いてくる。
「・・・気づいていたか」
「ん?どういうことじゃミリーナ?」
「え?ああ。ルークはバグラス大将軍に合わせて自分も利き腕を使わないようにしてきたのよ」
ヒルダの疑問に答えるミリーナ。
「なっ!なんじゃと!?」
ヒルダが驚く。
「利き腕を使う気はない。これはやつに同情してとかそういう事じゃない。戦争中なら使えるものは全て使って絶対に勝つ戦いをするが今は違う。過去の因縁はあるがそういう事は度外視して純粋に戦いたいんだ」
「そういうものなのね。無事に戻ってきてね」
ルークの言葉にミリーナは頷く。
「ああ。ありがとう」
(あたしは因縁の相手がいたこともないからルークの気持ちは完全には理解できないけど、憎しみさえある相手にその気持ちを持ち出さず純粋に対等に戦うということが出来るかしら?)
恐らく自分にはルークのようにはできないだろう。
(ルークは本当に凄いな)
剣の強さだけでない。
心の強さも併せ持つルークにミリーナは尊敬の念をますます持ったのだった。
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