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緑川、人類の運命を背負う
君の声が聞こえる
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「さあ、早くいけ」
いきなり行けって…、
それよりあんたの嫁だろ、大変なのは。
「なんでペルセポネがあそこにいるんだ」
「おそらく…いや、言わないでおこう、それよりもお前はお前の世界を思い出せ。
そして強く念じろ。
そうすれば戻れる。」
そんな、気になるじゃないか。
「ペルセポネは私が連れ帰る」
そ、そうか。こいつはペルセポネの旦那だもんな。
…伯父だけどな。
原初の世界って濃ゆいなあ。
そうして子孫を残さないと続かないんだよな。
親子は止めてほしかったが…。ねーわ。
「早く行くがよい」
いつも冷静な神。全能の弟と違ってな。情報量多すぎて何が何やら…。本当に帰してくれるんだな? 信じるぞ?
「お前の世界を思い浮かべるのだ」
えー―っと元の世界の俺は…、
オフィスは汐留…俺はしょっちゅうラボに出入りして…
ものすごい風圧の中、思い出そうとしては記憶が途切れる。
そしてギリシャの記憶が鮮明に蘇る。
ペルセポネ、傷ついているのか、どうして…。
ああ、可愛かったなあ…こんな俺にも優しくしてくれて…、
キュー、ヘパ、アドニス、かまどのお姉さん……みんな、もう会えないの?
わあああ、だめだ、東京を思い出さなきゃ!
そうして渦に吸い込まれていく途中、はっきりと見えた。
―――雲が小さくなっていくーーー!
ヤバ、とにかく東京、東京、20**の東京に戻るんだ―――!! 思い出せ、思い出せーーーー!!!!!
ビル群、親友の顔、新宿…。わあああ、体に変な力が入るーーー。
その時、
声が聞こえた。
……しゃちょお~~!
この声は!
……しゃちょう!!
佐伯ちゃん!!!
おかっぱ、黒ぶちメガネの…実は俺より権力もってる…秘書兼広報。
……しゃちょう~~~~~!!!!!
佐伯ちゃん、俺を、導いてくれ、頼む、さえきちゃん~~~~~~!
思い切り雲に向かって手を伸ばした。
~~~~~~~~~
「う…」
「社長!」
…え、ここ、どこ…?
「緑川、目が覚めたか」
「よかったー、社長、気が付いた。」
ぼやけた視界に慣れるのに時間がかかった。
病院…か?
「いい加減にしてくださいよ、しゃちょお~、何がタイムマシンですか」
聞きなれた声。だんだん意識がはっきりしていく。
「そうだぞ、緑川。よし、意識が戻ったようだな。では、私はこれで」
「はい、九条会長、ご迷惑おかけしました」佐伯かおるは丁寧に頭を下げた。
ぱたんとドアが閉じ、親友は去っていった。
「成明…? 俺、一体どうして」
「もう~~~~、タイムマシンですよ、タイムマシン!」
「タイム…?」
「~~~~何寝ぼけてるんですか。ラボで変なマシンに乗って一瞬消えたでしょ? 私、焦って九条会長を呼びに行って、そしたら黒焦げの姿で天井に張り付いてたじゃないですか。救急車の後警察が来て、それはもう大変だったんですから! 九条会長が立ち会ってくださったんですよ」
「ええ、ナルが…」
頭が混乱して言葉がつながらない。
かおるはわんわん泣きながら喋りまくる。
なんか、もっと大事なことがその前にあったような気がするが、思い出せない。
「ばか、しゃちょう~~、しんだらどうするんですか~~」
成明…なるあき…ナル…痛っ。全身ズキズキする。
「しゃちょう、しゃちょう、しゃちょう~~~」
なんかとてつもなく大事なこと、忘れてないか? 俺、壮大な夢でも見てたのか…?
それから1か月後。
無事退院し、警察、電力会社、近所の住民との交渉を終え、社長は次の新製品のプロモーションの場に立っていた。
派手に鳴り響くダンスミュージック。社長が負傷したため延期となっていた、ダンスあふぉーマンスをやらされているのである。
「はい、社長、頑張って」
監修、振付師兼司会のかおるに見守られ、アラサーのおっさんが社員とともに踊る。
「こちらの新製品は多言語に対応した喋る掃除機です。コストパフォーマンスに優れていて…」
俺に説明させてよー。なんで俺が踊らされてるのー?
病み上がり、早速販促ダンスの猛特訓が始まり、プチ火災のわずかなタイムロスの間に起った膨大な世界の記憶はすっかり頭の中から消えていた。夢か現か…会長弟はおよそ5年後に兄の元に帰ってきたのであるが。正夢の類であるのか本当の世界だったのか、今となっては誰も知る由がない。
はあ~~、これじゃ俺が社畜じゃないか。もうやだ、こんな奴隷生活!!
どこかでのんびり発明ライフ送りたいなあ……。
このとき彼の脳裏に浮かんだ風景、
のどかな田舎、行けども行けども何もない草原、穏やかで透明な海は魚の泳ぐ姿が見える…。
食べ物は豊富に実り、穏やかな気候…食う寝る遊ぶ…きゃっきゃ(´∀`*)ウフフの世界、
それは、もう二度と、かなうことのない夢の生活だった。
「それではデモンストレーションに入らせていただきまーす」
今度は掃除かよ…いい加減にしてくれ!!
緑川はフリルのエプロンをつけ、最新サイクロンスティッククリーナーを手にしたのであった。
いきなり行けって…、
それよりあんたの嫁だろ、大変なのは。
「なんでペルセポネがあそこにいるんだ」
「おそらく…いや、言わないでおこう、それよりもお前はお前の世界を思い出せ。
そして強く念じろ。
そうすれば戻れる。」
そんな、気になるじゃないか。
「ペルセポネは私が連れ帰る」
そ、そうか。こいつはペルセポネの旦那だもんな。
…伯父だけどな。
原初の世界って濃ゆいなあ。
そうして子孫を残さないと続かないんだよな。
親子は止めてほしかったが…。ねーわ。
「早く行くがよい」
いつも冷静な神。全能の弟と違ってな。情報量多すぎて何が何やら…。本当に帰してくれるんだな? 信じるぞ?
「お前の世界を思い浮かべるのだ」
えー―っと元の世界の俺は…、
オフィスは汐留…俺はしょっちゅうラボに出入りして…
ものすごい風圧の中、思い出そうとしては記憶が途切れる。
そしてギリシャの記憶が鮮明に蘇る。
ペルセポネ、傷ついているのか、どうして…。
ああ、可愛かったなあ…こんな俺にも優しくしてくれて…、
キュー、ヘパ、アドニス、かまどのお姉さん……みんな、もう会えないの?
わあああ、だめだ、東京を思い出さなきゃ!
そうして渦に吸い込まれていく途中、はっきりと見えた。
―――雲が小さくなっていくーーー!
ヤバ、とにかく東京、東京、20**の東京に戻るんだ―――!! 思い出せ、思い出せーーーー!!!!!
ビル群、親友の顔、新宿…。わあああ、体に変な力が入るーーー。
その時、
声が聞こえた。
……しゃちょお~~!
この声は!
……しゃちょう!!
佐伯ちゃん!!!
おかっぱ、黒ぶちメガネの…実は俺より権力もってる…秘書兼広報。
……しゃちょう~~~~~!!!!!
佐伯ちゃん、俺を、導いてくれ、頼む、さえきちゃん~~~~~~!
思い切り雲に向かって手を伸ばした。
~~~~~~~~~
「う…」
「社長!」
…え、ここ、どこ…?
「緑川、目が覚めたか」
「よかったー、社長、気が付いた。」
ぼやけた視界に慣れるのに時間がかかった。
病院…か?
「いい加減にしてくださいよ、しゃちょお~、何がタイムマシンですか」
聞きなれた声。だんだん意識がはっきりしていく。
「そうだぞ、緑川。よし、意識が戻ったようだな。では、私はこれで」
「はい、九条会長、ご迷惑おかけしました」佐伯かおるは丁寧に頭を下げた。
ぱたんとドアが閉じ、親友は去っていった。
「成明…? 俺、一体どうして」
「もう~~~~、タイムマシンですよ、タイムマシン!」
「タイム…?」
「~~~~何寝ぼけてるんですか。ラボで変なマシンに乗って一瞬消えたでしょ? 私、焦って九条会長を呼びに行って、そしたら黒焦げの姿で天井に張り付いてたじゃないですか。救急車の後警察が来て、それはもう大変だったんですから! 九条会長が立ち会ってくださったんですよ」
「ええ、ナルが…」
頭が混乱して言葉がつながらない。
かおるはわんわん泣きながら喋りまくる。
なんか、もっと大事なことがその前にあったような気がするが、思い出せない。
「ばか、しゃちょう~~、しんだらどうするんですか~~」
成明…なるあき…ナル…痛っ。全身ズキズキする。
「しゃちょう、しゃちょう、しゃちょう~~~」
なんかとてつもなく大事なこと、忘れてないか? 俺、壮大な夢でも見てたのか…?
それから1か月後。
無事退院し、警察、電力会社、近所の住民との交渉を終え、社長は次の新製品のプロモーションの場に立っていた。
派手に鳴り響くダンスミュージック。社長が負傷したため延期となっていた、ダンスあふぉーマンスをやらされているのである。
「はい、社長、頑張って」
監修、振付師兼司会のかおるに見守られ、アラサーのおっさんが社員とともに踊る。
「こちらの新製品は多言語に対応した喋る掃除機です。コストパフォーマンスに優れていて…」
俺に説明させてよー。なんで俺が踊らされてるのー?
病み上がり、早速販促ダンスの猛特訓が始まり、プチ火災のわずかなタイムロスの間に起った膨大な世界の記憶はすっかり頭の中から消えていた。夢か現か…会長弟はおよそ5年後に兄の元に帰ってきたのであるが。正夢の類であるのか本当の世界だったのか、今となっては誰も知る由がない。
はあ~~、これじゃ俺が社畜じゃないか。もうやだ、こんな奴隷生活!!
どこかでのんびり発明ライフ送りたいなあ……。
このとき彼の脳裏に浮かんだ風景、
のどかな田舎、行けども行けども何もない草原、穏やかで透明な海は魚の泳ぐ姿が見える…。
食べ物は豊富に実り、穏やかな気候…食う寝る遊ぶ…きゃっきゃ(´∀`*)ウフフの世界、
それは、もう二度と、かなうことのない夢の生活だった。
「それではデモンストレーションに入らせていただきまーす」
今度は掃除かよ…いい加減にしてくれ!!
緑川はフリルのエプロンをつけ、最新サイクロンスティッククリーナーを手にしたのであった。
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