コーヒーとCEOの秘密🔥他

シナモン

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緑川、人類の運命を背負う

正しいのはどっち?

 いつの間にか気を失っていたらしい。
 真っ暗な闇に上からスポットライトのように光が差す。
 巨大な立体駐車場のような人工的な建造物のようだ。
 身体は拘束されているが、そおっと顔を上げると楕円のカプセルに入れられている人々の姿が見えた。

「今日はまた多いのう」
「アイ司令」
「ほう? これは珍しい。女神ではないか」
「はい。そのようで」

 どこからか声が響いて、分岐したライトが当てられた。

 ――ペルセポネじゃないか!!

「これは? コピーか」
「プロトタイプです」
「それは珍しいな」
「傷ついているようです」
「ならば女神を優先せねばなるまい」
「はっ。 …座標セット、エレウシス歴113年、オリュンポスの丘。」

 プロトタイプ? 女神に何て言い草だ。どういうことだ、この世界の方が女神時代より上なのか? わけわからん。傷ついてって。まさか。

「女神の転移はエネルギーを消耗する。今何人収容しておるのだ」
「16600人です」
「それでは多すぎるな。半分ほど減らしなさい」
「はい。半分ですね。ええと…」
「早くしなさい」
「はい。…大体でいいですか」
 ズコ。こいつら算数苦手かよ

 その時、ひときわ大きな声が割って入った。

「高エネルギー体接近!」
「司令、何者かがワープアウトしてきます」
「何っ、シールドを張れ」

「まっ、間に合いません、

 
 亜空間ゲート、開きます、



   真上です!!!!! 」


「 !!?? 」




 とてつもなく巨大なオーロラのようなものが揺らめいた。

 ワープアウト、亜空間ゲート…またまた中二心をそそるワードに出会い、心はときめく。

 オーロラが次第に形を形成する。


 ――― !! ハデス !!

 巨大なハデスの映像が大空間に投影された。
 いやいやいやいや…何なんだよ、これ。最新のシネコンかあ?


「いた! やっと見つけた」こちらを睨んでいる。
「お前、お前のせいでオリュンポスはめちゃくちゃだぞ、もう少しで暗黒世界とひっくり返るところだった」

「え、暗黒世界?」
「そうだ! 天に穴が開きそうなのだ! お前がゼウスに雷撃を使わせたりするから」

 かなりお怒りのご様子だが、使わせるって何? 俺は別に煽ってもないし、宣戦布告もしてねーぞ。ただエロオヤジって呟いただけ。地獄耳過ぎんだろ。

「何でもよい、お前は元の世界に戻らねばならん。よいか、私が帰してやるからお前はそこに飛び込め」

 神の指さした先に雲が渦を巻いていた。はあー? 無茶な。よく見るとこいつ、俺の作った兜被ってる。眼帯も付けて。ぷ、海賊かよ。

「その、時間軸とかどうなるんですか。俺の世界の」
「お前の世界など私は知らん」
「そんなあ」
「念じるのだ。さらば導かれん」

 ええーー、随分ざっくりじゃないか。
 もうええわ、待ってれば時空警察とやらが戻してくれるでしょ。
 いや、でも…。

「なんだ、こりゃ」
「システムに問題はない。続けるんだ」
「はい。えと。10000と端数でいいですか」

 あいつら、計算、まだやってる。
 大丈夫かよ…。かっこいいメカ乗りこなす癖に算数苦手か。
 帰してくれるんですよね? ね、ね?
 ミスって異次元彷徨うなんてことにならないだろうな?

 マジどうなってんの。
 どっちを信じればいいんだよー。
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