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4話 機嫌の悪い日々
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※これは変則的に会長視点です。
3の後半部分の視点を変えてます。
セリフ多めで3と併用しないと状況が分かりにくいかもしれません…。
よろしければお進みください。
読まれなくても3から4へ話はつながってます。
◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
「結構な数揃っているな。ーー君たちも好きに営業してこい」
「はい、会長」
土曜日。幕張。
「九条さん」
広いコンベンションホールを見渡すエリアから自社ブースが見える。
「TIILに出展される予定だったものですか?」
「いや」
呼び止められ、他社の人間が寄ってきた。
真正面に『再生可能エネルギーとエコロジーな暮らし展』横断幕が垂れ下がる。
眼下のブースでは担当の柚木社員が熱弁中だ。
「あの柚木って人拾いもんだよなあ。小さな工場にいたのを渋澤社長直々にスカウトしてきたっていう」
「棚ぼただよな。あのプラントにしたって。中東組からの要請で、ゴミ処理に頭悩ませてたアラブの王様が赤石さんに話持ちかけたって」
「赤石さんの手柄になるのかな。見込み受注が百基以上あるらしいけど」
今回の同伴社員ーー中野と水城が話す傍で御堂が携帯をかざした。
中東アフリカ貿易渉外責任者の赤石三津子とは、帰国時会長補佐をしていた社員だ。
「繁盛していますね」
「おかげさまで」
「面白い形状ですね」
「最新の技術もですがそれ以上に見た目がいいじゃないですか」
「映える、というやつですか」
さらに輪が広がり話が盛り上がる。
内々の見本市のようなものである。自社が出品しているのは比較的大規模な装置ーー最新の汚物処理槽ー化学反応及び微生物発酵式の処理槽に分類されるプラントの内部で攪拌用のスクリューが回転ーー単純な仕組みだが、透明な器に変えたことで斬新なデザインに変わる。会場で集めたゴミなど汚染物が分解されていく過程を子供が食い入るように見ている。
「大がかりな工事をすることなく既存の施設に組み込めます。最近トレンドになってきている商業、公共の自家処理施設にも最適です。施設内で出た廃棄物を自前で処分することが可能です」
柚木の説明に一般客が足を止めレクチャーに耳を傾ける。ゴミの処分という身近なテーマだ。誰しも興味をひく、その雰囲気が伝わってくる。出だしは上々だ。秋に完成予定のゴールドコースト市民ホールが良い宣伝になるだろう。
「会長、先に行ってますね」
「ああ」
3人と分かれ、輪の中で話は続く。
「……この分ではTIILが何の略だったか思い出せなくなりそうですね」
「聞くところによると来週あたり役所から正式に中止のお達しがあるらしい」
「そうでしたか。やはり中華のシンクタンクはあてになりませんな」
声を潜め、口外せずとも伝わってくる。
都内で推進中の博覧会ーTIILの雲行きがあやしい。
元々はその関連イベントだったものが急遽差しかえられたのだ。
ーー各自この会場の空気を読めということだな。
でないと無駄な投資に終わってしまう。
つまるところ目下のこの会場、間に合わせの見本市と言ってもいい。
「なんだ、こんなところで油を売っていたのか」
娯楽エリアにある別の出展ブースで立ち話をしている連中に近づいた。
ゲーム会社とのコラボレーション、共同開発のVRによるバーチャル空間である。
よくあるダイブ型ではなく超リアルな空間を作り出しているのだ。
今回だけのショーとあってか会場一賑わっている。
「いえ、油売ってるのは中野さんだけ……」
御堂は目配せした。
フロンティア社オリジナルのゲームソフトーーBBーーの大きなロゴの下、中野がポータブルゲーム機のコントローラーを手に四苦八苦しているようだ。
「九条会長、ご視察恐れ入ります」
「どうだい、賑わってるようだが」
「はい。いい感じです」
「これはこれは、いつもお世話になっております」
先方と挨拶を交わし、異質な世界を眺めた。
「会長、どうですか、ゲームおやりになりませんか」
一帯がゲーム内空間になっているのでキャラクターがすぐそこを走り回っている。一部観客の影と重なり、プロジェクションマッピングのようでもある。
「いや、会長にゲームなんて」
「もう行きましょう」
二人はもっともな反応を見せた。
「私はこの手の類とは無縁だと? 見くびってもらっては困るな。ーーー貸してみろ」
中野の手からゲーム機を取り上げ、「会長…」「えっ…」
♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪
「ーー会長、ゲームおやりになるんですね」
「弟に鍛えられてね」
皆の眼差しが変わった。
中野を覗いた三人でコントローラーを持ち、3対3で対戦がはじまるーー。
「うおーー、いくぜ」
内容は単純である。掃除片付けの逆、敵陣の部屋を荒らし、壊しまくる。
極彩色のキャラクターがバスターという武器を手に自在に走り回る。
物を壊しまくる子供…。
何かと重なる。
高広だ。
弟は小さなころからとにかく落ち着きがなく、
アメリカの家を何度ぐちゃぐちゃ、ペンキまみれにしたことか。
ゲームも好きで散々付き合わされた。そんなわけで腕に多少覚えがある。
この音、映像……懐かしい。
高広……どこで何してる。
「ああ、気持ちいい、勝ったー」
「破壊系のゲーム、ストレス解消っすよね」
ゲーム終了後賑わう場内のラウンジのソファセットに座ってwebの反応を見ていた。
出展した廃棄物分解プラント。
早速画像込みでSNSにアップされていた。
「スゲーツイートされてますねー。問い合わせすごそう。英語ばっか。こりゃ海外組くるな」
「めっちゃ綺麗に画像加工されてる。広告効果抜群ですね」
「ーーそういえばいつもの女史見ないっすね。走り回ってるのに」
中野が辺りを見回した。
「ああ、某省の? 結婚でもしたかな」
水城が答えた。
「まっさかー、仕事命でしょ。なんだろ、お役所の緊急事態かな」
中野、のんびりしてるようで鋭い。
担当省庁もぐらついているようだ。
いよいよこれは決断せねばなるまい。
♪~
携帯が鳴った。向かいの席の中野がポケットから出して手に取る。
「あ、社長からだ。すみません、失礼します。はいーー」
大きく後ろを向いた瞬間、
「ーー!?」
何かが頰に飛んで来た。
「危ないなあ。大丈夫ですか、会長」
隣の席の水城が腰をかがめ拾い上げた。
「お怪我はありませんか」
「いや」
持っているそれが目にとまる。
目の前でゆらゆら揺れる、
見覚えのある……石のストラップだ。
「……はい、ええ、上々ですよ。え? まじすか?ーーーはい。ええ。わかりました」
大きな声で通話の内容がまるわかりだ。「ええ、はい。帰りによります。失礼しますーー」終えてこちらを向いた。
「もう問い合わせ来てるらしいです」
「え、本社に?」
「そうそう。出勤の社員が対応してるって」
「へえ、週明け楽しみだなあ。……ところでお前これ飛んで来たぞ」
水城が差し出した。
「あ、すみません、どうも」
水色の勾玉が揺れるストラップ。全く同じものをよく見かける。
ーーあの娘のストラップだ。
「会長に怪我させるとこだったんだぞ」
「え、すみません、会長、大丈夫ですか」
「いや、気にするな」
「……縁起悪いなあ、なんだよ、ぶちぎれるって」
水城が言うと中野は大きく首を横に振った。
「ダメですよ、そんな解釈しちゃあ、これは次のお守りを買えっていうお告げですよ」
「はあ? なんだそりゃ」
「これはもうお役目ごめん、て意味っすよ。すごいご利益あったんすから。俺これのおかげで彼女できたんすよ。仕事も。いいこと続きです」
「都合いい解釈だなあ。彼女って?」
「はい。この子っすよ」
中野はスマホをかざした。
「それ前からじゃないか。今更」
「だからー。7年越しの想いが実ったんですよ。今年の初め出雲でストラップ買って、思い切ってこの写メ待ち受けにしたんですよ。そしたら最近急展開してーー」
「え、意味わかんないんだけど」
「あー最初っから説明するとー、この子、俺の憧れの君だったんすよ。7年前、慶〇の学祭で見かけて、思わず写メったんです。かわいいでしょう?」
スマホを振りかざす。御堂と水城は冷めた目で見ていた。
「カ〇様に似てませんか。ずっと片思いだったんです。それが、この前合コンで偶然再会してーー。俺待ち受けに入れてるの思い切って告白したら、感激してくれちゃって、付き合うことになったんですよ!」
「ほーそれはそれは」
「偶然でしょう」
「現実的だなあ。まー俺は願い叶ったからいいけど! 早速新しいストラップに変えないとなー。明日出雲に行こうかな」
「おいおい、わざわざストラップ買いに出雲まで? そこの〇オンで同じの売ってるぞ」
「中野さん、頭おかしいんじゃないの?」
中野はチッチッチッと舌を打った。
「そういう問題じゃないんですって。いい方に考えなきゃ。日本の神様は新し物好きなんですよ。願い叶うごとにじゃんじゃんアイテム新調しなきゃー。そのための移動ですよ。旅行気分だし、マイルたまるしいいじゃないですかー」
二人は苦笑い。だがこちらは神妙だ。なんだ、この完全に一致したエピソードは。
「ま、待ち受けとはそんなに重要なものかね」
聞いてみる。前から気になっていたことでもある。
「そりゃそうですよ。俺は待ち受けに上げて恋が実ったんすから」
「僕は家族の写真かなー」
「私はこれ」
二人はスマホをかざした。水城……ニューファミリー層らしい、家族旅行の写真だ。御堂のは……
「御堂さん……なにそれ。色気のない」
中野に苦笑され御堂はむっとした。
「あら、ブルーモスクですよ。私、神殿、教会フェチなんで」
「仕事一筋かい」
「……あんまり男の写メはのっけないかな。前彼が知らない子とツーショット写真を待ち受けにしてたのには頭きてぶっ壊しちゃいましたけど」
「ええっ、こわ」
「え、スマホを?水没?」
御堂は首を横に振って、
「ヒールで踏んづけてやりました。パキーンですよ。気持ちよかった~」
「こっわーーーー。さすが元ガン黒」
「ーー昔の話はしないでください!」
「でもそれ彼氏じゃなくて御堂さんが二番煎じだったんじゃないのー」
「ええ? 三年付き合ってたんですよ、旅行も一緒に行ったし」
「いや、だから二股かける奴ってそーいうの平気でできるんだって」
「ですかねー? もう別れたからどうでもいいです」
「割り切ってるなあ」
「女はいいよなあ、何かされたらヒールで踏んづけちゃえばいいのか」
「その長い爪も武器だよね。ねーそれ何?人の顔だろ」
中野は彼女の綺麗に整ったネイルを指した。ねっとり艶っぽいクリーム色の小さなカメオが浮き彫りになっている。あまり見かけない個性的なネイルだ。
「ええ」
御堂は二人の前にさっと指を伸ばした。
「芸術的~。小便小僧?みたいだな」
「失礼な! せめてギリシャ彫刻と言ってくださいよ」
「まあ、たしかに爪は女性にとっては武器だね」会話に割って入る。
「ーー昔それで派手にやられたことがあったよ。先に大きなダイヤをつけていて…失明するかと思った。キミも男と揉めたり襲われそうになったら遠慮なく目を狙うといい。美しく変身したおかげでそんな目に遭ったのだとご家族から私のせいにされてもらっても困る」
ぎゃははは……。男二人は噴き出した。
「本当っすよね。会長にシメてもらわなかったら、御堂さん今もガン黒だったんすかねーー?」
「会長に感謝だよな。今じゃうちのトップデザイナーだ」
「大丈夫大丈夫、中身はガン黒魂まんまだから! 痴漢なんか逃げ帰るよ」
「だから! 昔話はしないでって!!」
御堂は真っ赤になって反論した。
幕張で三人と別れ、ゴルフ場へ向かう車内でタブレットを見ながら社長と通話。
ある業種のチャートが急変している。
ーーやはりきたか。
「ーーええ、これは……週明け来ますね。はい、ええ、物資は止めてます。やはりTIILはもう……。ええ。月曜の会議で。ーーーああ、あの二人には私から言いますよ。ーーはい」
終了後しばらくチャートを眺めているとメールの着信が。
送信者ーー市川香苗
メッセージが短く表示。
ーー無事到着しましたーー
着いたか。無事乗れたのだな。安堵。
すぐに返信。
ーーご苦労様。今日はゆっくりしていなさいーー
短くやりとりして終了。
この調子でフライト恐怖症を克服してもらいたいものだが。果たして。
翌日はゴルフだ。
ホテルに到着して部屋に入り、一服しようとポケットを探ると指先に小さな異物を感じた。
あのストラップーー勾玉に連なっていた石のビーズだ。
ラウンジの席を立つ際落ちていたのを何気に拾ったのだった。
淡い水色の丸い小さな粒。
ーー7年越しの想いが実ったんですよ。今年の初め出雲でストラップ買って、思い切ってこの写メ待ち受けにしたんですよ。そしたら最近急展開してーー
ーー俺の憧れの君だったんですよーー
中野のエピソード。
綺麗に一致する……あの子の待ち受け画面。
ーーー地元でちょっと話題の人なんです。あの、よくあるじゃないですか、待ち受けにしとくと幸せになるよーっていう画像とか。そそそそれなんです よ! だって、ほら、素敵でしょ? だから、みんな入れてますよ! 私みたいな、彼氏いない子とか、ちょうどいいの!!ーーー
誰が待ち受けに何でもない男の画像入れるものか。
ご丁寧に神社ゆかりのストラップまでつけて。
なんでもないわけがない。
出雲=島根だし。
あのストラップも大方出雲で買ったにちがいない。
ーー願掛け。
そのつもりはなくてもね、
ひょんなことで叶ってしまうんだよ、
願掛けとはそういうものだ。
あの待ち受けの男。
えらく端正な顔をした、いかにも女受けの良さそうな男だ。
何度拝まされたことか。
そもそもだ。
何故隣で堂々と携帯を開くのだろう。
丸見えなんだぞ。
店で他の男に視線を泳がせているし。
中野も落ち着きがない方だが、携帯をいじる際はきちんと断りを入れる。
そこでふと気づく。
ーー私が二番煎じなのか?
ああ、
あり得るじゃないか。うまく繋がるぞ。
……キャーー。実は叶っちゃいました! ええ、例の携帯のあの人です。夢みたいですぅ~。なのですみません会長、私田舎帰りますんで。今までどうもお世話になりましたーキャーq(≧∇≦* )(*≧∇≦)pキャー……
ある日突然そう告げられるのか? 幸せいっぱいの報告をーー
頭を抱えタバコに逃げる。
煙で埋めて誤魔化した。
なんだ、この体の奥から湧き上がる感情は……?
突き放されたような。
一体何にだ。
─────……あれだ。
あの画像、携帯!
あれなんだよ、心がざわざわし始めたのは。
オレの知らないあの子の世界が詰まったあの携帯…
目障りなあの画像、
あのストラップごと、消えてしまえばいいのにーーー……
サイドテーブルの上のスマホが鳴った。
着信。緑川純大。
「おい、そろそろ始まるぞ」
「ああ、今行く」
急いでタバコの火を消す。
紫煙が立ち上る。
その先、窓の向こうに満月がくっきり見えた。
灰皿の脇に置いた小さな玉がキラリと光った気がした。
3の後半部分の視点を変えてます。
セリフ多めで3と併用しないと状況が分かりにくいかもしれません…。
よろしければお進みください。
読まれなくても3から4へ話はつながってます。
◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
「結構な数揃っているな。ーー君たちも好きに営業してこい」
「はい、会長」
土曜日。幕張。
「九条さん」
広いコンベンションホールを見渡すエリアから自社ブースが見える。
「TIILに出展される予定だったものですか?」
「いや」
呼び止められ、他社の人間が寄ってきた。
真正面に『再生可能エネルギーとエコロジーな暮らし展』横断幕が垂れ下がる。
眼下のブースでは担当の柚木社員が熱弁中だ。
「あの柚木って人拾いもんだよなあ。小さな工場にいたのを渋澤社長直々にスカウトしてきたっていう」
「棚ぼただよな。あのプラントにしたって。中東組からの要請で、ゴミ処理に頭悩ませてたアラブの王様が赤石さんに話持ちかけたって」
「赤石さんの手柄になるのかな。見込み受注が百基以上あるらしいけど」
今回の同伴社員ーー中野と水城が話す傍で御堂が携帯をかざした。
中東アフリカ貿易渉外責任者の赤石三津子とは、帰国時会長補佐をしていた社員だ。
「繁盛していますね」
「おかげさまで」
「面白い形状ですね」
「最新の技術もですがそれ以上に見た目がいいじゃないですか」
「映える、というやつですか」
さらに輪が広がり話が盛り上がる。
内々の見本市のようなものである。自社が出品しているのは比較的大規模な装置ーー最新の汚物処理槽ー化学反応及び微生物発酵式の処理槽に分類されるプラントの内部で攪拌用のスクリューが回転ーー単純な仕組みだが、透明な器に変えたことで斬新なデザインに変わる。会場で集めたゴミなど汚染物が分解されていく過程を子供が食い入るように見ている。
「大がかりな工事をすることなく既存の施設に組み込めます。最近トレンドになってきている商業、公共の自家処理施設にも最適です。施設内で出た廃棄物を自前で処分することが可能です」
柚木の説明に一般客が足を止めレクチャーに耳を傾ける。ゴミの処分という身近なテーマだ。誰しも興味をひく、その雰囲気が伝わってくる。出だしは上々だ。秋に完成予定のゴールドコースト市民ホールが良い宣伝になるだろう。
「会長、先に行ってますね」
「ああ」
3人と分かれ、輪の中で話は続く。
「……この分ではTIILが何の略だったか思い出せなくなりそうですね」
「聞くところによると来週あたり役所から正式に中止のお達しがあるらしい」
「そうでしたか。やはり中華のシンクタンクはあてになりませんな」
声を潜め、口外せずとも伝わってくる。
都内で推進中の博覧会ーTIILの雲行きがあやしい。
元々はその関連イベントだったものが急遽差しかえられたのだ。
ーー各自この会場の空気を読めということだな。
でないと無駄な投資に終わってしまう。
つまるところ目下のこの会場、間に合わせの見本市と言ってもいい。
「なんだ、こんなところで油を売っていたのか」
娯楽エリアにある別の出展ブースで立ち話をしている連中に近づいた。
ゲーム会社とのコラボレーション、共同開発のVRによるバーチャル空間である。
よくあるダイブ型ではなく超リアルな空間を作り出しているのだ。
今回だけのショーとあってか会場一賑わっている。
「いえ、油売ってるのは中野さんだけ……」
御堂は目配せした。
フロンティア社オリジナルのゲームソフトーーBBーーの大きなロゴの下、中野がポータブルゲーム機のコントローラーを手に四苦八苦しているようだ。
「九条会長、ご視察恐れ入ります」
「どうだい、賑わってるようだが」
「はい。いい感じです」
「これはこれは、いつもお世話になっております」
先方と挨拶を交わし、異質な世界を眺めた。
「会長、どうですか、ゲームおやりになりませんか」
一帯がゲーム内空間になっているのでキャラクターがすぐそこを走り回っている。一部観客の影と重なり、プロジェクションマッピングのようでもある。
「いや、会長にゲームなんて」
「もう行きましょう」
二人はもっともな反応を見せた。
「私はこの手の類とは無縁だと? 見くびってもらっては困るな。ーーー貸してみろ」
中野の手からゲーム機を取り上げ、「会長…」「えっ…」
♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪*:*♪
「ーー会長、ゲームおやりになるんですね」
「弟に鍛えられてね」
皆の眼差しが変わった。
中野を覗いた三人でコントローラーを持ち、3対3で対戦がはじまるーー。
「うおーー、いくぜ」
内容は単純である。掃除片付けの逆、敵陣の部屋を荒らし、壊しまくる。
極彩色のキャラクターがバスターという武器を手に自在に走り回る。
物を壊しまくる子供…。
何かと重なる。
高広だ。
弟は小さなころからとにかく落ち着きがなく、
アメリカの家を何度ぐちゃぐちゃ、ペンキまみれにしたことか。
ゲームも好きで散々付き合わされた。そんなわけで腕に多少覚えがある。
この音、映像……懐かしい。
高広……どこで何してる。
「ああ、気持ちいい、勝ったー」
「破壊系のゲーム、ストレス解消っすよね」
ゲーム終了後賑わう場内のラウンジのソファセットに座ってwebの反応を見ていた。
出展した廃棄物分解プラント。
早速画像込みでSNSにアップされていた。
「スゲーツイートされてますねー。問い合わせすごそう。英語ばっか。こりゃ海外組くるな」
「めっちゃ綺麗に画像加工されてる。広告効果抜群ですね」
「ーーそういえばいつもの女史見ないっすね。走り回ってるのに」
中野が辺りを見回した。
「ああ、某省の? 結婚でもしたかな」
水城が答えた。
「まっさかー、仕事命でしょ。なんだろ、お役所の緊急事態かな」
中野、のんびりしてるようで鋭い。
担当省庁もぐらついているようだ。
いよいよこれは決断せねばなるまい。
♪~
携帯が鳴った。向かいの席の中野がポケットから出して手に取る。
「あ、社長からだ。すみません、失礼します。はいーー」
大きく後ろを向いた瞬間、
「ーー!?」
何かが頰に飛んで来た。
「危ないなあ。大丈夫ですか、会長」
隣の席の水城が腰をかがめ拾い上げた。
「お怪我はありませんか」
「いや」
持っているそれが目にとまる。
目の前でゆらゆら揺れる、
見覚えのある……石のストラップだ。
「……はい、ええ、上々ですよ。え? まじすか?ーーーはい。ええ。わかりました」
大きな声で通話の内容がまるわかりだ。「ええ、はい。帰りによります。失礼しますーー」終えてこちらを向いた。
「もう問い合わせ来てるらしいです」
「え、本社に?」
「そうそう。出勤の社員が対応してるって」
「へえ、週明け楽しみだなあ。……ところでお前これ飛んで来たぞ」
水城が差し出した。
「あ、すみません、どうも」
水色の勾玉が揺れるストラップ。全く同じものをよく見かける。
ーーあの娘のストラップだ。
「会長に怪我させるとこだったんだぞ」
「え、すみません、会長、大丈夫ですか」
「いや、気にするな」
「……縁起悪いなあ、なんだよ、ぶちぎれるって」
水城が言うと中野は大きく首を横に振った。
「ダメですよ、そんな解釈しちゃあ、これは次のお守りを買えっていうお告げですよ」
「はあ? なんだそりゃ」
「これはもうお役目ごめん、て意味っすよ。すごいご利益あったんすから。俺これのおかげで彼女できたんすよ。仕事も。いいこと続きです」
「都合いい解釈だなあ。彼女って?」
「はい。この子っすよ」
中野はスマホをかざした。
「それ前からじゃないか。今更」
「だからー。7年越しの想いが実ったんですよ。今年の初め出雲でストラップ買って、思い切ってこの写メ待ち受けにしたんですよ。そしたら最近急展開してーー」
「え、意味わかんないんだけど」
「あー最初っから説明するとー、この子、俺の憧れの君だったんすよ。7年前、慶〇の学祭で見かけて、思わず写メったんです。かわいいでしょう?」
スマホを振りかざす。御堂と水城は冷めた目で見ていた。
「カ〇様に似てませんか。ずっと片思いだったんです。それが、この前合コンで偶然再会してーー。俺待ち受けに入れてるの思い切って告白したら、感激してくれちゃって、付き合うことになったんですよ!」
「ほーそれはそれは」
「偶然でしょう」
「現実的だなあ。まー俺は願い叶ったからいいけど! 早速新しいストラップに変えないとなー。明日出雲に行こうかな」
「おいおい、わざわざストラップ買いに出雲まで? そこの〇オンで同じの売ってるぞ」
「中野さん、頭おかしいんじゃないの?」
中野はチッチッチッと舌を打った。
「そういう問題じゃないんですって。いい方に考えなきゃ。日本の神様は新し物好きなんですよ。願い叶うごとにじゃんじゃんアイテム新調しなきゃー。そのための移動ですよ。旅行気分だし、マイルたまるしいいじゃないですかー」
二人は苦笑い。だがこちらは神妙だ。なんだ、この完全に一致したエピソードは。
「ま、待ち受けとはそんなに重要なものかね」
聞いてみる。前から気になっていたことでもある。
「そりゃそうですよ。俺は待ち受けに上げて恋が実ったんすから」
「僕は家族の写真かなー」
「私はこれ」
二人はスマホをかざした。水城……ニューファミリー層らしい、家族旅行の写真だ。御堂のは……
「御堂さん……なにそれ。色気のない」
中野に苦笑され御堂はむっとした。
「あら、ブルーモスクですよ。私、神殿、教会フェチなんで」
「仕事一筋かい」
「……あんまり男の写メはのっけないかな。前彼が知らない子とツーショット写真を待ち受けにしてたのには頭きてぶっ壊しちゃいましたけど」
「ええっ、こわ」
「え、スマホを?水没?」
御堂は首を横に振って、
「ヒールで踏んづけてやりました。パキーンですよ。気持ちよかった~」
「こっわーーーー。さすが元ガン黒」
「ーー昔の話はしないでください!」
「でもそれ彼氏じゃなくて御堂さんが二番煎じだったんじゃないのー」
「ええ? 三年付き合ってたんですよ、旅行も一緒に行ったし」
「いや、だから二股かける奴ってそーいうの平気でできるんだって」
「ですかねー? もう別れたからどうでもいいです」
「割り切ってるなあ」
「女はいいよなあ、何かされたらヒールで踏んづけちゃえばいいのか」
「その長い爪も武器だよね。ねーそれ何?人の顔だろ」
中野は彼女の綺麗に整ったネイルを指した。ねっとり艶っぽいクリーム色の小さなカメオが浮き彫りになっている。あまり見かけない個性的なネイルだ。
「ええ」
御堂は二人の前にさっと指を伸ばした。
「芸術的~。小便小僧?みたいだな」
「失礼な! せめてギリシャ彫刻と言ってくださいよ」
「まあ、たしかに爪は女性にとっては武器だね」会話に割って入る。
「ーー昔それで派手にやられたことがあったよ。先に大きなダイヤをつけていて…失明するかと思った。キミも男と揉めたり襲われそうになったら遠慮なく目を狙うといい。美しく変身したおかげでそんな目に遭ったのだとご家族から私のせいにされてもらっても困る」
ぎゃははは……。男二人は噴き出した。
「本当っすよね。会長にシメてもらわなかったら、御堂さん今もガン黒だったんすかねーー?」
「会長に感謝だよな。今じゃうちのトップデザイナーだ」
「大丈夫大丈夫、中身はガン黒魂まんまだから! 痴漢なんか逃げ帰るよ」
「だから! 昔話はしないでって!!」
御堂は真っ赤になって反論した。
幕張で三人と別れ、ゴルフ場へ向かう車内でタブレットを見ながら社長と通話。
ある業種のチャートが急変している。
ーーやはりきたか。
「ーーええ、これは……週明け来ますね。はい、ええ、物資は止めてます。やはりTIILはもう……。ええ。月曜の会議で。ーーーああ、あの二人には私から言いますよ。ーーはい」
終了後しばらくチャートを眺めているとメールの着信が。
送信者ーー市川香苗
メッセージが短く表示。
ーー無事到着しましたーー
着いたか。無事乗れたのだな。安堵。
すぐに返信。
ーーご苦労様。今日はゆっくりしていなさいーー
短くやりとりして終了。
この調子でフライト恐怖症を克服してもらいたいものだが。果たして。
翌日はゴルフだ。
ホテルに到着して部屋に入り、一服しようとポケットを探ると指先に小さな異物を感じた。
あのストラップーー勾玉に連なっていた石のビーズだ。
ラウンジの席を立つ際落ちていたのを何気に拾ったのだった。
淡い水色の丸い小さな粒。
ーー7年越しの想いが実ったんですよ。今年の初め出雲でストラップ買って、思い切ってこの写メ待ち受けにしたんですよ。そしたら最近急展開してーー
ーー俺の憧れの君だったんですよーー
中野のエピソード。
綺麗に一致する……あの子の待ち受け画面。
ーーー地元でちょっと話題の人なんです。あの、よくあるじゃないですか、待ち受けにしとくと幸せになるよーっていう画像とか。そそそそれなんです よ! だって、ほら、素敵でしょ? だから、みんな入れてますよ! 私みたいな、彼氏いない子とか、ちょうどいいの!!ーーー
誰が待ち受けに何でもない男の画像入れるものか。
ご丁寧に神社ゆかりのストラップまでつけて。
なんでもないわけがない。
出雲=島根だし。
あのストラップも大方出雲で買ったにちがいない。
ーー願掛け。
そのつもりはなくてもね、
ひょんなことで叶ってしまうんだよ、
願掛けとはそういうものだ。
あの待ち受けの男。
えらく端正な顔をした、いかにも女受けの良さそうな男だ。
何度拝まされたことか。
そもそもだ。
何故隣で堂々と携帯を開くのだろう。
丸見えなんだぞ。
店で他の男に視線を泳がせているし。
中野も落ち着きがない方だが、携帯をいじる際はきちんと断りを入れる。
そこでふと気づく。
ーー私が二番煎じなのか?
ああ、
あり得るじゃないか。うまく繋がるぞ。
……キャーー。実は叶っちゃいました! ええ、例の携帯のあの人です。夢みたいですぅ~。なのですみません会長、私田舎帰りますんで。今までどうもお世話になりましたーキャーq(≧∇≦* )(*≧∇≦)pキャー……
ある日突然そう告げられるのか? 幸せいっぱいの報告をーー
頭を抱えタバコに逃げる。
煙で埋めて誤魔化した。
なんだ、この体の奥から湧き上がる感情は……?
突き放されたような。
一体何にだ。
─────……あれだ。
あの画像、携帯!
あれなんだよ、心がざわざわし始めたのは。
オレの知らないあの子の世界が詰まったあの携帯…
目障りなあの画像、
あのストラップごと、消えてしまえばいいのにーーー……
サイドテーブルの上のスマホが鳴った。
着信。緑川純大。
「おい、そろそろ始まるぞ」
「ああ、今行く」
急いでタバコの火を消す。
紫煙が立ち上る。
その先、窓の向こうに満月がくっきり見えた。
灰皿の脇に置いた小さな玉がキラリと光った気がした。
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