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5話 天敵とモール
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うららかな午後。
「うーん、気持ちいい~」
私は今新宿ショートトリップ中です。
遡ること20分ほど前のことーー
ーーそーなんだよ。プロフェッショナル主婦っていうのかな? 勉強になったわー
私は藤島さんとビデオ通話してた。
私も参加するはずだったうちの会社の海老の商品開発。最初の打ち合わせが先日行われたと。
素人さん参加の試食会。藤島氏、女子に囲まれて…きっとモテモテだったに違いない。
ーー楽しかったよ~。早速一品決まりそうだ
ーーへー。いいなあ
かっこいいなあ…。画面の向こうの王子様にうっとり。
麗しのシェフとこうしてやりとりしてるなんて、素敵ー。
ーーあ、市川さん、甲殻類アレルギーだってね。海老の話はしない方がいいかな。もう大丈夫?
ーーええ、ばっちしです!
きゅーーん。さすがイケメンは気配りも忘れず。
スマホ映りもバッチリで。
やっぱ最新モデルはいいな~。
結局。
条件付き(ながらスマホダメとか男の画像入れるなとかストラップ外せとか…oz)で会長に買ってもらった最新スマートフォン。
圧倒的経済力にもの言わせて…。クソッ。
ささやかな抵抗を試みたものの…やっぱお金には勝てませんでしたわ。
ーーふっ、その様子じゃ聞いてないな
ーーえ?何をですか
ーー言ってもいいかな?
ーーいいです!
ーー市川さんいない時、九条くんから携帯かかってきたんだよ、サバランが食べたいって、夜中、突然
ーーえええっ、嘘!
ーーどうしても食べたかったんだろうね、次の日持っていきました。で、ちょっとキッチン使わせてもらいました。僕の料理も召し上がっていただけてホッとしました。ごめんね、材料拝借したよ
ーーええーー…っ
私は叫んだ。
やだ、何してんの、会長…っっ!
ーーすすすすみませんでした
ーーどういたしまして。サバラン、トロワグロやフォションにあるのにね。教えてあげようかと思ったけどやめたよ。君の味がいいんだって。…ぷっ、夜中に何かと思えば。胃袋握られちゃってるなあ…あははは…
藤島氏爆笑。しゃがんだのか画面が揺らぐ。多分ーー腹抱えて笑い出したな。
笑い声が響く響く。マジこのスマホ感度最高。
アハハハハーーー……。
ーーご、ごめん、思い出したらつい、、
ちょっとちょっと!!
私のいない間にそんなことが?
えええ、何、サバラン食べたくて我慢できなくてシェフを呼んだだあ?
うううそーーー。
バカバカおバカーー。そうよデパ地下に買いに行け! サバラン売ってるってばー
って、行くわけないか。
で、なに、さらに一品作らせただとーー?
オーマイガーー…
私
真っ赤
と同時に
真っ青
だって!
そんなことされたら
私の職奪われるーー
本気で引きますーー。
ったく!
勝手にキッチンに他人入れないで!
しかもプロの料理人ーー。泣。
って、雇用主にはかないませんよね…。
いくら友達だからって有名シェフ呼びつけるとか。どんだけ~。
ーーすっすみません、お忙しいのに
ーー店休みだったんでね。ちょうどよかったよ。いいキッチンだね
藤島さんここに来たって…
あ、もしかして。
ーーハーブに水やってくれました?
ーーうん、やっといた
そうだったんだ!
えらいピンピンしてたからアレって思ったんだよね。
ーーありがとうございました
さすがよく気がつくなあ。
気にはなってたが会長にやらせるわけにいかないし。
ーーまあ市川さん何かあったらいつでも言ってよ。他人のレシピ再現って楽しいね!楽しかったよ!テレビ用の勉強になるし!
ひえーー、プロにそんなこと言われたんじゃ…。
やばっ、サバラン冷凍保存しとかなきゃ!
ーーすみませんでしたー。緊急時に備え在庫確保しときます
ーーいえいえ。クスクス……
そこへ割込み着信ーー
ーーあ、すみません、着信がーー
ーーあ、うん、じゃ、またねーー
会長からだ。
噂をすればなんとやら…。怖
『まだいるか?』タッチするなりお声が
『はい』
ええいますよ。
鬼の居ぬ間に洗濯…油売っておりました。
あなたのお話で盛り上がってるとこでした。
…すごい地獄耳ですね。
『予定より早く終わりそうだから帰って少し篭る』
へーそうすか。
今日は遅くなりそうだから帰ってもいいと言われていたのだが。
『で、アレをつまみたいんだが、あるか。
アレだよアレ』
またいきなり。
『はあ、アレ、ですか』
アレ?
ーーじゃわからんでしょ。いくらなんでも。
以心伝心じゃないんだ!
まさか…
サバランとかやめてよ。笑
『その、君が作った菓子じゃなくて市販の…なんて言うんだ、ビスケット? いつか出してただろう』
ビスケット…?
市販の?
私が出したやつ…
パッと頭に浮かんだのは
ーーブルボnアルフォーt?
言いそうになって口をつぐむ。
言ったところでわかんないよね。
パッケージごと出してないもん。
『えっと…ビスケットに船の絵のチョコがのっかってるのですか』
言い換えて聞いた。
『いやそれじゃない』
即答。違うのか。
ふーむ…
ならあっちか。
『わかりました。チョコとコーヒーのクリームの丸いビスケットですね』
『そう、それだ、たのむよ。四時には帰るから』
ラジャー。
通話終了。
ストックは…ない。
買い出しにgo!
てな訳で
私は新宿ショートトリップに旅立った。
「うーん、気持ちいい~」
私は今新宿ショートトリップ中です。
遡ること20分ほど前のことーー
ーーそーなんだよ。プロフェッショナル主婦っていうのかな? 勉強になったわー
私は藤島さんとビデオ通話してた。
私も参加するはずだったうちの会社の海老の商品開発。最初の打ち合わせが先日行われたと。
素人さん参加の試食会。藤島氏、女子に囲まれて…きっとモテモテだったに違いない。
ーー楽しかったよ~。早速一品決まりそうだ
ーーへー。いいなあ
かっこいいなあ…。画面の向こうの王子様にうっとり。
麗しのシェフとこうしてやりとりしてるなんて、素敵ー。
ーーあ、市川さん、甲殻類アレルギーだってね。海老の話はしない方がいいかな。もう大丈夫?
ーーええ、ばっちしです!
きゅーーん。さすがイケメンは気配りも忘れず。
スマホ映りもバッチリで。
やっぱ最新モデルはいいな~。
結局。
条件付き(ながらスマホダメとか男の画像入れるなとかストラップ外せとか…oz)で会長に買ってもらった最新スマートフォン。
圧倒的経済力にもの言わせて…。クソッ。
ささやかな抵抗を試みたものの…やっぱお金には勝てませんでしたわ。
ーーふっ、その様子じゃ聞いてないな
ーーえ?何をですか
ーー言ってもいいかな?
ーーいいです!
ーー市川さんいない時、九条くんから携帯かかってきたんだよ、サバランが食べたいって、夜中、突然
ーーえええっ、嘘!
ーーどうしても食べたかったんだろうね、次の日持っていきました。で、ちょっとキッチン使わせてもらいました。僕の料理も召し上がっていただけてホッとしました。ごめんね、材料拝借したよ
ーーええーー…っ
私は叫んだ。
やだ、何してんの、会長…っっ!
ーーすすすすみませんでした
ーーどういたしまして。サバラン、トロワグロやフォションにあるのにね。教えてあげようかと思ったけどやめたよ。君の味がいいんだって。…ぷっ、夜中に何かと思えば。胃袋握られちゃってるなあ…あははは…
藤島氏爆笑。しゃがんだのか画面が揺らぐ。多分ーー腹抱えて笑い出したな。
笑い声が響く響く。マジこのスマホ感度最高。
アハハハハーーー……。
ーーご、ごめん、思い出したらつい、、
ちょっとちょっと!!
私のいない間にそんなことが?
えええ、何、サバラン食べたくて我慢できなくてシェフを呼んだだあ?
うううそーーー。
バカバカおバカーー。そうよデパ地下に買いに行け! サバラン売ってるってばー
って、行くわけないか。
で、なに、さらに一品作らせただとーー?
オーマイガーー…
私
真っ赤
と同時に
真っ青
だって!
そんなことされたら
私の職奪われるーー
本気で引きますーー。
ったく!
勝手にキッチンに他人入れないで!
しかもプロの料理人ーー。泣。
って、雇用主にはかないませんよね…。
いくら友達だからって有名シェフ呼びつけるとか。どんだけ~。
ーーすっすみません、お忙しいのに
ーー店休みだったんでね。ちょうどよかったよ。いいキッチンだね
藤島さんここに来たって…
あ、もしかして。
ーーハーブに水やってくれました?
ーーうん、やっといた
そうだったんだ!
えらいピンピンしてたからアレって思ったんだよね。
ーーありがとうございました
さすがよく気がつくなあ。
気にはなってたが会長にやらせるわけにいかないし。
ーーまあ市川さん何かあったらいつでも言ってよ。他人のレシピ再現って楽しいね!楽しかったよ!テレビ用の勉強になるし!
ひえーー、プロにそんなこと言われたんじゃ…。
やばっ、サバラン冷凍保存しとかなきゃ!
ーーすみませんでしたー。緊急時に備え在庫確保しときます
ーーいえいえ。クスクス……
そこへ割込み着信ーー
ーーあ、すみません、着信がーー
ーーあ、うん、じゃ、またねーー
会長からだ。
噂をすればなんとやら…。怖
『まだいるか?』タッチするなりお声が
『はい』
ええいますよ。
鬼の居ぬ間に洗濯…油売っておりました。
あなたのお話で盛り上がってるとこでした。
…すごい地獄耳ですね。
『予定より早く終わりそうだから帰って少し篭る』
へーそうすか。
今日は遅くなりそうだから帰ってもいいと言われていたのだが。
『で、アレをつまみたいんだが、あるか。
アレだよアレ』
またいきなり。
『はあ、アレ、ですか』
アレ?
ーーじゃわからんでしょ。いくらなんでも。
以心伝心じゃないんだ!
まさか…
サバランとかやめてよ。笑
『その、君が作った菓子じゃなくて市販の…なんて言うんだ、ビスケット? いつか出してただろう』
ビスケット…?
市販の?
私が出したやつ…
パッと頭に浮かんだのは
ーーブルボnアルフォーt?
言いそうになって口をつぐむ。
言ったところでわかんないよね。
パッケージごと出してないもん。
『えっと…ビスケットに船の絵のチョコがのっかってるのですか』
言い換えて聞いた。
『いやそれじゃない』
即答。違うのか。
ふーむ…
ならあっちか。
『わかりました。チョコとコーヒーのクリームの丸いビスケットですね』
『そう、それだ、たのむよ。四時には帰るから』
ラジャー。
通話終了。
ストックは…ない。
買い出しにgo!
てな訳で
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