78 / 103
4話
2
しおりを挟む
市販のビスケットやクッキー会長に出したのって…三回かな? 私用に買ったのをティラミスやフロマージュブランの付け合わせで出したんだっけ。しれっと食ってたけどリクエストがくるとは思わなかった。
どういう風の吹き回し?
突然食べたくなったのかな。会長時々お子ちゃま化するから…。市販のクッキーやビスケットって無性にボリボリいきたくなるのよね。それに目覚めたか? まあいい傾向だ。商社のトップたる者、庶民の味を知っておいてもらわないと。
会社を出て新宿公園沿いをまーっすぐ進む。近所のやまyやドンkでも売ってるけど別の店を目指す。
大きな街路樹、都庁や有名企業、東京を代表するビルが並ぶ大通り。車は多いけど歩く人はさほど多くない。初夏の木の香りが気持ちいい。豊かな木々の向こうににょきにょき高層ビルがそびえて。いつも上から眺めてるけど下からの眺めも中々ーー。木陰が心地よくて思わず背伸びした。おじいさんおばあさんが仲良く並んで歩いてこっち来る。大きな木の下で休んでる外国人カップル。忙しく駆けてくビジネスマン・・・・・・
約10分テクテク歩いてそこに到着。
はあ…。ため息まじりで見上げた。
こういうとこ住むってどんな気分?
眺め最高だろうなあ…。
ガラス張りの賃貸マンション、ラtゥール。
ーー…の一階◯エツ。
ここでお買い物だ。
「あった、あった」
ラッキー! 大袋入り発見! 多めに買っとこうかな…。秘書室の人たちにあげてもいいよね。市販品だから文句は言われないだろう。なにせ勝手に作って持って行ったらクレームついちゃうから…。
まだまだ時間あり…店内散策だ。
平日昼間、会社員さん、OLさん、マダム…に混じって奥様気分の私。
この上階に住んでる人もいるんだろうな。眺めはいいし家賃も高級…セレブな暮らしなんだろうなあ。いいな。
って、
うちの会長室も中々のものよ。眺望広さインテリアでは引けを取りませんわ。
下手するとその辺のマンションより広いかもね? ダイニングセットやソファだって結構な値段したんだから。
なんといっても旦那さま役のお方がそこらの俳優より顔面偏差値高いっていう・・・・・・
「わおっ」
乳製品コーナーでときめくもの発見。
生クリーム安くなってるぅーー。ラッキーー。
割引になってるの全部カゴの中へ入れた。めっちゃ得した気分だ。ああ、庶民だなあ。やっぱセレブには程遠いわ。その後ウロウロして重くならない程度にカゴを満たしてレジで精算。
生もの期限切れ間近ってやばくないかって?
いやいや、結構使えるのだ、これが。加工して生バターみたいにしてお肉に合わせてもいいし、もちろんスイーツに混ぜても添えてもいい。
「ああ、明日のアレ、バターの代わりに生クリーム入れようかな」
あれこれレシピを考えながら来た道を歩いて戻った。
午後四時。きっちり時間通りにご主人様は帰って来た。
ーーおかえりなさいませ。お召し上がりになりますか。
言おうとして、
「どうも~」
聞き覚えのある声。同時におなじみの顔が覗いてびっくり。
「話があるっていうから連れてきたんだ」後ろから会長が顔をのぞかせた。
ええっ、聞いてないよー、来客なら言ってください!
「手土産持って来たよ~、ホイ」
と紙袋渡されて。
「さっき言ったのでいいから出して。あとコーヒーと」
って、会長。
そういうわけにいきませんから! お客様に特売の袋菓子とか。あああ…
それはいくらご親友の緑川氏でもね!
急いでキッチンに戻ってお茶の支度だ。
緑川さんのお土産を開けてみる。
しる◯サンドーー。
某名古屋名物庶民派袋菓子であった。
さらにさらにーー
生しる◯サンド…とな?
クッキーに小豆入りクリームサンドした半生菓子のそれは紙の箱入りでしる◯サンドの高級バージョンのようだ。
「ラララン♩」
キッチンカウンター上にわらわらビスケットがいっぱい…。ビスケットデーになってしまった…。
どういう風の吹き回し?
突然食べたくなったのかな。会長時々お子ちゃま化するから…。市販のクッキーやビスケットって無性にボリボリいきたくなるのよね。それに目覚めたか? まあいい傾向だ。商社のトップたる者、庶民の味を知っておいてもらわないと。
会社を出て新宿公園沿いをまーっすぐ進む。近所のやまyやドンkでも売ってるけど別の店を目指す。
大きな街路樹、都庁や有名企業、東京を代表するビルが並ぶ大通り。車は多いけど歩く人はさほど多くない。初夏の木の香りが気持ちいい。豊かな木々の向こうににょきにょき高層ビルがそびえて。いつも上から眺めてるけど下からの眺めも中々ーー。木陰が心地よくて思わず背伸びした。おじいさんおばあさんが仲良く並んで歩いてこっち来る。大きな木の下で休んでる外国人カップル。忙しく駆けてくビジネスマン・・・・・・
約10分テクテク歩いてそこに到着。
はあ…。ため息まじりで見上げた。
こういうとこ住むってどんな気分?
眺め最高だろうなあ…。
ガラス張りの賃貸マンション、ラtゥール。
ーー…の一階◯エツ。
ここでお買い物だ。
「あった、あった」
ラッキー! 大袋入り発見! 多めに買っとこうかな…。秘書室の人たちにあげてもいいよね。市販品だから文句は言われないだろう。なにせ勝手に作って持って行ったらクレームついちゃうから…。
まだまだ時間あり…店内散策だ。
平日昼間、会社員さん、OLさん、マダム…に混じって奥様気分の私。
この上階に住んでる人もいるんだろうな。眺めはいいし家賃も高級…セレブな暮らしなんだろうなあ。いいな。
って、
うちの会長室も中々のものよ。眺望広さインテリアでは引けを取りませんわ。
下手するとその辺のマンションより広いかもね? ダイニングセットやソファだって結構な値段したんだから。
なんといっても旦那さま役のお方がそこらの俳優より顔面偏差値高いっていう・・・・・・
「わおっ」
乳製品コーナーでときめくもの発見。
生クリーム安くなってるぅーー。ラッキーー。
割引になってるの全部カゴの中へ入れた。めっちゃ得した気分だ。ああ、庶民だなあ。やっぱセレブには程遠いわ。その後ウロウロして重くならない程度にカゴを満たしてレジで精算。
生もの期限切れ間近ってやばくないかって?
いやいや、結構使えるのだ、これが。加工して生バターみたいにしてお肉に合わせてもいいし、もちろんスイーツに混ぜても添えてもいい。
「ああ、明日のアレ、バターの代わりに生クリーム入れようかな」
あれこれレシピを考えながら来た道を歩いて戻った。
午後四時。きっちり時間通りにご主人様は帰って来た。
ーーおかえりなさいませ。お召し上がりになりますか。
言おうとして、
「どうも~」
聞き覚えのある声。同時におなじみの顔が覗いてびっくり。
「話があるっていうから連れてきたんだ」後ろから会長が顔をのぞかせた。
ええっ、聞いてないよー、来客なら言ってください!
「手土産持って来たよ~、ホイ」
と紙袋渡されて。
「さっき言ったのでいいから出して。あとコーヒーと」
って、会長。
そういうわけにいきませんから! お客様に特売の袋菓子とか。あああ…
それはいくらご親友の緑川氏でもね!
急いでキッチンに戻ってお茶の支度だ。
緑川さんのお土産を開けてみる。
しる◯サンドーー。
某名古屋名物庶民派袋菓子であった。
さらにさらにーー
生しる◯サンド…とな?
クッキーに小豆入りクリームサンドした半生菓子のそれは紙の箱入りでしる◯サンドの高級バージョンのようだ。
「ラララン♩」
キッチンカウンター上にわらわらビスケットがいっぱい…。ビスケットデーになってしまった…。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,202
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる