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5話 天敵とモール
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「豆腐って万能なんですよ~。凍らせると肉みたいな食感に変身したり」
「へえ」
「イ◯ンで49円の豆腐買い込んで冷凍庫にぶち込むんですよ。甘辛く味付けして先輩に出したら最後まで豆腐とバレませんでしたよ」
「美味しそうですね」
やってみようかな。頭にイメージが浮かぶ。すぐにレシピを考えてしまうのはもはや職業病か。
……会長には出せないけど。
「イ◯ンすきですよねー、柚木さん。相当通ってるんですね」と御堂さん。
「そうですよー。田舎ではイ◯ンばっか行ってました。こっち来てからご無沙汰だなあ。思い出すんですよ、時々」
田舎にモール。思い当たるわあ。そこしかないと言っても過言ではない。悲しいくらいそこのモール色に染まる田舎のモール事情。
新宿にいると忘れちゃうのだけど。
「あはは、それはうちの近所も一緒だよ。田んぼの向こうにでかいイ◯ン」
わりかし整った顔したもう一人の社員さんが割り込んだ。
岸本さんて自己紹介してた。
「営業でも私用でもお世話になりましたよ。夜間駐車場解放してるモールもあるんです。そこで車停めて寝泊まりして宿泊代浮かせてました。キャンピングカーもいたなあ」
柚木さんは語る。
あれ? ショッピングモールに住みたいってそういうこと?
ほぼ住んじゃってますやん。
「あーいるいる、そういう人。私も田舎にでっかいモールがあって」
御堂さん声のトーンが少し変わった。
「夏休み通ったわ。なつかしーわ。うちのあたり夏すごく暑いんですよー。みんなで宿題するのにイ◯ンのフードコート通いつめたなー。朝から晩までいて、そうそう、私も思った、思った、その時。外クソ暑いしいちいち荷物持って家と往復するの面倒くさいし。
で、
『もうさあ、イ◯ンに住めばいんじゃね? 涼しいし、食いもんなんでもあるし』
って。きゃははーー」
ーーー。
キャイキャイ笑い出す。
すごい、女子の笑い声ってその場の雰囲気変えちまう。
ガン黒時代の御堂さんが見えるような?
学校時代だからギャルかな。
この人いつからガン黒やってたんだろう…
「ーーはっ、す、すみません」
気づいて姿勢を正す御堂さん。
「ですよねー。健康ランド併設だと完璧ですよねー」
柚木さんはニコッと笑った。
「夕方値引きする頃見計らって買い出しすればいいしねー。天国ですよ」
本当に楽しそうに。
さっきのオロオロが嘘みたいに。
あっ、
会長がちょっと離れた会長席にいるからか。
「今はもう脱却でしょ、柚木さん。こっち住まれてるんでしょ」
「ええ。でも食生活は中々変わりませんよ。豆腐メインのメニューです」
「豆腐推しなんですね」
「豆腐こんにゃくほうれん草、白和えは完璧ですよ! 食べたくなってきました」
……白和え。そうですか。次おもてなしするときは出してみようかなあ。
「失礼ですよ、柚木さん、おもてなしの席で」
「あ、すっすみません、つい。美味しいです! チキン大好きです。シロップかけ放題なんて感激です」
「よかったら差し上げますよ。それ」私は言った。
「ホントですか!」
全然会長が入ってこれない会話が続いて。
地味ながら
私は豆腐を凍らせるという料理のチョイ技をゲットしたのだった。
なんか使えそうな予感が……
「へえ」
「イ◯ンで49円の豆腐買い込んで冷凍庫にぶち込むんですよ。甘辛く味付けして先輩に出したら最後まで豆腐とバレませんでしたよ」
「美味しそうですね」
やってみようかな。頭にイメージが浮かぶ。すぐにレシピを考えてしまうのはもはや職業病か。
……会長には出せないけど。
「イ◯ンすきですよねー、柚木さん。相当通ってるんですね」と御堂さん。
「そうですよー。田舎ではイ◯ンばっか行ってました。こっち来てからご無沙汰だなあ。思い出すんですよ、時々」
田舎にモール。思い当たるわあ。そこしかないと言っても過言ではない。悲しいくらいそこのモール色に染まる田舎のモール事情。
新宿にいると忘れちゃうのだけど。
「あはは、それはうちの近所も一緒だよ。田んぼの向こうにでかいイ◯ン」
わりかし整った顔したもう一人の社員さんが割り込んだ。
岸本さんて自己紹介してた。
「営業でも私用でもお世話になりましたよ。夜間駐車場解放してるモールもあるんです。そこで車停めて寝泊まりして宿泊代浮かせてました。キャンピングカーもいたなあ」
柚木さんは語る。
あれ? ショッピングモールに住みたいってそういうこと?
ほぼ住んじゃってますやん。
「あーいるいる、そういう人。私も田舎にでっかいモールがあって」
御堂さん声のトーンが少し変わった。
「夏休み通ったわ。なつかしーわ。うちのあたり夏すごく暑いんですよー。みんなで宿題するのにイ◯ンのフードコート通いつめたなー。朝から晩までいて、そうそう、私も思った、思った、その時。外クソ暑いしいちいち荷物持って家と往復するの面倒くさいし。
で、
『もうさあ、イ◯ンに住めばいんじゃね? 涼しいし、食いもんなんでもあるし』
って。きゃははーー」
ーーー。
キャイキャイ笑い出す。
すごい、女子の笑い声ってその場の雰囲気変えちまう。
ガン黒時代の御堂さんが見えるような?
学校時代だからギャルかな。
この人いつからガン黒やってたんだろう…
「ーーはっ、す、すみません」
気づいて姿勢を正す御堂さん。
「ですよねー。健康ランド併設だと完璧ですよねー」
柚木さんはニコッと笑った。
「夕方値引きする頃見計らって買い出しすればいいしねー。天国ですよ」
本当に楽しそうに。
さっきのオロオロが嘘みたいに。
あっ、
会長がちょっと離れた会長席にいるからか。
「今はもう脱却でしょ、柚木さん。こっち住まれてるんでしょ」
「ええ。でも食生活は中々変わりませんよ。豆腐メインのメニューです」
「豆腐推しなんですね」
「豆腐こんにゃくほうれん草、白和えは完璧ですよ! 食べたくなってきました」
……白和え。そうですか。次おもてなしするときは出してみようかなあ。
「失礼ですよ、柚木さん、おもてなしの席で」
「あ、すっすみません、つい。美味しいです! チキン大好きです。シロップかけ放題なんて感激です」
「よかったら差し上げますよ。それ」私は言った。
「ホントですか!」
全然会長が入ってこれない会話が続いて。
地味ながら
私は豆腐を凍らせるという料理のチョイ技をゲットしたのだった。
なんか使えそうな予感が……
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