氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

5話 ショウの新しい魔法と塩の調達

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 ショウはトルーネにヨシノをつけて自分の土地に帰る。そして、イチョウにも指示を出したのだった。

「おじちゃん。あたしもトルーネのおじちゃんを護衛すればいいの?」
「ああ・・・しかし、陰ながらにしてくれ。常時ヨシノがついているから大丈夫だとは思うが、アサシンが複数人で来た場合の為にな」 
「わかった・・・だけど、三日後必ず茶碗蒸しをご馳走して・・・」
「わかっているよ。沢山作ってやるから安心しな」
「やった!」

 そう言って、イチョウは満面の笑顔で影の中に消えていくのだった。そして、ショウは家に帰りすぐさまアユミと共にマートンの町の西側に向かったのだった。ブリガンダイン王国は巨大な大陸の一部にあり、巨大な半島に位置する土地にあり、マートンの西側に向かえば海に出る。

「あたし海を見るのは初めてで楽しみだなぁ」
「だだっ広い水溜まりだぞ」
「へぇ!どのくらい広いんだ?」
「遠くが見えないくらいだな」
「凄いなぁ」

 そう言ってショウとアユミはダッシュで駆け抜ける。常人にはあり得ないスピードで森の中を駆け抜け、通り抜けながら魔物を瞬殺していくのだった。この時、ショウのレベルはすでに40に達していた。これはシャドーリッパーを殺して得た経験値があまりにも多かった為である。当然だが、近くにいたイチョウも経験値が入りこの時レベルが1レベル上昇し、71レベルとなっていた。そして、40レベルになったショウには新たなアクティブスキルが派生していた。

●ワールドマップ(時空間属性魔法)
 世界地図を表示できる。拡大縮小ができ道のりも表示できる。また、ダンジョンに入れば迷宮をも表示できる。

●リコール(時空間属性魔法)
 瞬間移動ができる。ただし、空間属性魔法の所持者が70レベルまたは、時空間属性魔法の所持者が30レベルで派生するマークを使った位置情報を記憶させた場所で移動対象は術者のみ。



 そして、異例な速さで海に到着したショウは、久々に見る広大な海に思わず両手を広げ背伸びをした。アユミは初めて見る広大な海にテンションが上がっているようだ。

「ショウ!これが海なの?」
「そうだ。やっぱ海は広いな」
「すごっ!ずっと水ばかり・・・どこまで続いているの!」
「大陸の反対側までだろうな」
「大陸の反対側?どういう事?」
「そっか。わからないか?このシンアースは丸い星なんだ。つまり、この海を西にずっと進むと大陸の反対側つまり大陸の東側に辿り着くというわけだ」
「ショウ・・・あたしを馬鹿にしているのか?」
「えっ?馬鹿になんかしてないぞ」
「あたし達のいる地上が丸いわけないだろ?今立っている地上は平面じゃないか!」
「あっ・・・ああ・・・アユミは天動説を信じているのか」
「天動説ってなんだ?」
「説明が難しいな・・・つまりだな。シンアースこの星は馬鹿でかいから地上が平面に感じるんだよ」
「はぁ?」
「それに、海の遠くを見てみな。水平線が見えるが丸いだろ?」
「た、確かに・・・」
「だけど、船で水平線に向かっても平面じゃないから落ちる事はないんだ」
「ふぅ~ん。なんかよく分からないな・・・」
「まぁわからなくてもいいと思うぞ。生きていく上であんまり必要はないからな」
「わかった・・・」

 ショウはそれだけ言って、海に向かって歩き出し馬鹿でかいドラム缶を時空間倉庫から取り出した。そこに海水を汲み入れ錬金術の抽出を使う。するとドラム缶の海水は真水となり、塩だけ抽出する事に成功する。その塩は時空間倉庫に収納してしまい、ドラム缶の真水は捨てまた海水を汲み入れる。この作業を繰り返し、短い時間でマートンの町で使用する塩一ヶ月分をあっという間に作り出してしまうのだった。

「ショウこれで終わりか?」
「そうだな。作りすぎても邪魔になるだけだし、また来て作ればいいだけだ。それにこれからはこれがあるからな」
「ショウ・・・何それ?」
「これは、ルーン晶石って言ってな。これにマークの魔法を使うと位置情報を記憶させる事が出来るんだ」
「?」
「この場所、位置をルーン晶石に記憶させよ。マーク」

 ショウは30レベルで派生するマークの詠唱を唱えると、ルーン晶石が輝きこの場所が記憶された。そして、ショウが神眼で鑑定すると、マートンの町から150キロメートルの西側の海岸と表記されている。つまり、馬車で三日程かかる道のりというわけだ。

「とりあえずこのルーン晶石にはこの場所を記憶させた」
「ふむふむ」
「そして、俺はこの場所から少し離れるからここで待ってくれ」
「わかった」

 ショウはこの場所からものすごいスピードでもと来た道を戻りマートンの町に向かって走っていった。

 ショウ・・・どこまで戻ったの?
 大体1キロメートルくらいだな。じゃ今から戻るからな。

「リコール!」

 リコールの詠唱は短く魔法名を唱えるだけだ。ショウの身体からブンっと音がしたとたん光を発して、空を飛ぶように瞬間移動をする。その間たった1秒くらいでアユミのいる海岸線に戻ってきたのだった。

「す、凄い!ショウは瞬間移動が出来るようになったのか?」
「そうだな。まぁ限定的だが、このルーン晶石があればマークの魔法で位置情報を記憶させた場所ならどこでも瞬間移動が出来るな」
「凄い!あたしも瞬間移動させてくれ」
「ああ・・・悪いな。リコールの魔法は術者のみなんだ」
「嘘でしょ・・・」
「悪いな。諦めてくれ」
「そんな・・・」
「これを使えば、これから俺はどこでも瞬間移動が出来るから便利になるぞ」
「じゃあショウはこれから一人で行動するの?」
「まぁそんな事にはならないな。ダンジョンだってアユミ達がいなければ、俺は無茶苦茶弱いからな」
「嘘だぁ!ショウは一人でも無茶苦茶強いじゃないか!」
「馬鹿な事を。俺の時空間属性魔法の威力は確かに強いとは思う」
「当たり前でしょ!」
「だがな・・・所詮魔法職は懐に入られたら普通の人間だ。前衛職のパワー・スピード・ヴァイタリティには敵わん。俺なんか瞬殺されてしまうからな」
「だけど、魔法職の威力は絶大なんだよ」
「いいか?今の俺は確かに強いが魔法を使うには詠唱する必要がある。その間俺は無防備なんだ。アユミ達がいなければ安心して詠唱はできん」
「そ、そっか。なら、ショウはまだまだあたし達の力が必要ってわけだ」
「悔しいがその通りだ。しかし、俺だって何時までもアユミ達におんぶに抱っこって訳にはいかないからな」
「駄目だって、あたし達ホムンクルスはショウの役に立てる事が幸せなんだからね」
「わかったわかった!何時までも頼りにしてるからな」

 ショウがそういうとアユミは満面の笑顔で微笑んでいた。

「さてと、用も済んだし帰るか?」
「あ~!ショウ一人で帰らないでぇ!」

 アユミはショウがリコールで帰ると思ったようだ。

「ば、馬鹿な事を言うな。俺はそんな薄情な人間じゃないからな」
「良かった・・・」
「本気でそう思ったのか?」
「だって・・・あんな便利な魔法があったら誰だって使うでしょ?」
「あのな・・・まぁもういいよ。アユミ帰るぞ」
「はい」

 そう言ってショウとアユミは全速力でマートンの町に帰る事になった。そして、一日も経たず三日の距離を往復し、三日後トルーネ商会に赴き、トルーネを驚かせるのだった。
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