氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

27話 女心がまったくわからないショウ

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 ショウ達は7階層に降りず、ボス部屋で宝箱の中身を入手する為にイチョウが宝箱の罠発見解除を実行していた。

「どうだ?罠はありそうか?」
「おじちゃん、ちょっと黙っててよ。いつも言っているでしょ?気が散ると本当に危ないんだから・・・」
「いやぁ・・・悪い悪い。どうしても宝箱を見るとワクワクするんだよな」

 ダンジョンの階層ボスを倒すとこうして魔法陣が発生しそこから必ず宝箱が出現するのである。その他にはダンジョンの隠し部屋や通路にある場合もあるが、よほど運が良くないと発見は出来ないのだ。
 だから、こうしてボス部屋の攻略ができた場合は必ず宝箱が出現する為、冒険者は宝箱を見るとワクワクするのである。

 また、宝箱にはいくつか種類がある。今回出現した宝箱は金色に輝いており中身は期待できるものであり、当然罠はあると予想された。
 宝箱は下から木製・鉄製・銅製・銀製・金製と見つかっており、今回は一番上に位置する宝箱なので、ショウはもちろんだがアユミ達全員が緊張に震えていたのだった。

 イチョウが額に汗を拭いながら、斥候能力で罠解除をしていると静かな空間の中、カチャリと音が響いた。

「開いた!」
「「「「「「「やったね」」」」」」」
「イチョウご苦労様!」

 ショウはイチョウの頭を優しく撫でると、イチョウもやりきったとばかり満面の笑顔となる。
 そして、イチョウが金色の宝箱を開けると中には、虹色金貨が50枚に入っていて50億ゴルド。また、大剣トゥーハンドソード一本、アミュレットが一個入っていた。

「こ、これは!」
「ご主人様!これって凄いソードじゃないですか!」
「このトゥーハンドソードはアスカに使ってもらおうかな」

 当然だが、パーティーに大剣を扱えるのはアスカしかいないので、このトゥーハンドソードはアスカが使う事になった。アリサが声を上げるのは無理もなく、スキル鑑定(アイテム)で鑑定した結果。

●トゥーハンドソード(最高品質)
 ミスリル製+3 炎属性 

「このトゥーハンドソードは炎属性の大剣ですね」
「だな!アスカ、その大剣に魔力を通して見てくれ」 
「は、はい・・・」

 アスカがショウの言うとおりに、トゥーハンドソードを握り魔力を込めるとその刀身が燃え盛り炎が揺らめいたのだ。

「す、凄い・・・だ、旦那様、本当にあたしが使っていいのか?」
「大剣を扱えるのはアスカしかいないから、それで仲間を助けてやってくれ」
「わ、わかりました!」

 そして、もう一つのアクセサリーであるアミュレットは【神速のアミュレット】というアイテムだった。

●神速のアミュレットミスリル製(最高品質)
 装備した人物の敏捷度を3倍にする。

「これはスミエに装備してもらう」
わたくしがですか?ですが、敏捷度を上げるアイテムならカホさんのほうが・・・」

 スミエの言う事はもっともだった。カホがこのアイテムを装備すれば、単純に攻撃回数が6発から18発なりパーティーの戦力が大幅に上がるからである。

「いや、カホには自前で攻撃回数を上げるバフがあるからな。アイテムに頼らなくても大丈夫だ」
「カホ!そうですの?」
「うん。アクティブスキルに攻撃回数を上げるバフがあるよ。だけど、使っている間魔力が減り続けるんだけどね」
主様あるじさまやはりここはカホの方が!」
「いや、スミエの弱点はロングボーでの連射が出来ない事だ。そのアイテムがあれば、ロングボーで連射が可能になるからな」
「ですが・・・」
「大丈夫だ。カホには俺が作れるようになったら更にパワーアップが見込めるようになるからな」
「おじちゃん本当に!」
「ああ!」
「あの主様あるじさま・・・わたくし主様あるじさまの作ったアイテムの方がいいのですが」
「わかっている。そのアイテムは俺が作れるようになるまでのつなぎだ」
「そうですか!ならよかったです」

 スミエもまた、神速のアミュレットよりショウが製作したアイテムの方がよかったので、つなぎと聞いてホッとしたのだった。

「ったく・・・お前達は。宝箱から出たアイテムと俺が作ったアイテムと性能が同じなんだからどっちでもいいじゃないか」
「「「「「「全然ちがいます!」」」」」」
「そういうものかよ?」
「ったくご主人様は女の気持ちというものがわかってませんね」
「悪いな。こちとら氷河期世代を生き抜いたおっさんなもんで色恋事は無縁な人生だったもんでな。システィナみたいなお子様でもそういうところはわかるのか?」
「そういうデリカシーのないところですよ!」
「悪い悪い・・・俺の周りにいた女性は母親だけだったもんでな」

 そう言ったショウはだんだん情けなくなってきて、その場に座り込み地面にのの字を書き出した。

「もう!ご主人様はいつまで前世の記憶に引き摺られているんですか?あたしを何回も抱いておいて何が周りにいた女性がお義母様だけなんですか!」
「おいおい・・・アリサ、お義母様ってなんだよ」
「ったく・・・ご主人様は確かに前世ではそうだったのかもしれませんが・・・」
「はっきり言うなよ・・・だんだん情けなくなってくるから・・・」
「何を今更!しかしですね。ご主人様は前世とは違い女性からオモテになっているんですよ」
「はぁあ?おっさんの俺がか?何を馬鹿な事を!」
「「「「「「「「「「はぁあ・・・」」」」」」」」」」
「そこからですか・・・いいですか?ご主人様!ご主人様は町では英雄なんですよ。それだけでも女性から憧れの的なんですよ。それこそ、あのシャーロットさんからもアプローチされているではありませんか?」
「はぁあ!?あの人が?それに俺はもう40のおっさんでだな?」
「そんなの関係ありません!ご主人様がどれだけ稼がれていると思っているんですか?」
「じゃあ金じゃねぇか!そんなのモテているとは言わねよ!」
「何を言っているんですか。お金だけで言っているわけではありません。ご主人様は奴隷のあたし達にも同じ衣食住を与えて優しくしてくださっているのがわかっているから、女性からの印象が高いんですよ」
「そんなの当たり前じゃないか」
「当たり前にそう言える奴隷のご主人様がどれだけいると思っているんですか?」
「それは・・・」
「女はそういったところをちゃんと見ているもんなんです。それだけでもご主人様と結婚すれば大事にしてもらえるとわかるもんなんです」
「そういうもんなのか?」
「それだけでもありませんけどね」

 アリサの言う事がまったくわからないショウだった。そして、頭を傾げながらダンジョンを後にするショウを見て、呆れ果てるアリサ達だった。
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