氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

34話 ウーロンの隠れ里

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 ショウは鬼の形相で暗殺者を睨んだ。そして、暗殺者の胸ぐらを掴み怒鳴る。

「貴様等、俺に喧嘩を売った事を後悔させてやる!」
「フハハハ!後悔だと?我々闇ギルド五竜ウーロンを敵に回したお前がか?」
「敵に回しただと、それはお前達五竜ウーロンが俺達を暗殺しようとして返り討ちになった事を言っているのか?」
「そうだ!我ら五竜ウーロンに敗北は許されん!」
「はっ!よく言うぜ。そっちで勝手に暗殺依頼を受けて返り討ちにされたら、逆切れで敗北は許されないだと?今回は誰に頼まれた?依頼主共々地獄に落としてやるよ」
「フハハハ!今回は依頼主等おらん!これは五竜ウーロンが威信をかけた報復だよ。ぐはっ・・・」

 暗殺者はいきなり血を口から吐き絶命するのだった。胸ぐらを掴まれショウに持ち上げてられていた暗殺者は無抵抗でその刃を背中に受けて絶命する。ショウは暗殺者の背中に刺さるクナイのような物を発見した。
 そして、クナイが飛んできた方向を見ると、また同じような黒装束の暗殺者がいたのだった。

「なっ!また同じようなやつか?」
「お前は少し喋り過ぎだ・・・腕も失ったお前に暗殺者はもう無理だ。安らかに地獄に落ちろ」
「お、女か!?」

 話し声でショウは、その暗殺者が女だと認識して目を見開くのだった。

「我々に男も女もない。親父は我々の卒業試験の生贄になるがよい」
「卒業試験だと!?」
「死に逝く者にこれ以上の情報は必要ない!」

 その女の暗殺者は、ショウに向けてクナイのような物を投げつける。

「全ての攻撃を吸い込め。アブソーブ!」

 女暗殺者が投げたクナイはショウの時空間倉庫に収納される。そして、当然反撃される事になる。

「それはさっき見させてもらったよ。死ねぇ!」

 女暗殺者は、ショウがディスチャージを使い自分が投げたクナイを排出すると思い、同じ軌道でクナイを投げつけクナイに命中させようとする。

「同じ攻撃を返すわけないだろうが!」
「魔法使いは直接攻撃には弱い。死ねぇ!」

 女暗殺者は、クナイを投げつけたと同時にショウとの間合いを詰め、ショウに突進攻撃を仕掛ける。

「収納した攻撃を跳ね返せ。ディスチャージ!」
「な、何っ!?」

 女暗殺者は、ショウの時空間倉庫から繰り出された攻撃になすすべもなく焼失してしまう。

「馬鹿なやつだ。誰がクナイを返すと言ったんだ」

 薄暗い朝の中、ショウの私有地は業火の明かりで昼間のように明るくなる。ショウは女暗殺者のクナイを排出したのではなく、先のダンジョンで時空間倉庫に収納した、ライオネルのファイヤーブレスを排出したのだった。ライオネルのファイヤーブレスは何発も受けて、アブソーブで収納した。しかし、ライオネルに跳ね返したファイヤーブレスはたったの2発だけであり、ショウの時空間倉庫にはライオネルのファイヤーブレスがまだ10発以上残っていたのだ。
 焼けただれている女暗殺者は虫の息でつぶやく。

「き・・・貴様・・・空間魔導士じゃなく炎魔術師だったのか・・・」
「敵に流す情報はない。地獄に落ちろ。そして、来世ではもう少しまともな人生をおくるんだな」
「き、貴様などに我々の事はわからん・・・」

 女暗殺者は、それだけ言って炭化して事切れる。

「お前達五竜ウーロンの事など知りたくもないぜ」

 女暗殺者を倒したショウは、世界地図ワールドマップで周辺を確認すると、闇夜に隠れるいくつかの怪しい気配を確認する。

 みんな後はたのんだぞ。
 はい!アイツ等全員息の根を止めてやるよ
 だな!
 そうですわね。
 おじちゃん、一人は逃がすから尾行は任せて
 あたし達は残りを殲滅してやるわ
 ホント五竜ウーロンは壊滅させるべきだわ

 敷地内に隠れるアサシン見習い達はアスカ達により壊滅させられ、ただ一人はアジトの場所をつきとめる為イチョウによって泳がせる事になる。

「まさかこんなところに闇ギルド五竜ウーロンのアジトが移っているなんてね」

 そこは、イチョウもびっくりする場所にあった。イチョウは当初マートンの町に向かうと思っていた。しかし、アサシン見習いはマートンの町を通り過ぎ南の街道から外れた寂れた村にたどり着いたのだ。
 ここは、街道から外れ人が訪れない場所にあり、過去に魔物に襲われたか盗賊に襲われたかもう記憶にない農村だった跡地に作られたアジトだった。

「酷い・・・」

 イチョウがその村で見た光景は、子供達が強制的に訓練をさせられている現場だった。子供達が泣き叫ぼうが関係なく、クナイを投げる訓練や武器を持たされ一日中素振りをさせられていたりする。
 中には疲労困憊で倒れてしまい、そのまま動かなくなり山積みにされていた子供の遺体もあった。そして、イチョウは目を見開き驚く光景が飛び込んできた。大男に引きずられ、村に子供達が拐われてきたのだ。子供達はだいたい7歳ぐらいの年齢で中には5歳ぐらいの子供もいた。

「「「「「「「うわぁ~ん!」」」」」」」
「お母さんとお父さんの所に帰してよ!」
「あたし達はこれからどうなるの?」
「へへへ!お前達はここで買い取ってもらう」
「「「「「「うわぁ~ん!いやだぁ!」」」」」」
「俺達を元の場所に帰せ!」
「お前達にもう帰る場所はないんだ。諦めろ!」
「父ちゃんと母ちゃんに何をしたんだよ」
「お前達の父ちゃんは俺達が殺した。母ちゃんは味見をして売り払ったよ。いい声で鳴く母ちゃんだったぞ」
「ちくしょう!離せよ!母ちゃん!」
「うるせぇなぁ!」
「くはっ!」

 盗賊らしき男は泣きわめく男の子を平手打ちにして吹き飛び木で作られた家の壁に打ちつけられ気絶してしまった。それを見た他の子供達は一瞬で押し黙る。

「おお!いい子達だ。静かになった」
「「「「「「「・・・」」」」」」」
「お前達はここにいる大人に殺人術を習い、一生を過ごしてもらう。生き残りたかったら歯を食いしばり必死に殺人術を身につけろ」
「「「「「「「そんなのいやだぁ~!」」」」」」」
「「「「「「父ちゃんと母ちゃんの所に帰して!」」」」」」
「さっきも言ったがお前達の帰る場所はもうない。生き残りを賭けたサバイバルだ。一人でも多く生き残れるといいな。じゃないと、あそこに積まれてる子供の仲間入りになるぞ」
「「「「「「「「「!」」」」」」」」」

 子供達は男の指差した先に積まれてる子供達の動かなくなった死体を目にして泣き叫ぶのだった。
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