氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

6話 システィナが勝利の鍵?

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 カオリとヨシノは未知の武器に驚愕する。一瞬で懐に入られ、肉弾戦を仕掛けてくるアサシンは初めて見たのである。しかも、その武器は慣性の法則を使い回避した瞬間、回転して間合いが伸びるのである。

「何よその武器は!」
「ヒッヒッヒ!見た事ねぇだろ?」
「くっ……」
「だが、この武器で俺は何人も殺してきた。お前達もその中の仲間入りにしてやるよ!」
「何人もですって?じゃあ、お前はネーム持ちなの?」
「ほう……闇ギルドに詳しいみたいだな」
「詳しくはないけど、前に襲ってきた奴がそう言っていたわ!」
「チィッ……これだからアイツらは名前をもらえねぇんだ」
「で、あんたはなんて名前なの?」
「ヒッヒッヒ!冥土の土産に聞かせてやろう。俺は東風トンファーだ!後悔して死んでいけ」
「「トンファー……」」

 アサシンというよりファイターと言ったほうがいい印象がある。しかし、東風トンファーもまた子供の頃に五竜ウーロンに攫われた子供の一人であり、精神が壊れていたのだった。ただ、名前も知らない武器で目標を殺す事で自分の存在意義を明らかにしていたのだ。

「これが避けられるか?簡単に死ぬんじゃねぇぞ」
「なっ!?」

 カオリは東風トンファーのスピードに驚愕する。風のようなスピードでカオリとの間合いを瞬時に詰め、カオリの顔面に拳を突き出した。

「カオリ!」

 カオリの名前を叫び、ヨシノは東風トンファーに向けて槍を薙ぎ払う。しかし、東風トンファーは武器を腕に密着し固定させて槍を受け止める。

「ヒッヒッヒ!やるじゃねぇか!」

 東風トンファーは槍を受け止めた腕でバックブローを繰り出す。ヨシノはバックブローをギリギリで躱すがその瞬間、東風トンファーが持つ武器が遠心力でクルリと回転しヨシノの頬に命中したのだった。

「ぐはっ!」
「ヨシノ!き、貴様ぁああああ!よくもヨシノを!」

 怒りにまかせてカオリはロングソードを振り抜く。カオリはロングソードの双剣術の使い手だ。息を切らせぬ連続攻撃で相手を圧倒する。しかし、東風トンファーは両手に武器を持ち、カオリの息を切らせぬ攻撃を見事に受け止める。

「双剣術も大したことはねぇな!」
「な、なんですって……これでも食らえ!スピードブラスター」

 カオリは東風トンファーの言葉に苛立ち、アクティブスキルのスピードブラスターを使う。

●スピードブラスター
 双剣術を持つ人物が70レベルになると派生するアクティブスキル。敏捷度を2倍に上昇させ、敵に4連撃を叩き込む。一発1.5倍ダメージ。

 スピードブラスターを叩き込むカオリの攻撃回数に、東風トンファーは奥歯を噛み締める。

「ぐっ……」

 カオリの攻撃回数は片手で4連撃となり、双剣術であるカオリの攻撃回数は8連撃となるのだ。東風トンファーは目を見開き、カオリの攻撃になんとかついていきなんとか全ての攻撃を防ぐ事ができる。

「なんて奴なの……」
「ヒッヒッヒ……なんとか防げた……なっ!」
「ぐはっ!」

 最後の一発を防いだ東風トンファーはカオリの顔に拳を叩き込む。アッパーカットでクルリと回転する武器は、カオリの顎を的確に捉えヒットして吹き飛ぶのだった。

「うぐっ……間合いが掴めない……」

 カオリとヨシノは、すぐに立ち上がり東風トンファーに向き直る。

「ヒッヒッヒ!この武器の間合いに困惑しているのか?」
「「くっ……」」

 躊躇する2人に突然大声で話すのはシスティナだった。2人は直接戦闘が苦手なシスティナを家の中に避難させていた。しかし、システィナは影から二人の戦闘を見ていて大声を上げたのだった。

「カオリ!ヨシノ!わたしに任せて!2人はいつも通りに攻撃を!」
「「システィナ出てきたら駄目!」」

 大声を出すシスティナを東風トンファーはギロリと睨む。

「今いいところなんだ。戦闘ができねぇ無能がしゃしゃり出るんじゃねぇ!」
「ひっ……」

 凄まじい威圧にシスティナは家の影に隠れる。そして、家の影に隠れながら大声で叫ぶのだった。

「2人共いい?アイツの武器はわたしに任せて攻撃をして!わたしを信じて」

 システィナの言葉にカオリとヨシノは黙ってうなずく。そして、東風トンファーはニヤリと笑い、2人に向き合うのだった。
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