氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

8話 システィナが活躍する

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 東風トンファーの武器はトンファーの形ではあるが、棍棒の部分には刃が光る。そして、その刃には当然毒が塗られている。

「お前達は絶対に殺す!」
「「殺れるものならね!」」
「余裕じゃあねぇか?じゃあ遠慮なく殺らせてもらうぜ」

 そう言って東風トンファーは瞬時にヨシノの懐に入り武器を突き立てる。

「ぐはっ!」
「「ヨシノ!」」
「まずは一匹!」

 東風トンファーの攻撃にヨシノが吹き飛ばされるが、システィナがドライアドに指示を出し蔓のネットで受け止める。

「な、なんなんだ?あのエルフはよ……」
「システィナが気になるのか?」
「うるせぇよ!アイツもお前達の後に殺してやるから先にあの世に逝きな!」
「そいつはどうかな?お前が地獄逝きになるかもよ」
「なっ!?」

 東風トンファーは目を見開き驚く。吹き飛ばされたヨシノがすぐに参戦してきたのだ。

「貴様!毒が効かないのか!?」
「フッ!そんな事はないですわ。私も毒は苦手です」

 東風トンファーは周りを見ると、もう一人女の姿があった。家の中に避難していたアリサである。アリサは吹き飛ばされたヨシノにポーションを飲ませたのだ。

「もう一人いたのか……」
「これでお前の地獄逝きが近づきましたわね」
「ぬかせ。まだ、お前達が勝てる見込みはゼロなんだよ」

 そう言った東風トンファーはカオリに一撃を入れる。そして、吹き飛ばされたカオリはまた、システィナのネットにつつみ込まれてダメージを吸収。そこにアリサがポーションで回復する。

「チィ!鬱陶しい奴め!」

 システィナは東風トンファーの武器をなんとかしようと、ドライアドに指示を出し茨の蔓で腕に絡みつけ、武器を固定させたのだが先ほどとは違い、今は棍ではなく刃である。絡みついた茨の蔓を切り裂いてしまう。

『システィナ……私の蔓ではあの武器は固定できないわ。ネットでカオリとヨシノのサポートをした方がいいわ』
「確かにそうね……二人には頑張ってもらうしかないなね」
『武器の方はワシに任せるのじゃ』
「オアネド。どうにかできるの?」
『多分な……システィナがレベルを上げてくれたおかげじゃ』
「そ、そっか!オアネドやってみて」

 このシスティナと精霊達のやり取りは他の者達には見えていない。精霊眼を持つシスティナの特権である。

「カオリ、ヨシノもう少し頑張って!あたしがなんとかやってみる」
「「わ、わかった(りました)」」
「ヒッヒッヒ!お前の茨の蔓はもう役には立たねぇよ」
「それはどうかしら?」
「どう頑張るのか楽しみだ」

 東風トンファーはニヤリと笑い、カオリとヨシノの相手をする。

「鬱陶しい奴だな……早くおっんじまえよ」
「フッ!どうした?焦っても状況は変わりませんよ」

 ヨシノは東風トンファーの攻撃を薙ぎ払う。その合間を潜りカオリが攻撃を入れる。

 くっ……こいつら!この戦闘の中で成長してやがる……

 東風トンファーは急激に成長するカオリとヨシノに冷や汗を流し始めた。その焦りが隙を生む。そして、次の瞬間東風トンファーはカオリの攻撃を防ぎ、武器を回転させ一撃を入れようとした。

「ギャアアアァアアアアア!お、俺の腕がぁ!」

 しかし、突然東風トンファーの腕が真っ二つに切断されてしまったのだ。あまりの痛さに地面を転がり回る東風トンファーは武器を手放していた。

「俺の腕がァアアアアア!」

 この様子にカオリとヨシノは唖然とするしかなかった。東風トンファーの武器は内側に90度に折れ曲がっていたのだ。突然折れ曲がった武器トンファーは、遠心力でクルリと回転させた瞬間、内側に折れ曲がった刃は東風トンファーの腕を切断してしまったのだ。

「うまくいったわね!」
「き、貴様の仕業か……」
「そうよ!」
「エルフがなんで念動力を……」
「念動力って何よ?」
「あの方と一緒の念動力じゃないのか?」

 システィナ達には、東風トンファーがなにを言っているかわからない。武器を圧し折ったのは、念動力ではなくオアネドがやったものだ。
 システィナがレベルを上げたことで、土だけでなく鉄を操って武器を90度に曲げたのだ。

「理由のわからない事言ってんじゃないわよ!それよりあなたももう終わりね」
「俺はまだ……ぐはっ!」

 東風トンファーはトンファーに塗られた毒にもおかされて口から吐血するのだった。

「お、俺はまだ殺し足りね……え……」

 東風トンファーはそう言い残し地面に倒れ込み絶命した。
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