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レグルス編
4 亜人と人間
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side エル
「行ってしまいましたね……」
「うん……」
降車地点に残された私とリュウくん。ついさっきまではカズハとセツナさんがいましたが、カズハが嫌そうな顔をしたセツナさんを引っ張ってどこかに連れて行ってしまいました。
……っ!つまり今、リュウくんを守ってあげられるのは私だけということに……。より一層気を引き締めないと。今は私が年長者なんですから。
「このままここにいるのもなんですし、どこかに行ってみましょうか」
「うん!」
リュウくんは元気よく返事をしてくれました。
「では、さきほど御者の方が言っていたふれあいパークに行ってみるのはどうでしょうか?」
「行ってみたい、けど…….」
「けど?」
「先に薬屋に行きたい」
「く、薬屋ですか?!」
「うん」
どこか調子が悪いのでしょうか……。とても心配です。
「具合が悪いのなら私がすぐに診ますよ」
まだまだひよっことはいえ、病や薬について勉強している身なんですから、こういう時に役立てないと意味がありません。
「だいじょうぶ。ぼく、元気だよ」
リュウくんは普段通りな面持ちで答えました。
見ただけではありますが、たしかに血色や顔色が悪いようには見えないですね。
「そっか……でも本当に先にふれあいパークに行かなくてもいいんですか?私としては薬屋に行けるのはとても嬉しいことですけど、リュウくんが暇になる可能性が……」
「ひまなんかじゃないよ?知らない薬がいっぱいあって、おもしろいって、エルお姉ちゃんが言ってたから……」
「た、たしかにそうは言いましたけど、それはあくまで私にとってという意味でリュウくんが面白いと思ってくれるかどうかは別なんです」
「……?ぼくには難しいことわからないけど、行ってみないとわからない、から……」
……ここまで折れてくれているのに、私がこのまま突っぱね続けるのは、リュウくんに失礼ですね。
「わかりました。薬屋での用事をすぐに終わらせてふれあいパークに行きましょう」
「うん!」
私はリュウくんの左手をしっかりと握り、お互いがはぐれないように歩き始めました。
「それにしても、森と一体化するかのように街が組み込まれているというのは、なんだか慣れないですね」
道路は多少の凸凹はあるものの、ほどよく整備されており、森の中とはいえ歩きづらさはさほど感じません。道路の端は緑が生茂り、図鑑に収録されていた薬草もちらほらと見られます。
まだ私たちはスターライトの入り口付近にいますが、この辺りは材木や枝葉を利用したお店が多く並んでいるようです。お店が森に溶け込んでいる感じがして、この街の住人がとても自然を愛していることがうかがえます。
「うん……すごく、落ち着く……」
「ですね」
お店が並ぶこの通りはいろんな人で賑わっているけれど、不思議と心が安らぎます。風に揺れる葉音や木々の間からの木漏れ日がそうさせているのかもしれません。いずれにせよ、御者さんがここをいい街だと表現したことに全く間違いはありませんでした。
「あ。あそこ、小さいですけど、薬草畑がありますね」
私たちが歩いている先の左手に、色とりどりの薬草が咲き並んでいます。もう少し近くに行ってみないとどんな薬草かはまだ分かりませんが、おそらくは近くに薬屋もあるに違いありません。
「きれい……」
「行ってみましょうか」
少しして、例の薬草畑の前へと来た私たちは、畑の前にしゃがんでじっくりと植えられた薬草たちを観察していました。リュウくんも興味津々といった感じで眺めています。
「これは……私も見たことがない薬草です」
「エルお姉ちゃんも、知らない薬草なの?」
「はい。おそらくは図鑑にも載っていませんでした。ケモノソウとうり二つではあるんですけど……一体これはどんな薬草なんでしょう……」
これらの薬草は確かにケモノソウとよく似てますが、色が全然違います。それも複数……。触りたいのは山々ですが、さすがに勝手に触れるのはよくありませんから、触れてもいいかお願いしてみようかな……。
「なんだ、お前ら!薬草泥棒か?!」
横から突然、低い怒声が聞こえてきました。私とリュウくんは身体をビクッとさせ、声のする方へと顔を向けます。
そこにいたのは、傷だらけの顔をした男性でした。頭には焦茶色の丸い耳が二つついており、その片耳にもくっきりと傷痕が残っています。
「あ、えっと……」
強面な男性の鋭い睨みに、私もリュウくんもうまく話すことができず、顔が青ざめてしまいました。
「って、なんだよ。ただのガキか。心配して損したぜ……ん?おいおい、よく見たら顔色が悪いな。うちでちょっと休んできな」
今さっきまで鋭い眼光を浴びせてきたはずの大きな体躯の男性は、私とリュウくんをひょいっと持ち上げて、両脇に抱えたまま彼のお店と思われる建物へと歩き出しました。
私とリュウくんはお互いに目が点の状態で見つめ合い、暴れることもなく彼に運ばれるがまま大人しくしていました。
「ばあちゃん。ちょっとこの子たち診てくれよ。なんか顔色悪そうでさ」
私たちを荷物のように抱えて運んだ強面の男性が中に入ると、商品を陳列している最中の高齢な白髪の女性がいました。
「なんだいやぶからぼうに……って」
強面の彼と同じく、焦茶色の丸い耳をつけた白髪の女性は、彼を見てすぐに作業を中断してズカズカとこちらにやってきました。
「ベアドル、ちょっとそこに座んな」
「お、おう」
ベアドルと呼ばれた強面の男性は、私たちを近くの木製の椅子に座らせて白髪の女性の前に正座しました。
私とリュウくんは再びお互いに見つめ合った後、強面の男性と白髪の女性の方へと目を向けました。すると、白髪の女性が正座する彼の丸い耳を思いっきり引っ張り上げました。
「こんのっ、バカタレが!」
「イテテテテテッ!」
「何度言ったら分かるんだい、お前は!病人を運ぶってのに、両脇に抱えるやつがあるか!」
「イテテ、イタイ、イタイってばあちゃん。離してくれよっ……」
顔が青ざめるほどに怖かったはずの彼は、現在は涙目で、白髪の女性に叱られています。白髪の女性は、しょうがないといった面持ちで手を離しました。解放された強面の男性は赤くなった耳をなでています。
「ったくもう。耳がちぎれるかと思った」
「私の話を聞かない耳なんて、とっちまっても一緒だよ」
呆れたような目で彼を見下ろす白髪の女性。
「ひでぇよ、ばあちゃん。唯一の肉親だってのに、こんな仕打ちはあんまりだぜ……」
「私ゃ自分にも身内にも甘くはないんだよ。この店を継ぐってんなら、もっと根性見せな!」
「わ、わかったよ、ばあちゃん……」
しょぼんと落ち込んでいる強面の男性。そしてその男性の横を過ぎ去って、白髪の女性がこちらにやってきました。
「どれどれ……」
白髪の女性は腰を屈めてまじまじと、真剣な表情で私たちの顔を見始めました。
「なんだい。顔色なんて全く悪くないじゃないか」
「え、そんなはずは……」
まだ耳をちょこちょこ触っている強面の男性が驚いたようにこちらを振り向きました。
「まったく。どうせまたお前が必要以上に威圧しすぎただけだろう?これで何度目になるか、もう数え切れんよ」
「そんな……」
頭をガクッとさせて落ち込んだ様子の強面の男性。
なんだか、少しかわいいかも……。
「ふふ……あ、す、すみません……!」
彼のギャップに思わず笑みがこぼれてしまった私は、顔を赤くしながら頭を下げました。
「はっはっは。随分とかわいいお嬢さんが来たもんだね。隣の子は弟かい?」
「いえいえいえ。こんなに綺麗な子が私なんかの弟のはずはありません。ですが、私の大切な仲間です!」
私はリュウくんの手をギュッと握りました。
「そうかいそうかい。いい信頼関係を築けているようだね」
「え、と……」
「そんなに威嚇せんでもよいぞ、少年。お前たちに何かするつもりはない。もし手を出す気ならとっくの昔にやっとるわ」
リュウくんの方に目を向けると、まるで弱った母熊を守ろうと懸命に威嚇する子熊のように顔をこわばらせながら、白髪の女性を睨んでいました。
「大丈夫ですよ、リュウくん。この方は敵じゃありません。だから落ち着いてください」
私は敵意を向けるリュウくんを宥めようとしました。
リュウくんはその生い立ちゆえに、あまり人に馴れていません。私たちといる時は無邪気な子どものようですが、そこに他人が入り込むと途端に警戒心が強くなってしまうみたいです。現状を打破するにはリュウくん自身の意識改善が必要ですが、こればかりは経験を積んでいくしかないと思います。
みんながみんな、リュウくんやリュウくんの大切なものを奪うような人間ではないと、リュウくん自らの手で気づかないと、たぶん一生このままです。セツナさんもそのきらいがありますが、二人にもいろんな人と仲良くしてもらいたいと、私は思っています。
「……ごめんなさい」
リュウくんはぺこっと白髪の女性にお辞儀して謝りました。
ふと私は、こういう時素直なリュウくんは今のように謝ることができるけど、セツナさんだったら敵意は解いても謝らずに無視しそうだと、その情景を思い浮かべました。
セツナさんは、みんなともまだ少し壁があると感じています。もちろん加入当初よりは打ち解けられました。けど、何かこう妙な距離があると言いますか……カズハも仲良くなりたいとぼやいていましたし、今度何か親交を深める計画を立てるべきかもしれませんね。
「いい、いい。殺気を浴びるのは慣れとる。……そういや、よく見たらお前たちは人間か」
「はい、そうですけど……」
「珍しいね、人間のお客さんとは。ここには観光にでも来たんかい?」
「いえ、観光客ではなくて、一応冒険者をしてまして……」
「ほう、冒険者だったか。そんな可愛いなりして魔物を狩るとは、人間は面白いねぇ」
「おいおい、そんなひ弱な身体じゃ命がいくつあっても足りないだろ?!」
さっきまで床に座っていた強面の男性は足音を立ててこちらに近づいてきたかと思うと、ペタペタと私とリュウくんの身体に触れてきました。そしてその瞬間、耳をつんざくような怒号が店内を駆け巡りました。
「ゴラァァ!ベアドル!女子どもの身体をいきなり触るとは、何事かぁぁぁ!」
耳を塞ぐ間もなく放たれた怒声に、私とリュウくんはピンと背筋を張ったままとなってしまいました。
「な、なんだよいきなり。大声なんか出してさ」
強面の男性も直接あの怒号を喰らったはずなのに、なぜかぴんぴんしています。
「お前は今後一週間トイレと風呂の掃除をしな。じゃなきゃ、夕飯は抜きだからね」
「えええ!俺別になんもしてねぇって」
「黙りな。これ以上喋ればどうなるか、分かってるね?」
「…………」
強面の男性は口もとを片手で押さえ、しゃべらないアピールを白髪の女性にしました。
「ふぅ。すまないね、お前たち。本人に悪気はないんだが、あのバカ孫はタチの悪いほどにバカなんでね」
「えと……びっくりはしましたけど、大丈夫です」
「そう言ってもらえると助かるね。人間のわりに話が通じるじゃないか」
「あの、先ほどから気になっていたんですけど、亜人と人間はその……やっぱり仲良くはないんですか?」
昔から亜人と人間はお互いを相容れない存在だと認識していて、それは人間側が一方的に亜人を迫害したためである、というのが世界的な共通認識だったと思います。大帝国グランドベゼルと亜人国家レグルスが国交を結んでからは、そのわだかまりも改善されつつあるとの話でしたけど……。
「そうさねぇ。迫害され続けた側の私たちが、気の遠くなるほどに長い間迫害してきたくそったれどもの手を簡単に取るなんてこと、普通あると思うかい?今更どの面下げてっつう話だ。正直、夢物語としかいえないねぇ」
やっぱり、この迫害問題はそう単純に解消できるものなわけがないんですね……。
「人間を本格的に受け入れ始めると先代の叡王が言い出した時には、正気を疑ったさ。当時は各地での暴動も凄くてね。中でも叡王暗殺事件なんてのはかなり話題になったもんさ」
「……そんで俺の親は、その余波であっけなく死んじまった」
「え……」
私はいきなり飛び込んできた『死』という言葉に顔をこわばらせました。
「汚ねぇ金持ちどもの間で亜人を剥製にしてコレクションするってのが流行ったらしくてな。それでこの街でも大騒ぎになって、当時守護叡団の一員だった俺のおやじとおふくろは、その騒動の鎮圧中にとある被害者家族に刺されちまった」
「「……!」」
私とリュウくんはその残酷で衝撃的な言葉に息を飲みました。
「ダチと出かけてた俺はたまたまその現場を見ちまってな。怒りに支配された俺はそいつに飛びかかろうとしたさ。だがその瞬間、俺の親を殺した男は泣き叫びながらその場にうずくまったんだよ。『どうして彼女は帰って来ないんだ!』ってな。それを見たらなんか、怒りがどんどん薄れていった。子どもながらに、ああこいつも被害者なのかって悟ったよ。そんでその時から、あの男の悲痛な嘆きも、涙で顔を濡らす姿も、地面に何度も拳を叩きつける様も、未だに嫌なくらいに強くこびりついてるぜ」
「「…………」」
「おいおい、そう暗くなることはねぇよ。もう終わった話だからな」
少しだけ哀愁の漂う雰囲気を見せる強面の男性。私とリュウくんは、そう彼に言われても容易く受け流すことはできずにいました。
「ベアドル。この子らに茶菓子でも出しな」
「お、おう」
白髪の女性に促され、強面の男性は店の奥へと向かいその姿が見えなくなりました。
「……そういや、お前たちの名前を聞いてなかったね。私はべアリーナ。あの武骨な男は私の孫でベアドルだ」
「あ、初めまして。私はノアズアークというパーティに所属している、冒険者のエルです」
べアリーナさんが差し出した手に私も応えました。その手は、指先や手のひらに何かの粉末がついており、全体的にひどく荒れていました。
この手はスザンヌさんと同じ、本気で薬に向き合っている方です……!この人は優秀な薬師に違いありません。
私はこの時密かにこの方に尊敬の念を抱きました。
「ぼくは、リュウ」
「エルにリュウか。……お前たちみたいにいい人間ばかりだと、この世界も幾分か楽なんだろうね」
「……あの、最近亜人の子どもが行方不明になっているという話を耳にしたんですけど……」
「よく知ってるじゃないか。やはりお前たちはいい奴らみたいだな。まあなんだ、どうせまた人間どもの仕業だろうとみんな噂している。これ以上、同胞が金持ちの道楽の犠牲になるのは看過したくはないが、あいにくと私ゃただの薬師なんでね。守護叡団に頑張ってもらうしかないんだ。ほんと、口惜しいことにね」
べアリーナさんは、さきほどよりも少しトーンを落として話しました。握る拳にはかなりの力が入っているように見えます。
「だから俺が解決してくるって言っただろ、ばあちゃん。俺のこの屈強な身体なら誘拐事件の一つや二つくらいどうってことーーー」
「この、バカだれが!」
意気揚々と茶菓子を持ってきてくれたベアドルさんの脇腹に、べアリーナさんの重い拳が入りました。
「イッッッテェェ!」
ベアドルさんは小さなカゴに入れられた茶菓子を放り投げ、脇腹を両手で押さえてしゃがみ込んでしまいました。放られた茶菓子があちこちに飛び散って床に落ちるかと思いきや、べアリーナさんが機敏に身体を動かして、茶菓子をひとつも落とすことなくカゴに収めました。
「ほんっとにバカだね、お前は。あの守護叡団が手をこまねいている相手を、お前なんかが捕まえられるわけがなかろう」
「うぅ……ごめん、調子乗った」
「わかればいい。……さ、エル、リュウ。この茶菓子にはここで作った特別な薬草が使われているんだが、この菓子には心を落ち着かせてくれる作用がある。食べてみるといい」
私はべアリーナさんから色とりどりの茶菓子がたくさん入ったカゴを受け取り、リュウくんと一緒に中を眺めました。クッキーのようなお菓子がいくつも入っており、そこにはかわいいクマの絵柄がついていました。私とリュウくんはそれをひとつとって、口の前まで運びました。
「食べるのが少しもったいないですね」
「クマ、かわいい……」
「はははっ。実はこれはベアドルが作ったやつでな。あいつはあの見た目からは想像しにくいかもしれないが、かわいいものに目がないんだよ」
「あ!ばあちゃん!なんでそのこと言うんだよ!恥ずかしいだろ!」
ベアドルさんは顔を真っ赤にして声を荒げました。
「いいじゃないか。ただでさえお前は見た目がいかついんだ。そういう可愛らしい秘密でも明かさないと、誰も寄りつかないぞ。うちの商売も上がったりさ」
「それ絶対関係ないだろ!可愛いものが好きとかバレたら、俺が舐められちまうってのに……」
「……!とってもおいしいです、このクッキー」
「あまい!……チョコ、入ってるの?」
二人の言葉のぶつかりあいが続く中、私とリュウくんはぺろっと手に持っていたクッキーを食べました。
「お、おう。なんだ、チョコ好きなのか?」
リュウくんのあどけない言動に、ベアドルさんは口喧嘩をやめてリュウくんの方へと身体を向けました。
「うん!」
リュウくんはにこーっ、と笑顔を咲かせました。
「え、かわ……んんっ。そ、そうか。それならもっといいもん作ってやろう。こっちに来な」
ベアドルさんは椅子に座ったリュウくんに目線を合わせるようにして膝立し、軽々とリュウくんを持ち上げました。そして立ち上がって、リュウくんに肩車をしました。
「高い……!」
「ふふん。俺のこの巨体はこういうことにも役にたっちまうんだよなー」
そう言いながらベアドルさんはドアを開けてリュウくんと共に外に出て行こうとしますが……。
「ベアドル。ドア」
「え?」
べアリーナさんの忠告にベアドルさんは扉を注意深く見ました。
「あ……」
何かに気づいたベアドルさんはリュウくんを抱っこした状態にしてからドアを開け、少し屈むようにして外に出ました。
「まったく……ドアの高さはあのバカが直立で通れもしないほどだというのに、肩車なんかしたらなおさら無理に決まっとる。どうしてこんなにも頭が悪いのやら……エルもそう思うだろう?」
「あはは……そう、かもしれないですね」
べアリーナさんは呆れたような目でベアドルさんたちが出て行った扉に視線を向けていました。
「行ってしまいましたね……」
「うん……」
降車地点に残された私とリュウくん。ついさっきまではカズハとセツナさんがいましたが、カズハが嫌そうな顔をしたセツナさんを引っ張ってどこかに連れて行ってしまいました。
……っ!つまり今、リュウくんを守ってあげられるのは私だけということに……。より一層気を引き締めないと。今は私が年長者なんですから。
「このままここにいるのもなんですし、どこかに行ってみましょうか」
「うん!」
リュウくんは元気よく返事をしてくれました。
「では、さきほど御者の方が言っていたふれあいパークに行ってみるのはどうでしょうか?」
「行ってみたい、けど…….」
「けど?」
「先に薬屋に行きたい」
「く、薬屋ですか?!」
「うん」
どこか調子が悪いのでしょうか……。とても心配です。
「具合が悪いのなら私がすぐに診ますよ」
まだまだひよっことはいえ、病や薬について勉強している身なんですから、こういう時に役立てないと意味がありません。
「だいじょうぶ。ぼく、元気だよ」
リュウくんは普段通りな面持ちで答えました。
見ただけではありますが、たしかに血色や顔色が悪いようには見えないですね。
「そっか……でも本当に先にふれあいパークに行かなくてもいいんですか?私としては薬屋に行けるのはとても嬉しいことですけど、リュウくんが暇になる可能性が……」
「ひまなんかじゃないよ?知らない薬がいっぱいあって、おもしろいって、エルお姉ちゃんが言ってたから……」
「た、たしかにそうは言いましたけど、それはあくまで私にとってという意味でリュウくんが面白いと思ってくれるかどうかは別なんです」
「……?ぼくには難しいことわからないけど、行ってみないとわからない、から……」
……ここまで折れてくれているのに、私がこのまま突っぱね続けるのは、リュウくんに失礼ですね。
「わかりました。薬屋での用事をすぐに終わらせてふれあいパークに行きましょう」
「うん!」
私はリュウくんの左手をしっかりと握り、お互いがはぐれないように歩き始めました。
「それにしても、森と一体化するかのように街が組み込まれているというのは、なんだか慣れないですね」
道路は多少の凸凹はあるものの、ほどよく整備されており、森の中とはいえ歩きづらさはさほど感じません。道路の端は緑が生茂り、図鑑に収録されていた薬草もちらほらと見られます。
まだ私たちはスターライトの入り口付近にいますが、この辺りは材木や枝葉を利用したお店が多く並んでいるようです。お店が森に溶け込んでいる感じがして、この街の住人がとても自然を愛していることがうかがえます。
「うん……すごく、落ち着く……」
「ですね」
お店が並ぶこの通りはいろんな人で賑わっているけれど、不思議と心が安らぎます。風に揺れる葉音や木々の間からの木漏れ日がそうさせているのかもしれません。いずれにせよ、御者さんがここをいい街だと表現したことに全く間違いはありませんでした。
「あ。あそこ、小さいですけど、薬草畑がありますね」
私たちが歩いている先の左手に、色とりどりの薬草が咲き並んでいます。もう少し近くに行ってみないとどんな薬草かはまだ分かりませんが、おそらくは近くに薬屋もあるに違いありません。
「きれい……」
「行ってみましょうか」
少しして、例の薬草畑の前へと来た私たちは、畑の前にしゃがんでじっくりと植えられた薬草たちを観察していました。リュウくんも興味津々といった感じで眺めています。
「これは……私も見たことがない薬草です」
「エルお姉ちゃんも、知らない薬草なの?」
「はい。おそらくは図鑑にも載っていませんでした。ケモノソウとうり二つではあるんですけど……一体これはどんな薬草なんでしょう……」
これらの薬草は確かにケモノソウとよく似てますが、色が全然違います。それも複数……。触りたいのは山々ですが、さすがに勝手に触れるのはよくありませんから、触れてもいいかお願いしてみようかな……。
「なんだ、お前ら!薬草泥棒か?!」
横から突然、低い怒声が聞こえてきました。私とリュウくんは身体をビクッとさせ、声のする方へと顔を向けます。
そこにいたのは、傷だらけの顔をした男性でした。頭には焦茶色の丸い耳が二つついており、その片耳にもくっきりと傷痕が残っています。
「あ、えっと……」
強面な男性の鋭い睨みに、私もリュウくんもうまく話すことができず、顔が青ざめてしまいました。
「って、なんだよ。ただのガキか。心配して損したぜ……ん?おいおい、よく見たら顔色が悪いな。うちでちょっと休んできな」
今さっきまで鋭い眼光を浴びせてきたはずの大きな体躯の男性は、私とリュウくんをひょいっと持ち上げて、両脇に抱えたまま彼のお店と思われる建物へと歩き出しました。
私とリュウくんはお互いに目が点の状態で見つめ合い、暴れることもなく彼に運ばれるがまま大人しくしていました。
「ばあちゃん。ちょっとこの子たち診てくれよ。なんか顔色悪そうでさ」
私たちを荷物のように抱えて運んだ強面の男性が中に入ると、商品を陳列している最中の高齢な白髪の女性がいました。
「なんだいやぶからぼうに……って」
強面の彼と同じく、焦茶色の丸い耳をつけた白髪の女性は、彼を見てすぐに作業を中断してズカズカとこちらにやってきました。
「ベアドル、ちょっとそこに座んな」
「お、おう」
ベアドルと呼ばれた強面の男性は、私たちを近くの木製の椅子に座らせて白髪の女性の前に正座しました。
私とリュウくんは再びお互いに見つめ合った後、強面の男性と白髪の女性の方へと目を向けました。すると、白髪の女性が正座する彼の丸い耳を思いっきり引っ張り上げました。
「こんのっ、バカタレが!」
「イテテテテテッ!」
「何度言ったら分かるんだい、お前は!病人を運ぶってのに、両脇に抱えるやつがあるか!」
「イテテ、イタイ、イタイってばあちゃん。離してくれよっ……」
顔が青ざめるほどに怖かったはずの彼は、現在は涙目で、白髪の女性に叱られています。白髪の女性は、しょうがないといった面持ちで手を離しました。解放された強面の男性は赤くなった耳をなでています。
「ったくもう。耳がちぎれるかと思った」
「私の話を聞かない耳なんて、とっちまっても一緒だよ」
呆れたような目で彼を見下ろす白髪の女性。
「ひでぇよ、ばあちゃん。唯一の肉親だってのに、こんな仕打ちはあんまりだぜ……」
「私ゃ自分にも身内にも甘くはないんだよ。この店を継ぐってんなら、もっと根性見せな!」
「わ、わかったよ、ばあちゃん……」
しょぼんと落ち込んでいる強面の男性。そしてその男性の横を過ぎ去って、白髪の女性がこちらにやってきました。
「どれどれ……」
白髪の女性は腰を屈めてまじまじと、真剣な表情で私たちの顔を見始めました。
「なんだい。顔色なんて全く悪くないじゃないか」
「え、そんなはずは……」
まだ耳をちょこちょこ触っている強面の男性が驚いたようにこちらを振り向きました。
「まったく。どうせまたお前が必要以上に威圧しすぎただけだろう?これで何度目になるか、もう数え切れんよ」
「そんな……」
頭をガクッとさせて落ち込んだ様子の強面の男性。
なんだか、少しかわいいかも……。
「ふふ……あ、す、すみません……!」
彼のギャップに思わず笑みがこぼれてしまった私は、顔を赤くしながら頭を下げました。
「はっはっは。随分とかわいいお嬢さんが来たもんだね。隣の子は弟かい?」
「いえいえいえ。こんなに綺麗な子が私なんかの弟のはずはありません。ですが、私の大切な仲間です!」
私はリュウくんの手をギュッと握りました。
「そうかいそうかい。いい信頼関係を築けているようだね」
「え、と……」
「そんなに威嚇せんでもよいぞ、少年。お前たちに何かするつもりはない。もし手を出す気ならとっくの昔にやっとるわ」
リュウくんの方に目を向けると、まるで弱った母熊を守ろうと懸命に威嚇する子熊のように顔をこわばらせながら、白髪の女性を睨んでいました。
「大丈夫ですよ、リュウくん。この方は敵じゃありません。だから落ち着いてください」
私は敵意を向けるリュウくんを宥めようとしました。
リュウくんはその生い立ちゆえに、あまり人に馴れていません。私たちといる時は無邪気な子どものようですが、そこに他人が入り込むと途端に警戒心が強くなってしまうみたいです。現状を打破するにはリュウくん自身の意識改善が必要ですが、こればかりは経験を積んでいくしかないと思います。
みんながみんな、リュウくんやリュウくんの大切なものを奪うような人間ではないと、リュウくん自らの手で気づかないと、たぶん一生このままです。セツナさんもそのきらいがありますが、二人にもいろんな人と仲良くしてもらいたいと、私は思っています。
「……ごめんなさい」
リュウくんはぺこっと白髪の女性にお辞儀して謝りました。
ふと私は、こういう時素直なリュウくんは今のように謝ることができるけど、セツナさんだったら敵意は解いても謝らずに無視しそうだと、その情景を思い浮かべました。
セツナさんは、みんなともまだ少し壁があると感じています。もちろん加入当初よりは打ち解けられました。けど、何かこう妙な距離があると言いますか……カズハも仲良くなりたいとぼやいていましたし、今度何か親交を深める計画を立てるべきかもしれませんね。
「いい、いい。殺気を浴びるのは慣れとる。……そういや、よく見たらお前たちは人間か」
「はい、そうですけど……」
「珍しいね、人間のお客さんとは。ここには観光にでも来たんかい?」
「いえ、観光客ではなくて、一応冒険者をしてまして……」
「ほう、冒険者だったか。そんな可愛いなりして魔物を狩るとは、人間は面白いねぇ」
「おいおい、そんなひ弱な身体じゃ命がいくつあっても足りないだろ?!」
さっきまで床に座っていた強面の男性は足音を立ててこちらに近づいてきたかと思うと、ペタペタと私とリュウくんの身体に触れてきました。そしてその瞬間、耳をつんざくような怒号が店内を駆け巡りました。
「ゴラァァ!ベアドル!女子どもの身体をいきなり触るとは、何事かぁぁぁ!」
耳を塞ぐ間もなく放たれた怒声に、私とリュウくんはピンと背筋を張ったままとなってしまいました。
「な、なんだよいきなり。大声なんか出してさ」
強面の男性も直接あの怒号を喰らったはずなのに、なぜかぴんぴんしています。
「お前は今後一週間トイレと風呂の掃除をしな。じゃなきゃ、夕飯は抜きだからね」
「えええ!俺別になんもしてねぇって」
「黙りな。これ以上喋ればどうなるか、分かってるね?」
「…………」
強面の男性は口もとを片手で押さえ、しゃべらないアピールを白髪の女性にしました。
「ふぅ。すまないね、お前たち。本人に悪気はないんだが、あのバカ孫はタチの悪いほどにバカなんでね」
「えと……びっくりはしましたけど、大丈夫です」
「そう言ってもらえると助かるね。人間のわりに話が通じるじゃないか」
「あの、先ほどから気になっていたんですけど、亜人と人間はその……やっぱり仲良くはないんですか?」
昔から亜人と人間はお互いを相容れない存在だと認識していて、それは人間側が一方的に亜人を迫害したためである、というのが世界的な共通認識だったと思います。大帝国グランドベゼルと亜人国家レグルスが国交を結んでからは、そのわだかまりも改善されつつあるとの話でしたけど……。
「そうさねぇ。迫害され続けた側の私たちが、気の遠くなるほどに長い間迫害してきたくそったれどもの手を簡単に取るなんてこと、普通あると思うかい?今更どの面下げてっつう話だ。正直、夢物語としかいえないねぇ」
やっぱり、この迫害問題はそう単純に解消できるものなわけがないんですね……。
「人間を本格的に受け入れ始めると先代の叡王が言い出した時には、正気を疑ったさ。当時は各地での暴動も凄くてね。中でも叡王暗殺事件なんてのはかなり話題になったもんさ」
「……そんで俺の親は、その余波であっけなく死んじまった」
「え……」
私はいきなり飛び込んできた『死』という言葉に顔をこわばらせました。
「汚ねぇ金持ちどもの間で亜人を剥製にしてコレクションするってのが流行ったらしくてな。それでこの街でも大騒ぎになって、当時守護叡団の一員だった俺のおやじとおふくろは、その騒動の鎮圧中にとある被害者家族に刺されちまった」
「「……!」」
私とリュウくんはその残酷で衝撃的な言葉に息を飲みました。
「ダチと出かけてた俺はたまたまその現場を見ちまってな。怒りに支配された俺はそいつに飛びかかろうとしたさ。だがその瞬間、俺の親を殺した男は泣き叫びながらその場にうずくまったんだよ。『どうして彼女は帰って来ないんだ!』ってな。それを見たらなんか、怒りがどんどん薄れていった。子どもながらに、ああこいつも被害者なのかって悟ったよ。そんでその時から、あの男の悲痛な嘆きも、涙で顔を濡らす姿も、地面に何度も拳を叩きつける様も、未だに嫌なくらいに強くこびりついてるぜ」
「「…………」」
「おいおい、そう暗くなることはねぇよ。もう終わった話だからな」
少しだけ哀愁の漂う雰囲気を見せる強面の男性。私とリュウくんは、そう彼に言われても容易く受け流すことはできずにいました。
「ベアドル。この子らに茶菓子でも出しな」
「お、おう」
白髪の女性に促され、強面の男性は店の奥へと向かいその姿が見えなくなりました。
「……そういや、お前たちの名前を聞いてなかったね。私はべアリーナ。あの武骨な男は私の孫でベアドルだ」
「あ、初めまして。私はノアズアークというパーティに所属している、冒険者のエルです」
べアリーナさんが差し出した手に私も応えました。その手は、指先や手のひらに何かの粉末がついており、全体的にひどく荒れていました。
この手はスザンヌさんと同じ、本気で薬に向き合っている方です……!この人は優秀な薬師に違いありません。
私はこの時密かにこの方に尊敬の念を抱きました。
「ぼくは、リュウ」
「エルにリュウか。……お前たちみたいにいい人間ばかりだと、この世界も幾分か楽なんだろうね」
「……あの、最近亜人の子どもが行方不明になっているという話を耳にしたんですけど……」
「よく知ってるじゃないか。やはりお前たちはいい奴らみたいだな。まあなんだ、どうせまた人間どもの仕業だろうとみんな噂している。これ以上、同胞が金持ちの道楽の犠牲になるのは看過したくはないが、あいにくと私ゃただの薬師なんでね。守護叡団に頑張ってもらうしかないんだ。ほんと、口惜しいことにね」
べアリーナさんは、さきほどよりも少しトーンを落として話しました。握る拳にはかなりの力が入っているように見えます。
「だから俺が解決してくるって言っただろ、ばあちゃん。俺のこの屈強な身体なら誘拐事件の一つや二つくらいどうってことーーー」
「この、バカだれが!」
意気揚々と茶菓子を持ってきてくれたベアドルさんの脇腹に、べアリーナさんの重い拳が入りました。
「イッッッテェェ!」
ベアドルさんは小さなカゴに入れられた茶菓子を放り投げ、脇腹を両手で押さえてしゃがみ込んでしまいました。放られた茶菓子があちこちに飛び散って床に落ちるかと思いきや、べアリーナさんが機敏に身体を動かして、茶菓子をひとつも落とすことなくカゴに収めました。
「ほんっとにバカだね、お前は。あの守護叡団が手をこまねいている相手を、お前なんかが捕まえられるわけがなかろう」
「うぅ……ごめん、調子乗った」
「わかればいい。……さ、エル、リュウ。この茶菓子にはここで作った特別な薬草が使われているんだが、この菓子には心を落ち着かせてくれる作用がある。食べてみるといい」
私はべアリーナさんから色とりどりの茶菓子がたくさん入ったカゴを受け取り、リュウくんと一緒に中を眺めました。クッキーのようなお菓子がいくつも入っており、そこにはかわいいクマの絵柄がついていました。私とリュウくんはそれをひとつとって、口の前まで運びました。
「食べるのが少しもったいないですね」
「クマ、かわいい……」
「はははっ。実はこれはベアドルが作ったやつでな。あいつはあの見た目からは想像しにくいかもしれないが、かわいいものに目がないんだよ」
「あ!ばあちゃん!なんでそのこと言うんだよ!恥ずかしいだろ!」
ベアドルさんは顔を真っ赤にして声を荒げました。
「いいじゃないか。ただでさえお前は見た目がいかついんだ。そういう可愛らしい秘密でも明かさないと、誰も寄りつかないぞ。うちの商売も上がったりさ」
「それ絶対関係ないだろ!可愛いものが好きとかバレたら、俺が舐められちまうってのに……」
「……!とってもおいしいです、このクッキー」
「あまい!……チョコ、入ってるの?」
二人の言葉のぶつかりあいが続く中、私とリュウくんはぺろっと手に持っていたクッキーを食べました。
「お、おう。なんだ、チョコ好きなのか?」
リュウくんのあどけない言動に、ベアドルさんは口喧嘩をやめてリュウくんの方へと身体を向けました。
「うん!」
リュウくんはにこーっ、と笑顔を咲かせました。
「え、かわ……んんっ。そ、そうか。それならもっといいもん作ってやろう。こっちに来な」
ベアドルさんは椅子に座ったリュウくんに目線を合わせるようにして膝立し、軽々とリュウくんを持ち上げました。そして立ち上がって、リュウくんに肩車をしました。
「高い……!」
「ふふん。俺のこの巨体はこういうことにも役にたっちまうんだよなー」
そう言いながらベアドルさんはドアを開けてリュウくんと共に外に出て行こうとしますが……。
「ベアドル。ドア」
「え?」
べアリーナさんの忠告にベアドルさんは扉を注意深く見ました。
「あ……」
何かに気づいたベアドルさんはリュウくんを抱っこした状態にしてからドアを開け、少し屈むようにして外に出ました。
「まったく……ドアの高さはあのバカが直立で通れもしないほどだというのに、肩車なんかしたらなおさら無理に決まっとる。どうしてこんなにも頭が悪いのやら……エルもそう思うだろう?」
「あはは……そう、かもしれないですね」
べアリーナさんは呆れたような目でベアドルさんたちが出て行った扉に視線を向けていました。
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